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名探偵コナン 迷宮の十字路 ネタバレ感想~主役は服部平次!京都のわらべ歌に導かれ、初恋の人と運命の再会を果たす・・・!

劇場版 名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)
京の五条の橋の上
大のおとこの弁慶は
長い薙刀ふりあげて
牛若めがけてきりかかる・・・

ラブラブ度 ★★★★
アクション ★★★
結論:ショタ平次ぐうかわぁぁ!!

2003年 日本
監督:こだま兼嗣

※犯人の正体やラストのオチ含むネタバレあり。
ご注意!

目次

あらすじ

美術品専門の窃盗団『源氏蛍』のメンバー5人が殺害される事件が世間を賑わせていたころ・・・。小五郎に京都の山能寺の僧侶から、盗まれたご本尊のありかを示した暗号を解いて欲しいという依頼がくる。蘭や園子と共に京都にやってきたコナンは、源氏蛍殺害事件を追う服部平次と遭遇。山能寺の仏像を盗んだ犯人と、源氏蛍の面々を殺した人間は同一ではないかと考えたコナンは、暗号と事件の謎を解くため、平次に京都を案内してもらうことに。だが義経ゆかりの地を巡っている最中、平次が犯人らしき人間から襲撃され、さらにその日の夜には、源氏蛍のメンバーが殺害されてしまう・・・。

源氏蛍

平成3年ごろから、東京・京都・奈良を中心に神社仏閣の仏像や美術品の窃盗を繰り返していた犯罪集団。メンバー全員に源義経にちなんだコードネームがつけられ、リーダーは義経、その他のメンバーが義経の弟子の名前となっている。全員が義経記(源義経について書かれた本)を所持しているが、殺害されたメンバーが所持していた義経記は持ち去られていた。

コードネームが判明している8人のうち5名が殺され、残りはリーダーの義経、弁慶、伊勢三郎のみ。全員剣と弓の達人であり武術に長けているらしいが、性別・年齢は不明である。

桜正造殺人事件

コナンたちが京都へ来たその日の夜に起きた殺人事件。山能寺の檀家の一人で、古美術商を営む桜正造という男性が、小五郎たちと共に訪れた茶屋の納戸で殺害される。しかし後に、彼の正体が源氏蛍の生存者メンバーの伊瀬三郎と判明する。

舞妓遊びの途中で「疲れたから」といって1階の空き部屋で仮眠をとっていたが、実は納戸を物色していたらしく、その間に殺害されていた。容疑者は茶屋にいた小五郎を除く5名・・・茶屋の女将、千賀鈴、西条、竜円、水尾の5名である。みなそれぞれ1回ずつトイレなどの用事で部屋を出ている。だが事件後は誰も凶器を持っていなかった。

事件後、園子が川に何かが落ちるような音を聞いており、凶器は茶屋の外の川に投げ捨てられたかと思われたが、警察の捜査では見つからなかった。

劇場版主要キャラ

服部平次(演:堀川りょう)

迷宮の十字路 平次

冒頭からメタい説明をする西の名探偵で今作の主役。殺された窃盗団のひとり(大阪のたこやき屋のおっちゃん)が顔なじみだったことから、事件の調査をしに京都へきていた。コナンと遭遇した後は京都の案内役を買ってでる。コナンの正体を知る数少ない人間の一人だが、つい蘭たちの前でもコナンを「工藤」呼びしてしまうシーンが多い。

8年前の春。平次が小学校3年生の時、京都のとある寺でわらべ歌を歌いながら鞠をつく、ちょっと年上の少女をみかけ一目惚れする。それ以来、彼女が落としたと思われる水晶玉をお守り袋にいれて持ち歩くわ、雑誌のインタビューでは初恋の人とのエピソードとしてさりげなく年齢や出会った場所の情報を盛り込み、拾った水晶玉と小学生の頃の自分の写真まで載せておくなど、本気で初恋の人を探し続けていた。名探偵の本気もここまでくるとちょっと怖い。だがこの思い出が、殺人事件と意外な形で結びつくことになる。

なぜか犯人に狙われており、二度も襲撃される。そのため作中では剣道やバイクなどアクションシーンの大半を担当する。この頃はまだ物理的に可能なアクションが多かった・・・。

遠山和葉(演:宮村優子)

