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美女と野獣 あらすじ・感想~ディズニーアニメの最高傑作!これは真実の愛を知る物語。

美女と野獣 (吹替版)

「美女と野獣」あらすじ・感想。1991年のアニメ映画版のネタバレあり。ご注意ください!

ロマンス度 ★★★★★
美術 ★★★★★
音楽 ★★★★★
結論:野獣の方がタイプ。

1991年 アメリカ
監督:ゲーリー・トゥルースデイル

※ラストのオチのネタバレあり!
※感想だけを読みたい人は目次ですっ飛ばしてください。

目次

ストーリー

むかしむかし。
遠い国の輝くお城に、若い王子様が住んでいました。王子様はなんでも思いのままにできましたから、すっかりわがままになり、優しさを失っていたのです。

ある夜。
お城に年をとった物乞いの女が来て、「一夜の宿を恵んでほしい」といい、1本のバラを差し出しました。でも王子様は、そのみすぼらしい姿をバカにして、老女を追い返そうとしたのです。老女は、「見かけに騙されて、人の心の美しさを見逃してはいけない」といいましたが、王子様は聞き入れませんでした。

すると。
老女の醜さが急に消え、美しい魔女の姿が現われたのです。王子様はあやまろうとしましたが手遅れでした。魔女は罰として王子様をおそろしい野獣の姿に変え、お城に強力な魔法をかけました。野獣は、自分のおそろしい姿を恥じて、お城の中に閉じこもりました。魔法の鏡だけが、外の世界を知る唯一の窓でした・・・。

魔女のくれたバラは本当に美しい花でした。花は咲き続けて、その花びらの最後の1枚が落ちるまでに、王子様が愛することを学び、そのお返しに愛されるようになれば、この魔法は解かれるのです。・・・でもその期限が過ぎたら、王子様は永遠に野獣の姿のまま。年月が流れ、王子様はすっかり希望を失いました。

一体誰が、こんな野獣を愛してくれるのでしょう・・・?

──ディズニーアニメ「美女と野獣」冒頭より

世界観:魔女の呪い

魔女の呪いにより王子は野獣に、召使いたちは家具に姿を変えられている。城は怪物をかたどった彫刻物などまるで悪魔城のようなおどろおどろしい雰囲気だが、これも呪いによるもの。城内には調度品も数多く、元は相当裕福で名城だったことが伺える。またバロック調の装飾品があることから、恐らく時代は19世紀ごろ。フランスの民話が元となっているため、それに準じた世界観となっている。

あらすじ

ベルと野獣の出会い

魔女の呪いを解くには、魔法のバラの花が朽ちるまでに野獣が誰かを愛し、愛されなければいけない。だが森の奥深くにある城は人々の記憶から忘れさられ、10年間誰も訪れることなく、バラはしおれかけていた・・・。

だがそんなある日。
森に迷い込んだ老人・モーリスが一夜の宿を求めて城を訪ねてくる。同乗した使用人たちは彼をもてなすが、野獣は怒りくるいモーリスを監禁してしまう。そこへ、父親を探しに来た娘・ベルがやってくる。

ベルは父親を救うため、身代わりとなって永久に城に住むと野獣と約束する。嘆き悲しむベルを野獣は晩餐へ誘うが、ベルは部屋から出てこない・・・。だが久しぶりの来客を喜ぶ召使たちから歓迎を受け、ベルは笑顔を取り戻す。

だが入ってはいけないと言われていた野獣の私室に入ってしまったベルは野獣の怒りを買ってしまう。脅され怯えたベルは城から逃げ出してしまうが、森で狼の群れに襲われる。だがそんなベルを、野獣が助けにきてくれた。

そのことがキッカケとなり、徐々に城の生活に馴染み始めるベル。野獣の心の奥にある優しさに気付き、次第に彼に惹かれていく。召使たちはベルが魔法を解いてくれるかもしれないと希望を持つ。

別れ

しかし舞踏会を終えた夜、父親を恋しがるベルに野獣が魔法の鏡を渡したところ、そこには野獣の存在を村人の信じてもらえずひとりでベルの捜索に向かい、吹雪の森で遭難しかけている父親の姿が映っていた。ベルを愛していた野獣は、ベルに魔法の鏡を渡し、父親の元へ向かうよう釈放を言い渡す。

