アニメ「昭和元禄落語心中」2期 7話感想!
今回は物語の根幹に関わる重要なネタバレがあるので、未読・未視聴の方はご注意ください!!
結論:衝撃すぎて頭真っ白になりそう。
引退を口にする八雲
季節は秋。
療養中の八雲は殆ど喋らなくなっていたが、ときおり周囲には「引退」を仄めかすような発言をするようになった。
小夏からマフラーでぐるぐる巻きにされる師匠。
可愛い。
どうせ先の無い命、といって小夏にタバコをねだる。
何気ないシーンだが、1本の煙草を2人で分け合うというシチュエーションに、互いが抱いている感情が溢れているように思う。
イチョウの絨毯。
雨が上がった直後なのか、あちこち水たまりが出来ている。空は快晴なはずだが、水たまりの中の空は、心なしか曇天に見える・・・
八雲の苦悩
八雲が引退を考えた理由。
あの反魂香を終えたとき、もしかしたら自分が恐れていた死・・・『芝浜』を終えた助六のように、自分の落語に満足した後に訪れる「死」が、ついに自分にも来たのかと思ったのだという。
倒れた時に「これでもう落語をしなくて済む」と思ってしまった八雲。目覚めた後も落語をしたいと思えない。声がうまく出ず、思い通りに喋れないなんて地獄の釜の中と同じ・・・。彼にとっては生き地獄のようなものなのだろう。
自分の中から落語が無くなったらただのもぬけの殻。そう頭を抱えて、苦悩する。
芝浜のフィルムを求めて、四国へ!
助六と菊比古のフィルムを見るために、松田さんと樋口、3人で四国の温泉旅館・・・あの悲劇の舞台となってしまった『亀屋』へやってきた与太郎。旅館へ向かう道中、樋口は「ゆりえさんの墓参りに行こう」と、なぜか松田さんも与太郎も知らない、みよ吉の本名を口にする。
樋口とゆりえの関係
ゆりえは元々この街の生まれで二十歳前後まで暮らしており、亀屋旅館で女中をしていた。幼少のころから父親の療養中に頻繁にこの地を訪れていた樋口は、「坊ちゃん」と呼ばれ彼女に可愛がってもらっていたという。
だが中学生時代。
馴染みのそば屋でみよ吉・・・東京で菊比古と付き合っていたころの彼女と出会う。
回想から想像するに、
街一番の美女と評判だったみよ吉・・・ゆりえは、樋口にとって初恋の人でもあったようだ。
樋口は落語家の菊比古のことが気になり、東京へ。そして・・・
菊比古と運命の出会い。
彼の落語に感銘を受け、数年後。彼に弟子入りを申し込むことになる──。
八雲のことを何かと調べるのは、
八雲を通して、みよ吉のことを知りたいからなのかもしれない。
樋口もまた、
落語と愛する人を追い続けていた一人だったのだ。
残されたフィルム~菊比古の「明烏」
当時の面影を残す亀屋の、小さくても立派な寄席で。
たった数人だけの上映会が始まった。
ノイズ混じりのフィルムには、若かりし頃の師匠の姿と声がしっかりと残されている。
吉原になんぞ来た事が無い頭の固い若旦那と、彼を騙して連れてきた遊び人の一人二役の場面。アニメではまるでドラマのように、菊比古の一人芝居が切り替わるという面白い演出となっていた。
そして、かつての助六の姿・・・
そして、助六の最後の落語『芝浜』。
フィルムの中に残されているお客さんの温かい笑いを聞きながら、自分もその内の一人となっていく与太郎。
かつての助六の姿に涙する松田さん。
この場で唯一、この噺が映像ではなく記憶に焼きついている彼にとっては、この後の悲劇のことや、様々な想いがあるのだろう。
芝浜を聞き終えた与太郎は、
助六がいかにみよ吉と小夏、2人と過ごした日々が大切だったのかが伝わってきたと泣く。そして3人は、みよ吉と助六の墓参りへ・・・。
心中の真実
かつて、八雲が与太郎と小夏に語った自分の半生。
そして、助六とみよ吉に起こった悲劇。
全てを自分のせいだと語っていた八雲だが、松田さんの口から、ついにあの日の真相が語られる・・・!
松田さんと、幼い小夏が目にしたのは、
血塗れの助六と菊比古の姿。これは小夏の回想に頻繁に登場する場面だ。
小夏に見せまいとする菊。
まだ助六は何とか息があるようだ。お医者を呼んでくれ、と必死に叫ぶ。
部屋の隅の暗がりには、「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」と呟いて震えているみよ吉の姿。手は血だらけで、目の前には同じく血に塗れた包丁が・・・!
泣きながら、菊が父さんを殺したのか、と聞く小夏。
そんな彼女にみよ吉が真実を告げる。
お父ちゃんのこと
刺しちゃったの
激怒する小夏。
泣き喚きながら、「父ちゃんを返せ!」とみよ吉を追い詰める。そして・・・
死んじゃえぇ!!
子供の力のはずだった。
それでも父親を失った悲しみがそうさせたのか。みよ吉も憔悴しきっていたからなのかは解らない。だが・・・
小夏が突き飛ばしたみよ吉は、外へと投げ出されてしまう。
そこへ、瀕死の助六が「ゆりえ」の手をつかみ必死に助けようとする。が、3人分の体重を支えることができず、もろい塀は崩れ・・・
2人はそのまま抱き合い、落ちていった。
全てが一瞬の出来事だった。
小夏だけは間一髪のところを菊が救ったものの、そのまま気絶した小夏は、記憶が曖昧でこの出来事を覚えていないようだった。残された菊は小夏を守るため、「何もかも自分のせいだ」と、2人の死に小夏が一切関わっていないのだと、作り話をしたのだった・・・。
小夏を今も守り続ける八雲
小夏にいつか殺して欲しいと願っていた八雲。
彼は小夏の恨みを引き受けることで彼女を守り、そして彼女の中のみよ吉を、今も守り続けている。
悲しすぎるゆりえと助六の死の真相。
そして、八雲の闇のような落語の奥底にある死の影の由来を知り、涙する樋口。
真実を告げた松田さんは、
与太郎と樋口に、一人で全てをしょい込む八雲を助けてくれと頼む。
「落語と心中」するなんて、二度と言わせないでくれと・・・。
考察:どこまでが嘘だったのか?
衝撃の事実が明かされた7話。
12話で語られた、
「菊に心中を迫るみよ吉」「落語をやめてまた一緒に暮らすと言った助六」、みよ吉が背にしていた塀が崩れ、助けようとした助六と共に、ほぼ事故のような形で死んでいったという八雲の話は、全てが作り話だったのだろうか?
なぜみよ吉は助六を刺してしまったのか。
途中まで真実なら「一緒に暮らそう」といった助六を刺したことになるが、それは違和感がある。
助六が本当は落語を続けようとして逆上したのか。
それともみよ吉が菊を刺そうとしていたところを庇ったのか。
本当の本当の"真実"。
それは、菊・・・八雲ただ一人だけが知るのだろう。
最後に!
衝撃過ぎて言葉もない。
まさか1期の12話が作り話なんて・・・!!
確かに小夏の回想で、川に落ちたはずなのに血塗れの助六を抱えている菊さんの姿があるのはちょっとおかしいな?とは思ったけど!
みよ吉が菊さんと心中を迫る心境がわからんなぁとは思ってたけど・・・!!
本当にちょっと衝撃的すぎて、今はまとめるので精一杯です・・・。
↓次回の感想!
↓もう一度見返すしかない。