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びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る

ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎 ネタバレ感想~亡き文豪の原稿を巡り、様々な陰謀が絡み合う!

アニメ アニメ-ルパン三世

ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎 [レンタル落ち]

音楽 ★★★★★
作画 ★★★★★
結論:おまえらほんと仲良いな!!

1990年 日本
監督:出崎統
絵コンテ:さきまくら

※ラストのオチ含むネタバレあり。
ご注意!

目次

ストーリー

ヘミングウェイ・ペーパーとは・・・
アメリカの文豪・ヘミングウェイが、死の間際まで書いていたとされる原稿のこと。彼は晩年、自身の最後の冒険譚を小説にしようとしていたところを自殺に見せかけて殺害され、莫大な価値がある宝の在り処が書かれていた原稿は、何者かに持ち去られてしまったという・・・。しかしこれは、泥棒界隈では有名な眉唾モノの都市伝説と思われていた。

しかし、その幻の宝は実在していた。
ルパンはヘミングウェイ・ペーパーが入った「パンドラの箱」を開ける事が出来る「黄金の鍵」を盗み出そうとするが、同じく箱を狙う武器商人・マルセスの企みにより先を越されてしまう。さらに、彼の隣には秘書となった不二子の姿が・・・。

次にルパンは、箱があると噂される地中海のコルカカ島に向かうが、島を牛耳る政府軍に襲われ、道すがらに出会ったマリアという美女に助けてもらう。

マリアによれば、10年前、平和な島だったコルカカ島に、宝の噂を聞きつけた山師どもが押し寄せ、地中を掘り返し森を焼き払い、地元住民たちを追い出してしまった。さらに、山師の一味だったカルロスコンサノという男が仲間割れをし、互いに軍を作って毎日の様に戦争をするようになってしまったのだという。

だがそんな島に、ルパンに続き次元と五ェ門がやってくる。
2人はコンサノとカルロス、それぞれの傭兵として雇われており、互いに望まぬ闘いを強いられることになるのだが・・・。

あらすじと登場人物

ルパン(演:山田康雄)

ご存知大泥棒。
いつもの仲間たちが宝探しを手伝ってくれず、ふてくされ気味である。
中盤。次元も五ェ門もドジを踏み敵に捕まってしまったため、不二子の力を借りてヘミングウェイ・ペーパーを盗み出すも、敵に奪い返されてしまう。が、タイピンに仕込んだカメラで全ページ写真を撮って内容を解読。ヘミングウェイの宝を見つけ出す。

全体的にテンポのよいジョーク(というかダジャレ)台詞が多めだが、終盤のマリアとのやりとりは言葉が少ないながらも「大人の恋愛」を匂わせるなど、締めるところはしっかりと締めていった。そしてばっちりと心を盗んでいきやがる。

以下、今作の迷言。
「おれを知らないなんてもぐりもい~とこは~とこ!」
「おります♪」
「それがさっぱりIdon't know」

次元(演:小林清志)

今作では5年前、アラスカでアメリカ陸軍の給料輸送車を襲撃した際、マッシュという男の裏切りにあい、一緒にいた仲間たちを全員殺された過去があることが判明した(次元の左腕には、その時受けた銃弾の痕が残っている)。

マッシュを探すため、コンサノ側の傭兵として島に潜り込んでいたが、「カタは一人でつける」と言ってルパンと手を組もうとせず、単身でマッシュに挑み逆に窮地に陥る。ルパンによって救われるも、あくまで1対1の決闘に拘ったため仲間たちに応援を呼ばれてしまい、捕まるというドジを踏んでしまった。

五ェ門(演:井上真樹夫)

「つまらぬものを斬り過ぎました・・・」

剣の修行で思い悩んでいたところ、高僧から「斬鉄剣でも斬れぬものに挑む事が、あなたの修行と思われます」とアドバイスされ、ミサイルでも壊れない超合金製の「パンドラの箱」を捜し求め、カルロス軍に傭兵となっていた。