父親を連れ村に戻ったベル。
だが家には、ベルとの結婚を企むガストンの策略により村中の人間が集まっていた。彼らは「野獣を見た」と吹聴するモーリスを狂人扱いし、精神病院へ連れて行こうとする。父親を助けたければ俺と結婚しろと言い寄るガストン。ベルは魔法の鏡に野獣の姿を映し、モーリスの言葉が真実であることを証明しようとするが、ベルが野獣を愛していることに気付き嫉妬したガストンは、野獣を危険なバケモノだといって村人を煽り、野獣を殺すため城に乗り込んでしまう。

地下室に閉じ込められたベルとモーリス。彼らを救ったのは、ベルにこっそりついてきた、小さなコップの姿をした子供・チップ。モーリスの発明品の自動巻き割り機を操縦し扉を破壊すると、ベルは危険を知らせに城へと再び戻る。

闘い

城では家具のフリをした召使たちが村人たちを蹴散らしていた。だがベルを失い、既に生きる気力を失いかけていた野獣は、ガストンに抵抗することなく矢で射られてしまう。だが再び戻ってきたベルの姿を見つけ、ようやくガストンに反撃。彼を圧倒するも、とどめを刺すことなく解放する。だがベルとの再会に気を取られていた隙に、ガストンにナイフで刺されてしまう。勝利を確信したガストンだったが足を滑らせてしまい、そのまま深い谷底へ落ちていった・・・。

ラスト

死ぬ前にベルに会えて良かった・・・と言い残し、瞳を閉じてしまう野獣。すがりついて泣くベルは「愛してる」と呟くが、その瞬間、バラの花びらの最後の1枚が落ち、花は枯れてしまう。

だが、突然野獣の体が光に包まれ、ベルの前に若い青年が姿をあらわす。柔らかな髪の感触、ベルを見つめる青い瞳・・・かつて野獣だった王子とベルがキスをすると、祝福するかのような花火が舞い上がり、城にかけられた呪いが解けていく。

数日後。
かつての明るさを取り戻した城には、10年ぶりに人の姿に戻った召使たちと、大勢の客でにぎわっていた。以前の舞踏会のドレスを着た王子とベルは、再び踊り始める。

真実の愛を知り、呪いは解けた。
これからも2人は幸せに暮らすのだろう。
末永く、永遠に。

登場人物

■ベル(吹:伊東恵里)
街一番の美女と評判の女性。
読書好きで妄想空想好き。女性に教養は不要という古い価値観を持つ村人からいつも風変わり~♪と思われている。本人も変わり者扱いされていることに気付いており、心を許せる友人もいないまま、街に馴染めずにいた。

知的で上品な女性だが、冒険譚を好むなど人一倍の好奇心を持ち、入ってはいけないという場所にも平気で入ったりとわりとフリーダム。野獣に言い返すなど勝気な面もある。

■野獣(吹:山寺宏一)
元王子。
人間時代は美青年だったが、傲慢な性格が災いし魔女から呪いをかけられ、醜い王子の姿に変えられてしまう。だが映画を見た一部の視聴者はこう思ったに違いない。野獣の方が良かったと。

言動は乱暴だが、内心には優しさやベルへの好意を持っている。でもすぐカッとなって怒るのが玉にキズ。「晩餐を一緒にどうだ。こなくたっていいぞ!」というセリフは世が世ならツンデレのテンプレである。

終盤はベルへの愛情から自ら彼女を解放。バラの期限もあとわずかと言う中、死を覚悟している素振りをみせていた(原作の民話でも彼は一度死んでいる)。ガストンにとどめを刺すのをためらったのは、あの愚かな若者の姿に、かつての自分を重ねたからなのかもしれない。

■モーリス(吹:あずさ欣平)
ベルの父親。
ディズニー映画によくいるぽっちゃり系パパさん。自称発明家で、村人からは親子そろって変わり者扱いされている。パンチラ・・・ならぬパンモロシーンもあるよ!

