「3月のライオン」感想です。
原作は既読なので、アニメ1話以降のネタバレも含みます。アニメ組の方はご注意ください!
羽海野チカ×新房昭之!
桐山零。17歳。
職業プロ棋士──。
養父との対戦を追えた彼を出迎えたのは、三月町に住む、とある三姉妹だった・・・
孤独を秘めたプロ棋士の少年と、東京の下町に住む三姉妹との温かな交流を描いた「3月のライオン」がついにアニメ化!「化物語」シリーズなどに代表される、少々クセのある演出で有名な新房昭之さんが監督ということで、とても楽しみにしていました。まだ初回ですが、ざっくりと感想を述べていきたいと思います。
独特な心理描写
家族を交通事故で亡くし、身寄りがなかった零を引き取った養父・柾近(まさちか)との対戦。原作でも「一手一手、まるで素手で殴っているような感触がした」と語られる零の内面の心理描写は、水に墨汁をたらしたような場面からはじまり、墨のようなものがまとわりつくような演出に。これは原作にはない描写なので、シャフトのオリジナルの演出でした。
印象的な「泡」
OPでも本編でも登場する『河』は、幼い頃、家族と一緒に住んでいた町が河に囲まれた町だったことからか、見ると落ちつくという理由で零が好きなもの。
アニメ本編ではシャフトらしいカット割(?)で、合間合間に『泡』が描写されていましたが、これは心(河)の奥底に沈んでいく零から零(こぼ)れた感情みたいなもの・・・なのかな?
こういったオリジナル描写はあるものの、基本は原作に忠実で、「シャフトらしさ」みたいなものはかなり控えめに思えました。が! カットの入り方やギャグパートのスピード感なんかは、やはり「らしい」のかも?
でも一番力が入っていたのは猫だと思う。
原作者の羽海野さんが愛してやまない生き物・にゃんこ。当然「3月のライオン」でも、川本家の一員(?)として描かれているわけですが、ある意味人間よりも力が入っていたのはこの子たちなんじゃないかと思いました。
何気ない猫の動きの滑らかさが、ほんとすごい!
まさに猫好きによる猫好きのためシーン。一挙一動から伝わってくる、このにゃんこの柔らか~い感じがたまらない。
しかも原作と同じく、にゃんこが本当に喋る。動物のお医者さん形式だ!
色々と見逃せないカット。
もっちりしているのはにゃんこであってあかりさんの胸じゃないぞ!!
ただ少し気になったのは、主にギャグパートで登場人物のセリフと、声優さんの声で再生される効果音(ばばーん!などの擬音)が被ること。シャフトのギャグアニメの演出の一つですが、擬音に気をとられてセリフがちょっと聞き取りにくい気も?キャラのテンションの高さも合わせてかなり騒々しい演出となっているので、この辺は人によって好みが分かれるところかもしれません。
EDはBUMPの「ファイター」
3月のライオン10巻の特典だった曲がEDというのはかなり嬉しい!そしてOPは同じくBUMPの書き下ろし曲「アンサー」。アニメでは、まだ真っ暗な河の底で一人でいる・・・そんな感じの零ですが、この歌のように徐々に光がある方へ浮上していく姿がこれから描かれていくんだな~と思うと、なんだか泣けてきます。
最後に
内心「零くんやあかりさんがいきなりシャフ度になってたらどうしよう」とか思ってたんですが全然そんなことはなかった(当たり前だ)。だがあくまでまだ1話。もしかしたら・・・。
原作では零くんは一回り成長し、現在は周囲の人間模様に焦点をあてたストーリーが多くなって久しいので、アニメ版ではまだ序盤の、零自身の葛藤が描かれているのを見て、なんだか新鮮な気持ちになりました。そして3月のライオンで個人的推しヒロインである香子が井上麻里奈さんで感無量。
これからじっくりと描かれる零の闘い。
来週以降も楽しんで観たいと思います!
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