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【映画】28日後・・・ 感想(ネタバレあり)~全力疾走する感染者から逃げ切れ!!

28日後...(特別編) [DVD]

感染者のスピード ★★★★★
恐怖度 ★★★★
グロ度 ★★★
結論:生きている人間の方が、厄介。

原題:28 Days Later
2002年 イギリス
監督:ダニー・ボイル

ある朝目覚めると、
世界は、終わっていた──。

※死亡者やストーリーのネタバレあり。未視聴の方はご注意!※

/主要人物/

■ジム(吹:三木眞一郎)
自転車メッセンジャーをしていた青年。
仕事中に交通事故に遭い、目覚めるとたった一人で病院のベッドにいた。わけもわからず彷徨うも、荒れ果てた街には誰の姿もない・・・という最悪なシチュエーションからのスタートとなった。

感染者とは教会で初遭遇。
状況は全く把握できていないものの、迫ってきたゾンビ神父を蹴り倒すなど病み上がりとは思えない行動力を発揮する。

マークたちによって救われた後、彼らと共に向かった実家で自殺した両親を発見するが、感染者が活発になる夜中にわざわざ明かりを点けてホームビデオを観て感傷に浸っていたが故に感染者を呼びこんでしまった。マークが死んだのは大体主人公のせい。

役立たずだった前半。しかし後半に覚醒する。

■マーク(吹:楠大典)
感染者に追われていたジムを助けてくれた男性。セリーナとコンビを組み、街に爆弾トラップを仕掛けて生き延びていた。ジムの両親の元へ一緒に向かってくれるなど優しい人間だったが、侵入してきた感染者に襲われたジムを助けようとした際に負傷し感染。発症する前にセリーナに殺された。

■セリーナ(吹:坂本真綾)
ジムを助けてくれた女性。
出会ったばかりの頃は生き残ることを最優先にしており、感染したマークを容赦なく殺害したりフランクたちを「足手まとい」と呼ぶなど冷徹な面が目立っていたが、家族の暖かさに触れていくうちに態度が軟化していく。

■フランク(吹:石住昭彦)
マンションで娘と共に立ち篭っていた男性。ラジオの情報を頼りに、生存者であるジムとセリーナと共に軍の基地へと向かう。メンバーの中でも擬似的な父親な立ち位置で慕われていたが、軍のバリケード内で放置されていた感染者の死体の血が目に入ってしまい、事故的に感染。ハンナに「愛している」と告げ自分に近づけさせまいとしたが発症し、ウエスト部隊に射殺された。

■ハンナ(吹:宮島依里)
フランクの娘。
父親と共にロンドン崩壊後も生き抜いてきただけあって、車の運転やタイヤ交換などのスキルもばっちりであり、セリーナにも物怖じすることなく意見するなど非常にしっかりした女の子。

■ウェスト少佐(吹:大塚芳忠)
陸軍の少佐。
数人の部下と共に館を要塞化し、ラジオを使って生存者を集めていた。ジムたちを丁重にもてなすが、本当の思惑は自分含め部下たちの正気を維持する為に、女をあてがうこと。「女は未来だ」と言いセリーナとハンナを妊娠させようとする真の鬼畜である。

感染者により英国が荒廃したあとも前も、ずっと人間同士の殺し合いばかり見ていた。だから自分にとっては今が「正常」だ──という彼のセリフは、考えさせられるものがある。

■ファレル軍曹
鬼畜揃いの軍人たち中で、唯一ジムの味方となってセリーナたちを助けてくれようとした。処刑されそうになった時も、ジムより先に自分を殺すよう仕向けてくれたおかげで、ジムが逃走することができた。いい人や・・・。

彼が言った「感染は外にまで拡大していない」「イギリスは島国で隔離されただけ」という冷静な考えはほぼ当たっており、またこの言葉がヒントとなってジムたちの生きる希望となった。

■ジョーンズ(吹:川村拓央)
料理担当の兵士。
ふりふりエプロンを着用している。

軍曹を惨殺しようとしたミッチェル伍長の代わりに軍曹を撃つなど、気が小さいだけで、こんな状況でなければそこまで極悪な人物ではなかったと思われる。しかし覚醒した主人公にブッ刺され、感染しないまま死亡した。

■ミッチェル伍長(吹:内田直哉)
ヒャッハー系軍人。
つまりTHE・悪役。セリーナにちょっかいを出しまくり、手篭めにしようとしていたが主人公にサム・ライミよろしく目潰しされた。
ざまぁ。