お祭りの出し物に奇跡的に動いた「自動巻き割り機」を披露するため隣町に向かう途中、明らかに怪しい道を進み、野獣の屋敷を訪れた事が全ての始まりとなる。ラストでは同じぽっちゃり仲間であるポット夫人の横に並んでいた。再婚フラグか

■フィリップ
モーリスの馬。
危険を察して安全な道に進もうとしていたのに主人が言う事を聞いてくれず、案の定森で迷っていたところを狼に襲われ、主人をおいて逃げ出してしまった。序盤にベルが逃げ出した時は氷の池に落ちるわ身動きがとれないところを狼に狙われるわ、踏んだり蹴ったりであった。

ちなみに「眠れる森の美女」の王子の名前もフィリップである。

■ガストン(吹:松本宰二)
黒髪碧眼のハンサムマッチョ。
素晴らしいケツアゴとギャランドゥの持ち主。
自信過剰な自己中ナルシスト。街一番の美女であるベルを結婚相手に(勝手に)選び、ワイルドだろぅ?といわんばかりに猛アピールするが、究極にウザがられている。狩猟が趣味で挿絵がない本は読まない(読めない)。靴下には穴があいており、多分足も臭い。

・・・これだけ悪いところを列挙しておいて信じられないが、彼は街中の人気者であり、ベル以外の女の子からはモッテモテ。子供のころは毎日卵を4ダース(12×4)、現在では毎日60個食べているおかげで筋肉はモリモリらしい。コレステロール値大丈夫?

ベルに振られ恥をかかされたことで彼女との結婚に躍起になり、父親を病院送りにすると脅すなど外道極まりないマネをする、今作のヴィランズ。魔法の力も持たない人間の悪役ながら、はっきりと死亡描写がある珍しいキャラ。

いわやる脳筋キャラで、底抜けに明るいアホっぷりが一部で人気を博している。

■ル・フゥ(吹:中丸新将)
ガストンの忠実な子分。
チビでデブでブサイクと三拍子揃ったキャラだが、どれだけガストンにブン殴られても平然としているなど地味にタフ。心底ガストンを慕っているようで、彼がベルに振られ落ち込んでいた時は「すごいぞガストン強いぞガストン!」と歌って励ますなど、なんだかんだで仲良し。だからか実写版では・・・。

■ルミエール(吹:江原正士)
野獣の召使いで給仕係。
キャンドルの姿をした陽気でおしゃべりな男性。女好きで美人に目がなく、仕事中なのにメイドの羽ぼうきとイチャついていた。息を吹き込むことで頭の炎をバーストさせることができる。作中ではミュージカルパートを担当するなど出番が最も多く、なかでもコグスワースとの凸凹コンビっぷりはこの作品の目玉の一つ。

人間に戻った時、は長髪を一つにまとめた痩せ型の男性となっていた。

■コグスワース(吹:熊倉一雄)
手巻き時計の姿をした執事頭。
作中モーリスにネジを巻かれてアヘ顔になった。生真面目な性格で主に忠実だが、おだてに弱くなんだかんだですぐ周囲に流される。ラストバトルでははっちゃけまくっており、ルミエールを炎で溶かそうとしていたル・フゥのケツをアレして撃退した。

人間時の姿はぽっちゃり&ちょびヒゲの執事姿で、時計姿の時と同様のヘアスタイルとなっている。

■ポット夫人(吹:福田公子)
ポットの姿をした夫人。
世話好きな女性でモーリスに秒速でお茶を振舞う。召使の中でも恐らくコグスワースと並び年長者であることから、主である野獣に物申すことも。ラストバトルでは「卑劣なクズ野郎!」と熱湯を浴びせるという殺意が高い攻撃をする。攻撃後はものすごい悪い顔をしている。

作中最高のクオリティを誇るベルと野獣のダンスシーンにて、主題歌の歌唱を担当したキャラ。一連のシーンはディズニー映画屈指の名場面である。

人間時の姿はふくよかな女性。服装の色味はポットと同じになっている。

■チップ(吹:山口淳史)
名前はチップだけどコップ。
ポット夫人の子供で、食器棚には兄弟たちがいる。息を止めると入っているお茶をぷくぷく泡立たせることができる。今作のお役立ちキャラであり、終盤出て行ったベルについていき、ベルたちが地下室に閉じ込めらた時には自動巻き割り機を自ら操縦。ドアに突撃してベルを救った。

