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【映画】クレヨンしんちゃん ユメミーワールド 感想(ネタバレあり)~サキちゃんの声優が川田妙子さんで大歓喜っ!

映画 クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃 [DVD]
寝るぞぉー!!

ホラー度 ★★★
涙腺崩壊度 ★★★★
ゲスト声優 ★★★★★
結論:ヤスケンの好演が光る。

2016年 日本
監督:高橋渉
脚本:高橋渉
   劇団ひとり

※ストーリー・ラストのオチのネタバレあり。

あらすじ

集団悪夢シンドロームという、1つの町の住民がみんな悪夢を見るようになるという謎の事件が頻発していたある日のこと・・・。巨大な魚に食べられる夢を見たその日から、春日部中の人間が、魚の体内にある摩訶不思議な「夢の世界」に閉じ込められてしまう。だがそこは、自分が思い描いた夢が全て実現する本当に"夢"のような世界だった!

思い思いに夢を叶え幸せな時間を過ごすも、大人たちはあっという間に夢を吸い尽くされ体内から放り出されてしまう。そしてそれからは、延々と悪夢を見せ続けられるという、地獄のような日々が待っていた。

日に日に弱っていく大人たち。ついには子供たちの夢まで吸い尽くされていく。事態を重くみたかすかべ防衛隊は、悪夢の住民となってしまったマサオの代わりに、最近ひまわり組にやってきた無愛想な転校生・サキを新メンバーに迎え入れるが・・・?

ユメミーワールドとは?

毎夜悪夢にうなされ、悪夢に喰らいつくされそうになっていた娘を救うため、サキの父親・貫庭玉夢彦が創り上げた世界。町中の人間を集めて彼らが持つユメルギーを吸いあげ、その力を使ってサキを悪夢から守り続けている。が、大人はユメルギーが少なく、少し夢を見ただけであっという間に夢玉は小さくなり、消えてしまう。そのため用済みの大人は外の悪夢の世界へ放り出していた。

子供のユメルギーは大きいがやはり個人差があり、ユメミーワールドで夢を具現化させ続ければやがては枯渇していく。現実世界にも(主に精神ダメージの蓄積により)影響は出るが、しばらく経てばまたユメルギーは戻っていくらしい。

今作のボス:ナイトメア

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サキの悪夢。
踊るアミーゴ!などたまにホラー方向に本気出すことで有名なクレしん映画だが、今作でもリアル悪夢に出てきそうなほど不気味な外見となっている。

悪夢の正体は、サキの母親。
正しくは、自分を庇って死んだ母親は、自分のことを恨んでいるだろうというサキの思い込み、罪悪感そのものでもある。終盤、みさえの説得により本当の母親の姿を思い出したことで限りなく小さくなる。が、サキは悪夢を完全に消すことはせず、悪夢と一生付き合い続けると決めた。

劇場版キャラクター

■貫庭玉サキ(演:川田妙子)
5歳児ながらミステリアスな雰囲気をまとう美幼女。紫色の長い髪をサイドテールにまとめ、片側に黒いリボンをつけている。ポケットには母親の手作りのバクのぬいぐるみを入れ、持ち歩いている。

転校してすぐにひまわり組の男子たちの注目の的となり、風間くんやマサオくんどころか、あのボーちゃんまでも虜にした(反応しなかったのはしんのすけのみ)。が、性格はとんでもなく無愛想で、初対面のネネちゃんやしんのすけを突き飛ばしたりとかなりの乱暴者。園児たちと馴れ合おうとしなかったが、ネネに誘われたことをきっかけに防衛隊の新メンバーとなる。しんのすけに励まされ、悪夢の元凶を倒すために、悪夢を食べるバクを探しにユメミーワールドの外へ出た。サキが悪夢に捕まったとき触手プレイとか思った汚れた大人はしまっちゃおうねえ~。

おバカな行動や言動を嫌うが、これは幼い頃、遊んではいけないと言われていた実験中の部屋に入った際に事故が発生し、母親が自分を庇って死んだことから、「私がおバカなことをしたから母が死んだ」と思い込んでいるためである。

