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ドラマミステリーズ 感想(ネタバレあり)~妻の女友達、恋煩い、情けは人の・・・。カリスマ書店員が選ぶ珠玉の一冊!大泉さんのヤンデレ感最高っす!!

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ドラマ・ミステリーズ カリスマ書店員が選ぶ珠玉の一冊!「妻の女友達」「恋煩い」「情けは人の・・・」 ネタバレ感想。大泉洋さん、向井理さん、土屋太鳳さん主演の珠玉ミステリー!各ストーリーのあらすじ、登場人物の詳細含みますので、未視聴の方はご注意ください!(※画像出典:http://www.fujitv.co.jpより)

結論:ヤンデレな大泉洋に死ぬほど愛されて眠れない。

「妻の女友達」のあらすじ

役所勤めの広中肇。
周囲から真面目だがつまらない男と言われても、家に帰れば可愛い娘と愛する妻がいる・・・そんな平和な毎日に、突然現われた、妻の大学時代の友人だというベストセラー作家・多田美雪。彼女に入れ込んだ妻の志津子は、週に1回彼女の身の回りを世話すると言い出す。

妻をとられ、激しく嫉妬する肇。だがある日。志津子の母親が倒れ、娘を連れて志津子が実家に帰省する。そしてその日の晩・・・ついに多田の家に赴いた肇は、持っていたネクタイで彼女の首を絞め、気絶させる。彼女を椅子に拘束し、怒鳴り散らす肇。「志津子はオレのものだ」と激昂する肇を鼻で笑う多田。そして肇を「ちっちゃい男」といって嘲り笑う。・・・その後、彼女の嘲笑は悲鳴に変わる。

多田を撲殺した肇。
が、スーツの袖のボタンが1つ取れていることに気付く。多田の首を締めた時に落としてしまったのだ。だが、もうどうしようもない・・・。

次の日。
ニュースがベストセラー作家殺害の話題で賑わうなか、家に警察がやってくる。多田の死体の第一発見者は志津子であり、面識がある肇もまた警察の聞き取り調査を受けることになった。だがその最中、ちえみが持っているクマの片目に、あの時とれたボタンが縫い付けられていることに気付く。・・・これは一体どういうことなのか?

登場人物

■広中肇(演:大泉洋)
市役所で働く主人公。
周囲からはマニュアル人間だの生真面目すぎてつまらないなど散々な言われようだが、家に帰れば妻にべったりの愛妻家。そのため妻が多田の家にいくことを快く思っておらず、露骨に嫌味をいったり、「志津子は俺のもの」と言ったりと、独占欲の強さが浮き彫りになる。この時の「おいで」が超怖い。その後、多田を殺すため、フードを被り、指にはネイルなど女装して彼女のマンションに侵入。夜食を持ってきたフリをして彼女の部屋に入り、拘束後に撲殺した。でも部屋に入る前には指紋を残さないよう全てハンカチ越しに物に触れていたのに、拘束してからは素手でベタベタそこら辺のものを触りまくってたけどいいのだろうか。

■志津子(演:戸田菜穂)
肇の妻。
家庭的な性格で、最近は料理の腕を磨くために和食教室に通い始めた。友人の多田の家で1週間に一度、家政婦の真似事をするようになるが、昼だけではなく夜にもでかけたり、ちえみの送り迎えにも支障がでるほど彼女に入れ込むようになる。彼女の家の高級品に喜ぶなどブランド品が好きなようで、彼女の服や高級なアクセサリーまでもらうようになるが・・・?

■ちえみ(演:井上風宇子)
3歳になる娘。
お気に入りのクマさんの片目がとれてしまったのが、なぜか事件翌日、片目がボタンになっていた。

■多田美雪(演:高岡早紀)
志津子の大学時代の同期。
服装がハデでヘビースモーカー。
ベストセラー作家として有名だが、クラシックを大音量でかけないと執筆できないらしく、防音が完璧な高級マンションの1室に住んでいる。それが仇となり自室で殺害されるが、気位の高い女性で、肇のことをあざ笑い続けていた。

■料理教室の先生(演:村上新悟)
イッケメェェンでダンディーボイスな、志津子が通う和食教室の先生。

結末

ホタンを拾ったのは、多田の遺体の第一発見者である志津子だった。刺激のない毎日に飽き飽きしていた彼女は、和食教室の講師であるシンジと浮気をしていた。服やアクセサリーは美雪のお下がりだけではなく、シンジからプレゼントされたものであり、美雪の元へいくと偽って、その間密会を重ねていた。母親が倒れたというのもウソで、母親にちえみを預けシンジと旅行に行っていただけだった・・・。

殺人を黙っている代わりに離婚しろという志津子。だが、愛する妻の全てを知った肇は・・・新婚旅行にいった沖縄にまた行こうと言い出す。今度は2人で行こうと笑顔で話す夫に戦慄する志津子。絶対に別れないという肇に「警察に全部話す」と脅すが、待っててくれるだろ?と意に介さない肇。もう彼の目には「愛する妻」の姿しか映っていなかった。

肇はただ、両手を広げて志津子を呼ぶ。「おいで」と・・・

感想:珍しい大泉洋さんの犯人役!

