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【劇場版】青鬼 THE ANIMATION ネタバレ感想~新作アニメ映画、PVはアレだったけど案外悪くなかったぜ!

劇場版 青鬼

ストーリー ★★★
グロ度 ★★★

作画 
結論:志方さんのEDは名曲!!

2017年 日本
監督:濱村敏郎
脚本:我孫子武丸

※犠牲者&生存者、ラストのオチのネタバレあり!

目次

ストーリー

研究発表を間近に控えた地元の郷土史や民話を調べるため、過去の部員たちの会誌を調べていた民俗学研究部のメンバー5人は、ある日、自分たちの学校の裏山に伝わる民話「桔梗鬼」の内容が、最近ネット上で流行しているゲーム「青鬼」と似通っていることに気付き、ゲームの製作者とコンタクトをとる。すると、製作者の出身校がまさに自分たちの学校だったことがわかる。

だが製作者と会う約束をした数日後、彼は飛び降り自殺をしてしまう。事件と青鬼、そして桔梗鬼が関連しているのではないかと考えた彼らは、当時の会誌を書いたOBに連絡とるが、かつて民話を聞き取りした2人の部員の片方は、結婚後妻を殺し失踪したことを知る。

OBから預かった桔梗鬼の音声記録が残るオープンリールを学校で再生するメンバーたち。突然の夕立の中、突如学校内が停電する・・・。

そして、惨劇が始まった。

桔梗鬼とは?

昔、山で肝試しをしていた子供たちが、桔梗のような色をした鬼に襲われ喰い殺されたという、主人公たちの地元に伝わる民話。既にその話を知っている人間はごく僅かだが、青鬼の製作者はその民話を元にゲームを創ったという。

学校の謎

主人公たちが通う山奥の学校。
木造だが窓には全て格子がはめられ、地下に研究室があるなど謎も多い。

登場人物

今作ではひろしやたけしといったお馴染みのキャラクターは登場せず、全てオリジナルのキャラクターとなっている。

民俗学研究部

■真鍋晃司(演:逢坂良太)
平凡な男子生徒。
部長の高城から気に入られており、製作者に会いに東京へいく際は同行する予定だった。大人しそうに見えるがやる時はやる主人公である。

■高城淳子(演:喜多村英梨)
研究部の部長。メガネ女子。
ネットで流行している青鬼と民話「桔梗鬼」の共通点に気付き、製作者とコンタクトをとった人物。製作者が自殺したことでショックを受けるも、事件と民話との関連を調べることに同意する。

■村上章一郎(演:水島大宙)
真鍋の友人。
部長の高城や保健室の女教師までアピールしまくる女好き。女教師の匂いを覚えていたり、彼女ととある男子生徒の関係に気付くなど勘が鋭い。軽薄そうにみえるが実際はそんなことはなく、会誌の最後のページが切り取られていたことにも一番最初に気付いた。

行動派で周囲を気遣える人間だったが、停電中、トイレにいった皆月を心配して迎えにいったところ青鬼に遭遇、第一犠牲者となった。

■皆月花梨(演:佐倉綾音)
ツインテールの女子生徒。失禁シーンがある。
製作者が自殺した話を聞いて「青鬼=妖怪が実在したってことじゃないですか~」とお気楽に言い放つなど楽観的な性格をしている。後述の立花という男子生徒にお熱だった。

トイレの個室にいたところを青鬼に襲われる。村上の悲鳴が止んでから外へ出たが、死体に怯えている間に青鬼に殺された。

■小中翔(演:森嶋秀太)
下っ端臭がする男子生徒。
皆月に惚れており、恋敵である立花を妬んで彼のことを色々調べていた。青鬼の登場で一番パニクっていたビビリ。逃げる途中ですっ転んだところを青鬼に襲われた。

■藤本薫(演:東地宏樹)
研究部顧問。
序盤は影が薄かったが、学校に閉じ込められている生徒たちを助ける為にやってきた。実は彼こそが「桔梗鬼」の聞き取りを行ったもう一人の生徒であり、とある重要な情報を主人公たちに残すも、青鬼に殺されてしまう。

その他のキャラ

■立花文彦(演:野島健児)
ミステリアスな男子生徒。
学校中の女子からモテモテとウワサされ、中でも保健室の女教師とは実際に関係を持っているようだ。学校の地下で何かの研究をしているらしいが・・・。

瞳が青いなど解りやす過ぎるフラグの持ち主だが、果たして・・・?

■波多野美冬(演:日笠陽子)
みんなの憧れ、保健室の先生。
地元民で、オープンリールを聞いていた研究部メンバーから訛りの翻訳を頼まれていたところに、事件に遭遇する。閉じこもり身を守っていたが、研究室にいる立花の身を案じ、彼を助けようとする。

■OB
「桔梗鬼」の民話が載っている会誌を編集したかつての民俗学研究部員。主人公たちに会話が録音されたオープンリールという重用アイテムを渡してくれる。彼が言うには破り取られた会誌の最後のページには、青い花の絵があったというが・・・?

