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劇場版 青の祓魔師 感想(ネタバレあり)~観たら絶対にオムライスが食べたくなる映画。

青の祓魔師 劇場版【完全生産限定版】 [DVD]
──俺だけは、ずっと忘れない──

背景美術 ★★★★★
ストーリー ★★★
結論:オムライスの作画が飯テロ級。

2012年 日本
美術監督:木村真二
音楽:澤野弘之

むかしむかし、
ある村のはずれに悪魔があらわれました。
元気がないようだったので、村の少年が食べ物をあたえてやりました。
元気になった悪魔は少年と遊んで、そのまま村に居ついてしまいました。
そこへ祓魔師があらわれ、悪魔を封じこめました。
悪魔はいなくなりましたが、村人たちは村のことも忘れてしまっていたので、村は荒れ果て、なくなってしまいました。
やがて人々は、この村のことを忘れてしまわないよう悪魔を祀って、11年に一度、お祭りをするようになりました・・・。
──『忘れんぼうの村と悪魔』より

目次

ストーリー

11年に一度の祭りが近づく最中。
雪男、しえみと共にファントムトレイン(幽霊列車)退治へと赴いた燐。列車に囚われたゴーストたちを救おうとしたものの、腹の中の魂がいなくなったことで列車は大暴走。取り逃がした上に街にも被害を与え、責任をとらされた雪男は戒告処分となってしまい、自身も謹慎処分を言い渡される。

だがそんな燐に命じられたのは、暴走事故で壊れてしまった祠から現れた、ウサ耳悪魔の面倒を見ることだった。幼い子供の姿をした悪魔に「うさ麻呂」と名づける燐。うさ麻呂も燐に心をひらいていくが、街では少しずつ、奇妙な出来事が起き始め・・・。

登場人物

■奥村燐(演:岡本信彦)
人間とサタンの血を引く少年。
今作では料理とうさ麻呂の育児・・・ではなく監視という名の保護を担当。さすがの面倒見のよさで、あっという間にうさ麻呂になつかれる。

作中ではスーパーイエロー奥村燐スペシャル(オムライス)のおかわりをうさ麻呂にねだられて、わざわざ自分の分のデミソースがかかってる方を半分あげたり、ベットで一緒に寝ていたうさ麻呂を「檻に戻せ」と雪男から言われた時は、一緒に檻に入って寝てあげたり(しかもちゃんと手を握ってあげている)など、お兄ちゃんスキルの高さをみせつける。

■奥村雪男(演:福山潤)
ただのオカン。基本「宿題やったの!?」しか言ってねぇ。
序盤、燐たちが勝手な行動をしたことでファントムトレインが暴走し、騒動からしえみを守りきるも吹っ飛んで戦線離脱。利き腕を負傷した挙句、管理責任をとらされ戒告処分になったり、いきなり3人兄弟になったりと相変わらずTHE・苦労人。

■しえみ(演:花澤香菜)
彼女がファントム・トレインからゴーストを救いたいといったことが今回の事件の発端となる。ある意味今作の元凶。

■勝呂&志摩&子猫丸
今作ではぶっかけ担当の3人組。
野球シーンでの、「もうちょっと下の方持った方がええよ?」と子供に優しい子猫丸さんのやりとりはほんとマジ天使。

■メフィスト(演:神谷浩史)
含みをもたせることに定評がある悪魔だが、こちらもほぼ出番なし。アニメ版と比べて鼻声(?)に聞こえるのは自分だけだろうか。

■アマイモン(演:柿原徹也)
ただのハム太郎。

■アーサー・O・エンジェル(演:小野大輔)
ただのアーサー。

劇場版オリジナルキャラクター

うさ麻呂(演:釘宮理恵)

