B級度 ★★★
恐怖度 ★★
結論:サインよりはマシ。サインよりは。
2008年 アメリカ
監督:M・ナイト・シャマラン
※本編のネタバレ含まれますので未視聴の方はご注意ください※
ストーリー
ある日の公園。
突如、人々の喧騒が消えた。
髪留めで首を突き刺す女、次々に身を投げる建設現場の作業員・・・
一体何が起きているのか?
登場人物
■エリオット(吹:森川智之 )
科学教師。主人公。
最近奥さんとの関係がちょっとこじれてる。
■アルマ(吹:岡寛恵 )
エリオットの奥さん。
同僚の男からしょっちゅう電話が掛かってきて情緒不安定。
※因みにその同僚の男の声はシャマラン監督である。
■ジュリアン(吹:井上倫宏)
エリオットの同僚で親友の数学教師。
妻を捜す為、娘をエリオット達に預け一人別行動をすることに。
ホラー映画で顔が出ない家族を探しに一人で行動すると大抵こうなるといういい見本。
最大の見所:ショッキングな大量自殺シーン!
町を歩く人々が一斉に静止した後、自分で首をぶっ刺して死ぬシーンや、次々と作業員がモノのように降ってくるシーン。道路の両脇の街路樹に装飾の様にぶら下がる首吊り死体など、大量自殺シーンの不気味さやインパクトは見事!ホントに!!
だがしかし。
何が原因でこうなったのか?テロなのか?原因は?神経ガス?放射能?
パニックになって逃げ惑う人々。だが周囲では次々と車が横転し、拳銃を持った警察官は自分のこめかみを打ちぬく。
「一体何が起こってるんだ?」と次々に口にする人々。
だが主人公たちを車に乗せてくれた苗木大好きなおっちゃんは言う。「原因は解っている」と。そして唐突に、
おっちゃん
「原因は植物だ!!」
原因は植物。
何がどうしてそういう発想になったのかさっぱり解らないが、この騒動の原因は植物だと言うのである。
植物は身の危険を感じると一種の化学物質を出すとかうんたらかんたら説明が入るが、それを聞いている主人公達はウッソだー頭おかしーんじゃねーのー?みたいな反応をする。が、本当にこのおっちゃんが言った事がおおむね正しいのである。
物語最大の謎、あっさり解明。
さすがサインのシャマラン監督。
赤ペン先生曰く「広げた風呂敷を畳めない男」。
この発想の斜め上加減を斬新と見るか、そりゃねーよと思うかで本作の評価が決まる。
この発言の前に特に伏線も無いままいきなり突拍子も無く「原因は植物!」。しかし視聴者がポカーンとしている間に、あっさりと植物が犯人説を信じた主人公達はどんどん話を進めていく。
・・・一応この後、人間が大量に集まっていると敏感に反応しちゃうから科学物質が出まくって危ないとか、だから少人数で行動すれば大丈夫とか考察するシーンもあるが、そんな展開に大して意味は無い。
何故なら後半の主人公グループの脅威はもっぱら人間であり、最後の狂人のおばあちゃんに至っては別に今回の事件とは関係なく最初からトチ狂ったおばあちゃんなので、正直何がしたかったのかよく判らないホラーである。
~こんな人にはオススメできません~
■怖くないホラーとか許せない人
自殺シーンの不気味さは良い。が、その後の展開はヒックリするほど怖くない。圧倒的にこの映画には恐怖が足りない。真に怖いホラー映画でなければ楽しめないという方にはオススメできない。
最後に
この程度であれば、個人的ホラー映画最大のガッカリ映画「サイン」を超えることは無いので、そこそこ楽しめる人は楽しめる・・・かもしれない。
毎度マニアックな映画をやってくれる「サタ★シネ」だが、恐らくこのタイミングでやってくれたのは同監督の最新作『ヴィジット』が10月23日から公開されるからだと思う。赤ペン先生曰く、今回のシャマラン監督は最初から風呂敷を広げないことにしたらしいが、果たして・・・!?
↓果たして風呂敷は畳めたのか。
↓サイン感想記事はこちら!
↓植物が原因なホラーといえば・・・