原作は小池真理子さんの同名小説。
悪人を演じる事が少ない大泉洋さんの、結構レアな殺人犯役!悪人役なんて劇団イナダ組の蒼き狼(だったかな?)ぐらいしか知らないので、大泉さんがネクタイをはずした瞬間テンションがヤバいくらい上がりました(笑)

でもどんなに脅しても、にらまれただけで「睨んだって怖くねーからな!」っていうセリフにとんでもないビビり臭が・・・(笑)大声で怒鳴り散らした後へなへな~って座り込んじゃったり、ヘタレ感はんぱなくて良かったですね!まー大人しそうな人ほど案外ブチキレちゃうもんですが・・・。肇の場合はそんなんじゃなく、最初からアレな人と言うか、あらゆる意味で無敵な人って感じがしましたね。

「面白みのない男」を演じながら狂気が滲み出ていた大泉さんの芝居も大変良かったですが、戸田菜穂さんの、平凡な主婦がどんどんドス黒くなっていく切り替わりも素晴らしかった!最強にヤンデレ夫な大泉さんが見られただけで満足できましたが、凡庸な夫をバカにししていた妻がハメたつもりになっているも、実際は夫の方が狂気の沙汰だったという、話のオチが2段構えになっているストーリーは一番面白かったです。

「恋煩い」のあらすじ

高校の同級生、植田駿と付き合っている亜希。めでたく妊娠した彼女だったが、駿がSNS上で「レイカ」という人物とやりとりしているのを見てしまう。浮気をしているのかと疑いを持った亜希は、駿に妊娠の報告をすることが出来ずにいた。そんな中、3年ぶりに高校時代の友人の透子と会うことになった。透子とは卒業式の日、お守りをプレゼントされるほど仲が良く、亜希は今でもそのお守りを大切に持っていた。

駿をまじえ、3人で思い出話に花を咲かせていた最中、取り壊しが決まってしまった母校にもう一度行くことにした3人。だが、途中で窓ガラスが落ちてきて、危うく亜希が押しつぶされそうになる。

そしてそのすぐあと。携帯画面を見ていた駿が、突然用事が出来たから、といってひとり先に帰ってしまった。

2人きりになった透子は、「駿が亜希を殺そうとしているのではないか?」という。

思い起こせば、裏山にある天狗岩に石を3回当てると両思いになる・・・そういった数々の恋のおまじないをためしていた亜希は、その度になんらかの事故に巻きこまれ、危ういところを駿に助けてもらっていた。

さらに、「夜中の0時丁度に、旧校舎の壊れたピアノをひくと、結婚相手の幻が現われる」というウワサを確かめにいった際、先にピアノを弾いていた先輩の姿を見ていた亜希は、その後夜の旧校舎にやってきた駿の姿を目撃している。先輩は次の日、転落死していた。

駿は先輩と付き合っていたという噂もあった人。妊娠を機に、亜希が邪魔になったのか・・・?

■蔵元亜希(演:土屋太鳳)
心臓が弱いが、強いショックを受けなければ日常生活には支障ないらしい。高校時代は恋愛関係のおまじないが大好きで片っ端からためしまくっていたが、その度に危険な目に遭っていた。駿がSNSで「レイカ」という人物を浮気をしているのではないかと疑っていた。

■植田駿(井之脇海)
亜希の彼氏。
高校時代、危ない目に遭っていた亜希をことあるごとに助けていたが・・・

■茅野透子(岸井ゆきの)
亜希の親友。
卒業式の日に、ビンに蒼い砂と紙が入ったおまじない的なお守りを亜希にくれた。

結末

屋上から思い切り靴を投げ飛ばして、恋が叶うかどうかを占うおまじないを試す2人。
だが、亜希が手すりにつかまった途端、手すりが落下。危うく落ちそうになってしまう。亜希の身代わりになるかのように、透子からのお守りが割れる。だがその中に入っていた白い紙には「死ね」と書かれていた。

それを忌々しそうに見つめる透子。全ては駿のことがずっと好きだった、透子が仕組んでいたことだった。彼女は自分が流したおまじないの噂どおりにワナをいくつも仕掛けていた。おまじない好きな亜希が、どれかに引っかかるように。あわよくば、心臓の発作を起こして死ぬように・・・。

今度は直接突き落とそうとする透子。だがそこへ、レイカのアイコンがおひつじ座だったことから透子が正体だと気付いた駿が助けに来る。

どうして亜希なのか・・・。
全てを運任せにしていた透子は、妊娠の相談をされ、もう自分の力でやるしかないと追いこまれた彼女。だが何度やってもどんなに頑張っても、最後は駿が救ってしまう・・・

