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びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る感想サイト。ネタバレ多め。

塔の上のラプンツェル(あらすじ・ネタバレ感想あり)~最強の頭皮を持つプリンセス誕生。ランタンシーンは最高にロマンチック!

塔の上のラプンツェル(吹替版)

ロマンチック度 ★★★★
美術 ★★★★★
ラプンツェルの腕っ節 強い(確信)
結論:名前の由来ェ・・・

2010年 アメリカ
原題:Tangled
製作総指揮:グレン・キーン

※ラストのオチのネタバレあり!
※感想だけを読みたい人は目次ですっ飛ばしてください。

目次

あらすじ

初めての世界

むかしむかし。
空から落ちてきた太陽の雫から、美しい金色の花が生まれました。
その花には歌いかけると病気やケガが瞬く間に治る魔法の力がありましたが、老婆のゴーテルは魔法を独り占めして、何百年ものあいだ若さを保っていました。

月日が経ち・・・。
とある王国の王様とお妃さまのあいだに子供ができましたが、お妃さまが病気になってしまいました。国の人々はお妃さまを救うため魔法の花を見つけ出し、花を薬にして飲ませました。するとお妃さまの病気は治り、元気な女の子が生まれました。太陽のように輝く美しい髪をもった赤ん坊は『ラプンツェル』と名づけられ、誕生日には灯りを飛ばしてお祝いしました。

しかし。
花の魔力が宿る髪を狙ったゴーテルがラプンツェルをさらい、森の奥深くの塔の中に隠してしまいます。

そして・・・。
ゴーテルに娘として育てられたラプンツェルが18才の誕生日を迎える前の日。外の世界に憧れるラプンツェルが、誕生日に決まって空に浮かぶ灯りを見に外へ出たいとゴーテルに願いましたが、外は危険がいっぱいだから、おまえは一生外へは出さないと言われてしまいます。

落ち込むラプンツェル。
しかしその日、塔に一人の泥棒がやってきました。ラプンツェルはフリンと名乗るその泥棒と外の世界へと飛び出します。初めて外へ出た喜びと、母親に黙って外へ出たことへの罪悪感で若干情緒不安定気味になるラプンツェルですが、顔は怖くとも夢がある荒くれ者たちと友達になったり、坑道に閉じこめられて死にかけたりといくつもの冒険をします。やがて仲を深めた2人は互いの秘密・・・ラプンツェルは髪に魔法の力があること、フリンは自分の本当の名前が『ユージーン』であることを告げます。

ですがその夜。
後を追ってきた母親に、フリンの正体が泥棒で、盗んだティアラのためにおまえと一緒にいるだけだと言われてしまいます・・・。

魔法の髪(※ラストまでのネタバレあり)

王国にやってきた2人。
無数の空飛ぶ灯りのなかでいい雰囲気になったラプンツェルは、信頼の証としてティアラをユージーンに返します。しかしかつての泥棒仲間にハメられたユージーンは姿を消し、彼に裏切られたと思い込んだラプンツェルはゴーテルと共に塔へ帰ってしまいます。ですがユージーンから貰った王国のハンカチの「太陽」の印がキッカケで自分がプリンセスだったことを思い出し、ゴーテルに捕まってしまいます。

一方。
兵に捕まり死刑を宣告されたユージーンは、荒くれ者たちの協力を得てラプンツェルを助けに向かいます。が、ゴーテルに刺されて瀕死となってしまいます。ラプンツェルは一生ゴーテルのそばにいることを条件に魔法の力でユージーンを助けようとしますが、ユージーンは最後の力で、彼女の髪をバッサリ切り落とします。魔力が消え去ったことでゴーテルはみるみるうちに元の老婆へと戻り、灰となって消えていきました。

瞳を閉じ、息絶えたユージーン。
ラプンツェルは彼を抱きしめて涙を零します。すると一粒の涙にこもった花の魔力がユージーンの傷を癒し、彼は再び目を覚ますことができました。

