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【映画感想】コクーン~俺の知ってるSF映画と違う※ネタバレあり

コクーン [DVD]
コメディ度 ★★★★★
キャスティング ★★★★ 
SF度 ???
結論:やってくれたなサタシネ!

1985年 アメリカ
監督:ロン・ハワード

/主要人物
■アート(吹:納屋悟郎)
■ベン(吹:宮川洋一) 
■ジョー(吹:永井一郎)
仲良し3人組のおじーちゃん。

3人の中ではわりと常識人のベンを演じているのは遊星からの物体Xでブレア役を演じたウィルフォード・ブリムリー。

■デイヴィット(吹:浪川大輔)
ベンの孫でおじいちゃん大好きっ子。とても良く出来たお子様。
吹き替えを担当しているのは、今や大人気声優の浪川さん。吹き替え当時は子役だったため、声変わり前のリアルショタボイスが聞ける。

■ジャック(吹:井上和彦)
謎の一行から船を貸してほしいと頼まれた若者。

■ウォルター(吹:石田太郎)
ジャックの船を借り、海中から何かを引き上げている謎の男。

※ラストのオチのネタバレあり。
※未視聴の方はご注意下さい!

全てはサタシネから始まった

TV欄をチェックして見つけた「コクーン」という映画。何かとマニアックな映画を吹き替え版で放送してくれるサタシネでやってくれる上に、ネタバレしない程度にチェックするとSF映画で人気作」とのことだった。しかもみんな大好きエイリアンも登場するらしい。

エイリアンが登場するSF映画!往年の名作!!吹き替え声優陣も超豪華!!これだけ揃ったら見るしかない!と思い、終物語の感想を書き終えてすぐにわくわくしながら視聴を開始した。

ストーリー

物語は、海上に突如謎の光が降り注ぐところから始まる。

謎の光源にキューキューと驚くイルカたちが可愛い。
ここから宇宙人が侵略しに来るのか・・・元から人間とそっくり型のヤツが来るのか、それともギーガーデザインみたいなグロ系エイリアンなのか?
期待は募るばかり!

そして舞台は老人ホームへ。
ホームで暮らす仲良し3人組のおじいちゃんたちは、無人の館へ忍び込みプールで遊ぶのが日課になっていた。が、ある日謎の一行がいきなり屋敷を買い取ってしまう。折角の遊び場がなくなってしまい途方にくれるじーちゃん。

おい何してんだじーちゃん!不法侵入やないけー!
しかももう持ち主がいるっつーのに「忍び込んでこそスリルがある」なんてヤンチャな高校生みたいなことをぬかしおる。

どうしてもプールで遊びたいじーちゃん達。年寄りなら見つかっても許してもらえるだろ!という超理論で、再びプールに遊びに行ってしまう。だがプールの底には岩のような何かが沈んでいた。

この岩はなんだろう?
コクーン=繭というタイトルから想像するに、ここからエイリアンが孵るのか??

サービスタイム

まぁそんなもんは気にせず泳ぐじーちゃん達。泳いでるうちにやたらテンションが高くなり、そのままキャッキャウフフ☆タイムへ突入。

ただし、キャッキャウフフ☆してるのは水着のじーちゃん達
誰得。

何だこれは・・・一体何を観てるんだ俺は!!なぜ俺はこんなど深夜に水着のじーちゃん達の戯れを見てるんだ?俺はSF映画を観てるつもりで実はじーちゃんパラダイスをいつのまにか観ていた・・・とかどんなポルナレフ状態だよ。いや、あの年で飛び込み台くるくる回りながら飛ぶとか凄いけど!凄いけどそうじゃない、そうじゃないんだ!!

実はこのプール、入ると本当に"若返る"効果があったのだ!じーちゃん達は見た目こそ変わらないものの、病気も良くなり、足取りも軽やか!気力も体力もみなぎってくる!!勿論ムスコの方も!!
そしてそれぞれ、奥さんや愛する人と熱い夜を過ごす・・・

SFが行方不明。

毎日の様に若返りのプールで遊ぶじーちゃん。その間、屋敷を買い取った謎の一行はジャックの船を借り、海中からあの謎の岩を引き上げる作業をしていた。そんな中、ジャックは一行の一員である美女のキティの着替えをうっかり(?)のぞいてしまう。

場面がまた変わり、今度は謎の一行に船を貸したジャックという若者の目線になる。そのためボン・キュ・ボンのナイススタイルのキティの生着替えを視聴者も一緒にのぞくことに。よくやった!
キティの脱いだ服がはらり、はらりと床に落ちていく。ブラ、ズボン、パンツ──そして
・・・ここでやっとSF要素が──!!怪しいとは思っていたがこの謎の一行、予想通り全員エイリアン!人の皮を脱いだら全身白タイツ発光してるとか、その発想に時代を感じる。
自分たちをアンタレス星人と名乗るその一行は、大昔に海中に置いてきてしまった仲間を迎えに来たのだという。敵意は無いし害を与えることも無いそうだ。何それ無害。

