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ビリギャル 感想~有村架純さんの「ダメぇ~」が聞きたくて。※ネタバレあり

映画 ビリギャル DVD スタンダード・エディション

美少女度 ★★★★
キャスト ★★★★
結論:やはり脱ぐのかヤスケンよ。

2015年 日本
監督:土井裕泰

※原作は未読。
※あらすじ&ラストのネタバレあり。未視聴の方はご注意ください※

目次

あらすじ

幼いころイジメられたことをきっかけに不登校になったさやか。転校するも学校に馴染めず、友達もできずにいた。
そんなある日。可愛い制服に憧れ、私立中学校を受験。無事入学するも、エスカレーター式という制度にかまけ、一切勉強せず友達と遊びほうけてばかりいた結果、ミニスカートにつけまつげ、ケバい化粧にアホっぽい喋り方・・・という絵にかいたようなギャルに。

高校では成績が最低クラスとなり、担任からもクズと見放され、さらには煙草を学校に持ってくるなどの非行に走り、自宅謹慎処分となる。だが夏休みに、母・ああちゃんから「この機会に塾へ通ってみたら?」と勧められ、そこで青峰塾講師・坪田と出会う。

どんな生徒とも同じ目線で話し、勉強へのやる気をひきだす坪田に乗せられ、志望校を慶應義塾大学にしたさやか。父親からも担任からもバカにされるが、「工藤さやかは、慶應義塾大学に合格します!」とクラス中に啖呵をきる。

偏差値30から70へ・・・。
ビリギャルの、猛追の日々がはじまった!

登場人物紹介

※原作未読のため、あくまで映画内のキャラクターとしての説明です。

工藤さやか(演:有村架純)

偏差値30だった"ビリギャル"。
塾に初めて来た日はパツキンにヘソ出し姿で、「storong」をストーリー+ロングで「話が長い」と訳したり、聖徳太子を「せいとくたこ」と読んだりと、国語面が壊滅的だった。この他にも日本地図を○と描いたり、北と南といった方角の概念もなかったり、常識的な知識も欠如していたため、坪田からは小学校4年生レベルの学力と判断され、まずは小学生用の漢字ドリルからのスタートとなった。

塾へ入るまでは煙草を吸ったり未成年が入れないクラブなどに出入りしたりと友人たちと非行に走っていたが、「煙草を吸っていた友人の名前を言えば、退学は免除する」との学校側の誘いに頑なに乗らないなど友情を大事にしていたり、一度決めたことをやり通すという意思の強さも持ち合わせる。

いつも自分を庇ってくれていた母親の事は大事に思っているが、何かにつけダメだと決め付ける父親には「クソジジイ」呼びで仲は非常に悪い。しかし弟が生まれる前は父親とも仲が良かったようで、自分のことを気にかけてくれない父親に対してグレていた面もあったようだ。

ビリギャルという言葉から最底辺のイメージがあるが、映画内では、元々彼女は私立中学に入学できるほどの学習能力があり、あくまで中学以降非行に走り勉強を全くしなかったから成績が下がっただけであること。慶應義塾大学の受験に必要な科目、小論文と英語の2つに絞って勉強していたことが描かれている。

その他の登場人物

■坪田(演:伊藤淳史)
青峰塾の講師。
元々講師の仕事は単なるバイトとして始めたが、自身も学校の授業についていけなかった過去から、「授業についていけなくなった生徒にも、一人ひとりの個性にあわせた指導をしたい」と思うようになる。

生徒のやる気をひきだすために、AKBから最新のゲームなどサブカル方面も勉強し、話を合わせる話術と、生徒の現在の学力を的確に判断、必要ならば小学生・中学生レベルの問題もきちんと復習させるという指導法で、さやかの学力を伸ばしていった。だが、彼が受験前に合格祈願に送ったコーヒーが悲劇を呼ぶことに。

■峰岸(演:あがた森魚)
坪田の塾にいつもいるおじさん。
気がつけば蛍光灯を換えていたりする掃除のおじさんかと思われたが、実は青峰塾の塾長。坪田の信念に同調し、借金をしてまで塾を作ってくれた。

■玲司(演:野村周平)
3代続く弁護士一家の家系に生まれ、「やればできる子なんです」と無理やり母親に連れてこられた。「絶対に親父の思い通りにはならない」とゲームばかりやっていたが、坪田から「最高の復讐の方法がある」と言われ、塾に通うことに。だが徐々にさやかに影響され、本気で勉強に取り組むようになる。というか惚れている。

■西村(演:安田顕)
さやかの担任。
底辺クラスの担当でさやかたちのことを「クズ」と呼び、対応も非常に乱暴というサイテー教師。ヤスケンには珍しい、愛嬌が一切ない嫌味な悪役だが、さやかの「慶應義塾大学に入学する」という言葉に「もし入れたら全裸で逆立ちして校庭1周してやる」と返したことで納得のキャスティングとなった。

■さやかの友人たち
そろいもそろって典型的なギャル×3
さやかとつるんで遊び倒していたが、カラオケ中でも真剣に勉強するさやかに感化され、中盤で「さやかと遊ぶのをやめる」と、さやかが受験に専念できるように切り出してくれた。

■工藤あかり(演:吉田羊)
さやかの母親。娘たちからは「ああちゃん」と呼ばれている。
さやかがイジメられて登校拒否になった時、イジメを認知しない学校をすぐに見限り転校を決意するなど、常に子供のことを第一に考えて行動している。放置ぎみの父親に代わって娘たちに愛情を注いでおり、父親が出さないという塾の費用を自分のパート代でまかなうため、貯金を切り崩し、昼も夜もパートで働きづめていた。

