バロンのイケメン度 ★★★★
猫度 ★★★
結論:豚の次にカッコイイ。
2002年 日本
監督:森田宏幸
もしあなたが
ちょっと不思議で
困ったことに出会ったら
そこを尋ねてみるといい
そこには・・・・・・
目次
登場人物
人間たち
■ハル(演:池脇千鶴)
ごくごく普通の女子高生。朝に弱い。
冒頭で車に轢かれそうになっていた猫(の国の王子)を助けたことで、猫王から王子の妃に見初められ、「猫の国」へ連れて行かれてしまう。猫の国では姫として持て成されるも、馴染んでいくたびに猫耳が生えたりヒゲが生えたりと、徐々に猫の姿へと変化する。
散々迷惑をかけられた猫たちを気使ったりとお人好しな性格で、ムタが死んだと思いこんだ時には号泣するなど、心優しい少女。クラスメイトのイケメン(彼女持ち)に恋していたが、バロンに心惹かれていく。
■ハルの母(演:岡江久美子)
女手一つでハルを育てているお母さん。
パッチワーク職人をしている。
■ひろみ(演:佐藤仁美)
ハルの友人。ラクロス部に所属している。
持っていたラケットはハルが猫を助けた時にポッキリ折れてしまったが、のちに猫たちがお礼に大量のラケットを彼女の元に届けている。
■チカ(演:本名陽子)
ハルとひろみの友人。メガネ女子。
セリフも出番もちょろっとしかないが、中の人は「耳をすませば」でヒロイン・雫を演じた本名さんだったりする。
■国語教師(演:大泉洋)
ハルが通っている高校の教師。
中の人は「千と千尋」に続いての出演となった。が、まさかその後主演することになろうとは夢にも思わなかった。
■町田くん(演:安田顕)
ハルの想い人。
笑い声すらかっこいいイケメンだが、中の人は変態役に定評がある安田顕さんである。
ちなみにまともなセリフは彼女に「段差、気をつけて」という一言だけ。さらにこの彼女とは終盤では別れている。
バロン(演:袴田吉彦)
ジブリ界で豚に次ぎかっこいい猫。
ただし映画内で登場する猫キャラクターのうち、彼だけは猫ではなく「猫の人形」である。「耳をすませば」に登場したバロンと同じ名と姿を持つが、いくぶん若いという設定なのか、声優は露口茂さんから袴田さんに変更となっている。
男爵=バロンと呼ばれているが、本名はフンベルト・フォン・ジッキンゲン。猫の事務所で所長をしており、困っていたハルを助けてくれる。作中での活躍はまさに女の子が憧れる紳士そのもので、華麗にダンスをしたり、ハルを守りながら杖1本で兵士をノしたり、ハルをお姫様抱っこしたりと、「耳すま」よりもキザ度が上がっている。
バロンの仲間たち
■ムタ(演:渡辺哲)
ハルを猫の事務所まで案内したデブネコ。ブタではない。
見た目は「耳すま」に登場したムーンに似ている。口が悪い皮肉屋で、マジメなトトとは犬猿の仲。カラスと猫なのに犬猿とはこれいかに。
しかしなんだかんだでハルに協力してくれるなど、性根は悪い猫ではない。ハッキリとした女がタイプ。
甘いものに目がなく、猫の国ではマタタビゼリーの中で溺れてしまった。(この様子を見たハルはムタが死んだと思い込み本気で泣いていた)
だがその正体は、猫の国で湖中の魚を食い尽くした伝説の大犯罪者、ルナルド・ムーン。序盤で猫の国に行くことを渋っていたのはこのため。自分の過去を明かした後、バロンと共に最後までハルを守り続ける。
■トト(演:斉藤洋介)
普段は猫の事務所前でガーゴイル(石像)の姿をしているカラス。中の人の影響で滑舌が若干アレだが気にする事は無い。
猫の国を脱出して空から落下してきたハルたちを、大勢の仲間を呼び寄せることで見事に救う。ちなみにこの時ハルは思い切りカラスを踏んづけながら学校まで降りていったのだが「ハルは軽いから大丈夫さ」と言っていた。ムタ「本当か?」
その他のにゃんこ
■猫王(演:丹波哲郎)
猫の国の王さま。
大層わがままで、気に入らないものは即処分するなどかなりの暴君。目の焦点があってなくてちょっと怖い。息子のルーンに恋人がいるとわかった途端、すぐにハルを自分の妃にしようとしていた。この色ボケ猫が!!
