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【感想】世にも奇妙な物語 傑作復活編~ファンが選んだ過去の名作!ズンドコベロンチョに時代を感じた・・・※ネタバレあり

世にも奇妙な物語 2008秋の特別編 [DVD]
1990年の放映から25年・・・
過去の名作5本が装いも新たに今宵、復活!!
早速視聴いたしました!
※ネタバレありなのでご注意ください!
※28日昼間にDVD未収録のオリジナル版が再放送されましたので、リメイク版との相違点を加筆修正しました!

携帯の着信音を「ガラモン・ソング(オープニングの曲)」にしてたぐらい、放送開始当時からずーっと世にも奇妙が大好きな私。なので今回のリメイク編は本当に楽しみにしておりました!ここからはリメイク版とオリジナル版との相違点や、ストーリーのネタバレも含む感想を語っていきます。未視聴の方・ネタバレNGな方はご注意ください!

昨日公園

【リメイク版】
主演:有村架純

【元作品】
2006年
主演:堂本光一

リメイク版あらすじ
ある日公園で会った友人が、突然の事故により死んでしまう。だが次の日公園へ向かうと、何故か昨日と同じ場所に友人が・・・。

主な相違点
・登場人物たちの性別が男女逆
・オリジナル版では、主人公と友人が同じ女の子のことが好きという三角関係要素がある。
・オリジナル版では主人公と友人が一緒にキャッチボールをしているシーンから始まるため、昨日へとタイムスリップするための行動が「転がってきたボールを拾う」になっている。

公園へ行くと友人が死ぬ前、「昨日」へとタイムスリップしてしまうという話。
友人が事故に遭わないよう手を尽くすも、必ず友人は死んでしまうどころか友人の家族まで犠牲になってしまう結果になるというどこかのマッドサイエンティストの様な目に遭う主人公が哀しい。
最後、友人を諦めるという選択をした主人公を見て「世界を騙せ!確定した過去を変えず、結果だけを変えるんだぁ!エル・プサイ・コングルゥゥゥっ!!」って叫んだのは自分だけじゃないはず。

リメイク版では恋愛要素が無くなり、友人とも久しぶりに公園で会ったという設定のため、友人を守るという動機がオリジナル版と比べ薄くなってしまった気がする。個人的にはオリジナル版のワープのキッカケになっていたボールが、最後に諦める選択をした主人公の前からすぅっと消えていくのが好きでした。リメイク版だと「光る雨の中を進んでいくとワープ」に変更され、綺麗ではあるのだがCGがなんか物足りない・・・。

全体的にリメイク版は女性が主人公だからか切なさ重視した演出に。
ラストがオリジナル版がややバッドエンド寄りなのに対し、リメイク版では運命を変えようと抗ってきた苦しみに共感した上で、主人公も自分の死の運命も受け入れるというラストになっていたのは、同じストーリーでも演出が違うと印象がこれだけ変わるという違いがよくわかって面白かった!

イマキヨさん

【リメイク版】
主演:野村周平
イマキヨさん:酒井敏也

【元作品】
2006年
主演:松本潤
イマキヨさん:酒井敏也

リメイク版あらすじ
一人暮らしをしていた主人公の部屋に、ある日いきなり黒頭巾を被ったの黒づくめの男が現れる。他の人には姿が見えないその謎の男は、その地方に伝わる「イマキヨさん」という、幸せを呼ぶ座敷わらしのような存在らしい。ただし、「イマキヨさん」には~してはいけないルールが幾つか存在し、破ると大変なことになるという。
が、ついルールを破ってしまった主人公。すると「イマキヨさん」は二人に増えていた・・・

主な相違点
・主人公の部屋がオリジナル版がいかにもなボロい安アパートなのに対し、リメイク版の方が若干豪華になっている。
・リメイク版では主人公に特徴的なクセが追加
・チューをジャマするイマキヨさんの顔が無表情
・主人公が追い詰められる場所がエスカレーターから屋上に変更

