半年に一度のお楽しみ!
2016年・春の「世にも奇妙な物語」が放送されました
オチを含めたネタバレありの感想なので、未視聴の方はご注意ください!
美人税
主演:佐々木希
あらすじ
財政難により、美人度に比例して税金が課せられることになった世界の話。
最初こそ税金が掛かることに不満があったものの、徐々に「美人」というステータスが目立つことで、逆に税率が上がる事が喜びになっていった主人公。しかし負担があまりにも大きくなり、変装してわざと不美人を装い、税金から逃れようとする。が、税金Gメンにより摘発され逮捕される。
外面ばかりに拘っていた主人公は刑務所の中で心を入れ替え、内面から美人になろうと努力する。2年後、しっかりと罪を償ってシャバに出てきたが・・・。
感想
キンタローさんの使い道がひでぇ。
オチは、刑務所に入っている間に「美人」の基準が変わり、キンタローさんが最たる美人に、今までの美人がブサイクになってしまった・・・というお話。
芸能界が壊滅しそうな法律だが、イケメンはいいのか。そうなのか。佐々木希さんの美人を鼻にかけてるイヤミな感じは良かったが、結局人は外見で差別する生き物です・・・みたいな深い話でもないので、まあイマイチではあった。
こういう「現実世界と一緒だけどありえない法律とかがあるよ!」みたいなIF世界なストーリーには、「美人度を測る最新機器なのに、ちょっと眉つけたりそばかす足せば簡単に騙せるとかアホかよ!」みたいなツッコミを力技でねじ伏せるだけの強引さがなきゃいけないと思う。
夢みる機械
主演:窪田正考
あらすじ
漫画家の夢を追い続けていた野間崎健二(窪田)。だがどんなに持ち込んでも一向に漫画は評価されず、工場でのバイトと同じような、淡々とした日々の繰り返しに飽き飽きしていた。
だがある日。母親と口論になり怒った拍子に突き飛ばすと、倒れた母親はショートし、腕がとれてしまう!なんと、母親はいつの間にかロボットになっていたのだ!
慌てて彼女の慶子(石橋杏奈)に相談するも、ロボットの母親は姿を消し、父親やバイト先の工場長の様子もおかしくなってくる。一体街で何が起こっているのか・・・?
オチ
最初に相談した時は生きていた慶子も、後にロボットに入れ替わってしまう。彼女が持っていた謎のパンフレット「ユートピア配給会社」のロゴマークと、ロボットの腕にあった刻印が同じものだったことに気付いた健二は、ついに諸悪の根源に辿りつく。ユートピア配給会社の理事長は、「夢の世界で夢を叶える機械」を使い、眠った人々の代わりにロボットを派遣し入れ替えることで現実世界を牛耳ろうとしていたのだ。だが、その理事長すら既にロボットとなり、機会がみせる夢の中で、支配者となる夢を叶えていた・・・。
慶子たちを救い出す為、こんな世界は作り物だ!と言って夢みる機械を壊す健二。だが、彼を待っていたのは慶子の冷たい視線と「どうして起こしたの?」という言葉だった。絶叫しながら外へ出ると、街には動かなくなったロボットが溢れ、生きている人間は、もう誰もいなくなっていた・・・
感想
ロボットの耐久性に難ありすぎんだろ。
こんだけ弱くてどうやって社会生活を維持するんだ・・・。大体、人口何万人分の機械とそれを置く土地と機械を維持する電力や金はどうなってんの!?とか細かいことは窪田君の真剣な演技に免じてツッこまないでおこう。
ストーリーは序盤から大体想像がついてしまうのでそれほど面白くはないが、エンドロールまでちゃんとこのオチを引っ張ったそのノリは好き。あと地味に出演していた、「相棒」の腰巾着役でお馴染みの小野了さん!ぽつん・・・と一人でご飯を食べているだけなのだが、その不気味さが素敵だった。
通いの兵隊
主演:西島秀俊
あらすじ
納豆ブームを受け、ただいま日本では「ニュー・イバラギ」が独立の為、政府軍と戦闘中。そのため、9時ー5時出勤で残業手当有り!の「通勤兵士」が募集されていた。
