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【ドラマ】そして誰もいなくなった 感想(第一夜ネタバレあり)~仲間由紀恵主演!テレ朝常連俳優による豪華ミステリー!

そして誰もいなくなった ドラマ テレビ朝日

テレビ朝日ドラマ「そして誰もいなくなった」ネタバレありの感想です!(※ただし原作のネタバレはございません)

第二夜の感想はこちら!→ 【ドラマ】そして誰もいなくなった(犯人のネタバレあり) 第二夜感想~ついに明かされる、数え歌連続殺人事件の真相とは?

結論:お客さまの中に右京さんはいらっしゃいませんか!?

ストーリー

アガサクリスティのミステリー小説「そして誰もいなくなった」のドラマ化!

孤島に集められた10人の男女。
彼らは性別も年齢も違う客たち。だが共通点が一つだけ・・・それは人を殺した過去があること!

数え歌になぞらえた連続殺人事件。
殺されるたびに減る人形・・・

やがて誰もいなくなった島に刑事たちがやってくる。果たして彼らは、巨大な密室(クローズドサークル)で起きた事件の謎を解き、犯人を暴くことができるのか?

登場人物

■白峰 涼(演:仲間由紀恵)
しらみね りょう。
自称天才マジシャンでもないし教師でもない。
金メダルをとったこともある元水泳選手。家庭教師として水泳を教えていた子供を殺したと言われている。原作におけるヴェラで、今作の主人公。

■五明 卓(演:向井理)
ごみょう たく。
元ボクサー選手で、現在は人気ミステリー作家。序盤では何かと涼に絡み、たくちゃん呼びを強要していた。過去の罪や人物設定は全く違うが、原作におけるマーストン。

ドラマ版では、5年前のアマチュアボクサー時代、女性に絡んでいたヤクザをぶん殴って追い払うが、彼女の手を引いて逃げようとしたサラリーマンをヤクザと勘違いしてぶん殴り、死なせた過去を持つ。

原作同様初日に真っ先に死んだ人。
死因は「喉をつまらせて~」という数え歌になぞらえ、酒かグラスに混入していた青酸カリによって毒殺された。神の舌を持つ男でも毒は見抜けなかったようだ。

■門殿 宣明(演:津川雅彦)
もんでん せいめい。
役職が議員に変更されているが、原作におけるマッカーサー将軍。原作同様妻の愛人であった部下(ドラマの場合は秘書)をわざと死なせる。ちなみにセリフに登場したエルドビア共和国はドラマ相棒の中に登場する架空の国である。なのに瀬戸内さんじゃない・・・だと・・・!?

原作同様撲殺され、3人目の犠牲者となる。

■翠川 信夫(演:橋爪功)
名前の読みはのぶおではなく「しのぶ」。
彼は執事であって決して京都を迷宮案内したりはしない。
原作の執事のロジャーズとほぼ変わらないが、ドラマ版では過去、主人を明確な殺意を持って直接殺している。

原作同様、数え歌の「薪割りしていたら、自分を真っ二つ~」になぞらえ、薪割り中に斧で頭をかち割られて殺害される。4人目の犠牲者。

■翠川 つね美(演:藤真利子)
苗字の読みは「みどりかわ」。
原作におけるエセル。過去、夫の殺人を目撃するも黙殺してしまった。

原作同様レコードの音声を聴いた直後に倒れ、数え歌の「寝坊して~」になぞらえ、そのまま目をさますことなく死亡し2人目の犠牲者となった。睡眠薬の過剰摂取が原因ぽい。

■星空綾子(演:大地真央)
名前がもうヅカっぽい。
舞台女優に設定が改変され性格も異なるが、原作におけるミス・ブレント。雇っていたお手伝いさんを死なせた。だが原作とは違い、行きずりの男と子供を作った彼女を騙し勝手に中絶させ、自殺に追い込んだ。原作の彼女は敬虔なクリスチャンという設定故の行動だが、作中ではなぜここまでしたのか明確には描写されない。動機については推測になるが、死後もなお彼女の写真を持ち歩いていたことから実の娘のように感じていたか、回想で彼女の薬指に指輪をはめるシーンがあったことから、恋心を抱いていた可能性もある

3日目にめまいがすると部屋で休んでいたところ、数え歌の「ハチに刺されて~」になぞらえ、毒物を注射され死亡した。執事に続き5人目の犠牲者。

■磐村 兵庫(演:渡瀬恒彦)
いわむら ひょうご。
元判事。決してタクシードライバーでも十津川警部でも9係係長でもない。
原作におけるウォーグレイヴ判事。過去裁判で私怨で死刑を言い渡したと言われている。

体格は違うが、冷静でリーダーシップをとるなど役回りは原作同様。ただし死に様の衣装は全く異なり、遠山の金さんのような格好で射殺死体となって発見された。6人目の犠牲者。

■ケン石動(演:柳葉敏郎)
けん いしるぎ。
軍事評論家。室井さんではない。
裏の顔は元傭兵。戦場で仲間をわざと置き去りにして殺したといわれている。しかし原作とは違い、ドラマ版では見捨てざるを得ない状況での出来事だったので、原作ほど非常な人間ではない。

オーナーの弁護士である井伊本人と直接会ったことがある人物で、依頼により招待客の中にまぎれこんだ凶悪な殺人犯を見つけるため島へやってきた。その際、オーナーからの契約条件により実弾入りの拳銃を所持するよう申し付けられている。罪や契約内容などに改変はあるが、原作におけるロンバート。

