ハートフル度 ★★★
恋愛度 ★★★★
キャスト みんなかわゆす。
結論:前後編に分けなかっただけでも評価に値する。
2017年 日本
監督:古澤健
※ラストのオチ含むネタバレあり。
ご注意!
目次
あらすじ
27歳のニート・海崎新太は、ある日「リライフ実験」被験者に選ばれる。ReLIFE実験・・・それは、謎の若返りの薬を飲んで高校3年生の姿となり、1年間高校生活を送るというニート更正プログラムだった!はじめは警戒していた海崎だが、1年間の生活費免除につられ、被験者になることを承諾。春から青葉高等学校の編入生となることに・・・。
海崎はそこで、チャライケメンだが成績優秀な男子生徒・大神、真面目で気が強く、大神に惚れている狩生、眼鏡女子の小野屋と出会い友人となる。さらに、学校一の秀才だが恐ろしく無愛想でぼっちな女子生徒・日代千鶴から、ひょんなことから「友人になって欲しい」と言われ、徐々に彼女との仲を深めていく。
主なエピソード
狩生と日代の確執
アニメ版でも描かれたエピソード。
青葉では、学期ごとのテストの結果男女1位だったものがその学期のクラスの委員長となり、学食や交通費の免除が受けられる特別なピン「シルバーピン」がもらえる。毎年大神と並び1位だった狩生だが、今年はテストの日に風邪をひいていたことと日代がいたことで、1位の座を日代に奪われる形となる。
大神に惚れている狩生は、大神の隣という特別な場所すら日代に奪われたと感じ、嫉妬心から日代のカバンを盗んでしまう。それに気付いた海崎に咎められる狩生。日代とも直接話し合ったことで誤解が解け、仲直りした後は良き友人となる。
大神の告白
夏の花火大会でのエピソード。
アニメ版では最終回にあたる話だが、大神の告白する状況が異なる。実写映画では、海崎が大神のあまりの鈍感っぷりをからかい混じりに諭したことで狩生を意識しはじめたのか、6人で遊びにいった花火大会で大雨に降られ全員で雨宿りしていた際、「花火は来年みればいい」と発言するも、海崎から「今年の花火は今だけだ」と言われ、勢いで狩生に告白。友人たちの前というとんでもない状況だったが、晴れて2人は付き合うこととなった。
文化祭
実写映画版では、小野屋のバンド部の演奏中に、男性陣は執事、女性陣はメイド服のコスプレでダンスを披露。だがイベント中、メイド姿の日代に欲情した男子生徒が調子に乗ってスカートの中を撮影しようとし、海崎が思わずブン殴るという騒ぎを起こしてしまう。そのことを日代に咎められ、思わず日代に告白してしまうが、「お断りします」とキッパリふられてしまう。(だがこれは、彼女が被験者001・・・海崎より1年前に、同じくリライフ実験の被験者となっていたため。日代自身も、海崎に好意を抱いているが、卒業後は自分の記憶は消されてしまうことで、どうしても一歩踏み出せずにいた)
12月
日代との仲がギクシャクしだしたことで、リライフ実験を諦めそうになっていた海崎。夜明は海崎を、佐伯みちるというかつての海崎の教育係であり、陰湿なイジメに遭い自殺してしまった先輩の墓参りへと連れていく。そこにはみちるの妹・遥香がおり、海崎はそこで、本当は先輩は新たな職場が決まっており、新生活に向けて前向きだったことを知る。
「新しく入ってきた、暑苦しいがまっすぐな新人に、姉は救われていた」と語る遥香の言葉に勇気付けられ、海崎は再びリライフ実験を続ける決意を固める。
修学旅行
受験を終えた海崎が企画した、卒業旅行ならぬ「修学旅行」。旅のしおりを分刻みのスケジュールで作るなど気合ばっちりだった。夜明、大神、狩生、小野屋、日代の6人が参加し、牧場や遊園地など遊べるだけ遊びまわるが、帰りのバス停で大神たちが気を使い、わざと日代と海崎を置いてけぼりにして2人きりにする。