人が良過ぎるアンタレス星人

不法侵入してプールで遊んでいたじーちゃんたちも、あっさりアンタレス星人と遭遇する。が、正体を知って尚あのプールで遊ばせてほしいと頼むじーちゃん。

全身発光する宇宙人<<超えられない壁<<<若返りプール

しかし「自分たちの正体や他の人にプールのことを内緒にしてくれるならいいよ」とOKしちゃうアンタレス星人。どんだけ太っ腹なんだ。

だが案の定調子に乗りまくったじーちゃんのせいでプールの秘密がバレてしまい、館に老人ホーム中のじーちゃんばーちゃんが殺到!みんなして我先にとプールに飛び込んでしまう!

実はこのプールの若返りの力の正体は、自分のエネルギーを「わかちあう」という性質を持つアンタレス星人が、眠っている仲間のためにプールの水に生命力を注ぎ込んでいた時のものだった。本来であれば岩(に擬態した繭)の中で眠る仲間達に注ぎ込まれるハズだったのだが、余りにも大勢の人間が一度に飛び込んだため、水の中にある生命力を全て持っていかれてしまった。そのため、アンタレス星人の仲間が二人も息を引き取ってしまう・・・。

ああああ!!
やっぱりこうなるのか!ごめんなさい!おじーちゃん達がロクでもなくてごめんなさい!世界中の人間に代わってあやまります!!ごーめーんーなーさーい!!
※元ネタ:フルバの女将さん。

これにはさすがのアンタレス星人も激怒して、全人類滅亡させてもおかしくないレベル。こっから宇宙戦争が勃発してしまうのか!?

しかし、ウォルター(アンタレス星人のリーダー)たちは静かに涙を流しただけ。老人たちを追い返す以外のことはしない。・・・アンタレス星人の寛容のステータスどうなってんだ・・・。

予想だりしなかったラストへ

"老い"や"死"という概念が無いアンタレス星人は、今回の出来事でニンゲンの「死」の悼みを理解したようだ。そこでじーちゃん達に

「みなさんは不老不死に興味がおありのようだ」
「あと30人ほどは乗せられる」
「私たちの星にくれば死ぬことも老いることも無い」

という驚愕の提案をする。

あぁそうか。
ここで老人たちが不老不死に誘われたことで「みんな大事な人の側で生きる意味を考えて、死を受け入れる覚悟」を持つのだろう。そして地球に残り、アンタレス星人を見送るんだ・・・イイハナシダッタナー

と、思いきや。

まさかの老人ホームご一行、宇宙へ。

老人ホーム職員涙目である。
宇宙人のキティといい感じになったジャックすら行かなかったのに!ちったぁ遠慮しろよ!!

ラストは警察に追われるも、ベンの孫であるデイヴィットの機転で全員が無事、天に召されるように宇宙へと飛び立っていった──

 

いや。
確かにS(すこし)F(ふしぎ)という意味ではまごうことなきSF映画だろう。
けど・・・思ってたんと違う!

世にも珍しいエンディング

老人ホームまるごとって言ったけど、実は奥さんを亡くしたバーニー(CV:八奈見乗児)という男だけは、妻のいない世界で永遠に生きるより、地球で暮らし生を終える人生を選択。・・・普通エンディングとしてはこっちじゃなかろうか。

おとぎ話でも"不老不死"なんて大層なことを願ったヤツは大抵手痛いしっぺ返しを喰らうのが常なんだが、この映画はまさかのハッピーエンド。

正直自分には不老不死になりたいがために宇宙に行っちゃったじーちゃん達に共感は出来ないが、これは体の老いや死の恐怖を常に実感している人間にしかわからない感覚なのかもしれない。

~こんな人にはオススメできません~
■SF映画として観たい方
SF映画の棚に置いてあったら「詐欺だッ!!」って言いたくなるレベル。

■ラストに納得がいかない方
余りにも人間側に都合良過ぎるラストなので、ご都合主義展開が嫌いな方や、こんな心優しいエイリアンいねぇよ・・・と思う方にはオススメしない。

最後に

うぃきを見たら「SFファンタジー映画」と紹介されていたけれど、正しくはSFハートフルファンタ爺映画でした。

SF映画と言う先入観があった状態で見たのでツッコミしまくりだったけど・・・
すっげー面白かったわ!!
じーちゃん達が段々と若返っていく姿を往年の名優さんたちが演じていて、ダンスシーンのキレキレ具合とか凄かったし!「老い」をテーマにしたストーリーはラスト含めなかなか考えさせてくれるものがあった!

しかしこの映画を日本語吹き替え版でやってくれた上に来週は続編の「2」もやってくれるというその勇気!さすが俺達のサタシネ!!期待を裏切らない!!
続編では全身発光人間になったじーちゃん達が会いに来るのだろうか!?気になる!
来週のサタシネ、今から待ち遠しいです!

↓続編の感想はこちら!

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