政府軍にライフルを納品する会社に勤めるサラリーマンの前島(西島秀俊)は、ある日自社製品の不具合のお詫びをするため戦地へ向かうが、なぜかそこで補給部隊として戦場で働くことになってしまう・・・
感想
戦場で子供と奥さんの話をするヤツは間違いなく死ぬ。ハッキリわかんだね。
会社での女性とのやりとりや、夫婦のイチャイチャっぷりがとても和む。(MOZUなどでシリアスなイメージがある西島さんがほんわかとした男性を演じているというだけで個人的には満足かもしれない)
こういう緊張感が全くない、ほのぼのとした世界の中に当たり前に「戦争」が入っているというのは、ある意味で戦争を非日常だと思っている人間への皮肉なのかもしれない。実際に戦争が起きれば、戦争すら日常の一部と化すのだから。
だからイヤーマフもなしにロケラン撃ったら死ぬぞ!?とか細けぇことはツッこんじゃいけねぇ。
折角雰囲気は良かったのにラストの「戦地にピクニック気分で現れた妻が爆死、続いて夫も・・・」というオチが弱すぎて、何を伝えたいのか、どこを皮肉りたいのかよく分からないストーリーになってしまったのが本当に残念。
クイズのおっさん
主演:松重豊
高橋一生
あらすじ
クイズ番組で優勝し、クイズ王となった古賀(高橋一生)。
賞金として100万円と、副賞としてクイズ1年分が贈られる。クイズ1年分とは何なのか?と思っていると、家にいきなりどっかの食い倒れ人形のような格好をしたおっさん(松重豊)が現れ、開口一番「問題!!」といってクイズを出してきた!
感想
冒頭のアバンが一番怖い・・・だと!?
これは新しいパターンだったぜ・・・。(血がしたたるあの箱の中身は一体なんだったんだ・・・)
おっさんが副賞とかいらなすぎる・・・と最初は思いつつ、外でぽつんと待っているおっさんに情が湧いてしまう主人公の気持ちがよくわかる。雨の中、震える手で必死に紙ふぶきを集める姿にはキュンときた!(笑)
他にも
古賀から「会社に行っている間、家にいていい」と合鍵を渡された時は
『第5問。
元々は「滅多にない」や「珍しくて貴重だ」という意味だった言葉は?』
「・・・ありがとう」
『正解』
とクイズで(遠まわしに)お礼をいい、古賀が会社からリストラされ、再就職がうまく行かなかった時にもクイズで勇気付けるという・・・クイズで会話するおっさんとか新ジャンルだった。
悪い女の子に騙されたあとも古賀を心配して助けに来てくれたり、いちいち行動が可愛いくて萌える。おっさんなのに。(風呂で服は脱いでも帽子とメガネは脱がなかったが、クイズのおっさんのアイデンティティーだったのだろうか・・・)
1年間のおっさんとの同居生活を終えたラスト。
てっきり「オマエがクイズのおっちゃんになるんだよ!!」みたいになるのかと思いきや普通に別れて終わったので、あら?オチはどうなるのかしらん??と思ってたら・・・
まさかの┏(^q^┓)┓エンド。
ウソだろフジテレビ。
↓クイズのおっさんの原作「おっさんの宴」は、竹本友二さんという方が描いた8Pのマンガばかり集めた短編集8(はち)の3巻に収録されています!
最後に
ストーリー面はやや弱いものの、演出面では結構楽しい作品が多かったです。個人的には「クイズのおっさん」が一番好きですね!!私の家にも来て欲しいです。でもラストの「この感情はなんだ・・・」で「嫉妬!」の流れには驚愕しました。その発想はなかった。本当に!
あと、最後のエンドロールにもロボネタ引っ張ってくる感じ・・・いいぞ嫌いじゃない!!(笑)クイズのおっさんが風呂に入ってる時にショートしたり、窪田くんがめっちゃ軽い感じで「昨日ユートピアと契約しました・笑」って言ってたり、本当にドラマのメイキングっぽくなってたのが面白かったですね。
ガチ怖い系の話が今回も無かったのが心残りですが、「ほん怖」と被っちゃうからダメなのかな?秋では本気で怖いヤツ、1本ぐらい入れて欲しいですね!
↓最新作の世にも奇妙!