アクション ★★★★★
テンポ ★★★★
キャラ 造形よりも雰囲気を似せた感が◎
結論:悪役のはっちゃけ具合が良し!
2012年 日本
監督:大友啓史
/主要人物/
■緋村剣心(演:佐藤健)
かつて「人斬り抜刀斎」と呼ばれた伝説の剣客。明治の世では不殺(ころさず)の誓いの証である逆刃刀(さかばとう)を持ち、流浪人として日々を過ごしている。
■神谷薫(演:武井咲)
神谷活心流の師範代の少女。
刀を持っている剣心を辻斬りの犯人と勘違いしたことがきっかけで、徐々に剣心と心を通わせていくことになる。
■相楽左之助(演:青木崇高)
喧嘩屋。
この映画の愛すべき阿呆。
■斎藤一(演:江口洋介)
かつて敵側だった男。
現在は明治政府の警官・藤田五郎と名乗っている。
牙突がかっこよすぎる。
最大の見所:スタント無しの抜刀アクション!!
ジャンプの超人気漫画の実写化なんてどうせガッカリ映画だろ・・・という大方の予想を裏切った、迫力あるアクションシーンは見事!!スピード感とテンポの良さで乗り切った感もあるが、あれだけアクションシーンを連発させながら観客に飽きさせないよう見所をそれぞれ変えているのには驚嘆する。どうしたって技のインパクトはアニメの印象が強烈だが、牙突や佐之の斬馬刀など、下手なCGを使うのではなく実写で違和感がない範囲で再現できるものは再現し、あとは役者自身のアクションで魅せているのが非常に良かった。
実写映画最大の問題点・キャラの再現率は・・・
絶対に不満は出るだろうが、全体的にみて上記と同じく実写に無理が無い範囲でキャラの造形を似せる、役者の雰囲気とキャラクターの雰囲気を可能な限り合わせたキャスティングはかなり良かったのではないかと思う。剣心の髪の色や「おろ?」などの言い回しはアニメ基調にするとどうしたって実写では浮くが、極力役者にも視聴者にも違和感を感じさせない範囲の再現に留めていたのが良かったと思う。
るろうに剣心が実写映画の中ではヒットしたのは、こういった原作の再現率と敢えて実写にはしなかった部分のバランスが非常に優れていたからではないだろうか?
個人的見所①悪役のテンションの高さ
モブの悪役に至るまで悪役の皆さんが常にハイテンションでノリノリ!多分これは女子供に暴力を奮っても陰鬱にならないよう、敢えて明るめの演出にしているのだと思われる。また基本再現不可能なビジュアルの悪役たちも、原作を知っている人間が観れば「あぁこいつだ!」と解る位の特徴はしっかり残し上手く再現している。
外印はイケメン過ぎたけどな!!
だがその中でもぶっち切ってるのは香川照之さん演じる武田観柳。
ハイヒールもテンションも高すぎる。*1
特にトリガーハッピー☆なガトリング乱射シーンのアドリブは必聴!
「らっしゃい らっしゃい らっしゃい らッしャァァイ!!」
キサラギを見てMOZUを見て剣心を見ると香川照之さんの演技の幅に惚れ惚れするよ!
個人的見所②あの回想シーン!
巴と旦那さんの回想シーンや十字傷の由来が語られるのは、追憶編が好きな方にはかなり来るものがあったのではないだろうか?原作を観ていなければ解らないが、こういうさりげないシーンを挟んでくれたのは素直に嬉しい!
~こんな人にはオススメできません~
■緒方恵美派&涼風真世派な方
漫画もアニメヒットし、尚且つアニメはかなりの長期。やはりキャラのイメージ=声優な方は実写の視聴は厳しいかもしれない。キャラ愛でもうイメージが固定されてる人にはオススメできない。
最後に!
やはり剣心の実写がそれなりに受け入れられたのは、舞台が日本で剣術バトルだった所が大きい気がします。悪役や剣心は別として他の主要キャラ達は割りと外見は再現しやすい方だし。アクションに最大の重きを置きつつ、原作のストーリーもそれなりに上手く纏められていたのが他の実写映画との違いなのかも。巨人もスパイダーマンレベルの立体機動装置アクションをメインにして、変なオリジナル要素を入れなければこれほど文句は出なかった気もするんですが、色々とあったんでしょうねぇ・・・
↓「京都大火編」の感想はこちら!
*1:原作には無い観柳のハイヒール設定は周りの役者と身長を合わせるためだったらしい。