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びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る感想サイト。ネタバレ多め。

映画「美女と野獣」感想(ネタバレあり)~エマ・ワトソンの実写化!吹替版キャストはミュージカル俳優勢ぞろい!

美女と野獣 オリジナル・サウンドトラック<英語版[1CD]>

映画「美女と野獣」ネタバレ感想。
実写版のあらすじ・ラストのオチ、アニメ版とのストーリーの違いや、吹替版キャストの詳細を含むのでご注意!

エマ・ワトソンの美女っぷり ★★★★★
再現率 ★★★★★

結論:ごめん谷間ガン見。

2017年 アメリカ
監督:ビル・コンドン

目次

ストーリー

1991年製作のディズニーアニメ「美女と野獣」の実写映画化!魔女に呪いをかけられ野獣となってしまった王子と、森で迷い、城で捕まった父親の身代わりとなった娘のベルが、次第に野獣と心を通わせ恋に落ち、愛し合うことで野獣の呪いが解けるという大筋のストーリーはそのまま。だが野獣の家族設定やベルの母親など、アニメ版では描かれていない場面が大幅に追加されている。そのほか、アニメ版で矛盾があった部分や説明不足な箇所が補完された。

また、ガストンが戦争帰りというセリフから、恐らく作中の時代設定は第一次世界大戦以降となっている。女性は字が読めなくてもよい=教養は必要ないといわれている時代であり、夫がいなければ身を立てていけないという風潮なため、色恋に興味のないベルはアニメ版よりもかなり露骨に村人たちから変人扱いされている。

アニメ版との違い

魔女の呪いについて

冒頭、王子が民衆から税を吸い上げ、大勢の客を招いて贅沢三昧な生活をしていることが描かれる。また、舞踏会を開いている最中に老婆(魔女)があらわれ、魔法をかけていく一連のシーンが描写されている。

アニメ版では言及されていないが、王子や城のことをベルや村人たちが知らないのは、映画版では魔女が魔法の力で人々の記憶から王子に関する記憶を消し去ったと明確に描写された。そのため、一部の使用人たちはベルの村の住民と関わりがある。また、ベルたちの村が春先(映画版では季節は6月)なのに対し、野獣の城の周囲の森にだけ雪が積もっているのも、魔女の魔法によるものとされている。

さらに、バラの花びらが散るたびに少しずつ城が壊れていき、家具となった使用人たちも徐々に本当の家具(無機物)に近づいていくという設定が追加された。

父親が迷い込む理由

アニメ版では自身の発明品を隣町の祭りまで持っていく途中だったが、映画版では市場にいく途中、狼に追われて城へ逃げ込む。また、城内ではルミエールたちのもてなしは受けておらず、言葉を話すコップ(チップ)に驚きすぐに城から逃げ出すが、庭先でバラを一輪手折っていたところを野獣につかまるという、原作の民話に近い展開に変更されている。 

このほかの主な相違点の詳細はあらすじや各登場人物の詳細に記述していく。

あらすじ

野獣の城

フランスのとある小さな村で育った美しい少女・ベル。退屈な日々のなか冒険を夢見る彼女を周囲は変人扱いし、女のくせに本を読み、文字を教えようとするベルを何かと煙たがっていた。

いつか遠くへ行きたい・・・。
そう願っていたベルだったが、ある日父親が隣町に出かけたまま帰らず、馬だけが戻ってくる。父親を探しにいったベルは、森の奥深くにある不気味な城にたどり着き、そこで野獣に捕らえられてしまった父親を発見する。が、自身が身代わりとなって父を逃がす。

城で幽閉の身となったベルだったが、豪華な部屋を与えられ、家具となった使用人たちに丁重に歓迎される。だが入ってはいけないと言われていた西の塔で魔法のバラを見てしまい、野獣に出て行けといわれ思わず逃げ出してしまう。その後森に潜む狼に襲撃されるも、危ういところを野獣に救われる。