想い人の前で、透子は飛び降りた・・・。

感想

原作は北山猛邦さんの「私たちが正座を盗んだ理由」の一遍。

主人公が悪運つよすぎて、こりゃあ心臓病で死ぬことはなさそうだな・・・と想いました。3作品の中で一番オチが予想しやすい作品でしたが、最後のスタンドバイミーの歌はまるであってなかったように思います。んなムリに感動方向に持っていかなくても・・・。

あとこの作品がいつ書かれたものなかは解らないのですし勝手な想像ですが、イマドキの高校生はこういうおまじないはやらなさそう。小学生がギリ中学生ぐらいじゃないかなあ?

「情けは人の・・・」のあらすじ

ある日、借金の返済に悩んでいた北川は、赤堀という店の客から、自分をクビにした社長・塚原の息子・・・昌彦の誘拐計画を持ちかけられる。この誘拐はあくまで塚原への復讐が目的で、金さえもらえれば子供は解放する・・・という手筈だった。

だが。
実は昌彦は塚原の本当の子供ではなく、塚原はかつて捨てた妻の息子・・・血の繋がった実の息子に会社を継がせるのに昌彦がジャマになり、赤堀を雇って昌彦を殺すよう依頼したのだという。

このままでは昌彦を殺さなければいけなくなる・・・昌彦の見張りをしながら悩む北川。だが、気付けば両腕を縛られ、部屋にたった一人で拘束されていた。一体何があったのか!?

登場人物

■北川健史(演:向井理)
借金を抱えている主人公。
数年前に母親がすい臓がんで死んでいて、天涯孤独の身。だが実は塚原と血が繋がった本当の息子。彼もまた昌彦がいなければ会社を継がせてもらえて得をする人物だった。

■赤堀(小澤征悦)
北川の店の客。
当初は塚原の会社をクビになり、妻が働きに出るようになったせいで息子を亡くし、妻もまた蒸発。子供を失う苦しみを塚原に味わわせるために誘拐計画を持ち替えた。が、それは殆どウソで、実は塚原から昌彦を殺すよう言われていた。

・・・しかしその割には、「息子と3回しかクリスマスを祝えなかったから」という理由でクリスマスツリーやチキンやケーキを用意したり、昌彦を拘束することもなく見張らせるだけにとどめたりと、謎が多い。

北川に見張りを任せ出て行ったが、道中で土砂崩れに巻きこまれてしまった。

■昌彦(演:大西利空)
クリスマス・イヴの日に誘拐された子供。10歳。誘拐された状況にも関わらず冷静で、「血が繋がっていないから父親は身代金は払わない」と思うと北川にいうなど、冷静で大人っぽい子供。

■喜代(演:市毛良枝)
健史の母親。
塚原に捨てられ、女手一つで子供を育てた。死の直前、健史に「情けは人のためならずよ」という言葉を遺す。

結末

北川を眠らせ、拘束したのはなんと昌彦だった。

全ては北川を誘き出すため、昌彦が仕組んだ罠。母親を亡くし、唯一の家族である父親の塚原も、自分を捨てて本当の息子である北川に会社を継がせようとしていたことを恨み、北川を殺して自分が会社を継ぐため、本当の父親である赤堀に北川を連れてくるよう依頼したのだ。

だが、
土砂崩れに巻きこまれた赤堀はなかなか帰らない。本当の父親にも裏切られたと思い込んだ昌彦は逆上し、自ら包丁を持って北川を殺そうとする。だがその最中、昌彦が過って2階から落ちてしまう。家族からも捨てられ、学校にも居場所がない。「もう殺して」と頼む昌彦を介抱する北川。そこへ赤堀が戻ってくる。怪我をした昌彦の姿を見た赤堀が銃を向けてくるが、昌彦が北川を庇う。

親子の姿を見て、北川は覚悟を決め、塚原に「会社と関わるつもりはない」と、話をつけてくると、ひとりその場を後にした・・・。

感想

原作は今邑彩の「盗まれて」の中の短編。
誘拐された子供が逆に犯人というオチ。ただ映像にするとフィクション感が一層強まった感じはしました。子役は頑張ってましたが、やはり10歳の子が、薬で若干やられているとはいえ、腕を縛っただけの成人男性を近距離武器(包丁)で殺すというのはちょっと絵的にムリがあるかも。銃持たすわけにはいかなかったんだろうけどね。

最後に!

「世にも奇妙~」と同様の短編オムニバス形式のミステリードラマ。面白かったですが、どんでん返しという点ではやはり大泉さんの「妻の女友達」が結末がナナメ上な感じで一番面白かったですね。

とはいえこういう試みは結構面白いと思うので、これからこのクオリティを保ちながら半年か1年に1回ぐらいのペースでシリーズ化していってもいいかもですね~。

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