互いを探し求め、夜を彷徨う少女たち・・・前作に続き衝撃のプロローグとなった『深夜廻』。今回は第1章~エンディングまでのおおまかなストーリーと謎の考察、前作との関連部分などをざっくりとまとめていきます!
※ストーリーのラストまでのネタバレあり。クリア済の方推奨。
※PS4版をプレイしてます。
目次
- 第1章以降のストーリー
- 今作の追跡者?コトワリさま
- 最強の守護獣:チャコ
- 建物内ステージが登場!
- 悲しき幽霊たち
- 自分が死んでいることに気付くユイ
- 6章ではまさかのよまわりさん再登場!!
- 8章ではコトワリさまと最終決戦!
- 9章でついにユイと再会!
- ED分岐:バッドエンド
- エンディングへ
- ラスボス戦
- エンディング
- 考察:コトワリさまについて
- ラストについて
- 洞窟内でのハルの発言の謎:過去にユイに助けられた?
- ユイの首吊り自殺の理由について~包帯の謎
- ラスボスについて
- 前作との関連について
- クリア感想:メインシナリオはやはり短め
- 最後に
第1章以降のストーリー
ここからはユイのパートと、ユイを探すハルのパートを交互にプレイすることに。基本ユイパートで行動→ハルのパートでは、ユイの行動やマップの雰囲気を頼りにユイの居場所を割り出して探索する・・・の繰り返しである。探索時、ハルはメニュー画面で地図を開けば現在位置や周囲の状況を把握できるが、ユイは地図を持っていないため位置を知ることができない。またアイテムも共有していないため、ユイが見つけたアイテムをハルが使う、といったことは出来ない。
ここが拠点となるハルの部屋。
今作からは新要素として、走る時間がちょっとだけ長くなる、小石を多く持てる・・・などそれぞれの効果を持つ『おまもり』を選ぶことができるようになった。
街を探索するといたるところにリトルショップオブホラーズみたいなのがいて道路を塞いでいる。前作の道ふさぎと同じ役割のようだ。
ひとり街をさまようユイのパート。
街中に血の跡と、バラバラにされた人体のパーツが散らばっている・・・。
序盤のユイパートは基本、一定以上進むとボスらしきものと遭遇→暗転しハル視点・・・となるので、ボス戦はつねにハルが担当する。
今作の追跡者?コトワリさま
ユイとハル、両方のパートに登場する巨大な裁ちばさみを持った謎の存在で、「首と手足を持つモノの前に現れる」という。どっかのシザーマンばりに無敵を誇る2章以降のボス的存在であり、回避するには人形やロボットなど、とにかく『人型のモノ』をこいつに向かって投げ、身代わりにするしかない。
攻撃パターンは進行方向上にワープ→突進を繰り返すというもの。狭い場所だと場合によってはどうあがいても絶望な状況に陥るので注意が必要。
最強の守護獣:チャコ
プロローグで登場した、ユイのもう1匹の飼い犬であるチャコ。2章以降、ユイを探すハルの目の前に現れては彼女を導き、時に異形たちから助けてくれる超頼もしい存在である。今作では基本動物の後を追いかければメインシナリオが進んでいくのでほぼ迷うことはない。
7章の地下水路エリアでネズミの怪物に何度も襲撃される図。だがピンチのたびにチャコ様が現れては、最強のガーディアンっぷりを見せ付けてくれる。そんなかっこよく助けにきてくれたら惚れてまうやろ・・・。
建物内ステージが登場!
前作では建物の内部には入れなかったが、今作では建物内のエリアが登場!3章では図書館、4章では廃屋が舞台となる。建物内ステージではセーブがお地蔵さん参りから家に電話するというマザー2方式に変更となっているが、内線電話だろうが家電だろうが必ず10円とられる仕様である。世知辛い。
図書館のポスター。
白石監督の『ノロイ』みたいになっとる・・・。
図書館にも登場するコトワリさま。
周囲の展示ケースにコイツを突進させてガラスを割る・・・というギミックになかなか気付けなかった。まさかポスターの謎の土偶推しのフラグをこんな形で回収するとは・・・土偶は犠牲になったのだ・・・。
4章の舞台は、昔火事がおきて一家が亡くなり、幽霊がでるとウワサされている廃屋。その噂通り、館ではあらぶるイスや殺意高すぎるタンスなど家具たちが総出でポルターガイストを起こしまくっているのだが、なぜか階段ではタルが次々に転がってくる。ドンキーコングかよ!!
