アクション ★★★★★
シリアス ★★★★
イケメン率 ★★★★
結論:絶対100人ぐらい死んでる。
2016年 日本
監督:静野孔文
※犯人の正体やラストのオチ含むネタバレあり。
ご注意!
目次
あらすじ
銀髪の女性
警察庁に何者かが忍び込み、黒の組織に関する機密データが盗まれるという事件が起きた翌日・・・。
コナンと灰原・少年探偵団たちは、リニューアルオープンした東都水族館へやってきた。目玉の二輪式大観覧車にはしゃぐ歩美たちだが、コナンはベンチで傷だらけで放心している銀髪の女性に気付く。
持っていたスマホの割れ方、衣服に付着していた車のフロントガラスの破片、そしてかすかにするガソリンの匂いから、その女性が昨夜起きた高速道路の爆発事故に巻きこまれたのではないかと推測するコナン。だが女性は記憶を失っているものの、警察を呼ぶことをひどく恐れているようだった。
彼女の相手を少年探偵団たちに任せたコナンは、蘭を通じ、こっそりと高木刑事たちに女性の件を通報させ、灰原と2人で水族館での聞き込み調査を開始する。だが謎の女性はダーツを3本全てど真ん中に命中させたり、落下した元太を空中でキャッチするなど驚くべき身体能力をみせる。
同行していた灰原は、銀髪の女性が『黒の組織』の人間だということに気付き、彼女が組織のナンバー2のラムではないか?と疑いを持つ。だがコナンとそのことを相談している最中に、銀髪の女性は少年探偵団と共に観覧車に乗ってしまう。しかしゴンドラ内からスポットライトを見おろした女性は急に苦しみだし、「スタウト・アクアビット・リースリング・・・」と、酒の名前を口にして、倒れてしまった。
ノック・リスト
女性は警察病院に運ばれた。
コナンはFBIのジュディたちに呼びだされ、記憶喪失の女性が黒の組織の工作員の疑いがあると告げられる。さらに同時期、組織に潜入していた各国の捜査員が暗殺される事件が続いていたことから、女性が盗み出したのは『ノック・リスト』と呼ばれる、世界中の潜入捜査官のリストだったことに気付く。
女性が黒の組織で名乗っていたコードネームは『キュラソー』。彼女が持っていたスマホのデータを博士に復元してもらったコナンは、彼女が組織に送ろうとしていたデータをとっさに改変。「あなたが気にしていたキール、バーボン"は関係ない"」という内容を足して送信する。
一方。
キュラソーからノックリストに関するメールが送られてきていたジンは、バーボンとキール・・・安室と怜奈を拉致し処刑しようとしていた。が、直前にコナンのメールが届き、さらに赤井の手助けもあって、怜奈は一命をとりとめ、安室は脱走する事に成功する。
観覧車にて
警察病院から公安の手に渡ったキュラソーは、記憶を復活させるために、公安の風見と共に東都水族館の観覧車に再び乗せられる。だが公安が貸し切りにしていた観覧車に、ちょうど園子のコネを使った少年探偵団の面々も乗っていた。そして観覧車の頂上では、キュラソーの引取りを巡って安室が赤井と対立。殴り合いの勝負となっていたが、そこへ、観覧車に爆弾が仕掛けられていることに気付いたコナンが助力を求めてくる。2人は一時休戦し、安室は解体を、赤井は黒の組織からの襲撃に備えることに。
記憶復活
5色のライトを見たキュラソーは全ての記憶を思い出し、風見を即倒させる。ベルモットとも連絡をとっていたが、直前になって思いなおし、ゴンドラから脱走する。オスプレイに乗ってキュラソーを奪還しにやってきたジンたちはアームで観覧車からゴンドラをもぎとってしまうもキュラソーが逃げたことに気付き、中にいるコナンごとゴンドラを捨て、観覧車に銃弾の雨を降らせる。
一方逃走していたキュラソーは、ゴンドラに乗っていた少年探偵団を助ける為に観覧車内部に侵入していた灰原を見つけ、正体がシェリーであることを見ぬくも、そのまま灰原を助ける。
なぜ助けるのかと問う灰原に、「今の自分の方が気分が良い」と言い残した彼女は、まだゴンドラ内に取り残されている少年探偵団を助けるべく自ら囮となってジンたちの銃撃をひきつける。
ラスト
オスプレイのローターを狙撃すれば勝算はあるが、暗さのため狙撃ができない赤井。そこで安室は観覧車にしかけられていた爆弾をバッグにつめ、オスプレイに向かって放り投げる。そして爆発の明かりを頼りにコナンが花火入りのボールをオスプレイに命中させ、赤井がローターを狙撃した。だが墜落しながらも、なおもオスプレイは観覧車の車軸を銃撃。ついに車軸がはずれ、脱輪した観覧車が蘭たちがいる水族館方面へ転がりだしてしまう。
