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テイルズオブベルセリア ストーリー感想⑯(ネタバレあり)~私たちは完全に完璧に幸福です!

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懐かしの王都へとやってきた一行。
けどいつも活気に溢れている港の人たちの様子が、なんだかおかしいぞ・・・!?

※ストーリーのネタバレあり!
※TOZはプレイ済み。

【今回のあらすじ】
導師「市民、幸せですか?」
市民「はい、幸福は義務です!」

鎮静化された人間たち

カノヌシの領域の影響を受けてしまったベンウィックたちを休ませるため、ゼクソン港へやってきたベルベットたち。そこにはいつものやり手の船止め(ボラード)の姿が。

だが虚ろな目をした男は

「自分は利を貪った」
「醜すぎる穢れ、許されざる業だ」

「穢れはなくさなければならない。
私はななければならない」

死ななければ
死ななければ
死ななければ・・・

ただそれだけを繰り返し、自ら海に飛び込もうとする!

ひとまずその場はベルベットが男をぶん殴って気絶させたことで事なきを得た。

どうやらカノヌシの鎮めの力を受けた人間たちは、己の穢れを自覚すると自ら命を絶つという選択をするようだ。

確かに「穢れを生まない」という意味ではこれ以上ないほど"理にかなっている"。しかしこれは・・・。

港の人間たちは一様に欲深い自分を反省し、口々に戒めの言葉を呟く。だがその表情はみな同じで、目に光は一切ない。

さらに王都ローグレスでは、

老いたことで人様の役に立てなくなった。
街ではなく人里離れた場所で、静かに死の時を待つべきだ。

余計な食料を浪費するペットはムダだから、全部捨ててしまおう。

噴水も街の華美な装飾も全てムダだ。

・・・正しい「理」の中で、次々に"余計なもの"を排除しだす人間たち。

自分を不要だと思ったものたちは次々と命を絶ち、大事にしていたはずの犬や猫は「食料のムダ」といって平然と見殺にするなど、もはや人間とは思えない所業を繰り返す。だが、そんなことをしても彼らは穢れを生まない。

怒りや憎しみではなく、
「こうすべきだからこうする」という、至極冷静な判断の上での行動ならば、たとえ何かの命を奪おうとも、人間は穢れないのだ。

そしてベルベットたちの協力者であった闇ギルト・血翅蝶の酒場では、今までの行いを悔いたギルドの者たちが、一つの部屋で最期の時を迎えていた・・・。

意思ある者たち

意思の残っている人間を探して、人がいるのに死んだような街をさまようベルベットたち。

王都で唯一意思が残っていた人間は、
血翅蝶の長のタバサ、パーシバル殿下、そして一人の少女のみ。
だが、殿下と少女は突然現れた天使のような姿をした聖隷が連れ去ってしまう。

タバサが言うには、
自分たちをパーシバル殿下が逃がそうとしてくれていたこと。
そして「聖寮は意思が残っている人間を離宮に集めている」という情報をくれる。

かつての地下道を通り離宮に潜りこむと、カノヌシの魔方陣で強制的に意思を喰われそうになっている殿下と少女を発見。聖隷を倒し王子は救い出せたものの、さっきまでは母親の名を呼び泣いていた少女は、淡々とした表情で「ママは処刑されたわ。あたしのために貴重な食料を盗み出したから」と話し、理に反したのだから仕方ない、とまで言い放つようになっていた・・・。

自分らしく生きる為に

穢れと業魔化の仕組みがある以上、こうするしかない──。

王国と聖寮は、確かに
「人間が穢れを生むことのない理想の世界」を作り出した。

だがこんな世界は恐ろしいというパーシバルから、アルトリウスを止めるよう頼まれるベルベット。

彼女は、以前「飛べない鳥は鳥じゃない」と言ったパーシバルの言葉と同様に、心を凍らせた人間は"生きている"とはいえないと思うと語る。

「だから、あたしたちはあたしたちとして生きるためにアルトリウスを倒す」

「誰に頼まれなくても、勝手にね」

と笑顔で答えるベルベット。
その表情にはもう、恨みや復讐が全てだった時の面影はない。

タバサがいうように、憎しみに振り回される剣のようだったベルベットが、今は自分の意思で剣を振るうようになったのだ。

そんなベルベットを守ると決めたフィー。
アイフリードの誇りを踏みにじったシステムをぶち壊したいアイゼン。
鎮静化を阻止すると誓うエレノア。
恩を返すまで付き合うというロクロウ。
そして全てを見届けたいマギルゥ・・・。

決意はそれぞれ。
だが彼らの目指す方向は同じだった。

夢の中で、再び。

彼らにとどめを刺してしまったあのプリンセシアの花畑で、今度はオスカーとテレサと語り合うベルベット。

謝らない、というベルベットに「謝ってすむ罪などその程度ですから」と答えるテレサ。

そしてオスカーも、「自分は何度でも、同じことをする」と、今までの行いに悔いはないと答える。

目が覚めたあと、
エレノアに「自らの業の深さを思い知った」と冗談混じりで告げるベルベット。

これからテレサとオスカーの魂を使い、四聖主を復活させ、カノヌシの力を再び封じる・・・。その決意は揺るがない。

だがこれからカノヌシ本体と通じている喰魔たちや、フィーがどうなるのか・・・。そのことがまだ、ベルベットの心を揺らし続けていた・・・。

最後に

街の人たちがみんな規則正しく並んでいる姿・・・なんか最近どっかで見たな?と思ったら、最近やったゲームの「INSIDE」でした。あれもディストピア感が凄まじいゲームでしたが、この「鎮静化された王都」は、テイルズ史上最強にエグい展開だったように思えます。街の人に話しかけるのが怖いテイルズなんてベルセリアが始めてだよ・・・。

特にエグかったのは血翅蝶の酒場の2階の部屋ですね。入れないようになってましたが、あの部屋で何が起こっていたかと思うと・・・。セリフだけとはいえそれが余計にキます。

でも極端な話ですが、この世界システムで人間が繁栄して生き残っていこうとすると、究極的にはこういう考えになるしかないよな、とも思います。ただどっちかってゆーと、業魔になっても理性を保つ方法を考えて、人類みな業魔になっちまった方が世の中平和なんじゃね!?って気もしますが・・・。

とはいえこんなパラノイアも真っ青な世界はごめん被るので、とっとと火山に魂をブチ込みにいってきます!

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