悲しき幽霊たち
5章で登場するのは、後姿で佇む黒髪の女性の幽霊。何か言いたげな彼女を追って林の中に入っていくとコトワリさまとバトルになるが、コトワリさまの猛攻をしのぎながらバラバラになったロボットの部品を集めるというちょっとした難所が待ち受けている。全部集め終わった一瞬の隙をつかれて死んだ時の絶望はハンパない。
廃電車ステージ以降ではボスと化したお姉さんと対決。前作の田んぼの幽霊を思い出すが、あのトゲトゲ攻撃よりはこちらの方が単純に攻撃をかわして逃げればいいだけなので大分優しい。が・・・
いかないで
ハルを追うように浮かびあがる文字が切ない。頭がぱっくり割れ、頭上からは常に血の雨が降り注いでいるこの幽霊。彼女のそばでは常に電車の踏み切りの音が聞こえていたが、探索時に線路上で轢かれている姿を見かけることから、おそらくは飛び込み自殺した幽霊だったのだろう。
自分が死んでいることに気付くユイ
5章の終わりで、自分を探し続けるハルを見つけたユイ。だが、ハルは目の前にいるユイに気付かない。ここでようやく、ユイは自分がもう死んでいることを自覚する。
背中合わせのふたり。
チャコにだけはユイの姿が見えているようだ。
自分がなぜ死んだのか思い出せないユイは、ハルに手紙を残し、再びあの裏山へと足を運ぶ。だがこの時、ユイはいくつか意味深な発言をしている。
「なんでクロは・・・」
「わたしは、なんだっけ・・・?」
あの日ハルをくさむらに隠して山の奥へ進んだ理由も。そしてクロがなぜ死んだのか、そのワケも思い出せないらしい・・・。ユイが去ったあとは視点が切り替わり、ハルのパートとなる。
6章ではまさかのよまわりさん再登場!!
ユイの手紙に気付いたハル。
だがそんな彼女の元に・・・
!!
お、おまえはよまわりさん!!
よまわりさんじゃないかぁぁぁぁ!!
なんとここで前作のキーキャラクター登場!最後まで正体が謎だったあの『よまわりさん』がまさかの続投である。前作と同様、あの工場エリアまでハルをかっさらい、ひっくりかえったグロテスクな姿へと変貌。地獄の追いかけっこが再びはじまる。
前作バージョンの『道ふさぎ』も再び登場。ちなみにここにいる道ふさぎ、範囲判定がシビアなのか十分に距離をとっておかないと、ちょっと近づいただけで割りと死ぬので注意。
工場エリアを脱出するとなぞの黒い目玉オバケに追われる。逃げ続けると、ムカデが1匹、どこかで見た事があるような神社に入っていく・・・。コイツはもしかして、前作の商店街エリアにいたあの・・・!?
そしてここでマップを確認すると、ハルたちが住んでいる町の隣町が、前作の夜廻の舞台であったことが明らかになる。
このあとはチャコ様のお導きに従い、さっきのユイの手紙がある場所まで戻るとイベント発生。ついにハルも、ユイがもう死んでいて幽霊だということを知る。だがこの日の日記には「オバケでもいい。ユイに会いたい」と書いてあり、まだユイをあきらめきれていない心情が伺える。
8章ではコトワリさまと最終決戦!
7章でネズミだらけの地下水路を通り抜け、裏山に続くルートへやってきたハル。だが道中で再びコトワリさまの強襲を受ける。凶刃がチャコに迫るも・・・
「もうこわくない」
「あなたなんか、こわくない」
「私はユイに、あいにいくんだ!」
全力でチャコを護り、たったひとりでコトワリさまと対峙するハル。気弱だった少女も、これまでの冒険でこんなに強く・・・!
神社にて決戦となるが、クリアの条件は「境内のゴミ拾い」である。掃除してるのに全力で邪魔しにくるコトワリさまェ・・・。
9章でついにユイと再会!
コトワリさまとの戦いを終え、ようやくユイと再会するハル。だが・・・
淋しさからか怨霊と化してしまったユイ。だが何度も攻撃を繰り返したあと、バケモノの姿からユイに戻る瞬間がある。友だちを助けるために、あきらめずに何度も話しかけるハル。3回話しかけると「チャコをよろしくね」と言い残し、ユイの姿は消えてしまう・・・。
ユイの形見のリボンを握り締め、物語が始まった最初の場所・・・裏山の頂上へ向かうことに。冒頭でユイが作ったクロのお墓にいくと、ユイの手紙を読むことができる。そこには、彼女の父親がいなくなってから母親がおかしくなってしまったこと。クロを失い、心の拠り所にしていたハルまでもが自分のそばからいなくなることで、もう耐えられなくなってしまった・・・というユイの心境が綴られている。
遺言の最後の言葉は、
「もうなにもほしくない」。
これが、ユイが自殺した理由だった・・・
ハルの日記には「わたしのせいだ」と自分を責める言葉が。そのまわりは「いやだ」という文字で真っ黒に塗りつぶされている・・・。
ED分岐:バッドエンド
先へ進むと、一番最初にユイを操作した時と全く同じチュートリアルを操作することになる。まるでユイが死ぬまでの行動をなぞるように・・・。石を投げ、道を進み、台を運び・・・そしてあの木の前までやってきたハル。遠くでチャコの鳴く声が聞こえる・・・。
──ずっと一緒ってやくそくしたよね?