ベルは使用人から、この城に魔法がかけらていること。野獣も王子だったころに母親を亡くし、父親から厳しく育てられた結果、心がひねくれていったこと。魔法のバラの花びらが散る前に呪いを解かなければ、王子は永遠に野獣のまま。自分たちもただの家具になってしまうと告げられる。

城で暮らしながら、野獣と少しずつ心を通わせていくベル。野獣も不器用ながらも優しさを取り戻していく。野獣は魔女が残した、世界中、自分が望む場所ならどこへでもいける魔法の本を使い、ベルを生まれ故郷の街のパリへ連れていく。そこで、ベルの母親がペストに罹ったこと。生まれたばかりの赤ん坊のベルを守るため、モーリスが母を置いて都会を離れたことを知る。

舞踏会

ベルを愛していることに気付いた野獣は、ベルと2人だけの舞踏会を終えたあと、彼女に愛を告白する。しかしベルは「自由がないのに幸せにはなれない」といい、唯一の家族である父親に会いたいという。野獣は望むものの姿を映す魔法の鏡をベルに渡すが、そこには今まさに、無理やり村から連れ出されようとする父親の姿が映っていた。野獣は愛するベルのため、彼女を父親の元へ返す決意をする。自分のことを忘れないようにと魔法の鏡をベルに託し、ベルは城を出て行った。

ガストンの策略

数日まえの出来事・・・。
逃げ帰ったベルの父親・モーリスから野獣の話を聞いたガストンは、ベル目当てにただ一人モーリスの話を信じたふりをし、森にベルを探しにきていた。だが野獣や喋るティーカップなど信じられない話ばかりするモーリスに愛想を尽かしてしまう。さらに娘との結婚を反対されて激怒したガストンは彼を殴って気絶させ、木に縛りつけて森に置き去りにしてしまった。

だが取り残されたモーリスは、村で物乞いをしている未亡人・アゴットに救われ、置き去りにされてから5日後に村に戻っていた。ガストンに置き去りにされたと主張するモーリスだが、ル・フゥを味方につけたガストンは物乞いの証言は当てにならないといい、野獣を見たと主張するモーリスを狂人扱いする。娘をくれれば助けてやるというが、モーリスは首を縦にはふらず、そのまま精神病院行きの馬車へ乗せられてしまう。

そこへベルが現われ、魔法の鏡で野獣の姿を村人たちにみせ、野獣の存在を信じさせようとする。見た事もない怪物の姿に怯える村人。野獣が危険ではないことを知らせようとするも、ガストンは魔法の力でベルは操られていると嘯きベルたちを馬車に幽閉。村人たちを引き連れ野獣を殺しにいってしまう。

襲撃

ベルの想いを知ったモーリスは、馬車の鍵を開けベルを脱出させる。一方城では、家具の使用人たちが村人たちを次々に撃退していた。ガストンは野獣と対峙するが、既に花びらの残りは数枚・・・ここを死に場所と決めた野獣は反撃をせず、銃で撃たれてしまう。だが野獣を助けに来たベルの姿を見て発起。逆に返り討ちにしたガストンを谷底へ落とそうとするも「自分は野獣ではない」といって彼を見逃す。しかし、ベルとの再会を喜ぶ野獣をガストンが撃ち抜いてしまった。さらに散っていくバラの花びら・・・。ガストンは城の崩壊に巻きこまれ、瓦礫のもくずと消えた。

ラスト(※ネタバレあり)

「最後に会えて良かった」という言葉を残し、死んでいく野獣。バラの花びらが全て散り、使用人たちは次々にただの家具になっていく・・・。ベルは野獣を抱きしめ「愛しているわ」と口にする。

そこに未亡人のアゴット・・・この城に魔法をかけた魔女があらわれる。魔女が手をかざすと、散ったバラは金色の光をはなち舞い上がる。それは野獣の体を包み込み、野獣を元の人間の姿へと戻す。

姿形が変わっても、確かに彼はベルが愛した人・・・2人がキスをした瞬間城の呪いは解け、使用人たちは10年ぶりに人間の姿をとりもどし、村人たちも城と王子・・・そして忘れていた大切な存在を思い出す。