ラプンツェルは王国に戻り、そこでプリンセスとして生きることになりました。国は喜びにつつまれ、荒くれ者たちは夢を叶えはじめていました。

ユージーンはフリンの名を捨て泥棒稼業から足を洗い、そしてラプンツェルに結婚をせがまれて・・・ではなく、自分から彼女にプロポーズをしました。

それから2人は、
幸せに幸せに暮らしましたとさ・・・。

登場人物

ラプンツェル(吹:中川翔子)

「花はきらめく。魔法の花・・・♪」

長すぎる髪を持つ今作のプリンセス。
自分をさらったゴーテルに娘として育てられ、18年間塔の中だけで生活していた。そのためパスカル(カメレオン)が唯一の友達。基本裸足で靴を持っていない。

ゴーテルがしょっちゅうでかけるため一人の時間が長く、料理に洗濯・掃除など一通りの家事はこなせる。裁縫やダーツや読書など一人遊びをしながらそれなりに楽しく暮らしており、自分の髪を使って一人ロッククライミングして適度な運動もこなす活発な少女。壁に絵を描くことが特にお気に入りの趣味だが、描き尽くしてしまいもうスペースがない。閉塞的な環境で育てられるも、世間知らずで天真爛漫。少々無鉄砲という性格はのちのアナにも受け継がれる。

髪には太陽の花の魔力が宿っており、ラプンツェルが歌うと光りだし魔法が発動。その髪に触れるとキズが癒えたり、他者を若返らせることができる。しかし一度髪を切るとその髪は魔力を失い、地の色である栗毛色の髪に戻ってしまう。そして二度と伸びてこない。ラプンツェルの髪が長い理由はこのため。

「花はきらめく。魔法の花。時を戻せ、過去に戻せ。傷を癒せ、運命の川。遡れ、蘇らせろ、過去の夢」という呪文から考えるに、実際は生命力を与える回復系の魔法というより時間を戻す『時間操作系』の魔法らしく、他者には効果があるがラプンツェル自身には適用されていない様子(作中でもラプンツェル自体が若返ったりはしていない)。

魔法の力で強化されているのか、それともラプンツェルの頭皮と毛根が最強なのか、長い髪は様々な使い方ができ、ムチのように操ったりロープ代わりにして女ターザンになれたりと超便利。ディズニーキャラが出演するスクエニのゲーム『キングダムハーツ3』に登場予定だが、操作キャラになったあかつきにはアクションで大活躍してくれそうな予感である。

因みに彼女の髪の長さは公式設定で21メートル。重さにして約4~5キロある。彼女は毎日その重さを平然と抱えながら生活しているのである。尚且つ毎日ゴーテルの体重を支え引き上げる腕力・・・もしかしたら歴代最強のディズニープリンセスなのかもしれない・・・。

フリン・ライダー(吹:畠中洋)

「君は俺の新しい夢だ」

今作の語り部。
冒頭でいきなり「これは、俺がどうやって死んだかを描いた物語・・・」とディズニーらしからぬ前フリをして視聴者を一瞬焦らせた。職業は泥棒で、王国から王女のティアラを盗み仲間を見捨ててラプンツェルがいる塔まで一人逃げてくるも、フライパンでノックアウトされた。顔に自信があるようで特に自慢なのは鼻らしい。でも女をオとす時のキメ顔が最高にイカさない。

盗んだティアラと引き換えにラプンツェルを外へ連れ出すはめになるが、当初はラプンツェルを脅かす為にわざと荒くれ者が集う酒屋へ連れていくなど気乗りしておらず、ミュージカルも歌わない。

自分の過去を話すことを嫌っていたが、実は孤児で両親の顔を知らずに育った。本名はユージーン。フリンとは小さいころ憧れていた絵本の中の主人公の名前。彼のように女にモテて何でも出来る男になりたかったようだ。

だが、フリンよりもそのままの自分(ユージーン)の方が好きだといったラプンツェルに惹かれていき、お尋ね者になっているにも関わらず王国まで同行。彼女の夢を叶える。この頃には彼も立派なミュージカルの住人となっている。

ラストのラプンツェルを救おうとした彼の決死の行動はまさに漢。ノリは軽くとも立派なディズニープリンスとなった。

ゴーテル(吹:剣幸)