最後にはバロンと1対1の決闘をするが、下半身の毛を全部剃られて敗北した。
■ルーン(演:山田孝之)
冒頭でハルに命を救われた黒猫。
非常に礼儀正しいイケメン。実はリア充。
ちなみに中の人は現在は勇者となって仏にこきつかわれている。
■ユキ(演:前田亜季)
猫王の城の給仕係。
ハルに「猫の事務所」の場所を伝え、猫の国にやってきてしまったハルに帰るよう忠告し、その後も助け続けてくれた白猫。実は幼い頃のハルと出会っており、行き倒れそうになっていたところを救われていた。ルーンの恋猫でもある。(ルーンが冒頭で人間界にいっていたのは、ハルがユキにあげたお魚型クッキーを買いにいっていたため)
■ナトリ(演:佐戸井けん太)
猫王に仕える冷静で優秀な第一秘書。
暴走した猫王が塔を爆破する時には「好感度が下がります!」といって止めていた。乱暴な王にも忠義を尽くし、猫王がバロンとの決着に破れ引退を決意したときには、「わたくしも一緒に」と最後まで王に付き添った。
■ナトル(演:濱田マリ)
ハルを猫の国に連れて行ったにゃんこ。実は第二秘書。
ノリがすごく軽い。中の人の声がこれ以上ないくらいハマっている。
■猫コック(演:ミスター)
「とれたてピチピチですにゃ~」
猫の国でハルに料理を出していたにゃんこ。
中の人はオフィスCUE元社長にして水曜どうでしょうのミスター、鈴井貴之さん。ナックスはさておき、ミスターが出演しているジブリ映画はこの作品のみ。ある意味貴重である。
ラスト
好きな時間に食べて寝て、日なが一日ごろごろして・・・そんな楽園の様な猫の国に連れて行かれてしまうハル。だがそこは、自分を見失うと本物の猫になってしまう不思議な国。自分のおせっかいが原因で次々に起こる騒動に、後悔しかけるハル。が、バロンとの出会いで「自分」を取り戻した彼女は、バロンと別れ、無事に日常に帰る。
現実世界に戻った彼女は髪を切り、母親が驚くほど早起きし、バロンが振舞ってくれたスペシャルブレンドの紅茶を入れる。友人が語る町田の別れ話も意に介さないハルの横顔は、以前と比べ大人びていた。ハルはもう、猫の国に迷い込むことはないのだろう・・・。
月島雫の物語
「耳をすませば」に登場した猫人形・バロンが再び登場する今作だが、世界観を共有する続編ではなく、あくまで「ヒロインの月島雫が描いた物語」という位置づけである。
そのため、物語中で「猫の国」の世界観などは説明が殆どされていない。(自分を見失うものが集まる国ならルーンやユキちゃんどうなんの!?とか)
ラストでハルが髪を切っていたのは、バロンへの想い=少女の恋からの卒業を意味しているように思うので、この物語はあくまで雫が少女から大人への成長を軸に描いたものなんじゃないだろうか。だからか、ファンタジーっぽさやストーリーは今ひとつものたりない感は否めない。が、つじあやのさんの名曲「風になる」の爽やかさや、水曜どうでしょうファンには嬉しいゲストなど、個人的には楽しんで観れた映画である。
最後に!
雫ちゃんにケモナー疑惑が浮上。
いや冗談ですけれども。登場キャラの8割がにゃんこ!ということで猫好きにオススメ・・・したいところですが、なんかみんなぬるりと長くて、今観るとちょっと怖い(笑)当時見たときは、大泉さんがその後もジブリに出演し続けるとは思ってなかったなぁ・・・。今ではヘンタイのイメージが全国区に知れ渡ってしまった安田さんが、普通のイケメン役で出演しているという貴重な映画。今週の金曜ロードショーで放送されるので、ヤスケンファンの方はたった一言のセリフを聞き逃さないよう注意してくださいね!
↓大泉さん出演ジブリ映画!
↓先週は豚でした!