安室と赤井の力を借り、伸縮式サスペンダーと射出ボールを最大限に利用して止めようとするコナンだが、観覧車はいまだ止まらない。さらに観覧車にはまだ、少年探偵団と灰原が乗っている。だがそこへ一台の重機がつっこんでくる。操縦していたのはキュラソーだった。
キュラソーの特攻により観覧車はようやく止まる。だが重機は潰れ、爆発してしまった・・・。
騒乱が終わり。
キュラソーの遺体が運ばれていく途中、コナンは彼女が最後まで、少年探偵団が渡したイルカのストラップを持っていたことを知る。
後日。キュラソーの死を知らぬまま、「せっかく友達になれると思ったのに」と会えなくなってしまったことを嘆く探偵団の面々に、蘭は「もう友達なんじゃない?」と優しく励ます。
その様子を見ていたコナンは、キュラソーの心の色を変えたのは、あいつらなのかもしれない・・・とつぶやく。
白。
それが彼女が最期に選んだ色。
それは、光の色だった。
キュラソー(演:天海祐希)
黒の組織の女性。
銀髪のロングヘアーを持つスタイル抜群の美女。当初は左目が青、右目が黒のオッド・アイかと思われたが、右目は黒いカラーコンタクトで、本来の右目の色は網膜と同じ色・・・透明に近い色をしている。とても珍しい、青と透明のオッドアイの持ち主である。
生まれつき脳に損傷があり、オレンジ、ブルー、グリーン、レッド、そして白という5色の光(色)を見ると、記憶能力が飛躍的に向上するという特殊能力を持つ。(この5種類の色を持つ酒が組織での呼び名の由来となった)。冒頭で警察庁から機密データを盗み見、自分の頭の中に全てを記録するなど、組織ではラムの右腕となって諜報を行っていた。
序盤では素ン晴らしいスーツ・アクションをこなすなど戦闘能力もズバ抜けて高く、高速道路でハリウッド映画なら100人くらい死んでそうなカーチェイスを繰り広げたあげく車ごと墜落するが、生存。水族館のライトアップ(前述の5色の光)を見た直後に倒れ、翌日コナンたちと逢った時には記憶喪失の状態だった。
水族館では少年探偵団一行と仲良くなるが、途中、3階ほどある高さから落下した元太をフライングキャッチしたりともはや人間を辞めているレベルの身体能力をみせる。ありえない高さから飛んだり着地したりできるそのヒールは鋼鉄か何かで出来ているのだろうか・・・。
記憶を取り戻した後も組織には戻らずに逃げようとしていたが、歩美たちがまだ観覧車の中にいると知り、命がけで彼らを守るために行動。最後は重機ごと観覧車につっこみ、その身を犠牲にした。
遺体は判別も出来ないほど酷い状態だったが、そばには歩美たちと獲ったダーツの景品のイルカのストラップが遺されており、彼女が最期まで子供たちを想っていた事を伺わせた。
色と光
彼女の名前の由来であり、能力が発動する条件でもあった赤・青・緑・オレンジ・白の5つのカラー。これを色として混ぜ合わせれば「黒」となるが、この色の光を重ね合わせると逆に「白」になる。コナンが言う通り、黒の組織として生きていたキュラソーが、光(探偵団たち)に照らされたことで、真っ白な道を選んだということなのだろう。
劇場版主要キャラ
安室 透(演:古谷徹)
ガングロイケメン。
警察庁警備企画課、通称『ゼロ』に所属する捜査官。組織での呼び名はバーボン。冒頭では犯人を追うも取り逃がし、赤井と遭遇する。今作では、佐藤刑事の想い人でもあり、爆弾の解体処理中に殉職した松田陣平と警察学校の同期であったことが判明。松田仕込の解体処理技術が大いに役立つこととなる。
そのほか冒頭のカーチェイスや、赤井とのサシでの決闘、コナンとの共同アクションなど今作のメインとなって活躍。「そのライフルは飾りですか!?」などガンダムネタなセリフもあったりする。
赤井秀一(演:池田秀一)
劇場版初登場キャラ。
安室と同じく、黒の組織に潜入しているFBI捜査官。組織での呼び名はライ。中の人はシャア。最初から最後までライフルを決して離さない。オスプレイ相手になかなか狙撃できずにいたが、安室やコナンの助けもあって見事に決めた。
その他のキャラ
■ベルモット(演:小山茉美)
黒の組織の幹部。
今作ではいなくなったキュラソーを探して水族館にやってくるが、声をかけた途端シカトされる。過去、キュラソーが組織の秘密を知った際に消そうとするも、ラムに止められ、それ以来キュラソーと付き合いがあったようだ。
■風見 裕也(演:飛田展男)
安室の部下。
中の人といい、元ネタはZガンダムのカミーユだと思われる。
■ジン(演:堀之紀)
最凶の悪役。
