B級度 ★★★
グロ度 ★★
キャラクター ★★★★
結論:ヒロインのブチ切れ具合が最高!
2004年 アメリカ
監督:ドワイト・リトル
※犠牲者&生存者、ラストのオチのネタバレあり!
※感想だけを読みたい人は目次ですっ飛ばしてください。
目次
ストーリー
7年に一度だけ咲く奇跡の花。
若返りの秘薬となる不死の蘭・ブラッド・オーキッドを求めてボルネオ島の奥地へとやってきた研究者たち。金、名誉、女・・・様々な思惑を秘めた彼らがそこで見たものは、獰猛で巨大なアナコンダの姿だった──!
ブラッド・オーキッド(不死の蘭)
7年に一度、半年間だけ花が咲く蘭。サムたちがボルネオ島で発見した。蘭に含まれる化学物質が細胞の寿命を延ばし、ヒト細胞の分裂限界を高めることで、実質的に若返りの薬を作ることが出来るといわれている。
登場人物
■サム(吹:斎藤恵理)
今作のヒロイン。
ランの特性に最初に気付いた科学者。前半までは影が薄いが、中盤以降にジャックの悪行に気付いてからはヒロイン力を発揮。終盤、アナコンダの首を「首落ちて死ね!」といわんばかりにバッサリ切り落としたぐらいから、ホラー映画あるあるの逆境になると強いヒロインに覚醒する。
■ジャック(吹:村治学)
研究者。
メンバーの師匠的な立ち位置で実質的なリーダー。サムは彼の教え子だが、キスをしようとするなど教え子以上の感情を抱いていた模様。
B級ホラーにおける「全てを犠牲にしてもこの研究を成し遂げるべきダー!」な研究者で、蘭を回収するため、天候が崩れこれ以上は危険だというビルを金で買収。危険を承知でいかせたことで今回の騒動の発端となる。その後もリビングストンの船から見つけた電話をわざと隠していたりと、犠牲も厭わずにランの採取を強行。アナコンダ以上に厄介な存在となる。
■ベン・ダグラス(吹:佐久田修)
ジャックの友人で、国境なき医師団に所属する医者。
保険契約の条件で同乗していたため、蘭にも研究にも興味がない一番気楽な立場だからか、サムにことあるごとに色目を使い、コールの荷物を持ってあげてる・・・オレ!といちいちイイ男アピールがウザい。さらにホラー映画において絶対にいってはいけないあの一言を言い放ち、沼の中に何かいる!という状況で「デーデン、デーデンデーデン・・・♪」なんてジョーズのBGMを歌う余裕をみせるなど、存在自体が死亡フラグな野郎。めでたく第一犠牲者となった。
■ゴードン(吹:山野井仁)
サムの同僚の黒人男性。
ジャックとの付き合いが最も長い。ゲイルとは犬猿の仲ながら意外に息のあったコンビっぷりをみせる。実は裏では会社を裏切ろうとしていたが、死者が出たことでみなの安全を優先し旅の中止を指示していた。
中盤、ジャックが隠していたリビングストンの衛星電話を発見。連絡をとろうとしたところを研究に固執するジャックから毒グモを仕掛けられ全身麻痺に陥る。その最中にアナコンダに喰われてしまうという惨い最期を遂げてしまった。
■ビル・ジョンソン(吹:青山穣)
研究者メンバーを乗せてくれたボロ船の船長。通り名はジョン・スー。ワケアリの客を報酬次第で乗せるという違法まがいのことをやっていた。ジャックから金で買収され一行を奥地へと連れていくが、水量が増えた川で操縦不能となり滝に落下。船を失ってしまう。前作の教訓からかなりの悪いヤツに見えたが、実際は川に落ちたゲイルを救うためクロコダイルにつかみかかり、ナイフ一本で倒すなど作中最強のタフガイ。
実は特殊部隊に所属していた過去を持つ。しかし人の残虐さを目の当たりにし、人生をやり直すためこの地に根付いたという。作中ではその善良さと実力で、サムたちを生存へと導いた。
■リビングストン
ビルの友人の船乗り。
浮気していたらしいが、奥さんは随分前に蒸発してしまったらしい。ビルを助けに向かっていた最中アナコンダに襲撃され命を落とす。さらに船も自爆させてしまうなどまさにいいとこなしだった。
■コング(吹:???)