エンディングへ
・・・と、
最後までユイと同じ行動をするとバッドエンドまっしぐらとなる今作。ちなみにこの首吊りエンド後は暗転→タイトル画面に戻るだけ。BGMもなく、物凄い淋しい終わり方をすることになる。
回避したければ、チャコの声がする場所・・・来た道を引き返すしかないが、戻ろうとすると「先に進んでください」というメッセージがでる。ひたすら無視していると・・・
先に進んでください。
進んでください。
すすんでください。
引き返さないでください。
先に進んでください。
さきにすすんでください。
おいでおいでおいでおいで
うん ▶もういやだ
もういやだ、を選ぶとコトワリさまが出現。謎の声からハルを助け、洞窟への入り口を開けてくれる。なぜ自分を助けるのか?ハルの問いに答えることなく、『赤いタチバサミ』を残して姿を消すコトワリさま・・・。それにしてもこのアイテム、説明欄がこのうえなく不吉。
赤い蜘蛛の巣をコトワリさまのハサミで断ち切りながら洞窟を進む。時々、過去のユイの幻を視る事があるので、彼女の行動をなぞれば問題ない。
ラスボス戦
洞窟の最奥でユイの姿を発見すると現れる、今回のラスボス。冒頭でメニュー画面でビビらすという悪行をやってのけたヤツである。許すまじ。
前作同様ニンゲンの手や目の集合体となっているが、左手の目が潰れているのが気になる。「一緒にきてあげて」とハルを連れて逝こうとする発言もするが、「いとをきりにオイデ」とクリア条件を教えてくれたりもする。しかし、実際にラスボスの言ったタイミングで動くと高確率で死ぬ。
赤い糸柱を2本切ったところで発動する最終奥義。「走ってニゲロ」とかムチャいうなや。初見殺しもいいところだが、ラスボスの顔の真ん中付近の一列のみが安全地帯となっている。※追記:コメントでもご指摘頂きましたが、このラスボス戦は「糸を切ること」がクリア条件ではあるものの、ラスボスの指示に従うとすぐに死んでしまうので、正確には「ラスボスが言ったことと反対のことをする」を徹底することがクリア条件です。
エンディング
ラスボスを撃退し、ユイの元へ走りよるハル。だが、またもバケモノの姿になってしまった彼女は「一緒にキテアゲテ」という言葉を繰り返す。ハルも赤い糸でがんじがらめになってしまい絶体絶命に。ここで「ひもを切る?」という選択肢が出るが、何度「切る」を選んでもすぐにひもが復活してしまうので、クリアするには一度「やだ」を選ばなければいけない。
左腕に何重にも絡みつく赤い紐・・・これはユイの未練なのか。それともハルの未練なのか。バケモノになってしまったユイに、助けられなかったことをあやまるハル。そして・・・
「おねがい!もうやめて!こんなの・・・」
「もういやだ!」
叫びに呼応するようにあらわれたコトワリさま。血だまりの中にあるのは・・・ハルの、左手だった。
出血のショックで倒れてしまったハルを運ぶユイ。出口にはチャコが迎えにきてくれていた。
てをはなす?
うん やだ
これが、最後の選択肢。
そして──ふたりの物語が終わる。
考察:コトワリさまについて
街に落ちているメモにて「コトワリさま」という名前が明らかになっていること、ちゃんと祀られている神社が存在することから、古くからハルたちの街にいる神様のような存在だと思われる。神社の絵馬の「縁を切りたい」という願掛けの内容から、縁を断ち切る=断りさま、という意味だろうか?