だが今作では、箱を斬ることができず「もうダメだ・・・」と抜け殻になってしまいアッサリ敵に捕まってしまうなど、箱を斬ろうとするあまり躍起になりすぎて、若干コミカルな立ち回りをすることが多い。

終盤では箱を斬ろうと最後の最後まで粘るもどうしても斬ることが出来ず、「無常だ・・・」と軽く絶望していた。だがその後の、諦めてひょいと振ったらあっさりと箱が真っ二つになるシーンは、今作きっての名場面である。(よほど嬉しかったのか、ラストでは割れた箱を大事そうに抱える、とても可愛らしい五ェ門の姿が描写されている)

また今作では、アニメ版では珍しい「五ェ門が煙草を吸いながら斬鉄剣を振るうシーン」もある。

とっつぁん(演:納谷悟朗)

「ルパンを逮捕する日まで、この私に安息の日々はない・・・」などと序盤からポエミーなセリフを連発するも、給料を前借りしまくったり、経費でキャバレーやクラブいってることがバレるなど、今作ではダメ警部。

金がなくなり、公務員のくせに日給のいいバイトを探そうとしていたところに不二子が乗った車に遭遇するが、第一声が「金貸してくれ」。そりゃないぜとっつぁん。

今作では完全に役どころかコメディリリーフ一択となっており、作中ではことあるごとに放置プレイされる。

・「不二子がいるところルパンあり」とマルセスの車のトランクに隠れてコルカカ島までやってくるも、そのまま車ごと放置。

・その後、空腹に耐えかねてコンサノの傭兵たちの食料庫から食べ物を盗み喰いしていたところ、不二子に言い寄っていた傭兵を撃退。しかし不二子の罠にかかりそのまま捕まり、牢屋に放置。忘れ去られる(最終的には自力で鍵を破壊して脱出した)。

峰不二子(演:増山江威子)

今回はマルセスの秘書として登場。
得意のお色気攻撃でマルセスを虜にしており、一応Aまではサービスしたらしいが、その際自身のドレスに細工をし、銀行を開けるためのマルセスの指紋をこっそりとゲットするなど、相変わらず抜け目ない。因みに今作の下着の色はピンクである。

中盤以降マルセスを裏切りお宝のためルパンと手を組み、カルロスが保管していた「パンドラの箱」と、マルセスが金庫に保管していた黄金の鍵を盗み出した。

カーチェイスに重火器アクションに・・・となんでもこなすが、マリアにあからさまに焼きもちを妬く可愛らしいシーンもある。

今作のヒロイン・マリア(演:佐々木優子)

コルカカ島に唯一ある「maria's Bar」の女主人。
サバサバとした金髪碧眼の美女で、島にいる軍人たちも彼女目当てに店に通っている。

バーには古いジュークボックスにビリヤード台もあり、お酒は簡素なブランデーから日本酒+とっくりまで充実の品揃え。だがこのジュークボックスは、Z3を2回押すと爆発するように仕掛けてある。

彼女の正体は「サソリ」と呼ばれた、コルカカ島の住民たちがカルロス・コンサノ軍に対抗する為に組織した民兵軍の生き残り。元々サソリのリーダーはマリアの兄だったが、7年前にマリアを残し、全員が処刑されてしまったという。本来の住人たちは北に小さい街を作り移り住んだが、マリアだけは一人街に残り、復讐のチャンスを狙っていた。

コルカカ島を滅茶苦茶にした宝探し連中を憎んでおり、ルパンにも怒りをぶつけるが、それでも徐々にルパンに惹かれていき、別れ際にはキスを贈った。

悪役のみなさん

■マルセス(演:筈見純)
「マルセス商会」の社長。
ヘミングウェイ・ペーパーに記された宝を求めて殺し屋・マッシュを雇い、黄金の鍵を所有していた貴族を殺害。カルロスが保管している「パンドラの箱」を手に入れようと、コンサノ側に戦車を提供するなど暗躍する。