「そう、私を悪者にするのね・・・」

今作のヴィランズ(悪役)。
ラプンツェルとは真逆の黒髪のチリチリヘアーの美女。スタイルも抜群だが、実際の姿は年老いた老婆で、何百年ものあいだ花の魔力により若さと美貌を保っているが、定期的に魔法の力を浴びなければ徐々に元の姿に戻っていく。ボソボソブツブツ喋るのが嫌いで歌が上手い。まるで元宝塚のトップスターのよう。悪者扱いされるとキレる。

赤ん坊のラプンツェルをさらい、人目につかないよう出入り口が窓しかない塔に閉じ込めて育てていた。なので原作の童話同様、塔に入る時はラプンツェルの長い髪の毛を滑車代わりに垂らしてもらい、そのまま引き上げてもらっている(毎回ラプンツェルは肩で息をしているので、結構な重労働だと思われる)。

彼女には「魔法の力を持つ髪を狙っている悪人から守っている」といいつけ外には悪人がうようよいると吹聴し、王国が消えた王女の誕生日に飛ばしているランタンをラプンツェルに悟られぬよう「星」と言っていた。

それなりに大切に育てていたようだが、ラプンツェルのことをたまに「お花ちゃん」と呼び、彼女個人には愛情は抱いていない。事あるごとに「大好き」と言うも、一方でラプンツェルを「ドジ」「世間知らず」と罵り、あなたのために言っているなどと、暗に自分無しではいられないように教育するなどまさに毒親である。

終盤にパスカルの活躍によって塔から落下するが、髪の魔力が消え去った時に何百年分の時間が一気に戻り、落下する途中で灰となって消失するという哀れなラストを迎えた。(落下する寸前ラプンツェルは彼女を引きとめようとしていたので、騙されたと知ってなお愛着はあったのかもしれない)

その他のキャラ

■ラプンツェルの両親
ラプンツェルの本当の両親。
さらわれたあとも必死に娘を探し続けており、18年間誕生日の日には天灯を飛ばし続けていた。いまもなお生きていることを信じて「消えた王女さまのお祭り」と呼んだり、祭り当日には父親は涙していたりと、いまだ愛情を持ち続けていることが伺える。ラストでその思いはようやく報われることとなった。

■パスカル
今作のマスコット。
ラプンツェルの友達のカメレオンで、言葉こそ話せないが表情は豊かでよくドヤ顔をする。フリンからは「カエル」と呼ばれている。ラストではゴーテルにとどめを刺した。

■マキシマス(吹:???)
王国の警護隊長の乗り物。
ディズニー映画の王子様御用達の白馬だが、その中でも歴代最強の馬。主人をフリンに吹っ飛ばされたあと無理やり背に乗られるも、盗まれたティアラを取り返すため執念深く追いかけ、ありえない高さからも平然と着地する。さらに自ら剣を口にくわえ、フライパン装備のフリンと剣戟したりともはや馬でない。

上記の理由からフリンとは犬猿の仲だったが、中盤でラプンツェルにほだされフリンとは一時休戦する。さらに2人の危機を知ったあとは酒屋の荒くれ者たちを城に呼びフリンの命を救うなど今作の最大の功労者となる。ぶっちゃけ人間の警護兵よりも優秀だったため、ラストでは兵を従える立場となって国中の犯罪とリンゴを撲滅した。

■スタビントン兄弟(吹:飯島肇)
フリンの泥棒仲間だった2人組。
裏切られた報復のためフリンを追い掛け回していたが、ゴーテルに唆されラプンツェルを狙うも、結局は当て馬として利用されお縄についた。

■フックハンド(吹:岡田誠)
酒屋の荒くれ者の一人。
当初は賞金首だったフリンをつきだそうとしていたが、夢を語るラプンツェルに共感し即効で味方になってくれた。フックの片手で見事な演奏をする彼の将来の夢はピアニスト。エンディングではその夢の一歩を踏み出す。

■天使コスのご老人
酒屋で荒くれ者と一緒にいた酔っ払い。美女に目がない。フリンを救出しにやってきたり映画のラストカットを飾ったりとやけに出番が多いジジイである。

最大の見所:最高に美しい天灯シーン!

