コメディ度 ★★★★★
ハートフル度 ★★★★★
特典 ガイドブックは一度読むべき
結論:コミックス版とも比べてみるのがおすすめ!
2007年 日本
総監督:山口晋
脚本:横谷昌宏
※映画のストーリー、および原作コミックス20巻のネタバレあり。
未読、未視聴の方はご注意!
あらすじ
冬樹とケロロの絆により、ケロン軍の侵略生物兵器・キルルは封印された。
だがペコポンの大海原で、再び負の遺産が目覚めてしまう!絶体絶命の人類だったが謎の光が、あのキルルを一瞬で消し飛ばしてしまった──
時同じくして、無人島近くで謎の生物を発見したと報告しにきた桃華。大喜びで調査に向かう冬樹に、夏美とケロロも同行。侵略作戦はどこへやら、無人島で楽しいバカンスが始まる。が、突如海から現れた宇宙人に夏美がさらわれてしまった!さらったのはメール王子とよばれる宇宙人。子供の様に無邪気な彼らの、二人ぼっちの淋しさに共感してしまう夏美・・・。彼女はこのまま、彼らのプリンセスになってしまうのか!?
/主要人物/
■日向夏美(演:斉藤千和)
ご存知、ケロロたちの天敵にして最終地球防衛ライン。
そして今作の主役である。プリンセス衣装めっちゃエロい。
■ケロロ軍曹(演:渡辺久美子)
毎度お馴染みへっぽこ隊長。
映画では移動は冬樹の自転車、ボスと戦うのは基本モアちゃんという体たらくだが、原作20巻では隊長の威厳を見せつける。
■ギロロ伍長(演:中田譲治)
いつもケロロやクルルに振り回されているが、今回は本当に振り回される。あ~れ~!
だがアクションシーンはテラかっこいい。
/劇場版ゲストキャラ/
■メール(演:桑島法子)
今作のカギを握る宇宙人。
ケロン星のお隣・マロン星の王子である。
■マール(演:辻希美)
メールの従者にして幼馴染。
メールとのやりとりを見ている分には非常にほほえましいが、ギロロをも凌ぐ戦闘能力を持つ。
■キルル(演:藤田圭宣)
前回のボスキャラ。
なんと冒頭で瞬殺される。
最大の聞き所?名曲「よきにはからえ!」
よきにはからえっつってんだろーがコラァ!!
劇中の挿入歌。
映画では短いのでその真髄がわからないかもしれないが、作曲がパッパラー河合さんだけあって謎の中毒性を誇る、ハイパーカオスソング。
名曲中の迷曲で、「考えるな、感じろ!」としか言いようがない歌詞の世界観や、本編のケロロたちのノリそのままのベテラン声優陣によるはっちゃっけっぷりに、あなたもきっとハマる!・・・はず。
こちらは映画のサントラ集に収録されている。
今作の個人的燃え(萌え)シーン
・1匹だけ女装したタママに萌えていたナイトメア。
・ロボットに乗って戦う桃華(表)を身を挺して守るモアちゃんとクルル。
・ケロロVSギロロ!?
千和さん演じる夏美の終盤の「みんなで一緒に帰るの!」というセリフなど感動シーンはたくさんあるのだが、一番燃えたのは、操られたギロロとケロロが一触即発になるシーン!
冬樹に攻撃してしまったギロロを見て、ケロボールを使おうとするケロロ。(小説版では「冬樹殿をいじめた!!」という心の声が描写されている)
間一髪モアちゃんが「ハルマゲドン死なない程度」で助けてくれるのだが、このあとの「モア殿・・・」という声の震え具合と、足がガクガクしてヘタっちゃうケロロの可愛さったらない。
※エンディングでは冬樹に泣きながら土下座して謝るギロロが映っている。
それぞれのストーリーの違い
豪華版の特典である公式ガイドブックで確認できる映画の草案、そして草案を基にした原作コミックス20巻に収録されている長編とでは、それぞれストーリーや設定が映画版とは異なっている。
初期草案のストーリー
映画では夏美が内面で抱えている孤独が描かれるなど彼女中心の物語となっているが、初期草案では冬樹が占める割合も大きく、実質冬樹と夏美の二人が主人公となっており、メールとマールは登場しない。
そのため襲ってくる敵もマロン星のナイトメアではなく、地球上に放置されていたケロン星のデータバック装置により再現された絶滅動物たちである。また、この装置の調査の為、ミルルというケロン人が登場する。(実際の彼女はこのあと劇場版3作目に登場)
草案では、この装置が原因で実体化した幼い頃の冬樹が現実の夏美をさらってしまう、というストーリーだった。
イメージボード:ケロロとギロロの戦闘シーン
本編ではモアが助けてくれたため直接戦闘にはならなかったが、ガイドブックに収録されているイメージボード(草案よりも映画本編に近いもの)では、かなりシリアス(?)にサーベルで戦うケロロとギロロのシーンが想定されていた。このシーンは後述するコミックスでも採用されなかったが、劇場版5作目の展開がこれに近いものになっている。
ちなみにイメージボード上では、映画のラストに「ミッションコンプリートだ・・・」というセリフと共にガルル小隊が登場している。
描き下ろし漫画でのマロン星の設定
特典の公式ガイドブックには、ケロロ・ギロロ・ゼロロ、幼馴染3人組の小訓練所時代の描き下ろしマンガも収録されている。そこでマロン星はケロン星があるガマ星雲全ての住人の始祖である可能性があり、一説にはケロン人の先祖なのではと言われている。(後述のコミックスではメールがケロン星のことを「若輩星」と呼んでいる)
さらに、映画で巨大化したメールの姿は「王族の血統」が持つ変身能力であり、この姿がキルルと似ている・・・という裏話が読める。
マンガや草案など、DVD特典のガイドブックはかなり読み応えがあるので、今後購入を考えている方には豪華版をおすすめする。(ちなみにガイドブックの表紙は時かけパロのモアちゃんである)
コミックス:長編・深海の迷子たち
映画も「迷子」をテーマにしていたが、コミックス版ではそのテーマがより明確になっており、アニメや通常の本編とは違う物語性を楽しめる作品となっている。
※原作20巻のネタバレあり!※
※若干考察もあり※
この長編は、ケロロが追い求める侵略後の世界・・・「楽園」の定義や、最大の謎の一つである「隊長の素質」の一端が垣間見えたりと、ケロロ軍曹史上最強にシリアスな話となっている。普段のおちゃらけた姿やアニメのノリしか知らないという方には、ぜひ一度読んで頂きたい。
↓ケロロ軍曹の最新コミックス27巻は5月26日に発売されます!!
最後に
なんと5月22日15時からお台場シネマメディアージュにて、キルル三部作のラストを飾るあの「超劇場版ケロロ軍曹3」が上映されるそうです!さらに以前と同じく武者ケロも同時上映が決定!チケットは以下のドリパスというサイトで、5月20日18時まで購入できます。
5/16日現在、あと17枚ほどで大きなスクリーンでの上映になるそうです!3はケロロの劇場版の中でも特にアクションシーンに迫力がある作品。DVDでしか観た事がないという方や、以前観たけどもう一度大きいスクリーンで見たい!という方は、この機会にぜひ☆
↓劇場版1作目の感想はこちら!
↓斉藤千和さん、お好きですか?