バイバインが如く、ルールを破るたびに増えていくイマキヨさんのインパクトが凄い。というか、ひたすら無表情でずっとポテチ喰ってる酒井敏也さんが怖い。まさかのリメイクでも酒井さんが続投してる事実に爆笑した。 怖い話と言うよりまさに奇妙。こういう意味の解らない存在が出てくる話は実に「世にも~」らしい。 ただラストのオチ。主人公の鼻をすするクセが追加されてたけど、ちょっとわざとらしすぎたのが残念!
リメイク版はBGMは面白かったのだが、クスッと笑わせる細かい演出はオリジナル版の方が楽しかった気がする。オリジナルでチューを邪魔する時のイマキヨさんのお口がチューの口だったのがめっちゃ好きだったのに・・・リメイク版でなんでやらなかったし!(全部同じにしたらリメイクの意味がないっつーの)

ハイ・ヌーン

【リメイク版】
主演:和田アキ子

【元作品】
1992年
主演:玉置浩二

リメイク版あらすじ
とある商店街の食堂にスーツ姿の男がやってくる。その男は注文した親子丼を平らげると、すぐに「カツ丼」を注文し・・・

主な相違点
特には無い。が・・・

これがやりたかっただけだろシリーズ。
和田さんに男装させたかっただけだろこれ!笑ったわ!

ただオリジナル版の玉置さんの不気味さには勝てねぇな・・・。
丸メガネにギョロっとした目つきとか、あの「餃子定食下さい」とぽそっと喋る感じとか、レンゲでちょっと遊んだりするお茶目なシーンとか!あれにはほんと勝てないわ・・・

いや寺嶋さん演じる食堂のおっちゃんが段々カッコ良くなってくのは面白かったんだけどね!作ってるご飯も超うまそうだったけど!ちょっとした夜食テロだったけど!
この食べてるメニューがどれも超美味しそうにみえるという演出は、オリジナル版には無い良改変だったと思う。

因みにハイ・ヌーンはサブタイにもあった「真昼の決闘」っていう意味だけれど、これがスーツの男がメニューを喰い続けていることにかけているのか、それとも男に食事を出し続ける店主と男のことを言っているのかが気になるところ。

嬉しかったのはオリジナルに続き六平さん(ちょっとガラが悪いおっちゃん役の人)が出演されていたこと。ちょっと感動。
・・・しかし何故か世にも奇妙のご飯系の話ってやたら記憶に残る作品が多い。夜汽車のお弁当のヤツとか。

ズンドコベロンチョ

【リメイク版】
主演:藤木直人

【元作品】
1991年
主演:草刈正雄

リメイク版あらすじ
IT会社の社長の三上。常に最新の流行をチェックし、華麗に横文字を使いこなしていく彼だったが、ある日「ズンドコベロンチョ」という言葉を聞く。さっぱり意味が解らない彼だったが、周囲は当然の様に「ズンドコベロンチョ」と口にする・・・一体ズンドコベロンチョとは何なのか!?

主な相違点
・リメイク版では主人公に妻子がいない。
・リメイク版では「ズンドコベロンチョ」の項目がネット上に存在する。
・オリジナル版では最後まで誰にも意味を聞かなかった主人公だが、リメイク版ではおばあちゃんに意味を聞きにいく。
・主人公の画力

一番オリジナルとリメイクで時代の流れを感じた作品。
この話は「自分の知らない言葉があったら?」というテーマで描かれたもの。オリジナル版はインテリな主人公が見得により知ったかぶりをして、最後に泣く泣く「ズンドコベロンチョって何?」と切り出すまでの面白さがありました。
オリジナル版では主人公は必死に辞書からズンベロの単語を探していましたが、これは90年代では「辞書には載っていないけど、若者の間では流行っていて使われている言葉」・・・ナウいとかそういう言葉があった時代だからこそ。

スマホでどこでも検索できる時代に作られた今回のリメイク版では、wikiや知恵袋など当然自分たちも使うであろう身近なツールが登場し、しかもちゃんとwikiに(さっぱり意味は解らなくても)「ズンドコベロンチョ」という項目が立っていたのが驚きでした。
でもそれらのツールを駆使してもズンドコベロンチョが何なのかは解らないという流れに「みんな当たり前に使っている言葉だけれど、実は誰も本当の意味を知らない」という皮肉とが込められている気がしました。
(あと、ネット上の情報は案外正しくない。みたいな皮肉もあるのかなーとか思ってみたり)