平次の幼馴染。
蘭たちに京都を案内するが、そのあいだも京都にいるという平次の初恋の人が気になって仕方がない様子。今作では襲撃にあった平次を救う為、靴下に石を詰めた即席のブラックジャックで犯人を見事に撃退。のちに犯人の痕跡を探しに行っていたところを逆に拉致され、取引の材料にされてしまう。

容疑者

■綾小路文麿(演:置鮎龍太郎)
京都府警の警部。白鳥とは同期。
京都にやってきた平次に事件に首をつっこまないよう忠告したりと怪しい素振りもみせる、今作のミスリード要員。

公家出身というキャラ設定のためか、麻呂眉に細目というとても解りやすいヴィジュアルになっている。いつもシマリスをポッケに入れて連れ歩いていることから周囲からは変人扱いされており、小学生の歩美には「人間の友達がいないの?」とキツい一言をくらっていた。

■竜円(演:中村大樹 )
山能寺の坊さん。
8年前にご本尊が盗まれたことに気付きすぐに通報しようとしたが、住職に止められたという。5日前、「この絵の謎を解けば仏像の在り処が解る」と書かれた謎の手紙が届くが、なぜか関西で有名な服部ではなく、小五郎に絵の暗号の解読を依頼してきた。

■円海(演:井原啓介)
山能寺の住職。
ご本尊が盗まれたというのに一向に気にせず、明々後日には一般公開しなければならないという状況でも一切動じていなかった。ぶっちゃけこの人も結構なミスリード要員。
平次とコナンの姿を見て彼らが何をしているのかを一瞬で見抜くなど案外抜け目がない人物。

■桜正造
古美術商のおっさん。
寺の檀家さんの一人で、円海たちの剣道仲間でもある(これは以下の二人も同様)。
小五郎の評判を知っていた。京都へ来たその日の夜、茶屋「桜屋」の納戸で殺害されるが、のちに彼の正体が源氏蛍の生存者メンバー・伊勢三郎であったことが判明する。

■水尾春太郎(演:遊佐浩二)
水尾流の宗家。能役者。
能の演目にもなっている安宅 (あたか)のエピソードについて教えてくれる。
中の人は京都出身で、青エクの志摩など京都弁の持ち役が何かと多いことで有名な遊佐浩二さん。

■西条大河(演:鈴置洋孝)
古書店を経営している男性。
義経より弁慶派らしい。

■山倉多恵(演:鈴木弘子)
ひったくりに遭ったところを平次に助けられた女性。茶屋「桜屋」の女将であり、5歳の千賀鈴を引き取ってからずっと母親代わりとなり面倒をみていた。

■千賀鈴(演:安達まり)
読みは「ちかすず」。
京都で舞妓をしている19才の女性。京都のわらべ歌「丸竹夷」を知っていたことから、平次に初恋の人と思われていた。

母親が病死しており父親は不明。匿名でずっと御茶屋に寄付していた人物が父親かと思われたが、3ヶ月前に寄付が打ち切られたことが中盤で明らかになる。さらに左手親指の上・・・「矢枕」と呼ばれる箇所をケガしていたことから、弓の経験者であることを小五郎に見抜かれ、「窃盗団のリーダー・義経の娘で、父親を一味に殺された恨みから犯行に及んだ」という疑いをかけられた。

終盤では実は本当の父親が誰か気付いており、自分から援助を断ったことが明らかになる。両手で拝むような仕草をしていたことから、恐らく父親の正体は住職かと思われる。

レギュラーキャラ

■江戸川コナン(演:高山みなみ)
元・東の名探偵。
月を見て、蘭を2時間待たせてしまったエピソードを思い出していた。平次からその時に惚れたとからかわれていたが、幼稚園で蘭に出会った時には既に・・・。

■毛利蘭(演:山崎和佳奈)
今作では新一に会えないことを憂うなど恋する乙女節全開で、パワーキャラとしての役割は控えめ。新一から2時間待たされても、「何かあったかと思って心配しちゃった」と怒らずに許すなど寛容がカンストしている。

■毛利小五郎(演:神谷明)
舞妓遊びでハッスルしまくり娘から苦い顔をされるダメ親父。毎度の迷推理を披露するが、京都府警の警部に殺人の容疑をかけるというのも大した度胸である。