地中海の鮫、死の商人と恐れられる武器密売人・・・なはずだが、不二子のお色気にころっと騙されて結婚を迫ったり、傭兵の更新期間を忘れるなど今作最強のうっかりさん。

■カルロス(演:小林修)
現コルカカの大統領。
美術品を大量に保管しており、隠し部屋の中に「パンドラの箱」を所有していた。

元々は島に宝探しにやってきた連中の一人であったが、やがて彼らをまとめあげ、大統領にまでのさばった。しかし少々インテリ気質なのか、箱を盗もうとした五ェ門を「殺すには惜しい才能」といって処刑を先延ばしにしていたり、かつては弟分だったコンサノに言い負けてしまったりと、何かと押しに弱い。

■コンサノ(演:富田耕生)
関西弁のおっちゃん。
本名は「コンバローナ・マレドビッチ・ナンノ・コンサノ」。なんのこっちゃ。

カルロスと違い交渉力に長けており、武器商人のマルセスと取引をして兵力を増強。さらに彼の狙いがヘミングウェイが見つけた財宝であることも見抜いており、傭兵の更新期限が切れたマッシュを好条件で雇い味方に引き入れ、マルセスを暗殺。彼がルパンと不二子から取り返した「パンドラの箱」と「黄金の鍵」を手に入れる。

その後、宝の在り処がわかったことでカルロスに停戦を呼びかける。最後に取り分を巡り、お互いに一番強いカード(捕まえていた次元と五ェ門)を出しての一発勝負を持ちかけられる。しかし、この闘いで次元と五ェ門はルパンと共に脱走してしまう。結果、カルロスとは完全に仲直りしたらしく、それ以降は手を組み、両陣営の総力をあげて宝を探しにいく。

その後、ヘミングウェイの宝があるという「死の谷」にてルパンたちと戦闘になるが、カルロスが大砲をぶちこんだおかげで谷が決壊。カルロスともども鉄砲水に流されていった。・・・ルパンが言うように、今ごろは2人で、地獄で仲良くばっちゃばっちゃ水遊びしていることだろう。これがほんとの仲良死である。

■マッシュ(演:立木文彦)
マルセスに雇われた傭兵。
マフィアすら恐れる最強の殺し屋で、「クレイジー・マッシュ」という通り名同様、性格は卑劣かつ残忍で、根っからの戦闘狂。ラストでは鉄砲水を生き残っており、宝に辿り着いたルパンたちに襲い掛かるも、次元に眉間を撃たれて死亡した。

ラストは?

ルパンが解読したヘミングウェイ・ペーパーによると・・・

第一次世界大戦時に「とある島に、宝で出来た巨大な宮殿がある」という話を聞いた友人と最後の冒険に出かけたヘミングウェイは、旅路の果てについに件の宮殿を見つける。素晴らしい光景に目を奪われていたが、彼の友人は4日後に死亡。友人を埋葬し、さらに3日間その場所に滞在したヘミングウェイは、この冒険を小説にすること決めて帰還する・・・

ここで原稿は終わっているが、作中のヒントから島が間違いなくコルカカ島であること、母なる胎内(洞窟)を降りて~という言葉、そしてマリアが「南の谷の地底に宮殿が眠っている」という伝説を知っていたことで、宝の宮殿が「死の谷」と呼ばれる場所にあることが確定する。

カルロスとコンサノの猛追を退け、一度足を踏み入れれば必ず死ぬという死の谷の奥で、ヘミングウェイの署名入りの分厚い鉛の扉を発見する一向。箱が切れず若干やさぐれていた五ェ門を焚きつけ扉を切り崩すと、そこには青く輝く石の宮殿があった。

神秘的な光景に息を呑むが、その石は純度の高いウラン238。亡くなったヘミングウェイの友人は、放射能を浴び続け死んでしまったのだ・・・。

各国がこぞって核兵器を作りたがるであろう「宝の山」を前にして、ルパンは「趣味じゃない」といって引き返そうとする。そこへ生き残ったマッシュが現れるが、ついに次元の銃弾が、彼の眉間を撃ち抜いた!狂気の笑みを浮かべたまま、銃を乱射し倒れるマッシュ。その影響で天井が崩れ、数々の悲劇を生んだ青き宮殿は、今度こそ誰にも妨げられない眠りについた・・・。

内容は大人向け。けど仲良し感は随一!?

