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【映画】オーメン 感想~666は悪魔の数字!?リメイク版との違いについても!※ネタバレあり

オーメン (特別編) [DVD]

"Here is wisdom.
Let him that has understanding
count the number of the beast:
for it is the number of a man;
and his number is 666."

──Book of Revelation Chapter 13 Verese 18

"知恵はここにあり
心ある者は獣の数字を数えよ
数字は人の数字にして666なり"

──黙示録 第13章 第18節

BGM ★★★★★
恐怖度 ★★
結論:人間側のサポートがダメダメ!

1976年 アメリカ
監督:リチャード・ドナー

※オリジナル、及び2006年のリメイク版「オーメン666」のラストのオチ含むストーリーのネタバレあり。
未視聴の方はご注意ください。

/主要人物/
■ロバート・ソーン
演:グレゴリー・ペック
外交官。
子供が死産してしまったが、ある神父から、同じ時間に病院で産まれた身寄りのない赤ん坊を引き取り、我が子として育てるよう促される。妻のために、赤ん坊を自分たちの子供して引き取ったロバートは、その後駐英大使に任命。仕事もプライベートも充実した幸福な日々を送っていたが・・・。

リメイク版ではオリジナルより演者の年齢が若い為、序盤は「副大使」という扱いだった。が、現大使が炎上したため、繰上げ的に駐英大使となった。

■キャサリン
演:リー・レミック
ロバートの妻愛称はキャシー。
だがとある事件をきっかけに、徐々にダミアンを恐れるようになる。

■ダミアン
演:ハーヴェイ・スペンサー・スティーブンス
無邪気で可愛いロバート夫妻の息子。
生まれてから5年間一度も病気をしたことがない。

リメイク版には成長したハーヴェイがモブとして出演している。

■ホリー
演:ホリー・パランス
ダミアンの乳母。
ダミアンの誕生日パーティー中に突然、「ダミアン!好きよ!見て、あたなのためにやるのよ!」とヤンデレな台詞を叫んだ挙句、満面の笑顔を浮かべたまま、屋根の上から飛び降りて首吊り自殺するというクレイジーな死に方をした。

■ベイロック
演:ビリー・ホワイトロー
死んだダミアンの乳母に代わり新たにやってきた女性。
明らかに怪しい。
勝手に犬を拾ってきてダミアンの部屋で飼い始めたりとやりたい放題。なんでクビにしなかったし。

リメイク版で彼女を演じているのは、「ローズマリーの赤ちゃん」で主人公を演じていたミア・ファロー。オリジナル版の怪しい雰囲気がそっくりである。

■ブレナン神父
演:パトリック・トラフトン
いきなりロバートの元に現れ「キリストを受け入れなさい!!」とまくし立てた神父。もっとうまいことやれなかったのか。

■ジェニングス
演:デビット・ワーナー
記者。
自殺した世話係や死んだ神父の生前の写真に、共通の影が映っていることに気付く。鏡に映った自分にもその影が映っていた為、ロバートと共に事件解決のため尽力する。必要なことはほぼこの人が調べてくれたようなもので、映画最大の功労者だったのだが・・・。

■スピレット神父
演:マーティン・ベンソン
冒頭でロバートに養子をとるように促した神父。現在は修道院にいるが、5年前に起きた病院の火事に巻きこまれ、右半身を火傷で負傷し口を聞くことができない。が、筆記でダミアンの母親の墓の場所を教えてくれた。(この負傷箇所は「羊を見捨てた羊飼いは右腕右目を失わめよ」という聖書の言葉どおりのもの)

話の流れから、
ブレナン神父とこのスピレット神父が、ロバートの本当の子供を殺し、ジャッカルの子供であるダミアンをわざと養子にとるよう仕向けたのだと思われる。しかし、なぜ神父がこんなことをしてしまったのか。ブレナン神父は死亡したのになぜ生存しているのか、悪魔の手先になったというのに、今更味方になってくれるのはなんでなのか・・・疑問が残る人物ではある。

■ブーゲンハーゲン
演:レオ・マッカーン
悪魔の倒し方を知っている人物。
ブレナン神父の最後の言葉通り、悪魔を殺すための短剣と、具体的な殺し方を教えてくれた。

なぜかリメイク版では言動や行動が大分ヒステリックになっており、ロバートがいうようにぶっちゃけ酔っ払いのたわごとにしか見えない。

悪魔のサポート体制は万全だ!

ダミアンの5歳の誕生日にすぐに悪魔専用の世話係を派遣する、ついでに番犬もやってくる、さらに謎の力でジャマものは消す・・・と、ダミアンを守ろうとする悪魔側のサポートは完全だ。

それに比べて人間側といえば、何の説明もなく突然「キリストを受け入れろ」とトチ狂ったことを言い出したり、わが子を殺すのを躊躇している人間にただ「あれは悪魔なんだから情は捨てろ!」と言うだけ・・・これは情けない。

神様的には「だから聖書に書いておいたでしょ!」ってことなのかもしれないが、悪魔側が紹介状まで偽装して人間社会の理に合わせているのに対し、初対面の人間にいきなり「ああしろこうしろ」としか言えない人間しか味方にいないというのは、さすがにロバートも無理ゲーではないだろうか。(正直神父たちよりも、素人のはずのカメラマンの方が遥かにお役立ちである)

