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ライトオフ ネタバレ感想~短編動画を元にしたホラー映画!絶対に灯りを消してはいけない。ヤツは暗闇に現れる!

ライト/オフ(吹替版)
恐怖度 ★★
別エンドの衝撃 ★★★★
結論:リアル電池ゲー。

原題:lights out
2016年 アメリカ
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
製作:ジェイムズ・ワン

光と影の境界線。
それがあなたの生命線となる。
絶対に明かりを消さないで。・・・死にたくなければ。

※結末&未公開シーンの別エンドについてのネタバレあり。未視聴の方はご注意!※

目次

あらすじ

9歳の少年、マーティン。
父親のポールを亡くした彼は、心を病んでいる母親のソフィーと2人暮らしになってしまった。だが家には、電気を消した時にだけ現れる"何か"がいる・・・!恐怖に怯えるマーティンは、姉・レベッカに助けを求める。弟を救うため、戦うことを決意したレベッカは、母親と"何か"が住む屋敷で一晩を明かすことになるが・・・。

登場人物

※吹き替え版を視聴しましたが、声優名がクレジットされていなかったため記載しておりません。キャスト情報をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントで教えていただければ幸いです。

■エスター(演:ロッタ・ロステン)
ポールと同じ職場で働くおばちゃん。
一足先に帰るため職場の電気を消そうとしたところ、謎の黒い人影を見る。が、別世界の記憶でも蘇ったのか、危険を察して明かりを点けたままにしていた。帰り際、ポールに「暗闇に何かがいるのを見た」「帰るとき気をつけて」と忠告したのだが・・・

ちなみに演者のロッタ・ロステンは、映画の元ネタとなった短編動画「lightsout」で主人公を演じている女性である。

■ポール(演:ビリー・バーク)
マーティンの父親。
心を病んでいる妻・ソフィーを治そうと、方々に相談していた。
夜中にマネキンがある会社の倉庫に一人でいた時点で嫌な予感しかしなかったが、案の定、電気を消した時にだけ現れる謎の影に襲われ、命を落としてしまう。

物語冒頭で死亡するため出番はないが、彼が遺した資料が事件解決の糸口となった。

■マーティン(演:ガブリエル・ベイトマン)
ポールとソフィーの息子。
父親が死んだ後、暗闇と会話する母親の不気味さと、電気を消すと現れる謎の影に怯えていた。だが常に懐中電灯を持ち歩くなど自衛を怠らない、しっかりとしたお子様。しかし眠れない夜が続き、居眠りが続いたことで母親が学校に呼び出されるも迎えに来ず、代わりにきた姉のレベッカに「家に泊めて欲しい」と頼む。

■レベッカ(演:テリーサ・パーマー)
主人公。
ビッチ臭ただようイケイケなねーちゃん。
マーティンとは違い、父親はソフィーの前の夫である。
家を出たことで母親を見捨てたという負い目があるのか、ソフィーとの仲はよくない。10歳のころに父親が失踪しているなどの家庭環境もあってか結婚はしておらず、ブレッドとの関係も踏み出せずにいる。

彼女もまたマーティンと同様、父親の失踪時期に謎の影の夢を見るなど、暗闇に潜む誰かの存在を感じていた。当初は弟の危機を察し、彼を守るために母親から引き離そうとするが、終盤では和解していく。

■ブレッド(演:アレクサンダー・ディペルシア)
レベッカのセフレ彼氏。
付き合って8ヶ月になるが、これはレベッカが付き合った男たちの中で歴代最長記録らしい。本人的にはレベッカとの関係をもっと深めたい様子。

序盤は家族の事情を知らず、マーティンを勝手に母親から保護したとレベッカにつっかかり視聴者をムカつかせたが、それ以降も常にレベッカと行動を共にし、ありえない現象を前にしても唯一の味方となる。だが近代最強のアイテム・スマホで影に挑むもあえなく撃退され、ひとり逃げ帰ってしまった・・・。
・・・かと思われたがそんなワケはなく、実際はレベッカたちを救うため、ちゃんと生贄増援を呼んで戻ってきた。