文豪が遺した宝を求めて、武器商人や対立政府との争奪戦。ヒロインのマリアは守られる系のヒロインではなく、ルパンとも馴れ合わない。微妙な立ち位置でいながらも最後はキス一つで締めるという、「カリオストロ」と比べれば大人向けなストーリー。

でも!
ハードボイルドさも残しつつ、敵キャラに至るまで愛らしい描かれ方をしているのも今作の特徴。

次元も五ェ門も互いの利害は一致しているのに、修行や己の目的のため手を組もうとはしない。しかし、次元がマッシュと決闘すると聞いた時には利害抜きで「手を貸すぜ」「案内しろ」とやる気満々だったりする。

次元と五ェ門が両陣営の切り札として戦うことになるというストーリーも見所の一つだが、最初の勝負は相撲で(わざと)相打ち。2回目も最初っから殺しあうつもりなどなく、戦うフリをしながら逆転を狙うなど、3人の絆の強さが描かれている。

今回の悪役のカルロスとコンサノも、兵士が毎日100人も死ぬような争いを繰り広げている極悪人なはずだが、ちょこちょこ間抜けな描写があるせいかどこか憎めないキャラクター。いがみ合っているクセに、「互いに一発勝負!乗るか!?」「乗ったぁ!!」のやり取りにはおまえらほんとは仲良しだろ!?というツッコミしか湧かない。

殆ど本筋に絡まず、一体何のためにいたのかと疑問符が浮かぶとっつぁんの扱いも、ラストでルパンを見つけた時のあのキラッキラしたおめめと嬉しそうな態度に、やはり彼はこのために登場しなければならなかったのだと、納得せざるを得ないのだ。

出崎さんの独特な演出

画面の二分割やスローモーションを多用した演出・・・今作の絵コンテはさきまくら、つまり出崎統監督が自ら担当。出崎さんといえばあしたのジョーやエースをねらえ!など、1970~80年代の名作アニメを担当したことで有名ですが・・・正直子供のころは演出のことなんぞさっぱりわかってない状態で見ていたので、この作品も担当していたことに、今回見直してから気付きました。

はじめて観た時は最後の五ェ門が「パカッ」と割るシーンが大好きで、ただただ懐かしいという理由だけで10数年ぶりに観ましたが・・・今見ると、アニメーションとしての美しさとか、演出面のこだわりとか、カットの上手さとか(次元が狙撃手を撃つ時に一瞬相手の目のアップが映る切り替わりだとか)、なんかもう、画から伝わる熱量に圧倒・・・大人になってから、別の意味で感動することになるとは・・・。

He's Gone

He's Gone

  • 木原美智子
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

最後に

カリオストロや複製人間とは違い、昨今ではあまり再放送されていない作品ですが・・・いや~最高に面白かった!!あと本当に今見ても、絵が凄くキレイで驚いてしまいました。放送してくれてありがとうチバテレビっ!!(笑)

配信状況をざっくり調べてみましたが、
2017年1月現在はNetflixで、ルパンのTVシリーズ全3作、2015年に放送された新テレビシリーズ、スピンオフである「峰不二子という女」、劇場版のカリオストロと複製人間、次元大介の墓標、そしてVSコナンシリーズと2011年以降に放送されたものを除いた、「バイバイ・リバティー」から「The last Job」までのTVスペシャル21作品が配信されてます。

アニメスペシャルは劇場版とは違いあんまり再放送されないことが多いので、一気観したいという方にはオススメですよ~!

↓ルパン感想はこちら!