■鈴木園子(演:松井菜桜子)
園子ねーちゃん。
今回も何故か同行してきた。想い人になかなか会えない辛さをぶちまけるなど、和葉たちと共に女子トークを繰り広げる。殺人事件時に、川に何かが落ちる音を聞いていた。

■少年探偵団
いつもの3人組。
序盤で博士から義経に関するクイズを出されるが、小学校1年生にして源氏と平家の闘いについて説明できるとか、光彦くんちょっと賢すぎやしないか。

■阿笠博士(演:緒方賢一)
いつもの博士。
回を増すごとに孫に振り回されるおじいちゃん化が進んでいくが、今回も孫たちの猛攻を受け、京都まで連れていくことに・・・。

■灰原哀(演:林原めぐみ)
序盤博士が出したクイズをさらりと解き、探偵団が京都へいくキッカケを作る。今回彼女が京都の旅に同行していたことが、和葉と平次のピンチを救うことになる。

京都観光では「死者が蘇った」という伝説がある戻り橋の前にて意味深に微笑んでいたが、自身が開発した薬と重ねて、思うところがあったのかもしれない。

■白鳥刑事(演:井上和彦)
いつものインテリ刑事。
おじゃる刑事のライバルとして登場し、何かと張り合う。今作では祇園で顔が知られていることが判明した。自慢か。終盤にも登場し、雑魚キャラをこづいて一人だけ倒した。

事件の真相(※ネタバレあり)

8年前に平次が少女を見かけた寺は山能寺。拾った水晶玉は少女のものではなく、源氏蛍がご本尊を盗んだ際に落とした、仏像の白檀にはめられていた水晶だった。

窃盗団は平次が水晶玉を拾ったところを目撃しており、8年後に雑誌のインタビューで平次のエピソードを読んだことで水晶玉の在り処を知った。平次が何度も襲撃されたのはこのため。

だが重い病気を患い、余命幾許もなくなったリーダーの義経は盗んだ仏像を隠し、手下たちには隠し場所を暗号にした絵を渡し、謎を解いたものを次のリーダーにすると言い残して死亡。桜正造は犯人に、メンバー全員を殺害して、暗号の謎は毛利に解いてもらい、見つけた仏像を闇ルートで売りさばく計画を持ちかける。古美術商を営んでいる自分にしか仏像の売買ができないため自分の身は安全とタカをくくっていたが、途中、犯人がネットで仏像の買い手を見つけたことで用済みとなり、殺害された。

新一登場!

迷宮の十字路 新一
工藤新一・・・探偵さ。

さらわれた和葉を助けにいくも、まだ完全に回復していなかった平次が倒れてしまったため、灰原の力を借りることに。だが以前元の体に戻った際に飲んだパイカルは既に抗体が出来てしまい効かなくなっていたため、「風邪と同じ症状を引き起こす薬」を飲んだあとにパイカルを飲むことで、一時的に新一の体に戻る。

意識が朦朧とした状態なため戦力にはあまりならず、効き目も短くすぐにコナンの姿に戻りそうになるが、助けにきた平次に救われる。身を隠す途中、新一の姿で蘭と束の間の再会を果たした。すぐに睡眠針で眠らせたため、蘭本人は夢だと思い落ち込んでいたが、ラストで咄嗟にコナンが機転をきかせ、新一の汗を拭いたハンカチを取り出させ、そこについていた汚れで、再会が夢ではなかったことを確信させていた。

犯人の正体

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犯人は西条大河。
源氏蛍のナンバー2「弁慶」である。

桜正造を殺害後、凶器はGPS端末と一緒にペットボトルに入れて川に投げ捨て、のちに回収。その後服部を襲い、わざと凶器を残すことで桜殺害の容疑者から外れようと画策するも、弓の初心者がよくケガをする左手親指の場所のことを「やまくら(矢枕)」と呼んだり、座る時に右足をずらして座る、半足を引くという弓道の座り方をしたにも関わらず、弓の経験がないとウソをついた事でコナンたちから犯人と見抜かれた。

目的は仏像を売った金で、義経流の道場を建て直すため。ちなみに本人は本当は弁慶より義経の名が欲しかったらしい。

弓と義経流剣術の名手だが、バイクに乗ったまま弓を射るなど尋常ではない身体能力を有する。終盤は道場に保管してあった『村正』を手に入れた平次と文字通りの真剣勝負となるが、自身の刃には毒を塗っておくなど用意周到に準備をしていた。が、最後にはコナンの活躍もあって峰打ちを喰らい、御用となった。