どんなことがあっても子供を信じぬく立派な母親だが、夜遊びや煙草のことなどは自由にさせすぎなので、問題な気もする。

■工藤龍平(演:大内田悠平)
2つ年下のさやかの弟。
幼い頃から「自分の息子を野球選手にしたい」という父親の願望により、姉妹たちよりも優遇されて育ってきた。そのため、父親と同じくさやかたちを見下し気味。

その甲斐あって、中学では優勝。野球の名門校からもスカウトされる。しかし高校入学後、プロを目指すレベルの高さについていけなくなり、挫折。練習を勝手に休み不良とつるむようになり、無断で野球部を退部。さらには酒を飲んで補導されてしまう。

実は長年のスパルタ指導により、試合前には「負ければ父親から怒られるのではないか」というプレッシャーで喘息の発作が出るほど追いこまれていた。

■工藤徹(演: 田中哲司)
さやかの父親。
龍太には専用の送迎バスまで作るも、その分姉妹たちのことは母親に任せきりで完全に放置しており、「娘たちにも関心を持って欲しい」というあかりの言葉にも耳を貸さず、自分の言う事をきかない女は嫌いと平然と突き放したり、龍太が勝手に野球をやめた時は平手打ちをくらわせるなど、家庭内に不和を齎していた。

終盤、龍太を追い詰めていたことや、あかりの「私は三人の子供の母親です!」と激昂されたこと、さやかが本当に偏差値をあげたことで、自分が子供たちのことを見ていなかったと改心。受験当日、雪で電車が使えなくなったさやかを送ってくれる。

家庭面での悪役だが、あかり曰く、困っている人を見過ごすことができない面もある。

最大の見所:有村架純さんの美少女っぷり

抜群に可愛いが金髪が猛烈に似合わない。
やはり美少女は黒髪と相場が決まっているのだろうか。

「成績最低だった女の子が1年努力した結果大学に受かる」というストーリーの全てがわかりきっている映画なんて、本来はどこに面白みを感じていいかわからないくらいだが、今作は主演の有村さんの可愛さが映画全体を引っ張ってくれている。普通、自分のことを「さやかは~」と名前呼びする女子高生なんてあざとすぎて見てられないものだが、有村さんなら活目してしまう。嫌味なく、さやかの設定を受け入れられた。

そして序盤のヘソ出し&生足姿のスタイルの良さに坪田と同じくガン見したり、後半のコーヒーに当たって腹を下すシーンの「だめぇ~」に興奮した紳士は正直に手を上げなさい。

個人的見所:田中哲司&ヤスケンが演じる『悪役』

正直、異様にポジティブな坪田とのコメディタッチなやりとりは、「この流れがずっと続くなら厳しい・・・」と思っていただけに、田中さん演じる父親と、ヤスケン演じる担任。この2人の容赦ないリアルな悪役っぷりが物語をずっと見やすくしてくれていた。

邦画(特にドラマ)だと、変にコメディなノリとテンションでず~~っと乗り切ってしまうものも多く、大体がお寒い感じになりがちだったりするのだが、合間合間に入る家族や学校の場面が、よくあるサクセスストーリーものとは違った空気に・・・夢物語から現実に引き戻してくれていた気がする。

ダメ親父を演じていた田中さんはATARUの「なのねぇ~!!」の渥見さんのイメージが強いので、こういう子供に平手打ちかますような父親の役は新鮮だった。この父親の人物像や、あかりとのやりとりが非常にリアル。ヤスケンも普段ナックスのお芝居ではちょっと気弱だったりいい人だったり、あまり悪役を演じることがないので、女子高生の髪をガツっ!とつかんじゃうような役にはちょっとびっくり。

でもヤスケン演じる西村も、映画内では一応悪役の立ち位置だけど、授業を全くきかずサルみたいに騒ぐ女子高生。さらに授業中平気で爆睡するヒロインを注意するのに、夜遅くまで働いている母親にあわせて待ち、いざ呼びだしたら娘に言い聞かせます。ではなく「見逃してください」と言われるとか、わりと踏んだりけったりなんじゃないだろうか・・・。

EDの口パクラッシュ

可能性

可能性

  • サンボマスター
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

このエンディングの、「登場したキャラクターがみんなでエンディングを口パクで歌っていく」という演出が凄い好き!

有村さんがめんこいのは勿論のこと、サンボマスターの曲に合わせて塾長が箒ギター弾いたり、子役時代を演じた子も出てきたり、本編がウソのようにイチャつく父ちゃんがいたりヤスケンが腹筋を殺しにかかってきたりと最後まで見逃せない。

最後の方はサンボマスターご本人や、スタッフまで楽しそうに歌ってたりと、こういう暖かみのある演出は大好物なんですが、そういえばこの映画って「重版出来!」や「逃げ恥」の土井裕泰さん監督作品だったんですね!お恥ずかしながら知らなかった・・・。

キャラクターに愛着が湧く、視聴者に向けられた最後のおまけ的な演出は、逃げ恥の「恋ダンス」にも通じるものがあります。土井監督は、こういうちょっと愛らしい感じに物語を仕立てるのが、非常にうまい監督さんなのかもしれません。

最後に

 そういえば「重版出来!」でも、ヤスケンは安井昇役で出演していましたが、雰囲気がどことなく西村に似ているかも・・・?もしかしたらこの映画がきっかけでご出演されていたのかな。

2015年当時は「どうせ10代向けのお受験映画だし~」とナメてて全然チェックしてませんでしたが、演出やストーリーがどの年代にも受け入れやすいよう、きちんと工夫されていた秀作でした。バカチンは私でしたぁ!!

↓有村架純さんはゾンビでも可愛い。