ビルのペットのホエザル。
みんなの夕食をかすめとろうとするシーンの可愛さったらない。序盤、船の屋根から木の実をとっている最中に船に乗りそびれてしまい、取り残されたところをアナコンダから襲撃されるも、なんとかヘビのおやつにならずにすんだ。
その後はアナコンダが近づくたびに金切り声をあげて危険を知らせたり、アナコンダに襲われている場面では目を抑えたりと名演技を繰り返す。ラストではゲイルともすっかり仲良くなり、彼女に抱きついていた。今作の助演男優賞である。
■トラン(吹:内埜則之)
ビルの仲間。ワイルド系イケメン。
作中ではゴードンを猛毒のラバラババドゥ(イシグモ)から守ったりと行動もイケメン。途中ではぐれたコールを一人助けにきてくれた時の「オレから、離れるな」の一言にトゥンク・・・///した視聴者は多い。が、その後すぐにアナコンダの餌食となってしまう無常。
■ゲイル(吹:朴 璐美)
サムたちの取引先相手の研究員。
立場的には彼女はジャックよりも上。ヒステリックな性格で当初はゴードンと衝突が絶えなかった。サルにビビってゴードンに自分からつかみかかったのに、「アタシに触らないで」と逆切れするとか最高に理不尽。
序盤は上記の行動に加え、サムをビッチ扱いする嫌味キャラであり、彼女が川に落ちた時はてっきり第一犠牲者になるかと思われたが、ビルの活躍で救われる。その後、ゴードンが死んだ時は誰よりも号泣するなど案外仲間思いだったことが発覚。サムとも和解し、終盤はサムが覚醒したのと連鎖反応するように彼女もまた最強ヒロイン化。面と向かってアナコンダに啖呵を切った。「相手になるわよ!!」
■コール(吹:高木渉)
今作の面白黒人枠。
体中をヒルに吸われまくったりとしょっちゅうパニクり、吹替えの高木渉さんをフル活用し延々と喋り倒す。作中ではそのお調子者っぷりでスタッフから寵愛でも受けているのか、アナコンダから襲撃されるも生き延びた。トランは犠牲になったのだ・・・。
今作も怪物!アナコンダ
超でっかいヘビ再び。
ヘビは死ぬまで成長し続けることから、今作ではそのデカさに「不死の蘭を食べていた影響で超長生きした結果」という理由付けがされている。CG技術の向上によりスピード感が前作よりも増したが、今作では締め技や絡み手といった技は使わず、基本は人間を丸呑みにするのがデフォ。だが消化中に攻撃されれば獲物を吐き出して反撃する。本来は縄張りを離れないが、今作では交尾期なため、メスを求めて獰猛なオスがそこら中をいったりきたりするという地獄のような状況となっている。
作中でビルを食べた個体とリビングストンを食べた個体は別個体であり、前作同様単体ではない。どころかランが咲いている谷間にはアナコンダの巣があり、そこに数十匹のアナコンダがうようよしていた。恐らく前述の交尾期のため、沼地にいるメスにオスが群がって乱交パーティーの真っ最中だったと思われる。
あらすじ
アナコンダ襲撃
蘭が散るまであと1週間。
時間がないと焦るジャックは、天候が荒れてきたにも関わらず、船長のビルを金で買収し、危険な最短ルートを通らせる。だが船は滝へと落ちて大破、全員が放り出されてしまう。ビルは残っていた衛星電話で友人に助けを呼び、全員でジャングルを歩いて合流先の川で落ち合おうことにした。だが沼地を進んでいる最中、巨大アナコンダに襲撃されベンが死ぬ。さらに合流先では大破した船だけが見つかり、友人のリビングストンもまたアナコンダに殺されたことが解る。
絶望する面々だがトランの提案により、近くの部族の村で船を貸してもらうことに。だがその村もまたアナコンダの襲撃に遭っており、村人は全員逃げたあとだった・・・。
蘭を求めて