リメイク版との違いについて

ストーリーや細かい部分も含めてオリジナルに忠実なリメイク版だが、デジカメやスマホが登場するなど、現代の時間軸にあわせた描写が増えている。また、ダミアンの描写など一部大きく異なる部分もある。

ダミアンの描写

■見た目
オリジナル版のハーヴェイは茶髪でくるくるとした巻き毛だが、リメイク版のダミアンを演じたシーマスは、黒髪に前髪ぱっつんのストレートで、蒼い目が印象的な子供になっている。

■性格
これが最も異なっている。
オリジナル版では友達と一緒になってはしゃいだり、動物園のサルにビビって泣き出したりと普通の子供の様に可愛らしいダミアンだが、リメイク版では、一切病気をしない、感情を表に出したり、襲ってきた動物にビビる描写もない。既に自分が悪魔であることを自覚しているような怪しい動きも多いため、オリジナル版よりもかなり不気味度があがっている。
(そのためオリジナル版では可愛いわが子を殺せない父親の葛藤がダイレクトに伝わるが、リメイク版では少々同情しづらくなっている)

とはいえ、ハーヴェイの可愛らしさとラストの含みがある(ようにみえる)笑顔や、リメイク版のダミアンを演じたシーマスの、蒼い瞳でジッと見つめる様子や、普通の子供とは違う神秘さを感じさせる佇まいなど、子役の演技は双方素晴らしい。

キャラの死に様

■ブレナン神父
串刺しシーンが(当時の映像技術的に仕方がない面もあるが)オリジナル版は降ってくる避雷針をウェルカム体勢で受け入れているように見えなくもない。リメイク版の方が鮮烈で、ポーズが格好良い気がする。

またリメイク版ではブレナンを入れさせまいと、教会の内側から勝手に鍵が掛かる描写がある。教会の中に入れるとか悪魔チートすぎやしないか。

■ジェニングス
スッパーン!とガラス板で見事に首がふっ飛んだオリジナルとは違い、リメイク版では切り離された首ではなく、首が無くなった胴体が転がってくるという描写に変更。凶器もガラス板ではなく、看板に変更された(これは、オリジナル版の「坂道を下っていく車」がリメイク版の冒頭の大使の死亡シーンに使われたためだと思われる)

■キャサリン
オリジナル版ではダミアンによって突き落とされて病院で入院していた際、ロバートから「すぐにそこから離れろ」という電話があり、指示どおりに逃げる直前、ベイロックから窓から突き落とされてトドメをさされてしまう。
しかしなぜかリメイク版では、注射器で点滴に空気を入れるという地味な殺し方に変更。夫と電話で会話すら出来なかった。

ダミアンが警備員に暗示をかけているような描写があるとはいえ、看護師に面会の許可もとっている上に、物証が残る殺し方をしちゃうというのはいかがなものか?

■ベイロック
オリジナル版ではダミアンを守るため物理で挑んでくるも、ロバートに首を突き刺されて死亡する。リメイク版では斧で車のフロントを破壊しようとして、そのままロバートに跳ねられた。どちらもアグレッシブな死に方である。

その他

■最初のウソ
リメイク版では「子供が死産した」だけではなく、「そのせいで奥さんは二度と子供が産めない体になった」とまでウソをついている。

また病院の雰囲気も、オリジナル版は普通の病院だが、リメイクでは妙に真っ白でどこか怪しい雰囲気になっている。

■黒い犬の描写
オリジナル版では、最初にダミアンと乳母・ホリーが見る黒い犬の幻影も、のちにベイロックが拾ってきた犬や母親の墓で襲ってくる犬も全て同じ犬種となっている。

リメイク版では最初の幻影の犬はジャッカルであり、現実世界にいる他の犬とは違う。(聖書では「獣」がジャッカルと訳される場合がある。また、イギリスではブラックドックという黒い犬の姿をした妖精は死の象徴とされている)

■メイドの有無
オリジナル版ではロバートの家に可愛いメイドさんがいる。(のちになぜか退職しているが・・・)

こちらも名曲!「アヴェ・サタニ」

ジェリー・ゴールドスミスによる重厚な音楽は今作の聴きどころ!特に印象的なテーマソング「アヴェ・サタニ」・・・禍々しいながらも荘厳で、悪魔(サタン)を称えた賛美歌でもあるこのBGMは、あのエクソシストと並ぶホラー映画の名曲である。

最後に

Omenとは前兆という意味ですが、アーメンと何か関係があるのかと思ったらこっちはお祈りの最後に言う言葉なだけで、特に関係なかった!なんかガッカリ(?)

オリジナル版を久しぶりに視聴しましたが、あらためて見ると、死にっぷりはそれぞれ印象的で斬新だけれど、びっくりさせたりグロ要素でビビらせたりするようなものではなく、じわじわ攻めていく系のホラーでした。201日・・・6が3つのまさにオーメンの日に見ることが出来てよかったです!

実はこの日・・・6月6日のアクセス数第一位の記事が、同じく悪魔ものである「OUTCAST」というドラマの記事だったんですけど、そのPV数が・・・なんと「666」!!

目を疑いました。
こんなことってあるんですね・・・!

↓神様もっと頑張って!?

↓悪魔さん宣伝乙!(?)