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【映画】ジョーズ(JAWS)ネタバレ感想~サメ映画の元祖!スピルバーグ監督らしいド派手なエンドが最高!

ジョーズ [DVD]
パニック度 ★★★★
BGM ★★★★★
サメのリアルさ CGなんぞに負けてない
結論:子供の頃みて海水浴が嫌いになった映画。

1975年 アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ

※犠牲者&生存者&ラストのオチ含むストーリーに関するネタバレあり

ストーリー

アミティ島。
殺人事件どころか犯罪も滅多に起きない平和なこの島では、海が唯一の観光資源となっていた。しかし、海開きを目前にして若い女性の遺体が発見される。警察署長のブロディはサメの仕業だと遊泳禁止を訴えるが、利益を優先する市長はそれを受けつけない。が、そうこうしているうちに少年が犠牲になってしまう・・・。

その後、少年の母親がかけた賞金目当てに大規模な狩りが行われ、結果大きなイタチザメがあげられる。これで万事解決かと浮かれる市長たちだが、海洋学者のフーバーは噛み跡の大きさを比べ「人食いサメは別にいる可能性がある」と進言するが、聞き入れてもらえない。

そして海開き当日。
入り江で遊んでいたブロディの息子・マイケルがサメに襲われてしまう!

4人もの犠牲者をだし、ついにサメを殺すことに同意した市長。地元の漁師・クイントと共に、ついに巨大サメとの死闘がはじまった!

登場人物

■サメ
演:ブルース

この映画の真の主役。
体長8メートル・体重3トンというとんでもなく巨大なホオジロザメで、通常のサメでは考えられないほどのパワーを持つ。銃で撃たれようが意に介さず、しまいには船に自ら飛び込む・謎の吠え声をあげる、などもはやバケモノ。実際のサメは声帯がないから吠えないよ!

ラストは「ボンベを咥えさせ、それを撃ち爆破させる」という斬新すぎる方法で盛大に爆散した。この「爆破オチ」なる撃退方法は、のちのモンスターパニック(特にサメ系)映画や、バイオ2のアリゲーターなど様々な作品で登場することとなる。

撮影用のサメロボットの愛称はブルース。出来はあまり良くはなかったらしいが、スピルバーグのカメラワークが為せる技なのか、嘘臭さを全く感じさせないリアルな映像となっている。

ちなみにフーバーに襲い掛かって檻を破壊するシーンのサメは、ロボットではなく本物のサメの映像。檻を壊させる映像を撮ろうとしていたが、エサだけ食べてなかなか檻を襲わず難儀していたところ、たまたま網が引っかかりサメが大暴れしたらしい。サメには迷惑極まりなかっただろうが、そのシーンは迫力満点になっている。

■マーティン・ブロディ
演:ロイ・シャイダー
アミティ島に赴任してきたばかりの警察署長。元々はNYで働いてたが、犯罪が多すぎて忙しかったため平和なアミティ島へ越してきた。しかし、冒頭から子供がイタズラして物を壊しただの違法駐車だのあっちこっちから言われているので、人がいない分こっちだって充分忙しいのでは・・・。

市長からは相手にされず、犠牲者の遺族からは責められるなど苦労が絶えない人物だが、サメによる犠牲者が増えていく中、クイント、フーバーと共にサメ殺しに挑む。海辺に住んでいるのに水が大の苦手でヘタレな面が目立っていたものの、映画では終盤に覚醒。彼が最後に言い放った「Smile you son of a bitch!」は一生に一度言ってみたい決めセリフ。・・・リアルで言ったら間違いなく怒られるが。

■マット・フーバー
演:リチャード・ドレイファス
ブロディが呼んだ海洋学者。
遺体の様子から死亡原因が大型のサメによるものであると断言。傷口の大きさから、地元の猟師たちが捕まえたイタチザメが人食いサメではないことも見抜き、海開きを中止するよう助言するなど有能な学者。だがサメとの対決にも同行するなど、行動力と度胸も併せ持つ。
原作では死亡フラグが建っていたが・・・?

■クイント
演:ロバート・ショウ
地元の漁師。
まさに荒くれものといった風貌と態度で、学者肌であるフーバーとは衝突が絶えない。が、サメとの戦いを経てなんだかんだで意気投合、お互いの傷を見せあうまで仲よくなっている。

実は第二次世界大戦中、あの巡洋艦インディアナポリス号に乗っており、広島に落とす原爆を届けるという極秘任務を行っていた。しかしその帰り日本海軍の魚雷で撃沈、1100名の乗員は海の中放り出されてしまう。極秘任務のため救援がなかなかこず、その間、空腹と寒さに震えていた乗員たちは、次々にイタチザメの餌食となり、最後には316名が救助された。(現実にはサメの襲撃もあったが、救助が遅れている間に衰弱死した人が大半だったらしい)

この経験からかサメ殺しに並々ならぬ執念を燃やしていたが、船に自ら飛び込んでくるというありえないアクションをしたサメに派手に喰い殺されてしまった。

■エレン・ブロディ
演:ロレイン・ゲイリー
ブロディの奥さん。彼を支える良き妻だが、メイキング映像の未公開シーンでは、ヤカンを焦がして穴を開けてしまったり、わんちゃんにエサをあげる時にバラバラとこぼしまくったり、実は物凄い不器用なんじゃないかと思われる描写がある。