数日後。
光差す大広間では、大勢の人間が集まり舞踏会が開かれていた。真っ白なドレスに身を包んだベルとかつてのように踊る王子。それはまるで、2人の結婚式のようだった・・・。

登場人物

ベル:エマ・ワトソン(吹:昆 夏美)

美女と野獣 エマ・ワトソン

今作のヒロイン。
オレたちのアイドルとして人気を誇る某優等生な魔法使いから目を見張る美女へと華麗なる成長を遂げたエマ・ワトソンの、アニメをそのまま再現した美しい黄色いドレス姿が話題となった。

映画版では女の子に字を教えていたという理由だけで洗濯物をひっくり返され嫌がらせを受けるなど、村に馴染めない描写が強い。また、幼い頃に母親と死別していることが明らかとなった。アニメ版同様勝気な面があり、ルミエールたちと初遭遇した際にはその辺にあったイスをブン投げて直撃させるなど割と手が早い。

野獣とは狼から救われただけではなく、魔法の本により母親の死の真相を一緒に知ったこと、野獣がシェイクスピアを知っていたことなど様々なプロセスを経て信頼を築いていく様子が描かれる。また、舞踏会直後の野獣からの告白もすぐには受け入れなかった。これはアニメ版の「舞踏会前後くらいから既に野獣のことを愛しているような描写があるにも関わらず、なぜ魔法が解けなかったのか?」という疑問を解消するためだと思われる。

吹替えを担当するのは多数のミュージカルに出演している女優の昆 夏美(こんなつみ)さん。洋画の吹替え声優の仕事は初だが、アニメ「マジェスティックプリンス」でOPや挿入歌を担当したことから、本人役でゲスト出演したことがある。

野獣:ダン・スティーヴンス(吹:山崎 育三郎)

実写版 美女と野獣

呪いで姿を変えられてしまった王子様。アニメ版のヴィジュアルとは違い、山羊のような大きな角が特徴的。アニメ版の山ちゃんの印象が強い人は吹替版で見た際、想像以上のイケメンボイスと若さにびっくりするかもしれない。

映画版では使用人曰く、幼いころ母親が死んでから父親に厳しく教育されたことで心がひねくれ、父親が亡くなった後は我侭で傲慢な王子となったものの、周囲の使用人たちもそれを咎めずにエスカレートさせてしまったという。また、豪華絢爛な城の装飾や連日行われていたパーティーなど、民衆への税も相当重かったらしい。みんな記憶なくしてくれてて良かったな!

スパルタ教育のためか、シェイクスピアの一遍を暗唱できるなど教養がある一面も描写されるが、バラを勝手に手折ったモーリスの娘であるベルを当初は「盗人の娘」と見下したり、愛や恋ばかり謳う話を嫌うなど、最初からわりと素直だったアニメ版と比べて序盤はまだ性格がひねくれている。が、徐々にベルに惹かれていき、舞踏会直後は自ら告白するに至った。

吹替えはミュージカル俳優の山崎 育三郎さんが担当。安倍なつみさんの旦那さんであり、月9などテレビドラマでも活躍中の俳優だが、実は1998年のおじゃる丸放送当時から3年間、無口な宇宙人の子供・星野を演じたことがある。

モーリス:ケヴィン・クライン(吹:村井 國夫)

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ベルの父親。
アニメ版の小太りでコミカルなおっさんとは違い思慮深い男性となっており、発明家ではない。オルゴールの製作で生計を立てているが、過去には画家として芸術家を志していた。貧しいながらもパリの小さな部屋でベルの母親と暮らしていたが、母親がペストに罹り、感染を防ぐため赤ん坊のベルをつれ、田舎の小さな村へと引っ越してきた。母親を置いてきてしまった負い目があり、そのことはベルには語らず仕舞いだったが、母親の絵は常に壁に飾ってある。