人間時は金髪の可愛いショタ。ラストでは「ボクまた食器棚で寝るの?」と母親に問いかけていた。

■フットスツール(吹:???)
・・・の形をした元わんこ。
人なつっこい性格で、暖をとっていたモーリスに寄り添い、ベルにもよく懐いていた。ラストバトルにもちゃんと参加している。元の姿は白い毛並みのわんこ。

■フィフィ(吹:横尾まり)
羽ほうきのメイド。
作中で名前は呼ばれない。ルミエールとイイ仲で、人間時代はセクシーなメイドさんだった。ラストバトルではおっさんに逆さづりにされて毛をむしられていたが、よくよく考えれば結構エロいのでは・・・。

■洋服ダンス(吹:近藤高子)
ベルの部屋にあった(いた)洋服ダンス。衣装係担当。彼女もまたポット夫人のように世話焼きで、落ち込むベルに話しかけたり、野獣は案外イイ人といって積極的に勧めていた。

ラストバトルではオペラ歌手のようなおたけびをあげて、自身の体をフル活用して侵入者を撃退。さらに男性を女装させて辱めるというスピリチュアルアタックをかました。

■シェフ・ブーンス(吹:渡部猛)
城のコック。
調理台の姿をしており、久しぶりの客人のために料理の腕を振るう。ラストバトルでは包丁などリアル凶器と共にあらわれ、侵入者を全力でビビらせる。

全ての楽曲が名曲!

冒頭の村人たちが歌う「朝の風景」、ルミエールたちが食事をふるまう「ひとりぼっちの晩餐会」、ふられたガストンを励ますル・フゥが歌う「ガストンの悪だくみ」など、美女と野獣に登場する楽曲はどれも素晴らしいものばかり。

特にルミエール役の江原正士さんの雰囲気をそのままに、役のイメージを崩さず歌いあげている、歌唱パートを担当する若江準威知さんが歌う「ひとりぼっちの晩餐会」は、映像美も相まって子供心に大好きだった。

他にも主題歌である「美女と野獣」を歌った、ポット夫人の歌唱パートを担当したポプラさん!ポット夫人の優しさはそのままに、あの美しい舞踏会のシーンでしっとりと歌い上げる「美女と野獣」は、セリーヌ・ディオン版とはまた違う感動がある。美女と野獣は日本語吹替え版の歌唱パートのクオリティも素晴らしいので、サウンドトラックは英語版・そして日本語版、ぜひ両方聞いて欲しい。

美女と野獣

美女と野獣

  • セリーヌ・ディオン/ピーボ・ブライソン
  • ディズニー
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

カットされた「人間に戻りたい」

通常のレンタルDVDには、召使いたちが「人間に戻りたい」と歌う場面がまるまるカットされている(サウンドトラックには楽曲は収録されている)。この歌は舞踏会のシーンの前に挿入されていたもの。公開版では歌わない洋服ダンスのソロパートがあったり、化粧道具や庭バサミなどここだけでしか見られない家具も登場する。さらに、ベルが字の読み方を野獣に教えるシーンも存在する。だがこのシーンが収録されているのは「スペシャル・リミテッド・エディション版」のみ。現在は販売していないので中古でリミテッド版のDVDを買うか、もしくは公開バージョンとリミテッド版、両方が収録されているダイヤモンド版の購入をおすすめする。

最後に!

冒頭の町人が歌うシーンもすっごい好きなんですけど、あのガストンの計画に乗っちゃったってことは結構みんなゲスいんじゃ・・・。げふんげふん。

賑やかな歌に乗せてベルの境遇や性格を描写することで、ダルくなりそうな説明パートを一瞬で済ませ、良く動く家具となった召使いたちのコミカルな掛け合いとラブロマンスを適度にいれながら、最後はアクションシーンも詰め込み感動に持っていくという脚本のバランスの良さ。さらに今みても最高のクオリティの作画と楽曲という、90年代ディズニー映画の傑作!これが実写化となると相当ハードル高いと思ってましたが、エマワトソン主演ならばもう納得するしかない。実写版の舞踏会シーンがいまから楽しみです!

↓実写版「美女と野獣」の感想!

↓ディズニー映画感想!