アニメ「昭和元禄落語心中」2期 12話最終回感想!
本編ネタバレありなので未視聴の方はご注意ください!!
結論:松田さん生きてて良かったぁ!
舞台は17年後の世界!
八雲が死んで17年。
時代は移り変わり、スカイツリーやスマホが登場するなど舞台は現代に!そして季節は再び春。桜舞うなか、落語の世界にも新たな風が生まれたようで・・・。
立派な青年となった信之助(CV:小野友樹)
魔性のショタからイケメン眼鏡(黒縁)にイメチェンした。
活発だった子供時代とはうって変わり、落ち着いた性格となっている。八雲の落語に心酔しているせいか、普段から敬語口調になるなど、話し方にまで八雲の影響が出ている。だが謝る時は「さーせん」。八雲と三代目・助六。両方の落語のセンスを受け継いでいるのか史上初の10人抜きで二つ目となり、周囲からは天才と言われている。ちなみに二つ目の名は「菊比古」。
妹とも仲が良い・・・
というか、高校の制服を見せびらかしにきた妹に対し
世界一可愛い(真顔)
との反応。
完全にシスコン。
小雪(CV:朝井彩加)
与太郎と小夏の娘で、信之助の妹。信之助のことは「兄ぃ」と呼ぶ。
高校の入学式を終えたばかりのJKで外見は小夏そっくりだが、性格は天真爛漫で快活そのもの。愛嬌たっぷりで人懐っこい雰囲気は、父親や2代目助六の血が色濃く出ているのかもしれない。八雲の落語は難しすぎて理解できないらしく、父親の落語が世界一好きで、話すよりも聞く方が好きだという。樋口とも仲がいいようだ。
9代目八雲を受け継いだ与太郎!
八雲の17回忌。
その年に、三代目助六から、この度9代目・八雲の名を襲名することになった与太郎!与太郎から助六。そして助六から八雲になるとは・・・!両方の名を継ぐとか凄いな!?
だが、助六が八雲を継ぐ・・・
それは二代目助六の夢であり、菊比古が願っていたことでもある。彼が9代目八雲を名乗る事が、2人の一番の供養になるのかもしれない。
今日で助六が廃業となる9代目八雲から、あの助六の扇子を渡される信之助。やがて彼も、助六と八雲。2つの名を継ぐことになるのだろうか・・・。
生まれ変わった寄席
方々の寄付や落語を愛する人たちの力で、新しく生まれ変わった寄席!1期の最終回、与太郎が真打となった時にはガラガラだった寄席も、今回は・・・
立見席がでるほどの満員御礼!
燃えてしまった寄席も、きっとあの世で喜んでいることだろう。現在は150名の落語家、若手の人数も増えるなど、落語界はかつての賑わいを取り戻しつつあるようだ。
初の女流落語家となった小夏
噺家として生きることになった小夏。今では八雲のことを「八雲師匠」と呼び、先代の二番弟子として有楽亭小助六を来年には襲名し、初の女流落語家となるという。
若手も性別も東西も垣根なく、様々な生き方を受け入れながら、この寄席は落語と、人と共に生きていくのだろう。
小野友樹さんの『初天神』
「菊比古」となった信之助。
一番手を務める彼の噺は『初天神』。息子をつれ参拝へ向かった父親が、あれやこれやねだる息子に振り回されるという噺。子供役と父親役を演じ分けなければいけない噺だが・・・
子供役を演じている小野友樹さんの雰囲気は、どことなく山寺さんに似ている気がする(気持ち声色も助六に似ているような・・・)。でも、外見や目つきは若い頃の八雲似に思える不思議。
トリは関智一さんの『死神』!
最後のトリを務めるのは、9代目八雲となった与太郎。演目は、先代八雲が得意とした『死神』!これを与太郎が話す日がくるとは・・・。先代八雲の落語を一番聞いていた与太郎だからこそ、今日この日に、やらなければいけない噺なのだろう。だがそんな彼の前に・・・
先代師匠の姿をした『死神』が!
八雲の名と共に、八雲の落語に惚れこんだ死神が憑いてきたのか。それとも、彼の目にも落語の神様の姿が見えるようになったのか・・・?