彼が城に迷い込んだ事が今作の発端となるが、上がりこんだ城で勝手に物を喰ったりと意外にこの人もフリーダム。だがチップをすぐ受け入れたアニメ版とは違い、突然動いて喋ったチップにビビって即効で逃げ出した。終盤はベルを逃がすため自力で馬車の鍵をあけ、馬車の運転手とのんびり世間話をするお茶目な一面もみせた。

吹替えを担当するのはレ・ミゼラブルなどこれまたミュージカルの大御所であり、ハリソンフォードの吹替えで有名な村井 國夫さん。安定感がぱない。

ガストン:ルーク・エヴァンス(吹:吉原 光夫)

実写版 美女と野獣 ガストン

今作のヴィランズ。
あのケツアゴを完璧に再現しているところは賞賛に値する。

ベルに結婚を強引に申し込むが、媚びないところがイイ!というなど、わりと本気で惚れているような描写が多い。鏡の中の自分に延々と話しかけるなどナルシー度は大分あがっている。

酒場のミュージカルパートのあと、モーリスの言葉を(下心があるとはいえ)一応信じるも、モーリスがいなくなればベルは自分を頼るしかないと考え、縄で縛って狼がいる森に置き去りにしてしまうなど、やることがアニメ版以上に悪どい。また今作では戦争経験者ということで銃を所持しており、終盤では野獣に2発も喰らわせた。

吹替えを担当するのは、劇団四季のミュージカル「美女と野獣」でガストン役を演じた吉原光夫さん。ミュージカル版も大好きな方には嬉しいキャスティングとなった。

ル・フウ:ジョシュ・ギャッド(吹:藤井 隆)

実写 ル・フウ

原作では仲良しこよしな親分子分関係だったガストンに、禁断の思いを抱いているという今作最大のキャラ改変で物議を醸した人物。のっけからベルに結婚を申し込もうとするガストンに「男の友情でいいんじゃない?」と匂わせていたりする。そして謳ってる最中にさりげなく告ってる。とはいえ、そこまであからさまな描写はない。抱き合って踊るぐらいアニメ版でもしている。

ただし性格は、小悪党だったアニメ版よりも大分良心的な人物となっており、フラれたガストンをなぐさめたりモーリスにカッカするガストンを「はい深呼吸してー」と落ち着かせたりと献身的に尽くすものの、モーリスを置き去りにした時は引きとめようとしたり、「今ならまだ間に合う」と助けにいかせようとしていた。結局はガストンを裏切れず野獣退治にも同行するが、ガストンを「けだもの」と呼ぶシーンもある。

終盤の使用人たちとの対決ではガストンの盾として利用されるだけ利用され見捨てられたことで踏ん切りがついたのか、シャンデリアから落下したポット夫人を助けた際、なんでか意気投合。なんと味方に寝返り、ラストの舞踏会のダンスシーンにも参加していた。一瞬だが男性と踊るシーンがあり、新たな恋の誕生を匂わせる。

吹替えを担当するのはマシューこと藤井 隆さん。ベテランミュージカル俳優だらけのなか、ひとりミュージカル出身ではないものの、「すごいぜガストン!」など歌唱パートも担当。アニメ版よりも増えているガストンとの掛け合いもこなし、アクが強いキャラを見事に演じきっている。

ルミエール:ユアン・マクレガー(吹:成河)

ルミエール 実写版 美女と野獣

陽気な使用人。
アニメ版では燭台を擬人化していたため1本足だったが、今作では人間部分がまだ残っているという設定なので、両手がキャンドルになっているものの二本足で歩く。またロウ部分の割合が減り、胴体は金属製である。ストーリー上の役割はほぼ変わらないが、目玉のミュージカルパートではベルにご馳走するといって殆ど食べさせなかった。

終盤のバトルでは油を撒いた床に引火させるという火事一歩手前のすごいことをする。人間に戻った時は白いカツラ姿であり、アニメ版とは容姿がかなり違う。コグスワースと再会を喜んだあとは、恋人のプリュメットとキスをしていた。

