ホラーゲーム『死印』クリア感想!ストーリー中心で、各章のストーリーの内容、およびエンディングのネタバレありなのでご注意ください!
パートナーシステムについて
基本、ストーリーをクリアするたびにその章に登場したパートナーたちは館を去っていく。が、途中から仲間になった人物は次の章にも引き続きパートナーとして同行させることが可能なパターンが多い。一部の探索、及びボス戦時には特定のパートナーでしか行えないものがあるので、探索途中で一度館に帰り、再度別のパートナーを引き連れなければいけないこともある。
2章以降のストーリー
2章:森のシミ男
第2章は「森のシミ男」。
選べるパートナーは1章に続き真下と見た目不良で中身善良という典型的なヤンキー少年・中嶋翔。そして探索途中で出会う有村クリスティ。H城樹海にいるというウワサの怪人・シミだらけの男がボス。樹海の中で暮らしていた『蜂蜜家族』というカルト宗教じみた団体が集団自殺をした・・・という、どっかのアウトでラストなゲームの続編でもうおなかいっぱい感があるストーリー。真下の過去も関わっているせいか、前章でせっかくシルシから解放されたにも関わらず、主人公たちのピンチを助けるために現れ、再び呪われるという真下さんがどうしようもなく愛おしい真下ファン必見なストーリーではある。
が、後半の探索は女性しか通れない場所があるため、完全クリアするには館へいったりきたりしなければならず、同じような景色が続く山奥のマップがわかりづらいのもあって探索面は面倒臭いシナリオである。
3章:くちゃら花嫁
第3章は「くちゃら花嫁」。
最初にコンセプトアートとして発表された、公衆電話に不気味に寄り添う(?)花嫁の絵はこの「くちゃら花嫁」である。選べるパートナーはしっかり者なJC・森宮すずと、見た目はキモヲタの中松栄太。夜中に女子小学生と一緒にいたことから事案案件かと疑われるも、中身は誰よりも清い男だった中松。犬に食わせてしまって本当にゴメン・・・。
特定の公衆電話に夜中に入ると電話が鳴り出し、電話をとるといなくなった人や失くした物の在り処を教えてくれるとネット上で話題となっている「くちゃら花嫁」を巡るストーリー。結婚式直前に集団強姦にあって自殺した女性が正体であり、婚約者の男性も死んでしまっているという最悪に救いのないストーリーだが、2章と同様に性別や年齢が関わってくる場面があるため、特定の場面で中松を選んでいると問答無用で死ぬ。
4章:ずう先生
3章のラストで、これまでの怪異の原因がH城樹海にあった神社・・・そこで祭られていた仏像が盗まれたことではないか?と疑いを持った主人公が、仏像を持った白衣の女が目撃された住宅街へと向かう。そこのマンホールから謎の地下壕の存在を知った主人公たちだが、館へ帰ると、いつも主人公たちを導くようにあらわれた黒ウサギと、メリイが死んでいる(?)のが発見されるため、ここからはメリイ不在のまま物語が進む。
怪しい宗教・・・というかしゅら様という女にトチ狂った白衣の女こと頭川という女教師が、動物実験を繰り返すイカレ野郎・ずう先生になってしまったというストーリーで、選べるパートナーは心霊スポット巡りの番組の収録中にシルシを貰ってしまった売り出し中のアイドル・柏木愛と、彼女の知り合いである占い師の安岡。そして探索途中で出会う頭川の同僚・広尾まどかの3人である。
広尾に関しては立ち絵より先に、すっ裸の状態でヘビの群れに放置されるというエロスチルでのご登場となるのだが、かなりムッチムチのいい体をしているというのに、立ち絵のあのエロみのない感じはいったいなんなのだろうか・・・。着やせするアピールなのか。
この章では1章の時にいったH小学校が再び舞台となり、あの時行けなかった2階部分を探索することになる。テストと称して理科の問題などがデッドリーチョイス形式で出題されるが、インドールとか知るかァァ!という内容なのでちょっと注意かもしんない。
5章:観音兵
戦時中、霊的な力を使って最終兵器的なものを作ろうとしてましたー、という、どっかのトワイライトなシンドロームでみたことあるようなストーリー。戦時絡みなのがラストバトルというのはホラーのお約束なんだろうか・・・。