そこであらためて、海崎は日代に告白。日代もまた、たとえ忘れてしまうとしても海崎に今の気持ちを伝え、2人は最初で最後のキスをする。
卒業。そして・・・(※ラストのネタバレあり)
卒業式を迎えた面々。
海崎にとっては、リライフ実験の最終日でもあった。
最後は6人で写真を撮ると、海崎は泣きながら1年間、みんなと過ごせて良かったと告白する。
そして・・・。
日代千鶴、海崎新太の両名は、リライフ実験を終えた。就職先は海崎が自分で見つけるといい、28歳になった新太はバイトをしながら勉強をし、見事、自分の力で再就職する。
新太が選んだ就職先は、
青葉高等学校の教師だった。
そしてようやく仕事にも慣れてきたある日。新たに臨時教員がやってくる。その女性の名は日代千鶴。2人は互いに「はじめまして」と挨拶を交わす。けれど、どこかで会った気がする──
桜舞い散る季節。
2人の春が、またはじまる。
登場人物
海崎新太(演:中川大志)
元・27歳。
会社を辞めてニート生活の真っ最中に「リライフ実験」の被験者に選ばれ、17歳として高校生活を新たに始めることに。2浪して大学入学を果たし、大学院まで進んだものの、就職した会社で教育係を担当していた女性・佐伯みちるが陰湿なイジメに遭い、異動後に会社を辞めて自殺。それを機に会社を辞めたという経緯がある。
周囲とは関わらないように過ごすつもりだったが、生来の真面目さと人の良さから友人関係に積極的に口を出し続けた結果、仲間たちから「中身おっさん」「説教臭い」などと評価されるも信頼を勝ち取り、かけがえのない1年間を過ごすこととなった。
夜明了(演:千葉雄大)
リライフ研究所の職員。
最初に海崎を勧誘しにきた、ちょっと怪しい男。だが彼もまた高校生となり、新太のクラスメイトとして潜入しながら監視を行っていた。あまり過度に干渉しない様同僚から忠告されるも、日代と海崎両方の思いを知りながら、実験が終了すれば互いに互いのことを忘れてしまう・・・と苦悩する描写も。
原作・アニメ版同様、人当たりの良さそうな笑顔で人を煙に巻く神出鬼没なキャラ。喋り方は若干アニメ寄りかもしれない。
演者の千葉雄大さんは10代の演者が多い中リアル28歳だが、高校生の演技と外見の可愛さがズバ抜けていて凄い。
日代千鶴(演:平祐奈)
成績は優秀だが、人付き合いが苦手な女子生徒。
友人はひとりもいないぼっちだったが、食堂で財布を忘れて困っていたところを海崎に助けられたことで、友人となる。その後は両思いと言っていい仲になるも、自身がリライフの被験者001であり、去年自分を変える事ができず、1年の延長を自ら申し出た経緯がある。海崎のことを高校生と思っているため、彼の好意を受け取ることができなかった。が、修学旅行で2人きりになった際、はじめて「海崎さんが好きだ」と正直に口にすることができた。
卒業後は彼女も教員免許をとり、青葉高等学校の臨時教師となる。記憶はないものの海崎に惹かれているそぶりをみせた。
演者の平さんの喋り方や声のトーンは、アニメ版で日代を演じた茅野愛衣さんの芝居に近い。
その他の登場人物
■狩生玲奈(演:池田エライザ)
新太のクラスメイト。
大神に惚れているなどほぼ原作同様。ただしアニメ版の親友のほのかとのエピソードは削られている。卒業後は大神と同じ大学に進学している。
■大神和臣(演:高杉真宙)
新太の前の席の男子。
新太と仲良くなり友人となる。原作同様のキャラクターだが、2人きりの時告白した原作に比べ、告白がやや勢い任せとなっていた。卒業後は海崎の記憶は消えてしまったものの、海崎の「今を大切にしろ」という言葉は覚えていた。
■小野屋杏(演:岡崎紗絵)
最も設定が改変された眼鏡っ子。
原作では夜明同様リライフ研究所の職員だが、実写映画版では本物の女子高生であり、最初から狩生の友人という立ち位置となっている。軽音部に入っており、海崎の家で発見したMDに収録されていたバンプの「天体観測」を気に入って、文化祭ではコスプレ姿で演奏を披露した。卒業後は狩生たちと同じ大学へ進学している。