演者はスターウォーズエピソード1でオビワンを演じたユアン・マクレガー。だが全身特殊メイクなのでラスト以外ほぼ顔はわからない。吹替えを担当するのは舞台俳優の成河(そんは)さんである。

コグスワース:イアン・マッケラン(吹:小倉 久寛)

コグスワース 実写版 美女と野獣

生真面目な時計の執事頭。秒針は失くしてしまったらしい。王子の言いつけを守り一番忠実なのは原作同様。ただ終盤の闘いではアニメ版以上に何もしない。バラが散った後ただの時計になる寸前、ルミエールを「わが友」と呼び、共に戦えて良かったと賛辞を送るなど、彼とは相変わらず良きコンビだった。

ラストではベルの村にいた嫌味な女性が奥さんだったことが発覚。恐妻だったのか、「いますぐ時計に戻りたい」と最後まで呟いていた。

演者はXメンやロードオブザリングで有名なイアン・マッケラン。吹替えは見た目がそっくりな小倉 久寛さんが担当している。おかげでヘタレさが2割り増し。

ポット夫人:エマ・トンプソン(吹:岩崎 宏美)

ポット夫人 美女と野獣

心優しいお茶係の夫人。
アニメ版同様、ベルの良き相談相手として彼女に様々なアドバイスをする。映画版ではベルから「どうしてみんな逃げないのか」と問われた際、王子を赤ん坊の頃から見ていたが、ただ見ているだけで何もせず、それが今の現状を招いたのだと悔やむ様子をみせ、ベルから魔法を解くにはどうしたらいいのかと聞かれた時も、「王子を誰かを愛し、そのお返しに愛されること」という条件のことを教えなかった。

終盤のバトルでシャンデリアから熱湯シャワーという相変わらず殺意高い攻撃を繰り出していたが、落下する最中、村人の誰かに気付いたような素振りをみせた。その後ル・フウに救われ、彼を励まし一緒になって村人を撃退する。

ラストでは冒頭でベルに挨拶していた村人が彼女の夫だったことが判明。無事家族が再会できた。アニメ版同様、ラストの舞踏会でモーリスとアイコンタクトをする場面がある。

演者はハリーポッターで占い学の教師・シビル役だったエマ・トンプソン。ちなみに占い学はハーマイオニーが唯一嫌いな学問だった。吹替えは火サス主題歌・聖母たちのララバイの歌手にして、舞台の出演暦もある岩崎 宏美さんが担当。好演していた。

チップ(吹:池田 優斗)

チップ 美女と野獣

原作にも登場する小さなコップ。
デフォルメされ目が大きく描かれていたアニメ版とは違い、コップに描かれた顔が動くという演出になっているため、可愛さは半減している気がしなくもない。今作では父親を助けに行ったベルには同行せず、ベルたちが自力で脱出するためアニメ版ほど出番はない。が、終盤のバトルでは皿を1枚1枚手裏剣のように飛ばし連続ヒットさせるなど大健闘する。

その他の登場人物

■マダム・ド・ガルドローブ(吹:濱田 めぐみ)
原作の洋服ダンス。
アニメ映画で見事なビブラートを披露していたが、今作では元オペラ歌手であり、新たに旦那のキャラクターまで作られ、出番が大幅に増えた。ヴィジュアルは本当にタンスであり、上部のカーテンが揺れるだけで顔がない。家具化が進んでおりほとんど部屋で寝てすごすようになっていたが、終盤のバトルでは愛する夫ともに侵入者を撃退していく。やっつけ方はアニメ版同様。でもボディプレスの破壊力は凄まじい。無事人間に戻った時には旦那に抱きつきキスを交わしていた。

吹替えは劇団四季を代表する女優のひとりであり、ミュージカル「美女と野獣」のベル役で有名な濱田 めぐみさん。

■プリュメット(吹:島田歌穂)
アニメ版で羽ぼうきの姿に変えられていたメイドに該当する。映画版では鳥の形をした真っ白な羽ペンみたいな姿となっている。頻繁にルミエールとイチャついているため出番も多く、ふさふさのほうき部分でお部屋のお掃除を担当。終盤バトルではほこりをかけるという地味で嫌な攻撃をしていた。