仏像の在り処

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8年前に盗まれてしまった、山能寺で12年に一度開帳されるという秘仏。5日前にその仏像の在り処を示すという暗号が送られてきた。絵に描かれた天狗や富士山などの記号は京都の通り名を表しており、全てを繋げると「王」という漢字となる。そのうち右上の「点」に当たる部分に仏像があると予測したが、点の場所にあった寺「玉龍寺」は鞍馬山の奥に移されていた。

が、終盤コナンが服部を救うため上空に飛んだ時、空からみた玉龍寺の形が「玉」になっていたことに気付く。さらに「宝」にはうかんむりがある=屋根がある場所ということで、点の位置にあった鐘楼の屋根(天井)を捜索。隠されていた仏像を無事に見つけ出し、水晶玉をはめなおした状態で山能寺に返還した。

初恋の少女の正体

名探偵コナン 迷宮のクロスロード

玉龍寺でわらべ歌を和葉が歌った際、「よめさんろっかく」という歌詞だったことから、平次の初恋の少女の正体が和葉だったことが解る。実は8年前、平次が京都へ行っていた時に和葉も一緒におり、平次は和葉が着物や化粧など着付けられている最中に待ちきれずにひとりで遊びに行ってしまい、その後平次を探しに寺にやってきた和葉の姿を目撃していた・・・というのが真相だった。

和葉もまさか幼馴染が、化粧をしていただけで他人と見間違うとは夢にも想わなかったようだ。

わらべ歌の歌詞~丸竹夷(まるたけえびす)

まるたけえびすに おしおいけ
よめさんろっかく たこにしき
しあやぶったか まつまんごじょう
せったちゃらちゃら うおのたな
ろくじょうひっちょう とおりすぎ
はっちょうこえれば とおじみち
くじょうおおじで とどめさす

冒頭で少女(和葉)が歌っていたわらべ歌。これは丸竹夷という京都の通り名を連ねた歌。最後の歌詞が「十条東寺」となっている別バージョンもあるが、今作では九条大路までのバージョンが採用されている。2行目の歌詞「よめさんろっかく」は和葉が間違って覚えていたためで、正しくは「あねさんろっかく(姉三六角)」。姉小路という通りの名前を歌っている。

ちなみにコナンと出会った時に平次が口にする歌は、義経と弁慶との出会いを歌った「牛若丸」という歌である。

見所が多い劇場版!

京都の地理や弓の知識がなければ犯人を推理する事ができない上に、いかにも怪しい行動をする警部や、なぜか警察を呼ばなかったり、関西なのにわざわざ東京の小五郎に依頼するなど怪しい行動をくりかえす僧侶&住職コンビなど、ミスリード要員の多さから犯人当ては難しい部類になる今作。

だがしかし!
序盤のショタ平次&ロリ和葉の禿萌えそうな可愛さ、そしてなんといっても劇場版に新一が登場するというびっくり要素のインパクトはやはり素晴らしかった!以前は「~でんがな」と壊滅的だった関西弁が、ちょっとうまくなっていることに地味に感動する。

原作でも平次が新一に変装したりと、互いに変装できるとかどんだけおまえらソックリさんなんだよ!というツッコミを入れつつも盛り上がる展開に、数あるコナンの劇場版の中でも抜群の人気を誇るのも頷ける作品。

平次たちを主役におきながらも、そのほかのキャラの活躍や、アクションシーンと推理パート、恋愛要素などバランスもとても良い作品だが、タレント声優がいないというのもわりと大きかったりして・・・。また、倉木麻衣さんが歌う主題歌も雰囲気がぴったりで、コナン屈指の名EDのひとつである「Secret of my heart」が大好きだった自分としては、ここも評価を高くせざるを得ないポイントだったりする。

Time After Time 〜花舞う街で〜

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最後に

平次とコナン、2人のコンビが大好きな人にはたまらない作品。個人的にはコナンの中で和葉ちゃんがかなり好きなキャラなので、出番が多めなのが単純に嬉しかったです。そしてショタ平次の可愛さはマジ神・・・。もうすぐ最新作も公開ですが、新一と蘭並みに進展しない(できない)2人の仲がちょろっとでも変わるのか、期待大ですね~!

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