■天津心(演:夏菜)
新太の担任。
序盤のエピソードは原作同様。
■佐伯みちる(演:市川実日子)
新太が務めていた会社の先輩。優秀な女性で教育係としてよくしてもらっていたが、他の職員から妬まれ、陰湿なイジメに遭っていたのは原作同様。ただしその後の設定が大きく異なり、原作では首吊りだった自殺方法が実写映画版では電車のホームの飛び降りになっており、さらに終盤では、実際は自殺ではなく事故だったという設定となっている。
■佐伯遥香(演:水崎綾女)
映画オリジナルキャラ。
みちるの妹であり、姉が新生活を始めるつもりだったことを海崎に伝える。
■カフェにいた男性(演:小野賢章)
新太がいたカフェにいたモブ。
常にカメラに映るなど不自然なカメラワークにより、店を出るまでの一部始終が映っていたが、その正体はアニメ版「ReLIFE」で新太を演じた声優の小野賢章さんである。
感想:そんなに悪くない実写化
アニメ版では花火大会までしか描かれなかったが、今作では「リライフ実験」が終了する1年間を、前後編に分けることなく1本で完結させるため、海崎と日代の恋愛模様を中心にストーリーが大分コンパクトにまとめられている。日代と海崎の再会の季節に合わせ、EDではケツメイシの「サクラ」のアレンジバージョンが流れるが、最後の歌詞が「花びら舞い散る。記憶舞い戻る。」なのがとても良かった。
原作自体にデフォルメされたキャラがいないというのが大きいが、キャストがみんな大変可愛らしく、雰囲気がそれほど外れていないためすんなりと映画に溶け込めた。実写映画としてそれほど悪い出来ではないように思う。
特に小野屋演じる岡崎さんのメガネっ子ぶりは個人的にどストライクだった。あと平さん演じる日代のパジャマダンス!あざといあれはあざとい。絶対あの振り付け考えた人はムッツリスケベ。っつーか好きな女の子がパジャマで踊る動画なんて送られてきた日にゃー、健全な男子高校生なら絶対オ○ニーに使っちゃうとか思った自分は死んでいい。
だが男性陣で最高に可愛かったのはやはり千葉雄大さん。17歳と27歳のギャップが一番出ていた・・・というか実年齢が28歳なのに本当に高校生パートが信じられないくらい可愛かった。こんな可愛い野郎がこの世に存在していいのだろうか。
ところどころアニメちっくな演出や、みんなでアハハウフフと走るシーンでベタにスローモーションを使うなど間延びした場面もあるが、要所要所のエピソードを拾い、2人の恋愛面を丁寧に描写していたのはとても良かったし、原作を知らない初見の人でも視聴に問題は全くないストーリーなのも良かった。キャストそれぞれのファンの人ならば尚のことおすすめできる作品。
ただし、
原作における海崎のトラウマ・・・先輩の死の原因が事故死だった、という改変はちょっとどうかとは思った。1時間ちょっとのストーリーで重くなりすぎないよう、海崎を立ち直らせる展開に持っていくには仕方のない改変かとは思うが、少々釈然としなかった。
最後に
アニメ版がこれからってところで最終回になったので、どうしても2人の恋の行方が気になって映画版も観にいきました。同日にコナンもみたので、若返りの薬がアポトキシンに見えて仕方なかったり。
実写映画ということでちょっと不安な部分もありましたが、印象としてはそんなに悪くないです。新太と千鶴の1年間をラストまでバスっとまとめてくれたのは良かったと思います。日代の芝居がどことなくアニメ寄りだったのは人によっては気になる・・・かな・・・?格別に感動モノというわけでもないですが、アニメ版や原作が好きな人は見ても損はない実写化になってたと思います。のんびりと楽しめる作品でした!
↓アニメ版の感想はこちら!