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【映画】怪盗グルーの月泥棒 あらすじ・感想(ネタバレあり)~吹き替えはまさかの鶴瓶さん!キモカワなミニオンたちとの掛け合いが可愛いすぎ!

怪盗グルーの月泥棒 [DVD]

ハートフル度 ★★★★★
ストーリー ★★★★
結論:隠しきれないイイ人臭。

2010年 アメリカ
原題:Despicable Me
監督:ピエール・コフィン

※ラストのオチのネタバレあり!
※感想だけを読みたい人は目次ですっ飛ばしてください。

目次

あらすじ

日夜嫌がらせに励む卑劣漢・グルー。
郊外の一軒家に住む彼の正体は、怪盗団ミニオンのリーダー!最近ピラミッドを盗んだ悪党が話題をかっさらっている中、グルーは友人のネファリオ博士と部下のミニオンたちと共に、月を盗むという史上最大の犯罪計画を立ち上げる。だが、悪党銀行から資金援助の必須条件だった「ちぢませ光線銃」を入手した矢先、ライバルのベクターに横どりされてしまう。

ハイテク機器満載のビクターの家に手も足も出ず困り果てていたグルーだったが、ベクターがクッキー売りの孤児たち・・・マーゴ、イディス・アグネスを家に招きいれる姿を目撃。すぐさま三姉妹を引き取り彼女たちを利用して、無事ベクターから光線銃を奪い返すことに成功した。

もう用済みのはずだったが、騒がしい毎日を送るうちに三姉妹はすっかりグルーに懐き、グルーもまた彼女たちとの日々を楽しむようになっていく。が、月泥棒の計画がおざなりになっていくことを良しとしなかったネファリオ博士が娘たちを勝手に孤児院に送り返してしまった。

失意の中、世界一の悪党となるため、月泥棒作戦を決行するグルー。無事月を盗み出したあと、急いで三姉妹のバレエの発表会へ向かうも、既に時遅し・・・。だが会場に残されたメモで、ベクターが娘たちをさらったことを知る。

すぐさま助けに向かうグルー。
盗んだ月と引き換えに娘たちを救おうとするも、ベクターはそのまま逃げてしまう。しかし、ちぢませ光線銃は対象の大きさに比例して効果が切れるのが早くなるという特性があった。早く娘たちを助けなければ、ベクターが持っている月が本来の大きさに戻ってしまう・・・!

孤児院に送り返され傷ついた娘たちに「もう二度と離したりしない」と誓い、ベクターの脱出艇飛び降りる娘たちを受け止めるグルー。だが最後までひとり残った長女のマーゴがベクターのジャマにより落下。続いて助けに向かったグルーも落ちてしまうが、ミニオンたちの力で救われる。

無事娘たちをとりかえしたグルーは、自宅で手作りのバレエの発表会を行う。観客はミニオンたちと博士とグルー。そして、グルーのママ。

踊る孫たちを見ながら、ママはグルーが一番欲しかった一言を言う。おまえは自慢の息子だ、と・・・。

登場キャラ

グルー(吹:笑福亭鶴瓶)

怪盗グルー

自称世界一の悪党。
スキンヘッドにトンガリ鼻が特徴的な、人相が悪いおっさん。ガタイはいいが足めっちゃ細い。折れそう。しましまの長いマフラーとスマイリー柄のパンツを愛用している。

戦闘能力は基本高く、本気だすと飛んでくるミサイルを避けホオジロザメを裏拳でノすことも可能。また、大量にいるミニオンたちを瞬時に見分ける能力を持つ。スゲぇ。

冒頭では泣いているお子様をイジめるなど子供嫌いだったが、三姉妹が歩いてバレエ教室に行くと言い出したときは何だかんだで送ってあげたりと、根っからの悪人でない。当初は用済みとなった娘たちを遊園地に置き去りにしようとしていたが、不正を働いた射的ゲームの店員に本物の銃で対抗。その後は娘たちと一緒に遊園地をエンジョイしまくるなど、次第に娘たちに情が湧くようになる。

母親と話すときは一人称がボクに戻る。
実は幼いころは月に憧れる普通の少年だったが、母親に褒めてもらおうと一人でロケットを作れるまでになるも興味を持ってもらえず、大人となったいまでも「世界一の悪党になれば自慢の息子になれる」と思い込んでいる。

ベクター(吹:山寺宏一)

怪盗グルーの月泥棒 ベクター

汚いのび太くん。ではない。
一人称はボクちゃん。オレンジのジャージが特徴。
最近エジプトのピラミッドを盗んだことで話題の若手の悪党。本人はまさに「バカと天才は紙一重」といった自信過剰な性格で一言でいえばウザキャラ。オーイエー!名前は数学用語の「ベクトル」から。だがこれは自分がつけた名前で本名は「ビクター」。大好物はクッキーで、特に好きなのはココナツクッキー。クッキーロボでもいける。

金持ちのおぼっちゃんらしくハイテクセキュリティ満載の基地に住んでいる。ゲームはwii派。海の生き物が大好きで、自宅ではホオジロザメをペットにし、イカやピラニアを発射する武器を開発し愛用する。