■おまわりさん×2
フレッドの通報を受けやってきたおまわりさんの2人組。完全にやられ役であり、レベッカとマーティンが閉じ込められていた地下室の扉を開けただけで出番終了となった。これだからホラー映画における軍人と警察ってヤツぁ・・・。

しかし彼らが落としたアイテムがレベッカを救うことになったので、ムダ死にではない。ないったらない。

■ソフィー(演:マリア・ベロ)
心を病んでいる母親。
幼い頃から鬱病に悩まされており、薬を服用している。
しかし飲まずにいると病気が酷くなり、暗闇に向かって喋り続けるという奇行に走る。ポールが死ぬ前にはクローゼットに閉じこもるなど症状が悪化しており、彼の死後はセラピーに行くのも薬を飲むのを完全にやめてしまった。

どうやら彼女の目には『ダイアナ』という誰かが見えているようで、夫が亡くなり2人きりになったマーティンに向かって「3人で映画を見ましょう」と言ったりと、ぶっちゃけ幽霊より怖い。

昼でも家中のカーテンを締め切り真っ暗にしているのは、彼女曰くダイアナが「光が苦手」だかららしいが・・・

暗闇に潜む『ダイアナ』

電気を消した時にだけ現れる人影。
ソフィーからは「ダイアナ」と呼ばれており、レベッカには絵や床に自ら名前を残すことで、存在を匂わせていた。

明るい場所には現れないが、昼間でもベッドの下など光が当たらない場所であれば現れる。暗闇の中でならば物も動かせるし人間にも危害を加えることも可能で、成人男性を持ち上げ放り投げるなど、痩せ細った手足からは想像もつかない怪力の持ち主。

また知能もしっかり残っているようで、暗闇に対応するため家中の電気を掻き集め完全防備していたレベッカたちに、家中のブレーカーを落とすことで対応。ブレーカーのスイッチがある地下室へおびき出し閉じ込めるなど、狡猾な性格である。

正体

ポールの調査資料によれば、ダイアナはソフィーが幼いころ入院していた精神病院の患者であり、13歳まで地下室で監禁されて過ごしていたらしい。(その影響で発見時には光線過敏症になっていたらしく、光に当たると皮膚が焼け爛れてしまう)
ダイアナの父親は自殺しており、遺書には「娘が頭に入ってくる」と書かれていた。

どうやらダイアナには「人格を乗っ取る」という超能力のようなものがあり、心身ともに健康な人間を乗っ取ることはできなくとも、ソフィーのように精神を病んだ人間ならば取り入ることが可能だったらしい。そのため「友達」と称し、ソフィーに異常に執着していた。

しかしある時。
病院の治療で光を浴びまくった結果肉体が消失。死んだように思われたが、ソフィーの意識に寄生する形で存在を保っていた。

だが、ソフィーの症状が回復し、自意識がはっきりしてくるとダイアナの力や存在は弱くなってしまう。そのため作中では彼女が病気を治そうとする度にジャマをし、ソフィーの支えとなっていた2人の夫は殺害。病を治そうとする子供たちも遠ざけようとしていた。

(ソフィーの回想によると、「子供のころダイアナを拒否したが、夫が失踪し、レベッカが家を出て見捨てられたことに絶望した時、ダイアナにした仕打ちを反省した」とのこと。精神的に追い詰められていたソフィーの心の隙を利用していたようだ)

一応は「子供には危害を与えない」というソフィーとの約束のためか、レベッカとマーティンはどんなに怯えさせても、終盤までは殺そうとはしていなかった様子。ブレッドもポールの時のように即死はさせなかった。

弱点

懐中電灯の光でも当たれば腕が焼け、スマホの光でも怯むほど、生前と同じく、精神体となっても「光」には弱いが、ブラックライトは平気である。しかしブラックライトで照らされるとレベッカたちにも姿が見えるようになるという弱点を発見され、ブラックライトで姿を確認→懐中電灯フラッシュ!というコンボで一時的に撃退されていた。

ラストは?

終盤。
マーティンを逃がし、母親を救おうと一人立ち向かってくるレベッカを殺そうとするも、長年苦しめられてきたソフィーが娘を守るため、ついにダイアナに拳銃を向ける!銃では死なないと高を括っていたダイアナだったが、「あなたなんか私の幻よ!」とソフィーが銃を自分のこめかみにあて、自殺。宿主を失い、消失した。・・・通常ENDでは。

びっくり系ホラー!だけど案外・・・?