これまでもシリーズ通して様々な悪行を働いていたが、リニューアルオープンしたばかりの巨大娯楽施設に爆薬をしかけ、さらに観覧車をオスプレイで銃撃するという、マジ戦争になるんじゃねレベルのすっごいことをした人。こんだけハデに暴れても捕まらない黒の組織ヤバすぎる。
レギュラーキャラ
■江戸川コナン(演:高山みなみ)
いつもの名探偵。
結構な人ごみの中からガソリンの匂いを嗅ぎつけるなど嗅覚が犬並み。そして写真を撮る時は一言断ってから撮らなアカン。ジンに乗っていたゴンドラをもぎとられさらに捨てられるが、普通に生きていた。終盤では赤井と安室のキャッチボールと化す。
■歩美(演:岩居由希子)
少年探偵団の紅一点。
今作ではそれほど目立った活躍はしていないものの、彼女たちの存在が物語の中心となっている。
■光彦(演:大谷育江)
探偵団のブレイン。
謎の言葉をしっかりメモしたりと相変わらず出来る子。
今作では高木刑事や園子など、使えるコネクションを最大限に駆使する。よくよく考えれば国家権力と財閥にコネがあるという恐ろしいお子たちである。
■元太(演:高木渉)
毎度お馴染みお騒がせメタボ。
今作では身を乗り出して落っこちるなど洒落にならないことをしでかす。そのクセ美人のお姉さんに抱きしめられたりと役得。一度助けてもらったからか、手を引いて一緒に歩いたりと、キュラソーに一番懐いていた。そして中盤、キュラソーとオセロをするシーンで彼がいった「姉ちゃんは白が似合う!」といった台詞が、ラストに繋がることになる。
■阿笠博士(演:緒方賢一)
相変わらずの博士。
オープンしたばかりの水族館に少年探偵団+灰原+コナンを連れて行きいつものクイズを出すが、即効でコナンと灰原からヒントを出されてしまい、水族館と観覧車、両方のチケット代を払うことに。交通費も加えて毎回出費痛すぎるだろ・・・。
■灰原哀(演:林原めぐみ)
キュラソーの正体に真っ先に気付き、探偵団や博士、そしてコナンのことを本気で心配していた。終盤は探偵団がゴンドラに乗っているのを見つけて単身で助けにいくなど、子供たちのことを心から大切に思っていることが解る場面が多い。
感想:絶対に人死んでるだろ!?
序盤のスーツアクションからのカーチェイスといい、終盤の観覧車銃撃シーンといい、おいこれで死人出てないとかウソだッ!!・・・といいたくなるくらい、歴代でもかなり激しいアクションが多めな今作。
内容も組織に絡んでいるせいかどシリアスで、年齢層は明らかに高め。キュラソーの死亡シーン・・・重機がくしゃっと潰れるところが本当にリアルで、お子様がスクリーンで見たら泣いちゃうんじゃねーかと心配になるレベル。キュラソー、天海さんのカッコイイ雰囲気があっていて、結構好きなゲストキャラだったがゆえにこの展開マジつらぁ・・・。
というかこの劇場版で、黒の組織がどっかのアンブレラ並みに極悪な組織だということを再認識した感じ。殺害された人が本当に何の罪もない潜入捜査官だし・・・悪役すぎて軽く引いた。ジンさんまじラスボスすぎて倒せる気がしねぇ。
さらに気になるのがナンバー2・ラムの正体。もしかして今作の登場キャラのうちの誰かがナンバー2だったりするんだろうか?・・・やはり公安ですら敵に回す気満々の目暮警部だったりするんだろうか。
でも本当に一番気になるのは、
「今回の事件で何人ぐらい巻きこまれて死んでるのか」という点。あれだけの大事件で死人がいないとは思えないが、濁しているのか、それとも奇跡的にいなかったのか?・・・でも、序盤のカーチェイスでものすごい高さまで車がふっとんで落ちたのに、中からフッツーに人が出てきたりしたので、コナン世界の一般人の耐久値は通常の人間の3倍ぐらいに思ってた方がいいのかもしんない・・・。
最後に
正直色の記憶の話とかは推理とかじゃないんで、全編通して黒の組織とのスレスレの攻防戦をみてハラハラする感じを楽しむ物語でした。推理劇やミステリーというよりは、クライム・サスペンスみたいなノリでしたね。一番好きな場面は、きっと大半の人は安室VS赤井さんのシーンだと思うんですが、自分は序盤のキュラソーのスーツ・アクションシーンがドツボでした・・・。女の人のスーツ・・・スカートでアクション・・・いいよね!(変態)
かなり悲しい終わり方なので楽しく見られる部類ではないですが・・・黒の組織関連の謎に迫るストーリーで、見応えがありました!
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