■青鬼
毎度お馴染み我らがアイドル。
比較的ゲームに近いノリで登場する。実写映画版のようにぷるぷるはしていないが、3Dモデルでも十分にキモい動きをする。声帯模写が相変わらず得意。グロは三割り増し。

青い花の秘密(※これ以後ネタバレ注意)

村上、皆月を殺され、教室で篭城するメンバー。
真鍋は波多野先生と地下の研究室にいる立花を救出しに向かうが、研究室の地下の牢屋の扉は開いており、中から何かが逃げた形跡があった。

実は立花は、桔梗鬼の聞き取りをしたOB・関口の息子だった。父がなぜ死んだのかを探るためこの高校を受験し、地下室で日々研究をしていたという。だが製作者を殺したのかと問われると、会いには行ったが記憶が曖昧だと急に取り乱す。

さらに主人公たちを救出にやってきた顧問の藤本が、かつて関口と共に聞き取り調査を行った生徒であったこと。友人の関口と共に山にフィールドワークへ行った際、人ならざるものを見た事を明かす。それは自分には小さな植物のバケモノに見えたが、関口には絶世の美女に見えており、彼はそれから取り憑かれたようにそれを探し続けていたのだという。

そして立花も、父親と同じように花が絶世の美女に見えていた。オープンリールの「桔梗鬼」の民話を語る老人は「女と混じれば~」と口にしていた。そして、花と交われば性器が腐りおち、花に操られてしまうとも・・・

ラストのオチは?

「花が本体だ」
花を何とかすれば青鬼を殺せる、そういい残し青鬼の餌食となってしまった藤本。さらに既に花とまぐわっていた立花まで青鬼と化し、小中も襲われてしまう。

研究室に青い花があったことを思い出した真鍋は、部長の高城と共に花を燃やそうとする。真鍋が青鬼の囮となるも、ライターに火がつかず焦る高城の体に、花が生き物のように巻き付いてしまう。

それを見た波多野は、高城ごと火をつけ花を燃やす。
絶望する真鍋の後ろで崩れていく青鬼・・・。

なんでこんな酷いことを、と問う真鍋に「まだ終わっていない」という波多野。
その直後、真鍋の首が消えた。

生存者は・・・

屋上にいた波多野の元へ、実は青鬼から逃げ延びていた小中が現れる。小中が生きていたことに驚き、狂ったように笑い出す波多野。

彼女の正体は「青い花」。
古くから先にこの土地に住んでいたのに、人間が住みかを奪うために自衛手段をとったとのだという。彼女は花粉で人の記憶を操作し、自分たちに関する記憶を奪っていたが、自分たちの存在に感づいた人間はことごとく葬っていたのだ。

彼女は立花を操り製作者の下に花を届けさせ、花粉で操り自殺させた。そして、学校中の女生徒たちと関係を持たせ、すでに種を蒔いたのだという。

驚愕する小中。
花の笑い声が響くなか、あの足音が近づき・・・彼の存在も消えた。

一夜あけ、いつもの学校の風景が戻ってくる。
だが生徒たちは誰も、民俗学研究部のことを覚えていない。

ただの物置となってしまった部室。
こうしてひっそりと、惨劇の幕は降りたのだった。

我孫子武丸脚本のストーリーはそれほど悪くない

PVのヤバさから全く期待せずに観にいったが・・・思っていたほど悪くはなかった。キャラの作画はスクリーンで見るには厳しいし、モーションもちゃっちいので走ってるシーンのスピード感はまるでないのだが、ただ!それでも劇場で通しでみると、モーションの拙さは出来る限りカメラワークや演出で抑えられており、声優陣の安定した芝居もあってPVほど酷い印象は受けない。

むしろ青鬼の恐怖演出は、実写映画よりゲームの恐怖感を上手く再現出来ている部分もある。青鬼の登場するタイミング、グロ描写、どうあがいても絶望的なストーリーはホラーとして悪くない出来だった。

天野月さん&志方あきこさんコンビによる「隠れ鬼」は名曲

零シリーズでお馴染みの、天野月子(現:天野月さん)作詞&志方あきこさんというオレ得コンビのED「隠れ鬼」は、歌詞の世界観といい、不気味で焦燥感を煽るメロディといいかなりの良曲!この曲をスクリーンで聴けたというだけで1200円の価値はあった・・・といえなくもない。今のところCD販売や配信はされておらず、full版を聴くには映画館にいくしないので注意。頼むから発売しろください!!

※5月19日追記※
3月24日から、アニソン定額聞き放題配信サービス「ANiUTa(アニュータ)」内で配信されているそうです。ただし月額600円なのでご注意。

最後に!

死体描写は年齢制限に引っかからないよう黒いデロデロにされていたりしますが、それでも青鬼が女の子を咥えてぶんぶん振り回すところとかは結構エグいです。どうしたって作画が受け付けない人はいると思うのでそこはもう仕方ないですが、ストーリーや声優陣の芝居はかなりいいので、ドラマCDとか小説とか別媒体であらためて出してくれないだろうか・・・。

思っていたよりグロ方面や恐怖演出に力が入っていたのは嬉しかったです。PVの画でも気になら無いという人は1200円と通常の映画より安めなので、思い切って観にいって頂きたいですね。

↓実写版の感想はこちら!