ラプンツェルの見所と言えば誰もがあげるであろう、無数のランタンが空に舞うシーン!最高にロマンティックな名場面だが、その前の場面・・・ラプンツェルとユージーンのダンスシーン場面も、音楽やカメラワークの良さでいえば負けず劣らずの名場面である。物語を大いに盛り上げる賑やかなこの場面があってこそ、静かな天灯シーンの美しさが映えるのだと思う。

ちなみにこの灯り(スカイランタン)を飛ばすというお祭りは、タイでは「ローイクラトン」、ヨーロッパでは「聖ヨハネ祭」で実際に行われるもの(日本でも一部イベントで行われることもある)。気球のようにほわりと浮かぶ灯りが空を埋め尽くす幻想的な光景は、映画さながらの美しさとなっている。

個人的見所:可愛いヘアスタイル

余談だが、ラプンツェルは歴代でも最もヘアスタイルが多いプリンセスである。

一人ではどうすることもできずただとかしていただけのロングヘアーは、王国の祭りで女の子が数人がかりで挑み、花が編みこまれたとても愛らしいヘアスタイルに。そしてラストでは魔力を失い、栗毛色のショートヘアとなる。

プリンセスが『変身』というのはある意味シンデレラやリトル・マーメイドでもお馴染みのイベントだが、能力を失って一般人に戻るというパターンは珍しい。個人的にはこのラストのショートヘアのラプンツェルが最もお気に入りだが、『シンデレラ』のブルーレイである「ダイヤモンド・コレクション」にボーナスコンテンツとして収録されている、ショートヘアのラプンツェルのブライダル姿が最高に可愛いので、未視聴の方はぜひ一度ご覧になって欲しい。

ラプンツェルの名前の由来について

実際のグリム童話「ラプンツェル」は元の話から性的な要素を抜き取った話として有名だが、ディズニー映画ではそもそも名前の由来となった野菜が最初から登場せず、ラプンツェルとは一切関係ナッシングな話となっている。

童話で姫の名前の由来となったラプンツェル(野菜)とはヨーロッパではサラダ菜として使われることもあるノヂシャ(野萵苣)。原作では妊娠していた母親が、魔女の庭にあるラプンツェルを黙って食べてしまったことに由来する。(そしてそれを許す代わりに「おなかの子が生まれたらよこしな」と赤ん坊を連れて行かれる)

ヨーロッパではラプンツェルは栄養豊富で妊婦の体によい食べ物とされているんだそう。だがそもそもその設定がはぶかれているので、ディズニー版ではなぜにお妃さまがこの名前をつけたのかわからなくなってしまっている。・・・両親は三度の飯よりラプンツェルが好きだったっていう裏設定でもあるのかもしれない・・・。

とはいえ、ラプンツェルは歌が上手いという設定や、「王子様をラプンツェルの涙が癒す」というラストは原作同様。そのまんまやるには無理がありすぎるストーリーなので、そもそもアナ雪では悪役が主役になっちゃったりしてるし、これくらいの改変は笑って許すべきだろう。

最後に!

原題の「Tangled」とはもつれる、などの意味。本国公開時には男子を呼び込もうと、わざとプリンセスの名前を使わなかったんですね・・・。

歌のインパクトはアナ雪には及ばないかもですが、テンポよく進むストーリーや、従来の童話ものとは違うアクティヴなプリンセスなど、この作品ぐらいからディズニーには従来のお約束も踏みつつ、現在の価値観や新しい要素を加えていこうとする意気込みを感じるようになりました。シンデレラ2やピーターパン2などやたら続編を連発するようになった時はどうなることかと思いましたが、3Dで描かれる初のプリンセスものは新鮮で面白かったです!キングダムハーツ3の参戦がほんとに楽しみ。早く発売日決まらねぇかなぁ・・・。

↓原作のラプンツェルは色々とアレ。

↓ディズニー映画感想!