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【映画】アナコンダ ネタバレ感想~巨大ヘビ&最強鬼畜おっさんのWコンボとか泣けてくる。

アナコンダ Blu-ray

巨大な人喰いヘビ・アナコンダの話は、アマゾン流域の先住民に何世紀ものあいだ語り継がれ、中にはこの大蛇を崇拝する部族もいるという。アナコンダは体長12メートルにまで成長し、極めて凶暴で、獲物を飲み込むだけでは満足せずとった獲物をわざわざ吐き出して、また新たな獲物に襲いかかるのだ・・・。
──映画「アナコンダ」冒頭より

B級度 ★★★★
恐怖度 ★★★

アナコンダのクオリティ 悪くない。
結論:死に様に愛を感じる。

1997年 アメリカ・日本
監督:ルイス・ロッサ
主演:ジェニファー・ロペス

※犠牲者&生存者、ラストのオチのネタバレあり!
※感想だけを読みたい人は目次ですっ飛ばしてください。

目次

ストーリー

南米アマゾンの奥地に住まう伝説の部族を探しにやってきたTVクルーたちは、撮影の途中、船が座礁して立ち往生していた男を救い出す。サローンと名乗るその男と共に上流へと船を進めるが、途中でリーダーのケイル教授が負傷。サローンの指揮により一行は柵で封鎖されたヘビだらけの秘境へと入り込む。だがそこはアナコンダの巣窟だった!

ヘビの密猟者であったサローンに、アナコンダの生け捕りを強制されてしまうクルーたち。一人、また一人と、巨大アナコンダの餌食となっていく──!

あらすじと登場人物

※吹き替えキャストはテレビ朝日版のものです。

■テリー(吹:佐々木優子)
今作のヒロイン。
ドキュメンタリー映画の撮影ディレクターとして今回の旅に同行。
サローンが故意に支流に連れて行こうとしていることに薄々気付いており、彼が正体をあらわした後はハニートラップを仕掛けてハメた。いなくなった仲間を心配して一晩待ち続けたり、サローンを殺さずに拘束に留めるなど極めて道徳的な判断を下すが、却って犠牲者を増やしてしまう。

■ケイル教授(吹: 堀内賢雄)
インディオの研究をしている教授。テリーとは恋人同士。
部族探しのプロフェッショナルであり、伝説上の存在であった霧の民・シリシャマ族の存在を実証するため、テリーと共にアマゾンに向かう。皆をまとめる頼れるリーダーだったが、スクリュー引っかかったロープを切るために川に潜った際、なぜか酸素ボンベの中にスズメバチが入っていたことで重傷を負ってしまう。

■ダニー(吹:辻親八)
カメラマン。
恰幅のよい黒人男性で常識人。テリーとは同窓の親友という間柄なため仲が良い。腕っ節が強く作中ではおもにサローンとの戦闘を担当する。終盤まで生存し、最後までテリーの相棒として活躍する。

■ウエストリッジ(吹:牛山茂)
リポーター。
アマゾンの奥地に行くというのに高級ワインやらゴルフクラブやらを持参してきたインテリ野郎で、序盤は何かと嫌味なヘタレキャラだったが、中盤以降はキャラ変し、意外な活躍をみせる。

■ゲアリー(吹:松本保典)
音声担当。
ジャングルの真っ只中でも性欲を持て余しており、デニスとイチャついていた。
その後金に目がくらみ真っ先にサローンに寝返って事態を悪化させる。そして天罰が下った。

■デニス(吹:田中敦子)
プロダクションマネージャーの女性。
突然サローン側に寝返った恋人にショックを受けていたが、そんなゲス野郎でも愛していたらしい。作中で唯一、アナコンダではなく人間に絞め殺されたキャラクターである。

■マテオ(吹:成田剣)
現地のガイド。
船長として操縦を担当していた。やたらサーロンと見つめあうが・・・?

■サローン(吹:小川真司)
遭難していた男性。
序盤は魚を捌いて料理をふるまったり、ゲアリーたちを猪から救い、ケイルがハチの毒で呼吸が止まった時は喉を切って応急手当したりと、一行に協力する姿勢を見せていた。だがそれらは全て、アナコンダの生け捕りにクルーたちを利用するための演技であある。

彼の正体は数年前からアマゾン川でヘビを密猟していたハンター。(冒頭で死んだ男は彼の密漁仲間)。荒事に長け銃の扱いにも慣れており、ケイル負傷後は暴力や銃で脅してメンバーを支配し、アナコンダと並ぶ脅威となった。クライマックスにはパニック映画史に残る死に様を披露する。

あらすじ(犠牲者名鑑)

マテオ

実はサローンとグルの密猟者。
燃料を探すと偽り、実際は対巨大アナコンダ用の武器をとりにいくため、冒頭に密猟者が自殺した船内にサローンと共に向かう。が、帰り道にアナコンダに襲撃。全身をぐるぐる巻きにされ、体を捩じ折られて死亡した。