全4作通して一番サメの被害にあっているのは、ある意味この人。

■ボーン市長
演:マーレイ・ハミルトン
映画を見ている大半の人が思ったはずだ。コイツが喰われればいいと。
利益を優先して被害を拡大させてしまうという、後のモンスター映画にも必ずといっていいほど登場するヒールだが、自分の息子が泳いでいた最中に事件が起きたことで改心。2ではブロディの味方となってくれる。

■マイケル・ブロディ
演:クリス・レベロ
ブロディの息子。長男。
父親からの言いつけを守って入り江で遊んでいたというのにサメに襲われる。が、名も無きモブの活躍で事なきを得た。
「ジョーズ3」では主役となり、サメと戦う。

■ショーン・ブロディ
演:ジェイ・メロ
マイケルの弟。まだ幼い。
彼がブロディのモノマネをするシーンはこの映画最大の癒しポイント。

だがしかし4作目では・・・。

■クリシー・ワトキンス
演:スーザン・バックリーニ
冒頭の女性。
この映画を代表する記念すべき(?)第一犠牲者。

■ボートの男
演:テッド・グロスマン
入り江で遊んでいたマイケルらに声をかけてくる優しそうな青年。彼が襲われる時にはじめてサメが全体像を現すので、その死に様は非常に印象的。ちぎれた足が沈んでいくシーンはトラウマもの。

本編ではカットされたが、この男性、実際はサメがマイケルの方へ向かうシーンで、なんとサメに咥えられたままマイケルを抱きかかえ、身をもってサメから守りきったあと、自身はサメと共に沈んでいくという凄惨な死に方をする予定だった。

後味が悪いという理由でカットになったが、名も無き彼の勇姿はメイキング映像で見れる。

いま見ると意外に地味?なモンスター映画

本編が2時間以上と長めな映画にも関わらず、サメがばばーん!と姿を現すのは中盤になってから。クイントが襲われるシーンのインパクトが凄いせいかサメの印象が強いが、実際はそんなに出てこない。

「美女が水中で何者かに引きずりまわされて沈む」という冒頭の有名シーンにはじまり、サメ映画なのにサメをあまり登場させないという試みが非常に良い恐怖演出となっている。

個人的に好きなのは、賞金目当てに地元の漁師が桟橋にエサ繋げ、それに喰らいついたサメが桟橋をぶち壊すシーン。漁師が落っこちた途端、海面に浮いている桟橋がくるぅり・・・と漁師の方を向くという、さりげないが途方も無く怖い演出だと思う。

こうして考えると、冒頭のクリシー、少年、ボートの青年、いつの間にか襲われたてた漁師のベン、クイント・・・と、犠牲者の数は5人。以外に少ないかもしれない。

サメがいなくても名シーンは多し!

息子が死んだのは貴方のせい、と少年の母親から責められた後、落ち込むブロディを見て、横でブロディの仕草をずっとマネするショーンのシーン。子供が犠牲になるという展開のあとでみると、切なくも暖かい気持ちにさせられる。

このほか、すっかり仲良くなったクイントとフーバーが、サメに噛まれたキズを自慢しあってフザけあいながら、ふとクイントが自分の過去を語りだす・・・という、それまでのコミカルなやりとりから急にシリアスになる落差が素晴らしいシーンなど、恐怖シーン以外にも秀逸な場面は多い。

原作はピーター・ベンチリーの小説!

原題の「ジョーズ」という単語からサメというイメージをすぐ連想してしまうが、よくよく考えれば英語でサメはシャーク。JAWSという単語はそもそも「顎」という意味なのだ。そのため1975年に発売された小説のタイトルは「ジョーズ──顎」となっている。・・・邦題で「顎!」とか「激突!」風なタイトルにならなくて本当によかった。

原作はフーバーの生死やラストの展開などが映画版と異なる。特にクイントの死因は、原作では『白鯨』に登場するエイハブ船長と同じ死に方となっている

ちなみに『泳いでいる女性の下から迫り来る巨大ザメ』という超有名な映画のポスター(パッケージ)は、この原作小説の表紙から。

現在は古書扱いなので、入手は難しいかもしれない。

映画史に残る最高のBGM

ジョン・ウィリアムズが二本指で弾いて聞かせてくれたという、最高のBGM。
海面に背ビレしか見えないという恐怖を最高に煽る、このBGMあってこそのジョーズといっても過言ではないだろう。

ところでこのBGMに「さーめ、さーめ、さめさめさめさめサメサメサメサメサメ・・・♪」って歌詞つけて歌ってた子供は自分だけだろうか。

※こちらのブルーレイには日本語吹き替え版も収録されているが、ソフト版に新規収録されたもので、テレビ放映時のものとは違う。ご注意!

最後に!

当時幼稚園だった自分はこの映画を見て「海に行くとサメに喰われるんだ!!海こええ!!」と、バカでかいサメが海にいるもんだと素直に信じ、海水浴は命がけでいくもんだと思ってた(そして子供の頃の数少ないトラウマ映画の一つとなった)。

しかしこの映画の影響でホオジロザメが逆に狩られる側になってしまったので、サメにとっても恐怖映画に・・・。そう考えると、昨今のサメが台風に乗って降って来たり、頭が2つになったり3つになったりする現実感がない映画の方が、リアルなサメにとってはいいのかもしれませんね。

↓アミティが再び恐怖のズンドコに!続編の感想はこちら!

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