■神波 江利香(演:余貴美子)
こうなみ えりか。
救急センターの外科医。女タクシードライバーではない。
性別は変更されているが原作におけるアームストロング医師で、酔った状態で手術をし患者を死なせた過去を持つ。ドラマ版では釣りが趣味となっているが・・・。

■久間部 堅吉(演:國村隼)
くまべ けんきち。
当初は偽名を名乗っていたが、元警視庁捜査一課の警部。原作におけるブロア警部で、探偵業の依頼という形で島にやってきた。ウソの証言をして人を死刑に追い込んだらしい。だが実際はDV被害に悩んでいる女性を助けるため、暴力夫の裁判で偽証を行っていた。原作ではことあるごとに誰かに疑いをかけ、同僚からの評判も悪い悪辣な刑事だったが、ドラマ版ではそのようなそぶりは無いため性格は大分違うようだ。また、長く心臓病を患っている描写がある。

■相国寺 竜也(演:沢村一樹)
しょうこくじ りゅうや。
ドラマオリジナルの刑事であって決して浅見光彦ではない。

10人の他殺体が発見された兵隊島に、彼らが調査するところから物語が始まり、ドラマ版では彼らが島に乗り込み、事件の謎を解いていく・・・という展開になっている。原作では問答無用で未解決事件となってしまったが、果たして・・・?指の仕草が物凄く「一つよろしいですか?」のあの刑事に似ている。

■多々良 伴平(演:荒川良々)
たたら ばんぺい。
ドラマオリジナルキャラクターの刑事。ゴシック好きな相国寺の部下。ネズミが大嫌い。

■七尾審
名前の読みは「あきら」。
原作におけるU・N・オーエン。ドラマでは自然回帰運動家として有名な人物と設定が改変され、かつて昭和の大スターと呼ばれた人物が所有していた別荘と兵隊島を買い取り、「自然の島ホテル」にリニューアル。島では無農薬野菜の育成を行い、ホテル内ではスマホやタブレットなどの文明機器の利用の中止を条件にして、時代を現代に改変した弊害を排除した。

原作との違い

ロンドンの小島だった「兵隊島」は現代日本にある八丈島沖の孤島に変更。また、登場人物たちの設定も一部変更されている。かの有名な姿無きオーナー「U・N・オーエン」は七尾審となっており、読みを「しん」にし、彼の弁護人の「井伊弁吾」を、(イー=E)」と「BENGO」にして並び替えると・・・

NANAOSHIN
E BENGO

NANASINO
GONBEE

名無しのごんべえとなる。
めっちゃ和風!

ほか、原作では食事の連絡方法の銅鑼がベルになるなど細かい差異がある。

また、イギリスの習慣や伝承になぞった描写は日本版にアレンジされていることが多く、原作ではレコードのラベルに、海外の言い伝えで生前最後の演奏を意味する「白鳥の歌」と書かれていたが、ドラマ版では「天使の歌」に変更されている。

殺人方法はほぼ原作通りだが、唯一元判事の死に様だけは大きく変わっており、原作ではイギリスの判事の格好(白いカツラに赤いローブのようなもの)を着せられていたが、日本と言う設定にあわせてか、遠山の金さん風になっている。まげには正直笑った。

感想

ミステリードラマスシリーズの常連が揃いぶみ&俳優の平均年齢の高さがエラいことになっていたドラマ。

原作同様若手が真っ先に死ぬなど、ストーリーはわりと原作に忠実に作られている。また原作における元将軍と老婦人である門殿と星空綾子が冒頭の船で会話していたり、元警部とケンの会話の雰囲気など、意外に人間関係や細かいところも原作に忠実になっていたのは結構驚いた。

医師が女性になっているのも驚きではあったが、向井さんが即効で脱落し星空も脱落すると、後半がおっさんだらけになる展開になるし、探索に率先して女性が参加しているというのもなかなか悪くなかった。

だがそれよりも何よりも最大の見所は、橋爪さんや渡瀬さんなど、普段はドラマで犯人を追い詰める側のキャストたちが、逆に殺される側になっているというところではないだろうか。まさにスペシャルでしかなしえないキャスティングによるドラマ。さりげなく相棒ファンにしか解らないネタをねじこんてくるその姿勢、嫌いじゃないわ!

原作を知らない人は純粋に推理とストーリーを、既に原作を知っている人は、本当に今宵限りの俳優陣の競演を楽しんで観るといいと思う。

最後に!

登場人物がみんなDQNネームすぎて読めねぇ。
原作を知っているので推理部分はあれだったり、現代や日本にあわせるのにちょっと・・・いやかなり強引な設定になってますが、いいんですよ!様式美だからねっ!!

渡瀬さんの最後の出演作となった今作ですが、やはり声の出し方がしんどそう・・・。原作でも動かない役どころだったのは幸いだったかもしれません。

さて。原作を知っていると犯人が現時点でも結構バレバレだったりしますが、それでもこのキャスト陣には心躍らずにはいられません!後半はたった4人となり乱戦模様となった生き残り合戦と、浅見・・・じゃなかった相国寺刑事の推理パートが見所のようなので、明日も楽しみにしたいと思います!

↓第二夜感想はこちら!※犯人・ラストについてネタバレありなのでご注意!

↓原作のあらすじ・感想はこちら!※犯人のネタバレありなのでご注意ください