■貫庭玉夢彦(演:安田顕)
ニンテンドースイッチみたいなヘアスタイルをした偏屈なおっさん。サキと二人で暮らしているが料理や家事全般は苦手で、普段はインスタント食品ばかり食べている。

淡々として見えるがサキへの愛情は本物で、娘のためなら大きな声だってだせる。だが不器用ゆえに彼女の本心に気付いてやることができなかった。

EDでは海外へ引越し、新生活を送っている。大学で悪夢に悩まされる人々を助ける為に日々尽力しているらしい。

演じているのはonちゃんの中の人であり、チームナックスのハンサム担当である安田顕さん。大泉洋さんは声優の活躍も多いが、何気にヤスケン単身でのゲスト声優出演は初。だが堅物な父親を見事に演じきっている。

■貫庭玉サユリ(演:吉瀬美智子)
サキの母親。
厳しくも優しい母で、夢彦と同じく科学者だった。が、実験中の事故からサキを庇い亡くなる(夢彦の髪色は元々は茶髪だが、あの色になったのはこの事故が原因)。

演者は女優の吉瀬さん。
声優の仕事はゲームのレイトン教授と今作のみだが、安田さんと並び好演している。

■城咲仁
夢の中でみさえとデートしていたカリスマホスト。なぜか中盤、何の脈絡もなくあらわれ、獏の居場所を教えてくれる。ほんとなんで出てきた。

■大和田獏
まごうことなき獏。
だが見ているお子様は恐らくポカーンだろう。
最近お孫さんが生まれた。ナイトメアを食べてと無茶振りされ一応はやってみたものの案の定ブッ飛ばされた。「久美子ぉ~~っ!」

■とにかく明るい安村
安心してください。履いてませんよ!
・・・の状態で大量に増殖するという地獄の様な光景をみせ、しんのすけを苦しめた。

いつもの登場人物

■しんちゃん(演:矢島晶子)
作中最強のケツ筋を持つ幼稚園児。
24年間鍛え上げた大臀筋は伊達ではなかった。

夢ではななこおねいさんを呼び捨てにし、昔懐かしのドキッ!女だらけの水泳大会!を楽しむなど、完全に中身が中年のおっさんと化す。相変わらずブレないが、今作では防衛隊のメンバーとなったサキを見捨てず、騒動の原因がサキだと知った後も「サキちゃんがまた一人になっちゃうから」といって、サキの夢を守りきることを誓うなど漢前度が高い。しかしサキが(嬉しさのあまり)泣き出した時は、珍しく本気で動揺していた。

その後はサキのためにバクを一緒に探し続けるも、終盤では自らがバクに変身し、ナイトメアと戦う。

■ひろし(演:藤原啓治)
「パンツは男の最後のフォーマルウェア・・・」
われらが父ちゃん。
夢の中ではスーパーCEOマンとなって川口のケツを護りきるも、悪夢では父親の座を奪われていた。家族を失うというのがひろしにとって最も苦しい悪夢らしい。

中盤は股間をツルツルにして、身も心も童心に返った状態で夢彦と戦った。

■川口(演:中村大樹)
ひろしの部下。
今作では主にひろしの夢の中に登場。冒頭ではパンツを脱がされそうになり、危うく全国のちびっこたちの前でご開帳する寸前だった。

■紛剃社長(演:黒田崇矢)
いつもふんぞり返ってるひろしの会社の社長。ひろしの夢に登場し、川口にパンツを脱げと命令し辱めようとしたところを、ヒーローとなったひろしの必殺技「銀座のホステスの名刺手裏剣アタック」を喰らい、自分がパンツ一丁にされた。が、何故かそのあと最後までずっと顔を赤らめたままひろしを見つめていた。ということは・・・?
┌(┌^o^)┐

■みさえ(演:ならはしみき)
みさぴょん(29歳)。
冒頭の夢では巨乳になっており、カリスマホスト・城咲仁と逢引していた。中盤は子供心を取り戻すという名目で魔法少女のコスプレをして、ユメミーワールド内に侵入する。ちなみにこの時旦那は下の毛を剃っていたが、もしかして・・・。てっきりお笑い要員かと思いきや、ラストではしんのすけと、悪夢に怯えていたサキを救う重要な役目を担う。

