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【映画】フッテージ ネタバレ感想~8ミリフィルムに遺された惨劇の謎を追え!

フッテージ スペシャル・プライス [Blu-ray]
『家族一緒に』
『プールパーティー』
『バーベキュー』
『おやすみの時間』

それはどこにでもある
家族の団欒の記録だった
──途中までは。

胸糞度 ★★★★
グロ度 ★★★★

結論:予告編の出来が秀逸。

原題:Sinister
2012年 アメリカ
監督:スコット・デリクソン

※ラストのオチ含むネタバレあり。未視聴の方はご注意!※

/主要人物/
■エリソン・オズワルト(吹:大川透)
犯罪ノンフィクション作家。
かつてはベストセラーも執筆したが、それ以後10年間もヒット作に恵まれていない。貯金も底をつき思い悩んだ挙句、奥さんには内緒で一家惨殺事件が起きた家にわざと引越してきた。だが、事件を調査して真相を暴く→新作にする→再びベストセラー作家の仲間入り!借金も返せるぜヒャッハー!・・・という甘い考えが、のちの悲劇を呼ぶ。

■トレイシー(吹:氷上恭子)
エリソンの妻。
何も知らないままエラいところに住むことに。

■トレヴァー(吹:鍋井まき子)
12歳の長男。
病気の発作が時々起こる。
この子の裸ダンボールが今作最大のびっくりポイント。

■アシュリー(吹:古木のぞみ)
トレヴァーの妹。
引っ越してから不気味なイラストを描くようになった。

■副保安官
エリソンのファン。
だからといって事件の調査に協力してくれるとか太っ腹にもほどがある。というか実質事件の謎を解いたのは主人公じゃなくこの人。

あらすじ

忌まわしい事件が起きた家に引っ越してきたエリソンは、屋根裏部屋で謎の8ミリフィルムを発見。そのフィルムには、とある家族が無残に殺されていく様子が写されていた。

ある家族は首を吊られ、
ある家族はプールに沈められ、
ある家族は生きたまま焼かれ、
ある家族は芝刈り機で・・・

撮影された年代も地域もバラバラなこれらのスナッフフィルムは、一体誰が映したものなのか?

副保安官の協力を元に事件の詳細を調べ始めたエリソンは、一家惨殺事件では必ず子供が一人行方不明になっていること、そしてどのフィルムにも、ある紋章と謎の男「ミスター・ブギー」が映っていることに気付く。果たしてこの男が、一家を惨殺している犯人なのか?

カルト犯罪のジョナス教授によれば、この紋章は子供を喰らう悪魔・ブグールのものだという(古代バビロニアの時代から存在するもののマイナーな邪教らしい)。

だが事件で失踪したと思われる子供の幽霊が現れたことでビビったエリソンは、元の自分たちの家に戻ることを決意。
これで一安心・・・と思いきや、副保安官が驚愕の事実を発見する。

なんと今までの殺人事件は無秩序に起きたわけではなく、

「ブグールによる殺人事件があった家に住んだ家族は、引越し先で必ず惨殺される」

という法則があったのだ。

さらに、
元の家の屋根裏部屋に、なぜか再び映写機とフィルムが置かれていた。しかもフィルムには「未公開エンディング」が追加されている。

そこには、
フィルムを撮影している人物・・・一家惨殺事件の真犯人の姿が映っていた。

それは・・・

ラストのオチ

失踪したと思われていた子供だった。
家族惨殺事件は、ブグールにより心を乗っ取られた、その家の子供たちが起こしていたことだったのだ!

真相に気付いたエリソン。
その直後、なぜか意識を失ってしまう。

気付いた時には、家族と共に縛られた状態で床に横たわっていた・・・娘・アシュリーを除いて。

『もう一度有名にしてあげる』

エリソン・オズワルド。
今現在、彼のことを知らない者はいない・・・

最大の見所:作中の殺人フィルムの凄惨さ!

原題のSinister(「邪悪な~」や「紋章」という意)を『フッテージ』というタイトルに変更。さらに悪魔オチを連想させないよう、殺人フィルムに焦点を当てた予告編の作りは秀逸であり、そしてそれが全てでもあった。

この映画の最大の見所は本編の謎解き要素でも主人公のビビりっぷりでもなく、多種多様に家族を惨殺していくスナッフフィルムである。特に1番最初のフィルムの「首吊りシーン」の凄惨さはインパクト大(子供が一番最初に動きが止まるのがリアル・・・)。これだけでほぼ掴みはOK!。その後の展開も全て許されている感がある。

無音の中、この映像が淡々と流れる予告編はホラー好きの心をくすぐるには充分だったといえよう。

しかし、いちいち深夜にフィルムを確認しては物音にビビりまくり、何故か電気をつけないで家の中を確認する主人公にはイラっとさせられる。

大体犯罪ノンフィクション専門の作家の癖に、肝心の謎解き部分を全部エリソンのファンである副保安官がやってしまうのもどうなんだ。もう副保安官が本を書くべきである。

悪魔オチが許せるか否か

自分はどうにも「コレは全部悪魔の仕業だったんやー!」「な、なんだってー!」というオチが苦手である。
オーメンやエクソシストのようなクラシカルな悪魔ものだったり、死霊のはらわたぐらい単純明快なものは好きなのだが、こういう風に「古代からこの邪神ガー」ともっともらしく説明されたところで、一体こいつはちまちま人を殺し続けて何したいのか、ヒマなのか。神様はどうした仕事しろ!!と思ってしまうからだ。

大体わざわざ8ミリフィルムを用意してまで映画の撮影させ、さらに悪魔自身まで見切れちゃってる理由もよくわからない。撮影してたら監督が映っちゃったようなもんじゃないの?

この辺の強引さが許せるかどうかでこの映画の評価が変わってくるのではないかと思う。(一応映画撮影の謎は続編で解明されてはいるが)

~こんな人にはオススメできません~
■子供が死ぬのがマジ胸糞な人
話の都合上、絶対に子供が犠牲になる。
しかも殺し方がとにかく残酷なので、ホラーは好きでも胸糞なのは好きじゃないという人はやめておいた方がいい。

最後に

悪魔が噛んでいるとはいえ、犯人たった1人で大人2人を吊るしたり縛り上げたりすんの無理あるだろ!という疑問が拭えないので、本当はブギーさんもちょこちょこ手伝ってあげてたのかもしんない。

しかし、まさかこの内容で続編が出るとは思いもしなかったなぁ・・・。続編ではミスター・ブギーこと悪魔ブグールの謎がちょっとだけ解明されるので、今作が好きな人はぜひレンタルで借りてみてはいかがでしょうか?

↓続編はこちら!