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【映画】28週後・・・ 感想(ネタバレあり)~かつてこれほどはた迷惑な家族愛があっただろうか。

28週後...(特別編) [DVD]

恐怖度 ★★★
グロ度 ★★★
セキュリティのザルさ 正気を疑うレベル

結論:もうやだこの一家!

原題:28 Weeks Later
2007年 イギリス
製作総指揮:ダニー・ボイル

15日後:
英国本土 隔離措置が取られる
28日後:
英国本土 レイジ・ウイルスで壊滅
5週後:
感染者 飢餓で死に絶える
11週後:
米軍主導でNATO軍ロンドンへ
18週後:
英国本土 もはや感染の恐れなし
24週後:
復興が始まる

そして、28週後・・・。

※死亡者やストーリーのネタバレあり。未視聴の方はご注意!※

/主要人物/

■ドン(吹:家中宏)
元凶その1。

妻のアリスと共に老夫婦の家に身を寄せていたが、家に助けを求めにやってきた男の子を追って感染者たちが家に侵入。アリスを見捨てざるをえなくなる。

その後は無事生き延び軍に保護され、何故か復興が始まったロンドンの地区統括官に。たかが一般人のくせにセキュリティを解除してどこにでも入れるというとんでもない権限を持っている。中に何があるのか理解もしていない人間にこんな権限やるなよマジで・・・。

■アリス(吹:日野由利加)
元凶その2。
ドンに見捨てられ、感染者に襲われて死んだものだと思われていたが、噛まれたものの生存していた。右の目が緑で左の目が茶色という、厨二の憧れオッド・アイの持ち主。この遺伝子の異形がウイルスに対して免疫を持ち、感染はしていても発症はしない『保菌者(キャリア)』となった。

■アンディ(吹:亀井芳子)
元凶その3。

ドンとアリスの息子。12歳。
姉のタミーと共にスペインへ修学旅行にいっていたため難を逃れていたが、父親と再び一緒に住む為にロンドンへ戻ってきた。
母親と同じ色の目をしているため、彼もまたウイルスに対し免疫を持つ。

感染者・ドンによるパニックの中でも一人で逃げ切ったり、狙撃手の位置を知るために囮が必要な場面では自ら走り抜けるなど父親譲りの行動力を持つ。

■タミー(吹:弓場沙織)
元凶その4。
アンディの姉。
母親の顔を忘れそう、といったアンディのために勝手に安全地域外へ出るという最悪の選択をした。弟とは違い免疫は持っていない。

■ドイル軍曹(吹:横堀悦夫)
この映画最大の良心。
屋上にて見張りと狙撃を担当していたが、「コードレッド(感染者も一般人も全員射殺)が発令されるもアンディを撃つ事が出来ず、アンディやスカーレット、わずかに生き残った民間人を連れてロンドンを脱出しようとする。

猛毒ガスの中立ち往生した車を押し出すなど、最後の最後までアンディたちを守るために戦ってくれたが、感染者たちを一掃する兵士たちによって火炎放射器で生きたまま焼き殺されてしまった・・・。

■スカーレット少佐(吹:宮島依里)
医療隊長。
ウイスルについて研究しており、再発を危険視していた女性。アリスの免疫をアンディも受け継いでいることに気付き、対ウイルスの希望である彼らを最優先で守ることを決意。ドイル軍曹と共にロンドンからの脱出を試みるが、地下鉄にてドンに襲撃され、持っていた軍曹の形見であるライフルで撲殺された。

生き残るポジションでありながら終盤であっさり死んでしまうも、噛まれなかった為に感染者にはならずに済んだ。

因みに吹き替えの宮島さんは、前作「28日後・・・」ではハンナを担当している。

■ストーン准将(吹:乃村健次)
再発の危険性を重要視しておらず、万が一出た場合も殺せば良いと思っていた。

が、発症したドンがまだ施設内にいるにも関わらず、同じ施設内に民間人を「さぁエサだ」と言わんばかりに集めたり、焼き討ちしたりガス撒いたりしても結局は感染者が残っていたりと対応が後手後手。

■サム
パニックの中逃げ惑っていたアンディを助けてくれた男性。民間人を乗せようとしないフリンのヘリに無理やり乗り込もうとし、スタントマンばりのアクションシーンを披露するも、結局は振り落とされてしまった。

中盤まで生き残っていたわりにwikiにも項目がない可哀想な人。

■フリン(吹:小森創介)
ドイル軍曹と仲がいいヘリの操縦士。
軍曹を救おうと状況を報告するなど影ながら尽力してくれた。プロペラで感染者の大群をバラバラにするというとんでもない運転技術を持つ。民間人は乗せられないと軍曹以外の乗車を拒否していたが、最終的にはアンディたちを救う。しかしそれが新たな破滅を呼ぶことに。