■シロ(演:真柴摩利)
夢では頭身がおかしいことになっている犬。ひまわり脱落後は代わりに乗り物として活躍した。

■ひまわり(演:こおろぎさとみ)
のっけから実の兄をしゃぶっていた恐るべき赤ん坊。夢の中では基本巨大化した姿で登場する。年齢の低さから最大級のユメルギーを持ち、そのへんのナイトメアなら蹴散らす強さをみせ、かすかべ防衛隊メンバーを守りながら力尽きるまで戦った。

■風間くん(演:真柴摩利)
将来の夢は政治家な5歳児。
今作では出来る子で、ユメミーワールドの危険性やサキとの関連、サキの家にあるアンテナに真っ先に気付くなどかなり賢い。その後もナイスフォローを連発する。悪夢では「選挙に出られるのは25歳からでしょ!」とママから尻叩きされていた。真面目だ・・・。

■マサオくん(演:一龍斎貞友)
漫画家を夢見る5歳児。
今作では自分が書いたマンガを披露する場面が多い。ストーリーは壊滅的だが、作画は幼稚園児にしては高クオリティである。

ユメミーワールドでは調子に乗って夢をみまくっていたせいか、防衛隊メンバーで真っ先に夢を吸いつくされた。が、ラストバトルでは「ペンは剣より強し」の言葉通り、ペンをライトセイバーに変え、剣術バトルを繰り広げる。

■ボーちゃん(演:佐藤智恵)
「ナイトメア」や「シンクロニシティ」を知っているなど相変わらず底が知れない幼稚園児。大和田獏の大ファンということが判明した。渋すぎる。夢では石好きが高じて自分自身を石に変化させていた。さらに終盤では隕石となり、ナイトメアに向かってメテオストライクをぶちかます。おい最強かよ。

■ネネちゃん(演:林玉緒)
アイドルを夢みる5歳児。
でもファンの感じからいってオタサーの姫的な空気に近く、恋愛がバレてファンから責められるという、とても生々しい悪夢を見ていた。

当初は男子の人気をサキにとられたことで彼女をライバル視していたが、彼女のプライドの高さを逆に気に入り、その後は何かと彼女に声をかけ、「頼もしいから」という理由で防衛隊に引き入れるなどサキとの友情がクローズアップされており、主役級の活躍をみせる。

「ぬばたま」について

サキと夢彦の苗字の読みは「ぬばたま」だが、これはヒオウギの種子のことであり、色が黒いことから、和歌などで黒いものにかかる枕詞として使われる。黒=夜という連想から、『夢』の枕詞として使われることもある。

感想:子供の絆は理屈じゃない

中盤、サキを救いたいという思いだけで、ユメミーワールド発生装置なしでサキの夢に入るしんのすけたち。理論を越えた力で繋がっている、と夢彦が称していたように、子供のころ感じていた友情や絆というものに、理屈なんてなかったように思える。

しんちゃんがサキと仲良くなるキッカケとなったあの秘密基地のシーン。しんのすけの目には、とても美しい風景として映っていた。あの心躍る空間に一緒にいる。わくわくを共有できる。それだけでサキと子供たちは、ほんのわずかな言葉だけで打ち解けることができる。たったそれだけで繋がれると、理屈なしに信じることが出来る子供は、この世界ではやっぱり最強なのだ。

最後に!

年上のおねいさんにはデレデレだけど、同年代の女の子には紳士なしんのすけは卑怯。野原一家、かすかべ防衛隊、ゲストキャラのバランスの良さがピカイチな作品。特に、子供を演じさせたら5本の指に入るであろうベテラン声優・川田妙子さんの芝居が素晴らしい!(クレしん映画の出演が実に22年ぶりというのがビックリだ)。父親役のヤスケンの好演といい、今作のゲストキャラはクレしんの劇場版の中でもトップクラスに好きなキャラになりました!母親の死亡描写などかなりヘビーな映画でしたが、文句なしに面白かったです!

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