アニメ「笑うせぇるすまんNEW」感想!
旧シリーズとの違いや、本編のネタバレありなのでご注意ください。
結論:子供のころのトラウマ、再び。
喪黒福造(CV:玄田哲章)
黒いドラ○もん。
心のスキマをお埋めします!・・・といって声をかけてくる謎の営業サラリーマン。人呼んで歩くトラウマである。
旧シリーズでは「ボランティアでやっているのでお金はいりませんv」と怪しさ爆発の誘い文句で客をたらしこんでいたが、新シリーズではあまり言わなくなっている。基本は心のスキにつけこんで、一見得にみえるような商品を与えたり店を紹介し、客が勝手に墓穴を掘っていくのがデフォ。
NEW版の声優を、シュワちゃんの吹替えや、最近ではマツコの知らない世界のナレーション、そして戸愚呂弟で有名な玄田哲章さんが担当したことで、気持ち可愛さが増した。
どーんもパワーアップ!!
毎回オチに登場する、
欲望にまみれた客たちをさらに深みに落とす喪黒の謎の必殺技『どーん!!』。
NEWでも勿論気合を入れて披露するが、旧版と最大の違いは、なんといっても"動く"ということだろう。特に初回は、シリーズ中唯一の両手バージョンのどーん!が見られる。ちょっとレア。
パワーを溜めて・・・
ふりかぶってぇ~
ダブルどーん!!
※ゲッツではない。
あ、デフォはコレです。
大分コミカルな演出になっている分、昔ほど怖くはなくなった印象である。
OPがある・・・だと!?
「私の名前は喪黒福造・・・」という、旧シリーズと全く変わらないモノローグ+タイトルロゴのあとには、ギミア・ぶれいく時代にはなかったOPが新たに登場!昨今の風潮にあわせてか、OPの映像や音楽は、やたらスタイリッシュになっている。
「子供が見てるぞ」という大人にとっての最強の脅し文句を多用するかなり怖い歌詞だが、後味の悪さをふっ飛ばすように、EDにはテキトー男こと高田純次さんによるあっけらかんとした歌が流れる。
純次が歌うEDの「ドーンドーン!!やられちゃった♪やられちゃった♪」という歌詞からは反省も悲壮感もまるで感じられない。ゴキゲンじゃねーか!
これじゃ喪黒も浮かばれまい・・・(?)そういえば動画配信では流れないが、ギミアぶれいく時代にも、喪黒が車を運転している映像が延々と流れるEDがあったような気がする。
白昼夢(ゲスト:江口拓也)
NEW版の第1話。
旧アニメ版第12話のリメイク。
平凡な日々を送っていたサラリーマンの中島(CV:江口拓也)だが、ある日。真昼間から同僚に飲みに誘われる。そこは昼間から営業しているクラブだった。まるで白昼夢のような空間にあっという間にハマってしまう中島・・・。
毎日のように通っているうちにドンドン深みにハマり、最終的には昼間から酒を煽りまくりとんでもない額を請求され、上司からはカンカンに叱られる(当たり前)という話。
顔面格差が激しいアニメだ・・・。
旧アニメ版では1話ではないこの話がNEWの初回を飾ったのは、旧アニメ版で喪黒がダブル(両手)でドーン!!するレアシーンがあったのがこの話のみだからだろう。
ご利用は計画的に(ゲスト:阿澄 佳奈)
買い物中毒気味なOL・高島(CV:阿澄 佳奈)。
喪黒から「いくら使っても代金がかからないカード」をもらったことで思う存分ショッピングを楽しむが、それは「夜買ったものは必ず次の日の朝、回収される」というカードだった。モノが欲しい、買い物をしたい。という欲求だけを叶えるには便利だったが、やはり手元に残らないのが物足りなくなってくる。そこで、利用した後返さなくていいもの=エステなど美容系の店に通いまくるが・・・
逆作画崩壊。
胸まで巨乳に。
見違えるように美しくなるも、最終的には喪黒のどーん!!によって、1夜のうちに若さを回収されとんでもなく老いてしまう、というオチ。1話の白昼夢では(旧版では明確にクビを言い渡されているが)見ようによっては上司に怒られただけで済んでいるというのに・・・わりと酷くない?
でも正直、このカードがあれば毎日ゲーム買って遊べるんじゃね!?とか思わなくもない。
旧シリーズとの違い
TBSの夜9時にやっていたバラエディ「ギミア・ぶれいく」内で10分アニメとして放送されていた旧アニメ版。大体の話の流れはそのままだが、「白昼夢」ではバーに主人公を連れて来るのは同僚ではなく喪黒であり、同僚はその後巻きこまれただけだが、新アニメ版では喪黒から店を紹介された同僚から誘われる・・・という形になっていたりとストーリーにも若干の変更がある。また、スマホやスカイツリーが登場するなど舞台は完全に現代となっている。
旧シリーズに登場したバー「魔の巣」やマスターも変わらぬ姿で登場。喪黒と同じく年を取っていないと言う事は・・・?
旧シリーズの配信状況について
現在、旧シリーズの動画配信はTBSオンデマンドとツタヤディスカスの2つ。だがTBSオンデマンドは見放題ではなくポイント購入制なので、全100話以上あるシリーズを一気見するにはキツい。一気見したい人は、ツタヤディスカスの動画見放題がおすすめ。子供のころギミアぶれいくでリアルタイムで見ていて、あらためて当時の雰囲気を味わいたい!という人は、1話10分程度なので、30日間の無料期間中に見るといいだろう。
最後に!
大平透さんから玄田哲章さんにバトンタッチした今作。旧シリーズのレアなダブルどーん!の話を初回に持ってきたのは、スタッフGJだと思いました。
子供のころは喪黒の存在そのものがトラウマといってもいいぐらい怖かったアニメでしたが・・・最近、大人になってから旧シリーズを見直した時、お客さんの自業自得な部分が多いことや、お話そのものはあまり怖くはないものが多いことに気付きました。『白昼夢』なんていってしまえば昼間から営業しているぼったくりバーのお話ですもんね。
今回のNEW版では、喪黒がアクティヴに動いていたり、『ドーン!!』の効果音がジョジョばりに文字となって出てくることで、後味の悪さや怖さは薄れてコミカルに見られる感じになってましたが、子供のころあんなに怖かったのは、やはり亡くなった声優・ 大平透さんの芝居や口調だとか、あの「どーん!」でフラッシュする演出によるものが大きかったんでしょうね。
大平さんのダァー!に聞こえる『どーん!』の迫力や、あのタイトルロゴの笑い方、モノローグの不気味さ・・・絵的にも不気味な喪黒をさらに不気味に演じ、でもどこか魅力あるキャラにしていたあの声色が大好きでしたが、これからはまた違う魅力を、玄田さんが魅せてくれるのでしょう。
あの頃を懐かしんでみるもよし、全く知らない人が怖いものみたさで見るのもよし。世にも奇妙のようなちょっと不気味な話がお好きな人には、おすすめの春アニメでした!