8章でコトワリさまと戦う神社の境内。石畳の形が式神などで使われる「ヒトガタ」の形となっている。「5体を持っている=ヒトの形をしたものを切る」という習性は、人間同士の縁を切るという性質からきているのかも。
もういやだ
メモによれば「もういやだ」という言葉がトリガーとなっているらしいコトワリさま。凶悪な外見だが、後半はハルを助けるような行動をとることから、「もういやだ」と思うほど辛い縁を切ることで人間を助けているだけであり、悪意を持っているわけではないようだ。ゴミだらけだったことから神社をもう管理している人間もいないと思われるが、街では縁切りの噂がささやかれている以上、信仰はずっと残る。コトワリさまはこれからも、夜の街をさまよい続けるのかもしれない。
ラストについて
自殺後、自分が死んだことを忘れ、約束していた最後の花火をハルと一緒に見たユイ。序盤では山の神の声を怖がるハルを護ろうとしていたが、自分が死んだことに気付いた後は、ハルと離れることの淋しさに負けてしまったのか怨霊と化してしまう。その思いは赤い紐=縁となってハルの左手に絡みつき、ハル自身が断ち切ろうとしても、既に人間の力ではどうしようもないレベルにまでなってしまった。
だがハルの「もういやだ」という叫びを聞いて、ハルの左手ごとユイとの「縁」を切ったコトワリさまの力により、ようやくハルへの執着を捨て元の姿に戻ったユイ。
最後、「てをはなす?」という選択を自分でしたことで、本当の意味でハルと「お別れ」をした・・・ということなのだろう。
洞窟内でのハルの発言の謎:過去にユイに助けられた?
※8月28日:追記しました※
最終章の洞窟エリアを進んでいくと、過去のユイの幻を視る。この幻を視たハルは「わたしはここにきたことがあるんだ・・・」と、ハルとユイが以前にもこの場所に来ていたような発言をしているが・・・一体何があったのか?
ユイのメモ:「かみのきれはし」
実はエンディングを見た後でユイの家までいくと『かみのきれはし8』が拾える。街中に落ちているメモの最後の1枚だが、これを読むとこれまでの『かみのきれはし』はユイが書いたものであることがわかる。さらに「ハルの代わりにクロが死んだ」という衝撃的な内容が書かれている。
時系列順に並べると、最初はハルともうすぐお別れしなければいけないことを悲しがっているだけだが、3枚目以降は不穏な内容に変わっていく。以下が時系列順の内容。
3枚目
「どうしよう。どこをさがしてもみつからない」
4枚目
「誰かがうしろをついてくる」
5枚目
「あのよるからなにかが私を呼んでいる気がする」
6枚目
「わたしはどうなってもいい。あのこはぜったいたすけなきゃ!」
7枚目
「さよならさよならさよなら・・・」
8枚目
「ハルの代わりにクロが死んだ。あれから、クロが私を呼んで泣いている。いかなくちゃ」
おそらく8枚目を書いた日が、冒頭のユイが自殺した日だと思われる。上記の内容から察するに、ハルは一度行方不明になっており、ハルを探しにいったユイが山の洞窟へいきハルを助け出すも、身代わりになるような形でクロが死亡。クロに呼ばれるように、ユイも山で自殺した・・・ということだろうか。
最終章で視た、ユイにかつがれて洞窟を抜ける幻・・・。これは過去、ハルを助けたユイの姿なのだろうか?ラストの左手を失ったハルを助けるユイの姿と一緒に見えるが・・・
ユイの首吊り自殺の理由について~包帯の謎
※8月28日:追記しました※
9章での「ゆいごん」によれば、クロが死ぬ前に「さいしょにおとうさんがいなくなって~」とある。「いなくなった」と書いてあることから、父親は病気などで亡くなった・・・というわけでなく、妻子を捨てて蒸発したか家を出た、ということなのだろう(ある日とつぜん行方不明になった、という可能性も一応はあるが)。包帯の謎はゲーム内では明確に触れられなかったが、「おかあさんはヘンになってしまってた」という内容から、恐らくは旦那を失ったストレスでユイに日常的に暴力をふるっていたのだと思われる。また、隣町で拾える「パチンコだま」のアイテム欄には「大人はこれであそぶのが大好きってユイが言ってた」という説明文がある。ユイの父親がパチンコにのめりこんでいる様子が伺えることから、元々ユイの家庭は崩壊寸前だったのかもしれない。(コメントにてご指摘頂いた方、ありがとうございました!)