意外に狡猾で自分の手を汚さず、相手の獲物を横取りするのが得意。ラストでは元のサイズに戻った月と一緒に宇宙にいってしまったが・・・もしかしなくても餓死エンドなのでは・・・。

ネファリオ博士(吹:伊井篤史)

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グルーの友人。
彼の右腕として長年兵器開発を担ってきたマッドサイエンティスト。(金さえあれば)どんなものでも作れる天才発明家だが、年のせいか耳が遠いのが玉にキズ。

月へいくための大事な準備期間中に育児にうつつを抜かしているグルーを見て危機感を覚え、グルーのためだといって勝手に3人を孤児院に送り返してしまう。だが騒動が終わったあと自宅で開催したお手製のバレエ発表会ではばっちりビデオを回しており、孫が可愛いおじいちゃんと化していた。

三姉妹

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孤児院育ちの3人の娘。
記事内では「三姉妹」と呼んでいるが、髪の色がバラバラなことから恐らく直接の血の繋がりはないと思われる。当初はグルーのことを信頼していなかったが次第に懐き、銀行から援助を打ち切られ落ち込んでいたグルーに自分たちのなけなしの貯金を渡すまでになる。

マーゴ(吹:須藤祐実)

三人娘の長女。
眼鏡っ子。しっかり者のお姉ちゃんで、幼い妹たちの面倒をよく見ている。礼儀正しく真面目な性格で、最初にグルーの家に上がったときはこれが子供を育てる環境なのかどうかを問い質していたり、パパとは認めないとグルーを警戒していた。孤児院に送り返された時も形だけはグルーに礼を言っていたが、内心では送り返されたことに一番傷ついていた。ラストでは「大好き」といってグルーに抱きつく。

吹き替えを担当するのはハリーポッターのハーマイオニーでお馴染みの須藤祐実さんである。

イディス(吹:矢島晶子)

3人娘の次女。
いつでもニット帽を被っており、バレエの発表会の時ですら脱がない。一番やんちゃでアグネスに意地悪なことをいってからかったり博士に蹴りを入れたりと少々スレた性格をしている。

彼女が始めてグルーの家に来た時に言った「アニーになれると思ったのに」というセリフがあるが、これは有名ミュージカル「アニー」のことで、主人公の孤児のアニーが謎の大富豪のハゲに気に入られ最終的には養子になることから。

吹き替えはクレヨンしんちゃんでお馴染みの矢島晶子さん。

アグネス(吹:芦田愛菜)

3人娘の末っ子。
一番幼いため警戒心というものがまるでなく、他の2人とは違いグルーのことも一目見るなり気に入って足にずっとひっついていた。ユニコーンのぬいぐるみが大好き。欲しいものをねだる時はもらえるまで息を止めるという命がけの方法をとるが、上目遣い&芦田愛菜ちゃんボイスで「お願い」する時の効果はばつぐんである。

ミニオン(吹:???)

怪盗グルーの月泥棒 ミニオンズ

なんかようわからん生き物。
わんさかいる。
オーバーオールにゴーグルが基本装備の、黄色いバナナもどきみたいなちっちゃいマスコットたち。シェイクすると発光する。

一つ目と二つ目タイプがおり、頭部にはちょこっとだけ毛が生えている。一見すると見分けがつかないが、それぞれ体の大きさや太さ、目の数や形、髪の生え方などで微妙に個体差があるので、なんとなく区別がつくようになる。グルーからはまとめて「ミニオン」と呼ばれるが、個々に名前がある。

ピ○グー語のような謎言語でしゃべるが、ピ○グーとの一番の違いはたまに日本語をしゃべることである(「バーカー!」「ケツww」「まもちゃ?」「ヘルプ!」など)

作中ではグルーから「バナナから作った従姉妹」と説明され、予告でもバナナから生まれた~と言われていたが、別にバナナ製なわけではない。正体不明のマスコットキャラだったが、スピンオフの「ミニオン」にて、不老不死で酸素なしでも生きていける最強生物であることが発覚した。なので月まで飛んでったがアイツもピンピンしている。

最強の悪党に使えるという性質を持つ民族(?)で、スピンオフでグルーを選んで以来彼に使え、日夜、地下の秘密基地で博士と共に忙しく遊んで・・・いや働いている。ロケットの組み立てから買い物、子供の面倒まで何でもやるが、基本無邪気な性格のため、放っておくとすぐ遊びだしてしまう。

一応給料を貰って生活しているようで、銀行からお金を借りられなくなった時には私財をはたいてグルーを応援した。

以下、名前と活躍が判明しているミニオンたち。

■スチュアート
一つ目タイプのミニオン。
いつも半目。ジェリーと共に娘たちのお守を任される。途中ちぢませ銃の実験のためミニサイズにされるも、月へ行く直前、グルーのポケットに発表会のチケットを忍ばせた。ナイスフォローである。

■ジェリー
2つ目タイプ。
ツンツンヘアーが特徴で、いつもスチュアートと一緒にいるミニオン。娘たちのお守をしているうちに仲良くなったのか、彼女たちが孤児院に送り返された時は号泣していた。