ゲアリー

姿を消したマテオを待っている間にサローンから儲け話を聞かされ、即効で寝返った。仲間からは当然責め立てられ適当に言い訳をまくし立てていたが、病人をほっといてアナコンダ捕獲とか言い出せば普通に狂気の沙汰である。

強い者に巻かれ恋人よりも金を選んだ下種野郎だが、その夜アナコンダから襲撃されて川へ落ちたデニスを救うため自ら飛び込んで助けたが、彼女の目の前でアナコンダに襲われぐるぐる巻きに。テリーが銃で撃とうとするが生け捕りにこだわるサローンにジャマされ、そのままゲアリーはアナコンダの胃袋に収まることとなった。そして彼の死が後の悲劇へと繋がる。

デニス

ゲアリーが死んだことでついにテリーたちが反旗を翻し、サローンを捕獲。彼を殺そうとするダニーたちをテリーが説得し、船上に拘束したままにしておくことになった。

その後川から脱出しようとするも船が座礁。川に潜って作業するハメになる。だがテリーたちいない間に、デニスがゲアリーの敵討ちにサローンを殺そうとする。しかし拘束されたままのサローンになんと足技で絞め殺される。彼女の遺体はのちに、ゲアリーと同じところへと葬られることになる・・・。

ウエストリッジ

マテオ亡き後は船の操縦を担当。
ゴルフクラブを武器にサローンにホールインワンを決め、テリーたちに協力する。その後は何かが吹っ切れたのか今までの嫌味キャラはなりを潜め、テリーたちにもフランクに接するようになったりとキャラが一転。株を上げる。

だが川での離礁作業中、アナコンダに襲われているテリーとダニーを発見。彼らを救おうとアナコンダを誘き寄せる。が、自分の方に向かってくるアナコンダをみて「やばい・・・」と呟いていた。(その後無事船上にたどり着いたテリーたちはウエストリッジを救おうとするが、ダニスが持っていたナイフを利用し拘束を解いたサローンにジャマされ、手出しできなくなっていた)

岩に登り滝の裏側へと逃げるも追い詰められヤケクソになって飛び降りるが、落下する途中でアナコンダに捕縛され絞め殺されるという、映画を象徴する死にっぷりをみせた。

ラストのオチ

ウエストリッジを襲い、次にはダニーに襲い掛かったアナコンダを銃で撃退するテリー。アナコンダを殺したことに激怒したサローンに殺されかけるも、ケイルが麻酔矢で文字通り一矢報いる。

麻酔の影響とダニーの一発を喰らい、昏倒して川に落下するサローン。その後脱出を図る2人は研究所のような建物を発見、燃料探しに向かう。だがその場所にはサローンが待ち構えており、2人は捕らえられてしまう。

背中合わせに拘束されサルの血をかけられた2人は、生きたままアナコンダの囮にされぐるぐる巻きに。そこに網をかけアナコンダの捕獲を試みるサローンだったが、生け捕りに拘るあまり逆にアナコンダに襲われ、そのまま丸呑みに・・・。

なんとか拘束を解いた2人はアナコンダの撃退を試みる。サローンとの闘いで足を負傷しているダニーに代わり囮となり、アナコンダを煙突内に誘き出すテリー。その間にダニーは燃料を使ってアナコンダに火をつける。

全身に炎をまといながらも、なおテリーを追うアナコンダ。だがついぞ力尽き、川へ沈んでいった・・・かのように見えたがそれでもテリーに襲い掛かったところをダニーに脳天を一突きにされ、ようやく事切れた。

燃料と共に船へと戻ってきた2人。ケイルは何とか一命をとりとめたようだった。そして帰路につく彼らの前に、幻の部族・シリシャマ族が姿を現した・・・。

今作の悪役:サローン

重度のアナコンダ厨。
金儲けのためだと口では言っているが、その拗らせっぷりはもはやそういうビジネスライクなレベルを軽く超えている。

豊富なサバイバル経験と圧倒的暴力を武器にアナコンダ以上の脅威となった人物で、作中ではケイルの性格を読んだ上でスクリューの事故を偽装。彼の酸素ボンベにあらかじめスズメバチを仕込んで重傷を負わせるなど恐ろしく用意周到な人物で、ケイルを自ら救うことで信頼も勝ち取り、さらに病院に急いで運ばせるという名目で支流に誘導するなど全て計算尽くで行動していた。