部族の村の建物に使われていた木材を使い、即席のイカダを作ることにした一行。ジャックはその最中、アナコンダのあの巨大さが不死のランによるものと見抜き、みなの反対を押し切りランを採取することを頑なに主張する。さらに、ビルの友人の船から衛星電話を隠し持っていたことをゴードンから咎められると、彼に毒グモをけしかけて行動不能にする。タイミング悪くそこへアナコンダがやってきて、ゴードンは丸呑みにされてしまった。しかもジャックはその隙に電話とイカダを盗み、ひとりでランを採取しにいってしまった。
残されたメンバーは、イカダを取り戻すために陸地を通ってジャックの先回りをする作戦にでる。だがアナコンダに追われている途中で洞窟に落下。コールがはぐれてしまい、探しに来たトランがアナコンダの犠牲になる。
コールと合流したサム・ゲイル・ビル。
追いかけてきたアナコンダはサムが首を落として撃退。その強さにテンションMAXでハイになっていたコールだが、後ろから現われたもう一体のアナコンダに絞め殺されそうになる。が、ビルが投げナイフをアナコンダの頭部にヒットさせ事無きを得た。
ラストのオチ
ジャックがランを見つけている間にイカダを盗もうとする一行。だがジャックに見つかり、ビルが片腕を撃たれてしまう。さらにゲイルたちを人質にとられたサムは、アナコンダの巣窟となっている谷間でランの採取をするよう強要されてしまう。
命からがらランを取ったサムは、ランと引き換えに銃を捨てるようジャックを逆に脅すも、ジャックはゲイルたちに銃を向ける。絶叫しながらランを投げ渡すが、その隙をついてビルがジャックにタックルをかます。だが揉みあっている最中、ジャックはゴードンに使ったイシグモに噛まれ身動きがとれなくなってしまう。助けようとするがビルだが、落としたランに気をとられたビルはアナコンダがいる谷底に落ちていった。
同様に谷底に落ちてしまったサムだが、アナコンダがビルを襲っている隙に谷を上り助かる。地上でもアナコンダが待ち構えていたが、ゲイルがアナコンダにガソリンタンクを噛ませ、そこにコールが照明弾を撃ちこむ。爆発にもがき苦しむアナコンダは谷へ落ちていった。そして谷底にいた無数の同胞たちごと、大量の土砂と、不死のランとともに沈んでいった・・・。
アナコンダは全滅した。
無事だったサルのコングと、すっかり仲良くなっていたゲイル。最後まで口の減らないコール。そしてすっかりいいムードとなったサムとビルを乗せたイカダは、今度こそ近道をせずに帰路へと赴く・・・。
感想:コレはコレで面白い続編!
アナコンダのバラエティーに富んだ殺害方法が見所だった前作と比べ、今作ではアナコンダ自体は驚かせ役以上の活躍はしない。そのためハデさという面では見劣りするものの、嫌味キャラから意外な活躍をみせるゲイル、終始にぎやかしキャラとして場を明るくするおもしろキャラのコール、研究に執着するあまり悪役と化すジャック、終盤に最強になるヒロインなど、キャラクターの人間模様は十分に見所がある。
ジャック以外のキャラが(それぞれ欲深な面はありながらも)基本は善人で仲間想いであることから終盤は一体感が生まれ、ドロドロした胸糞感はない。合間合間にいい演技をするペットのおサルの可愛さもありグロさがうまく中和され、死ぬキャラも少ないため、あくまで気楽に観れるホラーとして楽しめる1作となっている。
配信状況
アナコンダシリーズは、2017年4月現在、初代を除いた2~4はU-NEXTで配信されている。ただし字幕・吹き替えがあるのは「2」のみ。吹き替え派の方は注意が必要。ちなみに3の吹替え版はアマゾンで有料配信されている。
最後に!
トランの「ヤダ・・・カッコイイ」というイッケメェェンな行動の数々に、危うくコールとの薄い本を展開を夢想したものの、あっけなく死んでしまうところにホラーの無常さを感じる1作。キャラクターが面白いのでこの2作目も結構好きです。おサルもめっちゃ可愛いしね!ただ、アナコンダシリーズはこれ以降どんどんちょっとアレな出来になっていって「4」では死にキャラに全く愛が感じられずどうにもイマイチなのが残念。どれだけCGがチープでも、キャラの死に様には愛を持って描写して欲しいものです・・・。
↓前作の感想はこちら!