■ジョージ
2つ目タイプ。
他のよりもちょっと背が低く、体が太め。ケツのコピーをとって遊んでいたミニオン。

■フィル
一つ目タイプ。
体が一番小さく、オムツを履いて赤ん坊に変装し、ユニコーンのぬいぐるみの買い物にいったミニオン。アグネスからキッスされてまんざらでもない様子だった。

その他のキャラ

■カイル
グルーのペットの犬。・・・犬?
凶暴で飼い主にも遠慮なく噛みつき、三姉妹たちにも襲いかかろうとしたが、アグネスが近寄ったときは怯えて逃げていった。推しに弱いタイプらしい。

■グルーのママ(吹:京田尚子)
グルーの母親。
結構なご高齢だが空手で練習相手をブッ飛ばしたりと未だに現役。幼いグルーが何をしてもトリビア並に「へぇ~」としか言わず、そのことが今のグルーの人格形成に影響している。とはいえ息子にはちゃんと愛情を抱いているらしく、グルーが娘たちを引き取った時にはアルバムを見せびらかしにきた。やめーや・・・。ラストでは「こんな立派な親になって。自慢の息子だ」とグルーを認め、自分より立派だと暗に褒めていた。

吹き替えを担当しているのは声優界のゴッドマザーごと京田尚子さんである。

■パーキンス(吹:内海賢二)
悪党銀行の投資担当。
たびたびグルーに援助していたが、金にならないと投資を打ち切った。実はベクターの父親で裏で手を引き、ちぢませ銃を盗もうと画策していた。

■ハッティー(吹:安達忍)
3人娘を預かっている養護施設の経営者。
彼女のデスクの壁一面には子供の写真がたくさん貼られているが、みな表情は暗い。それは彼女が、クッキー販売のノルマをこなせなかったり気に食わないことをした子供をお仕置きボックスにいれるなど虐待まがいの罰を与えているため。児童向け作品における、ピンクが好きなおばさんの意地悪率は異常である。はよ解雇しろ。

■意地悪なゲーム係

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遊園地の射的ゲームコーナーの店員。
弾が当たっても商品をくれなかったずる賢い人物だが、若い頃の大泉洋さんに激似。

グルーさん大好きミニオンズ!

今世紀最大の悪党と口ではいうが、たくさんいるミニオンたちの名前を全部把握し、頭ぽんぽんしたりとミニオンたちを大切にしているグルーさん。そしてそんなグルーが大好きなミニオンたちが素直に可愛い!

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特に好きなのは終盤のキッス待ちの行列シーン。あんだけいるミニオンたちにちゃんと1匹ずつチューしてあげるところも、微妙にする箇所が違うところも、もう一回並んじゃうミニオンにすぐに気付いちゃうところも、もう全てが萌えで構成されている名シーンだ。

親と子の物語

原題の『Despicable Me』は『意地悪なオレ様』みたいな意味。タイトル通り今世紀最大の悪党を目指しているとは思えない優しさを持つグルーだが、そもそも彼の本当の目標は悪事そのものではなく『どデカいことを成し遂げて、母親に自慢に思ってもらうこと』

幼いころ何をやっても褒めてもらえなかったグルー。大人になった今もママから認めて貰おうと頑張っているその姿は、ロケットを作って母親に褒めてもらおうとしてた子供のころのまま。そして両親からの愛情を渇望する姉妹たちと同じである。今作はそんなグルーが親(大人)になる成長物語ともいえる。

また登場するもう一つの親子としてパーキンスベクターがいる。悪役の立ち位置なので深くは掘り下げられないが、作中で「ビクター」という名前から自分で「ベクター」とつけたのも、権力も金もある父親の庇護から抜け出そうとする彼なりのあがきなのかもしれない。でもベクターとグルーの大きな違いは、仲間の有無でもある。

人はひとりでは成長できない。
ラストで本当にぼっちとなってしまったベクターだが、宇宙に飛んでったミニオンも近くにいる。父親の庇護を離れたあの環境で、ぜひとも友達同士になってもらいたいものである。

怪盗グルーの月泥棒 (吹替版)

怪盗グルーの月泥棒 (吹替版)

 

最後に

大御所の芸能人を使うことに賛否はあれど、個人的には鶴瓶さんが演じるグルーが大好きです!最後の「もう二度と離したりせぇへんから!」というセリフの暖かさとか、子供たちに子猫の絵本を読んでいる時と、最後の手作りの絵本を読んでいる時との演じ分けがとても良かった。とはいえ、鶴瓶さんの顔が浮かんで気が散る映画に集中できねぇぇ!!という人には全力で字幕版をおすすめします!でも芦田愛菜さんめっちゃ可愛いよ!

実は公開当初はミニオンが可愛くねぇなぁ~と思って忌避してたんですが、いざ本編見たら・・・すげー可愛かった!(笑)グルーと同じくあれは頭ぽんぽんしたくなるイキモノだぜ・・・。

ジブリやディズニーとはまた違う面白さがある、素敵なアニメ映画でした!スピンオフも気になるけど・・・もろ日本語しゃべるミニオンよりも、こんくらいの方が可愛いかもです。

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