小鳥ちゃんと呼んでいたデニスに殺されそうになった時には「殺す相手の目は見るな」と言って視線を逸らさせ、わざと隙を作らせるなど咄嗟の機転もきき、足のみでデニスを屠ったりとチートしまくるが、ラストではお約束通りあっさりとアナコンダの返り討ちにあい、丸呑みにされたあと吐き出され、半溶け状態でヒロインにウインクを残して死亡すると言うあっぱれな最期を遂げた。この彼の死に様は今作一の迷シーン。冒頭のモノローグがフラグだとは誰が予想しただろうか。


自称パラグアイ出身で、過去には牧師になる勉強をしていたというが、作中では死者に弔いの言葉を唱えデニスを殺しながら「懺悔します~」と口にしたりと、勉強していたというのは本当だった様子。ウエストリッジに落ちこぼれ扱いされた時は即「オレは優秀だった」と返していたことから、わりと本気で牧師を目指していて挫折した可能性もある。

作中ではシリシャマ族を見たといい一行をアナコンダの生息地へと誘い込むが、終盤では本当に部族が存在していたことが明らかになるので、見たと言うのも案外嘘ではなかったのかもしれない。

怪物:アナコンダ

超でっかいヘビ。
別にエサに困っているわけでもないだろうに、ただひたすら人間を襲うことを生きがいにしている。なのであんまり喰うことを目的にしているわけではなく、わざわざ窓ガラスを突き破ってくるド根性をみせる。作中ではジャガーは襲っていたがサルは吐き出しており、小さい獲物はあまりお気に召さないらしい。

水の中を悠々と泳ぎ、高所にも登ることが出来るため神出鬼没。攻撃アクションは巻き付いて全身の骨を折る、クビをへし折る、頭や首など急所を狙って噛みつく、丸呑みなど多岐に渡り、谷からダイブした人間すら逃がさず空中でキャッチした。

ラストはホラー映画お馴染みの大炎上で蒲焼エンドかと思われたが、最後は人の手によってトドメを刺された。

今作ではぱっくり開けたお口が非常に印象的で、じっくりと口の中を監察することができるが・・・映画を見て気になったのがこの口の中にある穴。

映画 アナコンダ

これはヘビの口の中にある「呼吸穴」。ヘビがめいっぱい獲物を口に詰め込んでも窒息しないのはここから呼吸できるからである。ちなみに映画内ではジョーズのように吠えているが、実際のヘビには声帯がないため、排気音は出せてもこのように鳴くことはできない。

作中ではゲアリーやウエストリッジを襲った体の模様が黄色の個体と、ラストにテリーたちを襲った赤い模様の個体と2体のアナコンダが登場する。研究所?らしき場所には大量の赤ちゃんも放置されていたので、まだこの川には巨大アナコンダがうようよしているのかもしれない・・・。

みんな大好きヘビ映画!

個人的にホラーにおいて必須なのは「魅力あるキャラ、それにふさわしい死に様」だと思っている。ディープ・ブルーもそうだが、「なんとか見せ場を作ってあげよう」という死にキャラに愛を感じる作品はそれだけで良作。

特撮技術を駆使して作られたアナコンダの質感は素晴らしくも、CGで作られたアナコンダ襲撃シーンでのダンスのようにくるっくる回る犠牲者たちの姿など画面上からほとばしるチープさで本国アメリカの批評家からは散々な評価だが構うことはない。そのチープさを愛する者にとっては「楽しめれば全て」である。

サローンが丸呑みにされる瞬間のあのゴムゴムしいアナコンダの体内からの映像、ああいった手作り感に溢れるシーンがたまらないほど愛おしい。ヘタなCGより愛着が湧くのである。

登場人物の人数もバランスもほどよく、特に嫌味キャラの後半の健闘ぶりには思わずキュンとしてしまう。さらにアナコンダ以上に悪役を満喫していたジョン・ヴォイト演じるサローンのしぶとさといったら・・・あのウインクには、心ときめかせずにはいられないのである。

初代は配信されていないので注意

アナコンダシリーズは2017年3月現在、2以降はアマゾンプライムをはじめとした動画サイトで配信されているが、この初代の「1」だけは配信されていない

また、ソフト版とテレビ放送版で日本語吹き替えが違うので、小杉十郎太ボイスのデニーが観たいという人はソフト版、堀内賢雄ボイスが聞きたい方はTV放送版をチェックすることをおすすめする。

最後に!

そうそう、B級好きにはこういうのでいいんだよ。こういうので。

・・・と思わず孤独のグ○メ風に言ってしまうほど、B級さが心地いいヘビ映画。もう大好物です。このチープさがいいんだよォ!1997年の作品と言う事でもう20年・・・さすがに今見ればCGのヘビがチープなことこの上ないんですが、このくらいの頃のCGと特撮ものをうまくミックスしてるパニック映画やホラー映画が一番しっくりくるかもしれません。

マイベストヘビ映画な今作。
これから午後ロー版とソフト版、両方を堪能したいと思います!

↓続編はこちら!

↓ヘビじゃないけど。