びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る感想サイト。ネタバレ多め。

【映画感想】30デイズ・ナイト~太陽が昇らない極夜の街に戦慄が訪れる!※ネタバレあり

30デイズ・ナイト [DVD]

恐怖度 ★★★★
グロ度 ★★★★
主人公の漢前度 ★★★★★
結論:ラストの決戦が胸熱!!

アメリカ 2007年
監督:デヴィッド・スレイド
製作:サム・ライミ

アラスカ州バロー。
もうすぐこの街には太陽が登らない極夜がやってくる。 そんな中、衛星電話が燃やされ、街の飼い犬が殺されるという事件が起き、保安官が調査に当たることに。 次々に起こる不可解な事件。 それは全て、夜と雪に閉ざされたこの街に惨劇をもたらす為の序曲に過ぎなかった──!!


※ストーリーに関するネタバレあり。未視聴の方はご注意!※

 

/主要人物/
■エバン(吹:森川智之)
街に二人しかいない保安官の一人。妻のステラとは別れてしまったらしい。

■ステラ(吹:湯屋敦子)
消防局で働いていた女性。
極夜の日に街を離れる予定だったが、途中事故に遭い街に足止めされてしまう。

■ボウ(吹:石住昭彦)
街外れに一人で住んでいる男性。荒っぽい雰囲気だが悪い人間ではない。エバンは彼に何かと違反切符を切るが、それはボウを孤立させないためにわざと渡しているようだ。

街が襲われた後は生存者一行と共に、何かとエバンの力になってくれる。最期の散りっぷりは見事だった。

■ジェイク(吹:井上剛)
エバンの弟。
吹き替えを担当しているのは「ありがとう!そしてありがとう!」の人。

ホラー好きの心をくすぐる舞台設定

まずこの「極夜の街」が舞台という設定がホラー映画好きには堪らない!明けない夜、吹雪に閉ざされた田舎町、そして航空路しか退路が無い「陸の孤島」と化したこの街に攻めてくるのが・・・なんとヴァンパイア軍団!!もうこの設定だけでご飯5杯はいけますわー。

この映画の吸血鬼たちは弱点は日光のみ。人間を遥かに超えた身体能力を持ち、彼らだけに通じる言語で会話するようですが、英語は理解しているようです。みんな白目が一切なく、真っ黒な目に牙、そしてどことなくメンフクロウフェイス(?)。また、噛まれた相手は吸血鬼になってしまうというお馴染みの設定も。

主人公たちは極夜が明けるまで、こんなヤツらを相手に30日間もサバイバルしなければいけません。

恐怖のヴァンパイア集団

吸血鬼ものは出尽くして食傷気味ではあるのですが、この映画は街の舞台設定といい、ヴァンパイアがかなり組織的に攻めてきた挙句に容赦なく街を蹂躙していく様といい、なかなか見ごたえがある吸血鬼パニック映画です。 他の映画とは違い「感染者を増やす」ことではなく、あくまで「自分たちのエサにする」ことを目的としている為、人間は吸血鬼になる前に首をもいだりして殺すことを徹底するなど、吸血鬼のボスがかなり頭が回る男。「正体不明のバケモノに襲われているパニック感」というより「戦略的に追い詰められていく」というスリルがあります。

子供や女性を囮にして生き残りを炙り出すなど手段が残酷でいて的確。 まさに"鬼"の所業! 囮となり窮地に陥ったエバンを救う為、ボウがダイナマイトで特攻をかますも、爆風で外に吹っ飛んでしまったおかげで死に切れず、ボスに殺されてしまった時には 「や、野郎ぶっ殺してやる!!」とハラワタが煮えくり返りました。マジで!

ラストの主人公の選択

妻を、仲間を助ける為に主人公はある選択をします。 それは、自身も吸血鬼になって吸血鬼を倒すというもの。 自身に吸血鬼の血を打ち込み、吸血鬼と化した身体でヴァンパイアのボスに立ち向かいます。

しかもボスも決死の主人公の姿を見て、何と一騎打ちを受けて立つ! お、おまえ!!なんてカッコイイことを・・・!? 序盤あれだけ人間の隙を悉くついて残虐な方法で人間を狩っていったヤツだとは思えねぇ潔さ。 (周りの吸血鬼も畏れて手を出してこない)

吸血鬼になったばかりの主人公とボスでは雲泥の差があると思われましたが、 倒れても倒れても立ち上がる主人公!遂にボスを討ち取ります。

切ないエンディング

極夜が始まって30日目。
戦いは終わり、遂にこの街にも朝日が昇る日がやってきました。 美しい夜明けを妻・ステラと共に眺めます。この街のカップルが、みんな最初のデートで訪れるという思い出の場所でしっかりと抱き合う二人。

そして妻の腕の中で、主人公はになっていきました・・・

このラストは衝撃でした。
吸血鬼と戦う為に自身が吸血鬼になるという展開もさることながら、更に最後は自ら太陽に身を焼かれることを覚悟の上とは──!

だらしねぇ人間が多いB級ホラー映画界の中でも 、トップクラスに漢前だったよ主人公!!

~こんな人にはオススメできません~
■子供が殺されるとか胸糞な人
子供が犠牲になる描写もあるので、そういうのが胸糞!な人にはオススメしない。

最後に!

こんな特殊な場所は他にないのに、こんだけ暴れてこの後どうやって生きていくつもりなのヴァンパイア集団は?とか細かいツッコミ所もありつつも、テンポがよく、ほどよい緩急があるストーリーに、生き残るのが主人公の家族だけではなく他の人たちもちゃんと生存するという、後味が悪くない楽しいホラー映画でした。
・・・1作目は。
続編なんてなかった、なかったんや・・・!

↓最後はやっぱりサシで勝負!?