※アニメ第12話「宝物」のネタバレあり
※原作「僕だけがいない街」をほぼ未読のまま視聴しています。
結論:この世界に敗者はいらないっ!
※今週は、僕だけがいない街の物語に関する重大なネタバレが存在します。未視聴の方は非推奨です!!
悟の記憶が戻ったきっかけは、やはりあの加代の赤ん坊とのタッチだったようです。そういえば2話で同じように、加代と手のひらを合わせるシーンがありましたね。15年ぶりの記憶が戻るほど、あの時ときめいていた、ということなのかも(笑)
八代にとっての15年間
八代が15年も悟を生かしておいた理由。
それは悟を殺す直前の
「オレはお前の未来を知ってるぞ!」
という言葉の真意を探る為でした。
だがそのために悟の命だけではなく、久美ちゃんの命までタテにするとは!15年たっても歪みねぇ外道っぷり!
・・・ただ裏を返せば、「なぜ15年前の悟が、自分の計画を阻止できたのか」、自分の未来を知っているという言葉はどういう意味なのか・・・それほどまでに知りたがっていたということ。
だが、悟は「先生に僕は殺せない」と断言します。
悟と八代が求める「結末」
この事件の、八代と悟の「結末」とはなんなのか?
八代は「悟を殺すこと」?
悟は「八代を警察に突き出す」こと?
ですが既に15年の時が経ち、証拠もなく、時効が成立しています。どちらの結末も、もう既に意味の無いものです。
悟は9話で加代を救った時の八代の横顔は、父親そのものだったと。八代の言葉に、空いた穴を埋めてもらったと告げます。そして何を思ったのか、悟は自ら屋上から飛び降りてしまいます。
でも。
さっきまで殺そうとしていた相手を救ってしまう八代。一体なぜなのか?
何度も人生をやりなおし、殺されるはずだった母親を、仲間を救おうと八代と戦ってきた悟は、いまこの世界で、八代に憎しみはないと言います。
「本当の先生を知っているのは、僕だけだよ」
その言葉を聞いた八代の目の色が・・・赤から元の色に戻ります。
僕はもう、
君がいなければ生きていけない
15年前のあの出来事以来、殺人衝動を失ってしまった八代。彼にとって「他人の蜘蛛の糸を切る」ことは、たとえそれがどんなに最悪な形であっても、唯一の生きがいと呼べるものだったのでしょう。そしてその衝動を失くした彼の、新たな生きがいとなったのは・・・悟。
15年間彼を生かし続けていたのは、悟の存在だったのです。
泣きながら手を離した八代。悟の後を追い飛び降りようとしますが・・・そこにはクッションの上でウインクしてみせる悟と、悟の仲間たちの姿がありました。
悟が望んだ結末とは、どちらかが死ぬものではなく、自分も彼も、生き続けるという結末でした。
悪者がいない世界
悟の勇気によって、結果的に加代から始まる八代の殺人の連鎖は止まり、さらに15年間、事件を起こさなかったという八代。恐らく、彼はこの時間軸で人を殺してはいません。
つまり悟が救ったのは犠牲者だけではなく、本来なら加害者になるはずの八代をも救った形となるのでしょう。
熟女から男の娘まで攻略していた悟でしたが、ここにきて犯人の八代まで攻略するとは・・・。正直驚きでした。一発ぐらいはブン殴るのかと思ってました。
蜘蛛の糸は何を暗示していたのか
前回までは蜘蛛の糸=寿命と予想していましたが、今回、自分の負けを認めた八代が水たまりに映った自身の頭上に、蜘蛛の糸を視ています。そして、その蜘蛛の糸は八代の目の前で切れてしまいました。
蜘蛛の糸はその人間の寿命が見えていた・・・というよりも、八代の能力そのものの暗示だった、ということなのでしょうか。
ハムスターのスパイスを助けたことで、神様らしきものが、彼に特別な力・・・八代にとって都合のいい能力を与えたのか?だとしたらこのタイミングで蜘蛛の糸が切れたことは、悟という新たな生きがいを得たことで、もう彼に蜘蛛の糸の救いは必要ない、ということ・・・?
うーん、この「蜘蛛の糸」についてはもうちょい考察したいところです。
ただ八代の蜘蛛の糸が切れたと同時に、悟のリバイバルが起きなくなったことを考えると、やはりこの二つの能力は互いに関連しあっていたのかな、と思います。蜘蛛の糸が見える八代の瞳が赤なのに対し、悟のリバイバルが青い蝶でしたし、よくよく考えれば悟の瞳も暗めの「青」なんですよね。そこから既に対比していたのかな。
サブタイトルの「宝物」とは
アニメでは悟が眠っていた15年間、悟だけがいない街で、佐知子はもちろんのこと、加代やヒロミやケンヤ、そして・・・
あのいじめっ子少女・美里ちゃんまでもが彼を助けようとしてくれていました。タイトルにもなっている「僕だけがいない街」で、彼らが悟に費やしてくれた時間・・・それこそが「宝物」ということだったんですね。
両手に花とかうらやましいっ!!
2010年の悟
病院での一件のあと、結局八代は殺人未遂犯として警察に捕まりました。ですが、それは彼にとっても望むべきものだったのではないでしょうか。
そして時は流れ、2010年。
そこには漫画がアニメ化し、売れっ子路線まっしぐらとなった悟の姿がありました!(勿論アニメの局はノイ○ミナ枠ですね!?)
原稿の息抜きに、散歩に出かけた悟。ちらほらと雪が舞う中、以前愛梨と別れたあの高架下にいくと・・・視界の端に蒼い蝶が!
まさかまたリバイバルが起きて大どんでん返しでバッドエンド☆ってオチですか!?とドキドキしていましたが、そこにあらわれたのは・・・
「一緒に雪やどりしてもいいですか?」
最終話にて記憶を取り戻した悟が、また再び仲間や母親、周りの人間全員で八代と向かい合う事ができたのは、彼女の存在があったからこそ。
一人きりで戦っていた時に、信じることの大切さを体現してくれた愛梨・・・彼女との再会で、アニメは幕を降ろしました。
は、ハッピーエンドで良かった!焦った!
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最後に
ユウキさんが結婚して子供と一緒にいたシーンがあって嬉しかった、良かったよぉぉ!そして今までの時間を取り戻すかのように、悟にとっても最高にハッピーエンドの最終回で、本当に良かったと思います。自己犠牲エンドとかだったらマジで欝になるとこでした。
前回意味ありげだった病院の先生とか、OPの銃弾とかミスリードに思いっきり騙されたことや、あの高さからいくらクッションがあったとはいえ、病み上がりで飛び降りたら骨逝きそうだなーとかいうツッコミはちょっとありつつも、ヒロインやサブキャラだけでは飽き足らず、真犯人まで攻略する悟のたらしっぷりに惚れ惚れしたので、そこら辺は全て良しとしましょう。
僕街、今期アニメで最高に面白い作品でした!!
そして遂に・・・原作解禁!!
ネタバレしないようず~~っと気をつけていたら、前回からアニメオリジナル展開になっていたということに気付かず、大いに盛り上がり損ねてしまったのが残念だったので・・・。これから原作、全部読んできます!!
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