■感染者
瞳の色が赤くなるのでそれが感染者かどうかの目印になっている。今作では血液だけではなく、唾液からも感染することが明らかになった。

あらすじ

英国本土を襲ったレイジ・ウイルスの猛威も、感染者が餓死したことでようやく収まり、ロンドンにも復興の兆しが見えつつあった。居住区にも人が戻り始め、ここから平穏な日常が再び戻ると誰もが信じていたが、とある一家がその全てを壊滅させていく・・・。
というお話。

おっちゃん一人がどこでも入れるとかセキュリティザルすぎんだろ!!など、軍のセキュリティの甘さや初動の対応のヒドさにツッコミが火を吹くが、それにも増して主役の一家にまるで同情出来ないことがストーリーのヒドさに拍車をかけているといえる。

家族全員が元凶というどうしようもない仕様

1.出るなと言われているのに勝手に安全地域外へ出るお子ども

「母親は死んだ」と聞かされた子供たちが、ドンにも内緒で勝手に自分たちの家に母親の写真を取りに戻ってしまう。そこで生存していたアリスを見つけたことが全てのはじまりに・・・

2.厳重なセキュリティを勝手に解除してアリスに会いにいってしまう父親

自分の権限をフルに私的活用し、勝手にアリスに会いにいってしまうドン。見殺しにしたことを涙ながらに謝罪し、バードキッスで済ませばよいものをちゅっちゅしまくったことで唾液から感染。発症後は罪悪感からか暴走。アリスをボコボコに殴ってノドに噛み付き、さらに目潰しまで・・・(前作からのお約束)

その後は手当たり次第に居住区の人間を襲い、母親と同じ瞳をしているアンディを執拗に狙い続け、最後にはアンディを襲うも、タミーの絶叫を聞いてアリスを思い出していた。

このように何度もアリスを見捨てた時の状況がフラッシュバックしていることから、今作の感染者たちにも若干の記憶があることが判明した。

キスシーンについては「ドンを恨んでいたアリスがわざとやったのでは?」という意見もあるが、感染したドンを見て明らかに驚いた表情を浮かべさらに逃げようとしているので、感染を狙ってキスしたわけではないように思う。(ドンの謝罪を聞いた時には涙も流していた)

3.最後まで生き残ってイギリス外へ脱出してしまったお子ども

アンディを襲っていたドンを、ドイル軍曹、そしてスカーレット少佐の形見であるライフルで討ったタミー。母親を見殺しにした!とドンを責めていた彼女が、皮肉にも父親を殺すこととなったのだ。

そして目の色が変化していないアンディを感染していないと思い込んだまま、ドンに噛まれ保菌者となったアンディと、フリンのヘリでイギリス外(フランス)へ脱出してしまう。

エンディングではフランスのエッフェル塔前を感染者たちが爆走しているので、おそらくアンディからタミーに感染。フランスでもパンデミックが起きてしまったのだと思われる。

保菌者(キャリア)のことは知らなかったとはいえ・・・ほんと余計なことしかしねぇなこの一家は!!

唯一のグロはヘリ無双シーン!

冒頭の襲撃シーン。
爺ちゃんが「逃げろ」というのになかなか逃げなかったせいで襲われる婆ちゃんや、わざわざドアに近づくねーちゃんなど、このコミュニティはぶっちゃけ自滅に近い。アリスもあの状況でどう助けろというのか・・・。

しかし前作と同じく感染者が一方的に殺すのは序盤で終了。あとはもっぱら生存者絶対殺すマンと化した兵士たちとの戦いと、最強の感染者となったドンとの追いかけっこである。

だが前作と比べ文明が復活したあとのロンドンが舞台なためか、やはりストーリーを盛り上げる為に「無理やり崩壊させようとしてる感」が目立ってしまっているのが難点。いくら平和ボケしてたとはいえ、ドン一人に兵士が何人も殺されてしまうというのも・・・おまえらの銃は飾りなのか?と思ってしまう。

グロシーンは今回もあまりないが、フリンが地面スレスレにまでプロペラを傾けて感染者たちをバラバラにしていくのが唯一のグロだろうか。ただハッキリとは見せてはいないし短いので、よほど苦手な人でない限り、前作が大丈夫だった人なら視聴に問題はないだろう。

最後に

最初タイトルを見たとき、よくある流行りモノのパチモンなのかと思ってましたがマジで正当な続編!後半の暗視スコープを利用した地下鉄シーンでRECを思い出したのは私だけじゃないはず。

まぁ最後は予想通りのバッドエンドでしたが・・・スカーレット少佐がタミーにアンディのキャリアのことを一言説明していれば済んだ話なんですけどね!軍曹に説明してタミーたちに言わないのも不自然でしたし、少佐がわりと唐突に死んだことも含め、彼女たちはご都合主義の犠牲になったのかもしれません。だって崩壊してくれなきゃ続編作れないからね!!

三部作ラストである「28月後」・・・いつの日か製作される日が来るのでしょうか?

↓前作の感想はこちら!

↓こっちのゾンビも全力疾走!