「電気を消すと現れ、点けると消える人影」という、タイトル通り電気のスイッチのオン/オフをパチパチ切り替える恐怖演出が肝となるホラー映画!遠くで佇んでいる人影が、切り替えていくうちに徐々に近づいてくる・・・というシーンがベタだけど面白い!

しかしこの映画。びっくり系が素直に怖い人ならばそれなりに楽しめるのだが、いかんせんすぐに幽霊の正体が明らかになったり、設定をガチガチに説明しすぎているのもあって、ホラーを見慣れている人間にとっては今ひとつ物足りないかもしれない。

特に中盤。父ちゃんの遺した資料から、ダイアナの正体から背景にいたるまで一切合切があっさり判明してしまってから、恐怖度が下がっちゃった気がする。元超能力少女ってどういうことなの。

アグレッシブすぎる幽霊

肉弾戦最強すぎる。
髪ひっつかむわ投げ飛ばすわダイアナさんマジ無双。元動画の幽霊(?)はぼーっと突っ立ってるだけで動かず、そのままの姿勢で近づいてくるからこそ怖かったわけだが、映画ではスマホを叩き落したあげく思い切り踏んずけてくれたりと、一連のアクションが生き生きしていて逆に怖くない。

あと、この手の幽霊で一番やっちゃいけないのは喋ることじゃないだろうか。貞子も伽耶子も言葉を話さないからおっかねーわけで、しゃがれ声で「出て行けぇ~」って言われても残念臭しかない。ソフィーに銃で撃たれた時に「そんナンじゃ死なな~い」って言った時は爆笑した。

・・・いろんな意味で、最初は字幕で見た方がいいかもしれない。

未公開シーンの別エンディングは必見!!

なんだかんだで、本編ではレベッカとマーティン、ブレッドの3人が助かり終了。しかし!!ソフト版に収録されている未公開シーンには、もう一つのエンディングが存在する。

別エンドは通常EDの後の話となっており、そこには無事養子縁組を結び、正式にマーティンを引き取ることになったレベッカたちの姿がある。晴れて3人、家族として一緒に暮らすことになるが、その夜、マーティンは暗闇に向かって話し出す。まるで母・ソフィーのように・・・。

弱った心につけこむという設定上ある意味予想通りの展開であり、暗闇でブレッドが襲われ、レベッカも今度はマーティンに取り憑いたダイアナに襲われる。しかし、部屋中を隠しライトで埋め尽くしたレベッカのハイビームアタックによりダイアナが炎上。めでたしめでたしとなるのだ。

・・・もうこのレベッカの反撃シーンがありえないぐらい痛快なので、未視聴の方はぜひ見て欲しい。ホラーが完全に消失している。

炎のCGのクオリティの低さといい、監督は疲れていたのだろうか。それとも憑かれていたのだろうか。本編で使われなくて本当によかった。

元ネタの短編動画「Lights Out」

以前紹介した「MAMA」と同じく、こちらも元はショートフィルム。
セリフはなく、生足+Tシャツ姿のおばさんおねいさんが、電気を消した時にだけ現れる人影にビビりまくる・・・という内容。短編ならではの恐怖演出で、ラストはギョッとすることうけあい。怪物の造形は、人によっては映画よりもこっちの方が怖いかもしれない。

ライト/オフ(字幕版)

ライト/オフ(字幕版)

 

最後に!

珍しくアマゾンプライムで字幕版と吹き替え版の両方が配信されていますが、吹き替え版は息遣いや叫び声などは元の英語音声が使用されているので、通常のセリフとの切り替え時に違和感があったりします。なので映画は基本吹き替え派!というこだわりがなければ、字幕で見た方がいいかもしれません。※注意※未公開シーンは配信されてません。

衝撃の別エンディングの面白さはちょっと文字では伝えきれないので、レンタルか購入か、どちらかの手段で一度は見ていただきたいですね。

↓こっちは喋っちゃダメなヤツ。

↓短編動画が元ネタなホラーといえば!