吹替えはレ・ミゼラブルのベストキャストとして有名な舞台女優、島田歌穂さんが担当。

■カデンツァ
実写版オリジナルキャラ。
音楽家でチェンバロの姿に変えられたという設定。妻は洋服ダンスだが、彼女が上階の部屋で寝てばかりで下に来ない為、10年間会えずにいる。だが終盤のバトル時に愛する妻と再会。タッグを組んで侵入者を撃退。なんと鍵盤を飛ばしピストルが如く攻撃した。ちなみに鍵盤部分は歯に該当するようで、黒い部分は虫歯で痛いらしい。人間に戻った時には前歯が抜けまくっていた。

■コートラック
アニメ版にも登場したコート掛けの男性。セリフはないが玄関にいつも控えており、ベルが城を出る時にはちゃんと挨拶したりと紳士であることが伺える。晩餐会ではバイオリンを弾いたり野獣のヘアカットを担当したり、終盤のバトル時にはル・フウに鉄拳の嵐を喰らわせたりと出番が多い。バラが散り次々に使用人が本物の家具となっていくなか、飛び出してきたチップが空中で本物のコップになってしまうも、地面にぶつかって粉砕する直前に受け止めるなど、最後の最後までイケメンっぷりを発揮し、一番最後にただの家具となった。

ちなみに人間の姿に戻った時もセリフはない。

■三銃士
ガストンに雇われた三人組。
終盤屋敷を襲撃するも洋服ダンスの女装攻撃に遭い、恐れおののき逃げ出した。・・・はずだが、おいひとり女装に目覚めてんぞ!?

■本屋
アニメ版では老人だったが、映画版では黒人の男性に変更。アニメでは本が壁一面にあったが、今作では数冊の本しかない。村で唯一ベルと親しく、ベルが嫌がらせを受けた時には手伝ってくれたり、ガストンがモーリスを病院へつれていく時も賛同する様子はみせなかった。

■村人たち
フランスの小さな田舎の村に住んでいるためか、ベルのような人間を奇異の目で見ており、中には露骨に嫌がらせをする人間もいる。だがアニメ版ではガストンの言う事をあっさり信じて、みんなして精神病院送りにするというゲスの極みみたいなことになっていたが、今回はモーリスがアゴットに助けられ戻ってきた際、ガストンを責め立てるシーンもある。その後はモーリスを連行するガストンを遠巻きに見ていたが、アニメ版ほどガストンの言いなりではない。

実は記憶を封じられているだけで野獣の城を訪れたものもおり、城に襲撃した際「見覚えがある・・・」と呟く場面がある。

■アゴット(吹:戸田恵子)
映画オリジナルキャラクター。
夫に先立たれたのか物乞いで生計を立てている女性。森のはずれで暮らしており、ガストンに置き去りにされたモーリスを助けてくれた。

だがその正体は、野獣に魔法をかけた魔女。ラストに登場し、ベルの愛の言葉を聞き遂げたあと、バラを復活させ魔法を解いた。

最大の見所:アニメ版完全再現の豪華絢爛な舞台

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どんだけ金かけたのか気が遠くなるほど、細かな装飾に至るまで完全にアニメ版を再現した豪華な舞台装置は、スクリーンでみるとやはり圧巻!アニメ版でも最も印象的なダンスシーンの美しさは期待以上のクオリティで思わず涙ぐんじゃう。

家具たちのCGも素晴らしいが、本当に用意したであろうあのシャンデリアや、わざと実物を使っている演出も多く、CGでは出せない質感を感じられるのがとても良かった。

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アニメ版でも印象深いルミエールのミュージカルシーン。カラフルで子供が見ても楽しい場面だが、3D演出をかなり意識した作りになっており、4Dなどで観たらまた違った印象になりそう。

また、終盤の見所の一つでもある家具VS侵入者のバトルシーンの賑やかさもアニメ同様!完全に再現しているのもあればある意味パワーアップしているキャラがいたりと、非常に面白い場面になっている。

感想:舞台を観にいくつもりで挑むべし!