■感染者
レイジ・ウイルスに感染した人間のこと。
霊長類にだけ感染するウイルスであり、冒頭のチンパンジーからイギリス中に広まった。

噛まれたり、感染者の血液が目や口を通して体内に侵入することで感染するが、死者が生き返る~というゾンビウイルスとは違い、凶暴性が著しくあがるだけで肉体自身はただの人間。そのため、銃や撲殺・刺殺など既存の方法で殺す事は可能。また、感染者が人を襲ったり噛んできたりするのも相手を喰うためではないので、時間が経てば自然に餓死していく。

このほか、
・噛まれると20秒ほどですぐに発症、瞳が赤くなる。
・みんな陸上部出身なのかと疑うくらい足がやたら速く、人間を発見すると全力で追いかけてくる。
・・・という特徴があげられる。

よくあるゾンビもの・・・とはちょっと違う!

リアル「人類は衰退しました。」な最悪なシチュエーションの中、ランニング・フォームが完璧な感染者たちに全力で追われるというスピード感が見所の今作だが、グロい場面や感染者との逃走劇やバトルは意外にも前半で終了。その後は生き残った人間たちとの戦いが中心となっているが、生きるか死ぬかのサバイバルというより、フランク一家とセリーナとジムが徐々に擬似家族になっていく様子を、なごやかな日常シーンと共に描いている(悪夢を見てうなされているジムが、フランクを「パパ」と呼ぶシーンは切ない・・・)。

しかしそこから後半の、鬼畜兵士VS覚醒したジムという怒涛の展開・・・見ているうちにいきなり別ジャンルの映画が始まったような意外性が魅力の一つでもある。

人間の内にひそむもの

凶暴性が増した感染者たち。
しかし、子供のハンナまで強姦しようとする兵士たちのしていることも完全なる「暴力」であり、その兵士たちを次々殺していくジムも「暴力」をふるっている。(ミッチェルを殺すジムの様子は「凶暴」そのものであり、前半でマークを殺すセリーナの様子とも被る)

ウイスルなんかなくたって、人間は元々、善悪では計れない凶暴さを秘めている。そういった皮肉が込められているストーリーだった。

別エンディングもあり!

一つ目は「生還エンド」
DVDに収録されているもので、ウェスト少佐に撃たれたあともセリーナの治療によって回復したジムが、セリーナとハンナ、3人で生存者を探索している飛行機用に「HELLO」というメッセージを残し、無事発見されるというもの。最初は「HELL(地獄)」になっているのに「O」をつけるというのがまたいい。

このEDでは軍曹が言っていた通り、他国の軍が救援にやってきている。

ゾンビと違って空腹から襲っているわけでなく、感染者は何ヶ月かすれば必ず餓死すること、感染して20秒という発症までの時間が短すぎることで、逆にイギリスの外に広がらなかったことから、多少は広まったものの地球規模でどうこうなりはしなかったようだ。(ただし続編では・・・)

もう一つは「主人公死亡エンド」
セリーナの必死の治療も空しく、ジムは死亡。赤いドレスを身にまとったセリーナとハンナは、生きぬく覚悟を決めて、二人で病院を後にする・・・というエンド。

DVD版の特典映像に収録されている。

音楽と美しい映像

誰もいない荒廃したロンドンのカットや、牧歌的な光景の中一休みするジムたちの前に現れる美しい白馬など、映像面もなかなか凝っている今作だが、スーパーのほのぼのシーンから序盤の荒廃した街を彷徨う最中のBGMや、後半のジム覚醒シーンを彩るジョン・マーフィの音楽もまた素晴らしい。

最後に

走るゾンビ(ゾンビじゃないけど)がわりと新鮮だった当時。この作品ももう10年以上前の作品なんですね、なんかびっくり。主人公が後半吹っ切れて、半裸で軍隊を壊滅させていく様は今みても気分爽快です!ハンナが少佐を華麗なドライブ・テクニックで見事に葬り去るところもいいですね~。
そしてミッチェルの死因:目潰しだったことに改めて気付きました。ディセントといい、目潰しシーンはホラーの花形なんだろうか・・・(笑)

個人的にはこの映画は「音楽が好きなホラー」でもあるので、サウンドトラックがもっと有名になって欲しいですね。itunesでも1曲ずつバラで売ってますし、アマゾンのページからサントラの視聴も出来るんで、興味がある方はぜひ!

↓続編はこちら!

↓走るゾンビといえば!

↓28日後も参考にされたらしい!