ラストのSNSの拡散シーンは現代を象徴しているシーンだけれど、終わり方が歯切れが悪くなってしまった感は否めない。ちょっと残念。

【小話】
合間合間に入るストーリーテラーのちょこっとしたお話も世にも奇妙の魅力の一つ!
ストーリーテラー役のタモリさんも一番好きなこの作品は、他のに比べて小芝居にも気合が入っていた。後ろにズンドコベロンチョの絵も飾ってあったし!(だがオリジナル版の方が画力は上)

思い出を売る男

【リメイク版】
主演:木梨憲武

【元作品】
1994年
主演:小堺一機

リメイク版あらすじ
妻と娘がいるが、定職に付かず借金をこさえ荒れた生活をしている主人公。ある日思い出を買い取ってくれるという謎の男と出会う。借金を返すため、次々に自分の記憶を売る主人公だったが・・・

主な相違点
・息子から娘に変更
・記憶を買う男が博士風な男→若い男へ
・装置がハイテクに。
・主人公がリストラされた理由
・高校野球の思い出がサヨナラホームランからサヨナラエラーに

主人公はオリジナルでは小堺さん、リメイクでは木梨さんとどちらもコメディアンが演じている。製作者のこだわりなのだろうか。
オリジナル版ではかなり優秀な人物だったのがリストラされてしまい、プライドから就職がうまくいかず・・・という感じだったが、リメイク版は仕事の成績があまり良くない人物に変更されている。が、それ以外はほぼ変わりなし。オリジナルと比べるとリメイク版の演出が少々過剰な気もするが、最後に泣けるいい話を持ってくるという昔の「世にも奇妙な物語」の構成が復活していたのが嬉しい。怖い話、奇妙な話、不思議な話、意味不明な話、そして最後が感動回!このバランスが好きだった!

総評!

役者さんがどうこうではなく、素人目からみてもオリジナル版と比べて演出があまりうまくない作品が多い気がしました。単に思い出補正で「やっぱオリジナルの方が好き!」となってるだけかもしれませんが。
ただ25周年にふさわしい面白い企画でしたし、第一回目のタモリさんの語り部分をちょろっと観れたりと世にも奇妙ファンとしては十二分に楽しめました!!

↑松潤版のイマキヨさんが収録!

マイ・ベスト・世にも奇妙

自分が投票したのがリメイクされなかったので、個人的「世にも奇妙な物語」傑作選をご紹介したいと思います。

「峠の茶屋」
小雪さんがちょい役で出演。人面樹(?)がトラウマ。ストーリー自体は凄く怖いわけじゃないのに何故か強烈に印象に残っているという不思議なお話。

「23分間の奇跡」
ストーリーが本当に「23分」で終わる。
洗脳というのがどういうものかよくわかる傑作。

「言葉のない部屋」
SMAPの木村拓哉さんが主演をしている作品。
孤独な若者が一人ずっと古い録音機に向かって喋り続けるという話。木村さんは訛り言葉の田舎の若者と言う珍しい役を演じている。ストーリーも秀逸。

「恐怖のカラオケ歌合戦」
映画「学校の怪談」で先生役を演じていた野村宏伸さんが主演。
恐怖の人食い植物が出てくる。ラストのオチが好き。

【替え玉】
赤ずきんちゃんのオオカミ役になってしまった女の子のお話。
自分が子供のころ見ていてめっちゃ怖かった。
恐らく自分と同い年ぐらいの子供が主役の話だったからだと思われる。

最後に!

他にもナックスの音尾さんが出ていた「走る取的」とか、さんまさんが主演されていた「偶然やろ?」とか、好きな作品はまだまだあります!
でもつぎ昔の話を再放送する時は、ぜひタモリさんのアバンも一緒に・・・一緒に放送してください・・・!!タモリさんの前後のアバンも合わせて本編です・・・!!

↓最新の世にも奇妙!

↓映画監督編はこちら!※ネタバレあり。ご注意!