アニメ版を見ていた時から「ベルのドレスずり落ちそう」と思っていたあのドレスを忠実に再現すればあぁなる!あぁなるのは仕方ないが!谷間をばっちり映すカメラワークにしてやられたのは自分だけだろうか・・・。そりゃどデカいスクリーンでエマ・ワトソンの谷間が見えたらガン見しちゃうのは仕方がない。オレは悪くない。全てカメラーワークのせいである。

・・・と余談はさておき。
今作はアニメでは時間の都合上ぽんぽん展開していったストーリーが、映画版では野獣とベルが仲良くなる過程がかなり時間をかけて描かれているのが特徴。アニメ版ではベルを幽閉した次の瞬間に野獣が晩餐に誘うシーンがあるが、映画版では「自分で幽閉しといて晩餐誘うとかどうかしてるぜ!」とベルにキレられるシーンがあったりと、アニメで多少都合よく描いていた部分に常にワンクッションを入れていく形となっている。

そのため2時間超えの超大作の映画となっており、感覚的には映画を見たのではなく、劇団四季などの本格ミュージカルか舞台を見た感じに近い。ちょっと暇つぶしに見ようとするのは危険かも。アニメ版の内容を削ることなくどんどん足していきボリューム満載になったストーリーだが中だるみすることはないので、2時間以上の映画が問答無用で地雷という方でなければ楽しめるかと思う。

ストーリーについて

アニメ版の矛盾点をフォローしている箇所が多い。良改変だと思ったのは、バラの花びらが散るたびに家具化が進んでいくという設定。タイムリミット感もあり、ラストで野獣だけではなく、彼らもまた人でなくなるという悲哀があった。

さらに、城で働く使用人たちがベルの村と接点があり、自身の家族を村に置き去りにしているものの、村人は魔女の魔法で記憶が消されているため妻や夫の存在を忘れているというのも、人間に戻りたい使用人たちの動機付けとしていいかと思う。若干盛り込みすぎな気もするが、使用人たちが人間に戻れた以上に幸せがあったという終盤に繋がるのは良かった。

日本語吹替え版について

芸能人キャストでなはなくベテラン俳優陣が吹替えているため、違和感は全くない。特にガストンは劇団四季のガストン役の方が演じていたりと、往年のミュージカルや舞台のファンの方には非常に嬉しいキャストになっているのではないだろうか。

唯一気になったのは日本語版に新訳された歌詞。

アニメ版の子供でも歌いやすいリズミカルな語感の歌詞ではなく、恐らく原曲の歌詞の訳に忠実なものが使われている。アニメ版に親しんでいると、ちょっと語呂が悪いような感じがしてしまった。

主題歌の「美女と野獣」もアニメ版よりも原曲の歌詞の世界観にあわせた歌詞となっているが、人によって好みが分かれるかもしれない。個人的にはアニメ版の「やさしさがひらいてく、愛の扉」という歌詞の方が好きかも。

最後に!

見終わった後は豪華なフルコースを腹いっぱい食べた感じになる映画。子供のころアニメが好きだった方も、逆に未見の方にもオススメできる、文句のつけどころがない実写映画ですが、もし賛否が分かれるとすれば、ル・フゥが最後は味方側になるという展開と、魔女が登場しちゃうラストでしょうか。時間アウトだけどセーフにしたるわーみたいな終わりでしたし、なんで未亡人のフリをしていたのか、ちょっと謎は残るので。

自分は2D吹替え版で見ましたが、ミュージカルや舞台がお好きな方なら吹替版、エマ・ワトソンなど演者の生声で歌が聞きたい!という方なら字幕版がおすすめですね。でもどちらも最高に贅沢な2時間30分を楽しめます。これはスクリーンで観るべき映画ですよ!

↓アニメ版の感想はこちら!