青のエクソシスト うさ麻呂

ちびっこうさ耳悪魔。
出会った頃は周囲の人間を警戒し、野生動物のごとく暴れまわっていたが、燐と共に生活していくうちに心をひらきはじめ、人間の言葉で会話するようになる。本来の名前はないらしい。
容姿と同じく性格も行動も幼い子供そのもので、出会い頭に出雲のスカートをめくっていた。よくやった。燐に懐いたあとは勝呂たちと一緒に野球をするなど一緒に遊ぶようになる。

正体は時の眷属と呼ばれる、時間を操り記憶を喰らう悪魔。「忘れんぼうの村」の絵本に出てくる悪魔であり、劉の先祖によって祠に封じられていた。実際は人型ではなく小さなウサギのような姿をしている。

祭りへ行きたがっていた燐のために宿題の記憶を消し去り、街中の人間が祭りに参加できるように、仕事の記憶を喰らって正十字団本部を機能停止させた。劉からは「人の欲につけこみ、心を壊す」と言われていたが、本人は悪意を持ってやっているわけではなく、記憶を喰うのは「悲しい記憶や辛い記憶がなくなればみんな幸せになる」と思い込んでいるから。(そのため絵本を読んでいた燐から、昔住んでいた村がなくなったことを聞いた時はショックを受けていた)。しかし燐から、「どんなに辛い記憶でも、忘れちゃいけないことがある」と諭されたことで、今までの自分の行いを理解した。

最後には燐たちを救うために、幽霊列車がひきよせ、(街中の祓魔士が仕事をしていなかったこともあって)大量発生してしまったコールタールを時空ごと喰らう。

それと同時に、街中の人間からうさ麻呂や騒動に関する記憶も喰らっていったため、ラストでは幽霊列車は暴走していないことになっており、祠も壊されておらず、うさ麻呂は封印されたままとなっている。だが、燐と劉にのみうさ麻呂の記憶が残ることとなった。(メフィストも記憶が残っているが、これはメフィストが「時の王サマエル」であり、眷属よりも上位の力を持つためだと思われる)

劉 成龍(CV:木内秀信)

青の祓魔師 リュウ・セイリュウ

銀髪のイケメン祓魔師。飴ちゃん大好き。
台湾支部の上一級祓魔師で、結界の張替え作業を手伝いに日本へやってきている。絵本に伝わる悪魔を祓った伝説の祓魔師の末裔として、本国では超有名人。しかし実際は、絵本に登場する「悪魔と仲良くなった少年」の末裔でもある。

映画版ではあまり描写されないが、小説版では幼いころ友だった悪魔を祓っており、内心ではそのことを後悔しているような描写がある。うさ麻呂の記憶が残っていたのはこのためだろうか。

木村真二さんの圧倒的美術

鉄コン筋クリートで美術監督を務めた木村真二さんによる、書き込みが尋常ではない背景美術はとにかく圧巻!ジャンプアニメの映画でこれほど美麗な背景は滅多にないのではないだろうか。学園の風景や祭りの豪華絢爛さ、終盤の雪景色など、どの風景も美しかった!

音楽も「進撃の巨人」や「カバネリ」で有名な澤村さんが担当しており、音楽や映像美といった点でも見ごたえがある作品となっている。

最後に!

1月からは京都不浄編がアニメになるということで、久々に劇場版を視聴。圧倒的美術力で見終わった後「背景・・・凄い・・・」という語彙力ゼロの感想しか出てこなかったころが懐かしいです。今見てもお祭りシーンの細かさや、オムライスを作る手つきだとか、キャラクターの些細な動きも丁寧に描写してあって、作画面のクオリティはほんと凄いな!と思います。ただストーリーは若干詰め込みすぎな感が否めず、アクションシーンがそれほどなかったり、ラストも性急な感じがしたのが残念といえば残念でしょうか。ただお祭り映画らしくオールスターが勢ぞろいですし、ファンなら満足できる作品だと思います。

2期では引き続き澤野弘之さんが音楽を担当。さらに劇場版のEDを担当していたUVERworldが再びOPを担当というのも嬉しいところ。作画も劇場版に近い雰囲気を感じたので、京都編も期待ですね~!

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