パートナーは広尾か、医者の大門。途中出会った霊感バリバリホームレス・パンシー伊東の3人。・・・なのだが、前半の探索時に女性しか使えないというアイテムの存在があるせいで、まず初見でも大門さんを選ぶことはないため、彼の空気感が半端ないことになっている。
パンシー伊東が主人公と会っていたことや、主人公にシルシをつけた怪異の正体が示唆されており、ここからエンディングへと通じていく。
エンディング(※ネタバレあり)
なんとなく予想はついていたけども、主人公にシルシをつけた怪異の正体はメリイでしたー!というオチ。
戻ってきた主人公を出迎えたのは壊されたにも関わらず全く同じ姿をしたメリイであり、彼女こそ、くちゃら花嫁やその他の怪異に力を与えて、主人公たちを絶望に導いた怪異であることがわかる。
ラストバトルはパートナーと行っていたボス戦時の連携バトルではなく、ほぼ選択肢を選ぶだけであり、別に難易度が高いといったこともない。メリイ撃破後は、主人公が失くしていた自分の名前を取り戻し、主人公の正体が九条サヤの兄であったことが明かされる。
また、エンディングでは生き残ったパートナーたちの行く末が語られる。
クリア感想:ストーリーに関して
美少女人形が徐々にデレていくとみせかけてラスボス・・・というストーリーでしたが、正直何の捻りもなく悪役だったのが物足りなかったです。ウサギに殺されたぐらいから何となく想像つきましたし。主人公に対して実は何らかの感情があったとかあれば良かったんですが、ただただ苦しめて殺したかっただけというのがなんともアッサリで・・・。
肝心の主人公の正体も、5章で関係者であったっぽいことが示唆されたぐらいで、あとはあまり伏線らしい伏線もなく、正体を知ったからといって特別な驚きがあるわけでなく・・・。この辺りのドラマ部分は盛り上がりに欠けていた印象です。
各章のストーリーも、美麗なグロ絵と陰惨さは良かったですが、お話だけで怖い!というものはなく、マップ探索時も恐怖演出がイマイチなので、ホラゲーとしては怖くない部類に入るかもしれません。
総括:探索時のテンポの悪さが最大のネックか
印人(シルシビト)と呼ばれる各章のパートナーたちですが、それぞれのキャラは悪くないものの、出番が少なかったり周回が面倒という理由であまり深く掘られないところがもったいないかも。特に真下さんは生存エンディング後は探偵をすることになり、主人公に一緒にやらないかと誘ったりと、おまえ絶対主人公のこと好きだよね疑惑があるなど、その手の趣味を持つお方にはかなりの良キャラ。
それだけに、周回が面倒臭くなってしまう探索システムが少し残念でもある。どうしても、ライトで照らして探索→ただ進むにしてもいちいち暗転を挟む移動→見ると調べるが別コマンドという面倒臭さはマイナスに働いているとしか思えない。ゲーム全体のテンポをゆったり気味にしてしまっている元凶であり、プレイヤーがミスするたびに単に間延びしてしまうため、恐怖感も薄れてしまったように思う。
最後に!
コンセプトアートや作中のイラストの雰囲気が好きな方、自分でプレイヤーを動かすゲームよりもノベルゲーの方が好きな方、普段あまりホラゲーはやらないという人には、難しい操作を必要としないためオススメです。
ただ、ガチでホラゲーをやり慣れている人にとっては『流行り神』などその他の作品と比べると、ストーリー的にも演出的にも物足りない面が目立つかもしれません。探索システムの面倒さは個人差もあるので、やはり体験版をプレイしておくのが必須かもしれないですね。
個人的にはボイスが殆ど入っていなかったことや、グロ中心のストーリーとボリュームが少なめなことがちょっと物足りなかったものの、くちゃら花嫁のヴィジュアルなど雰囲気が好みだったのでそこそこ楽しめました!もし続編があるとしたら、もう少し探索がスムーズに行えるようになっていてくれたら嬉しいですね。
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