父親がいなくなり、母親の気が触れ、さらにクロが死に、ハルまでが引越しでいなくなる・・・哀しみに耐え切れなくなった故の自殺にみえるものの、クリア後に拾うことができるユイの「かみのきれはし」を読む限り、山の神に連れて行かれようとしたハルを助けたことで、クロが死亡。さらにクロに呼ばれる形で自殺しているので、山の神によって自殺させられた、といえなくもない。
ラスボスについて
※8月28日:追記しました※
おそらく前作と同じく『山の神さま』だと思われる存在。「カワイソウカワイソウ」「たすけてあげて」「一緒においで」など、死者に同情しているような言葉を繰り返すものの、上述したユイのメモによれば、山に入った人間を呼び寄せ、死へと誘っているような描写がある。さらに、一度自分の下へ呼んだ人間が逃げた場合、身代わりにユイの子犬を連れて逝き、さらにユイ自身まで呼び寄せてからハルを呼びよせるなど、かなり執念深い存在に思える。
山中の掲示板にある「山で聞こえてくる声に返事をしてはいけない」という警告文はこの神様に宛てたものだが、昔から、山は異界でもある。山で死んだ人間が淋しくないように生者を呼び込み続けていたのか、それとも人の『縁』を利用して、人間を異界に迷いこませているだけの邪悪な存在だったのだろうか・・・?
あとどうしても気になるのが左目が潰れていたこと。前作の主人公と同じだが、これは彼女がやったことが何か影響したのか。『左』というのに何か意味があるのかもしれない。
前作との関連について
前作の主人公と会えるサブイベントで、「ムカデがいた神社や商店街は2年ほど前に壊されてしまった」という発言がある。なので、『深夜廻』は前作から2年以上あとの世界、ということは確定のようだ。この前作主人公との対話イベントは何個かあり、ハルが引っ越したあとも「手紙を送るね」と言ってくれたりする。ステキなファンサービスイベントである。
今作ではこういったサブイベントがクリア後のやりこみ要素となるので、前作が好きだった人はクリア後も街を歩き回ってみることをオススメする。きっと色んな発見があるはず。
クリア後にはハルの家にまであがりこんでくるよまわりさん。前作で家を出た瞬間に工場にかっさらわれた恨みは決して忘れない。
クリア感想:メインシナリオはやはり短め
ボリューム自体は前作も少なめでしたが、今作はマップやクリア後の要素(サブイベント)が増えたものの、やはりメインシナリオのボリュームは少なめ。寄り道をしなければ5時間ほどでクリアできるかと思います。
前作は途中でポロの死を受け入れ、最後は左目を犠牲にしながらも姉を取り戻すというラストでしたが、今作は最初から最後までユイの死を受け入れられるか、というのがテーマ。ただ、冒頭でユイが自殺したのは解っていたので、途中でハルが気付いた時もプレイヤーとしてはそこまで驚きもなく、前作にあったような「私がいなくても、夜は来る」といったエンディング後の余韻もなかったので、割とストーリー自体は淡々としていてあっさり終わったという印象でした。
ステージの種類が増えたのにチェックできる場所はあまり増えなかったのが個人的には残念だったかも。もっと・・・探索がしたいです・・・。チャコやネズミの後をついていけばいい、というのもちょっと簡単すぎたのかもしれません。
オバケとの戦い=アクション面では、前作と比べ気持ち初見殺し的なものが減ったような気が。ただ今作はオバケの撃退方法を見つける・・・というよりも、いかに当たり判定を見極めるかの方が大事な気がしました。案外当たっても死なないコトワリさまに比べて、6章の工事現場エリアにいた道ふさぎはホント・・・この辺のバランスはちょっと悪かったかも。
前作をプレイしてないと絶対に遊べない、というわけではないので、雰囲気が気に入れば今作からでも十分に遊べるゲームです。前作が面白かった人にはオススメですが、グラフィックの綺麗さ以外は演出含めて前作と変わらないので、ビックリドッキリ演出に慣れてしまって逆に飽きる、ということはあるかも。前作がつまらなかった~という人にはオススメできないですね。
最後に
まさか左腕ちょん切るラストになろうとは・・・夜廻シリーズのヒロインは必ず身を犠牲にしなければいけないのか・・・。とはいえ、前回はおねえちゃんと引き換えだったのに対し、今回は本当に「お別れをするためだけ」っていうのがなんとも切なかった・・・。
ビックリホラー演出はやはりすぐに慣れてしまって、序盤のマンホールから手!が一番ビビったくらいなので、ホラー的な怖さは今作の方がないかもしれません。ここら辺は個人差ですが・・・。自殺した友人というテーマが重いせいか、田んぼの幽霊のような、どこか切なさを感じさせるエピソードが減った感じもしますね。図書館や洋館ステージはもっとストーリー性があった方がよかったかも。とはいえやりこみ要素が増えた分、前作が好きだった人はプレイしてみていいと思います!まだサブイベがあまりこなせていないので、今後何か気付き次第随時追記予定です。とりあえず、今回はここまで!アイテムコンプ目指して頑張りまっす!
↓前作のクリア考察はこちら!