もしかしたら愛弟子の門出を、八雲師匠なりにあの世から祝いにきただけだったりして・・・?
生き続ける落語
先代八雲は落語共に心中する事ができなかった。与太郎・・・家族という未練のせいで。だが師匠が遺した種は、これからも伸び続ける。健やかに。
戦争を挟んでも、消えることなく生き続けてきた落語。だがこれからも目まぐるしく時代は変わる。しかし、与太郎は落語がなくなるとは微塵も思っていない。何故なら・・・
こんないいもんがなくなるわけねーべ!
八雲を支え続けた松田さん
前回、彼岸でも八雲の送迎をしていた松田さん。まさか最期まで一緒に付き添ってしまったのかと思ったら、なんとご存命だった!!あああ!よかったぁぁぁ!!
松田さんは現在95歳。
再び『八雲師匠』と出会えた喜びを噛み締め、涙をポロポロと零す。
最終回では今まで語られなかった松田さんの過去が明かされる。実は噺家になりたかっという松田さん。14歳の時に入門したものの芽がでず、7代目師匠が拾ってくれたのだという。その後はまだ初太郎だった助六と、坊ちゃんだった八雲・・・若い2人が、かつて自分が目指していた夢を叶えていく姿を見守るのことが生きがいとなっていった。
大切な人を常に見送ってきた、ある意味一番辛い立場にいた人。先週彼が死んでもいないのに八雲の見送り役を担ったのは、一番側にいた人に先立たれる悲しさを、神様が掬い取ってくださったのだろうか。
八雲と秘密を共有し、八雲の、助六の、与太郎の、小夏の・・・全てのキャラの側にい続けた松田さんというキャラクターは、落語心中という作品も支え続けていた人のように思える。だから松田さんが報われたこのラストは、作品が本当の意味でハッピーエンドを迎えたということなのかもしれない。
最後まで残った謎:信之助の本当の父親は誰か?
17年間新作落語を作り続けていた樋口。女性の落語など新しい「落語が生きていく道」を作った影の功労者である彼は、現在もDVD八雲全集の製作など、八雲が生きた証を後世まで遺そうとしていた。
そんな彼が抱いた一つの疑問。
それが信之助の本当の父親は誰かと言う事。
樋口は直感で、信之助の父親は親分さんではなく、本当は養父であった八雲ではないのかと考えていた。(一度養父と養女の関係になると、後に破談(?)しても婚姻関係は結べないらしい)
答えは地獄まで持っていくと笑う小夏。だが、若い時のあの八雲への執着は『恋』だったのではないかと認めている。
愛憎。
というように、憎しみと愛情は背中あわせの感情。
本当のところはわからない。
何故あの時、助六がみよ吉に刺されたのかも。小夏が本当にあの日の出来事を忘れたままなのかも・・・。
今際の死神の歌詞のように、全ては有耶無耶に闇の中・・・。
でも、それでいいのだろう。
最後に!
成長した信之助が八雲に雰囲気が似ているのは、彼の血を引いているからなのか・・・?最終回にまたしても驚きの発言があって、なんだか2期は要所要所で爆弾落とされた感がありました!
そして今回の「雨後のタケノコのように~」というセリフ。EDのラストで竹林があったのは、これからも落語が育ち続けていく未来への暗示と、八代目八雲がその礎となった、という演出だったのかもしれません。人生で一番幸せな日に逝ってしまった八雲ですが、人を愛し情を捨てず、最後の最後まで落語と共に生きた人生を送ることができました。落語と心中ではなく、落語が生きる道と愛する人をちゃんと遺した八雲は、2代目助六との約束をちゃんと果たせたに違いないですね。
一つの時代の終わりとまた新たな始まりを描いた回で、なんというか最終回というよりまだまだ「オレたちの戦いはこれからだ!!」感があるラスト・・・淋しいような、寂しくないような、ちょっと不思議な感覚です。
1期からずーっと見続けてきた作品でしたが、常に芝居に重きを置いていた近年にないアニメで、最後まで見応えがありました!もしチャンスがあれば、次世代の信之助たちの落語・・・小野友樹さんの落語をもっと聞いてみたいですね。
↓1期感想はこちら!