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【映画感想】ブラックスワン~ナタリー・ポートマンの肩甲骨に萌える※ネタバレあり

ブラック・スワン (字幕版)

ナタリー・ポートマン ★★★★★
サスペンス ★★★★
ホラー ★★
結論:映像がわざと粗めなのが素敵!

アメリカ 2010年
主演:ナタリー・ポートマン

※ストーリーのネタバレあり。未視聴の方はご注意!※

/主要人物/
■ニナ(吹:坂本真綾)
バレリーナ。
模範的な性格であり、踊りには完璧を求める。そのため「白鳥の湖」の主役に抜擢されるも、誘惑的な「黒鳥」を演じきれず苦悩する。また、自身よりも奔放で黒鳥のイメージに近いとされるリリーの存在にも焦りを感じていた。

そして身の周りで巻き起こる不可解な出来事。ニナは徐々に現実との境を失っていく・・・。

■エリカ(吹:竹口安芸子)
ニナの母親。
自身も元バレリーナ。

■トマ(吹:森田順平)
ニナが所属しているバレエ団の監督。当初はニナの踊りを「不感症の踊り」と評していたが・・・。

■リリー(吹:小松由佳)
ニナと同じバレエ団に所属している新人。ニナとは何もかも正反対。

圧巻のバレエシーン

冒頭から映るバレリーナのつま先のアップ。素人目にもそのトウシューズが黒く汚れ、使い古されているのがよくわかります。自分はバレエのことは全く知りませんが、この映画に登場する細かいシーンの数々・・・

・トウシューズの中敷を剥いで縫い直す
・リボンの端っこをライターで焼く(ほつれ防止用)
・滑らないようにするためにわざと底を傷をつける

といった、リアリティ溢れる描写には心惹かれました。バレリーナといえばダンサーで、もっぱら体を使うイメージしかありませんでしたが、こんな大改造みたいなこともたくさんしなければいけないんですね。

そして改めて、バレエを踊っている姿って本当に美しい。鍛え抜かれたバレリーナたちの肉体美にも惚れ惚れします。特にグッとくるのは後姿!!ナタリー・ポートマンの背中の肩甲骨のラインがすばらしく綺麗!背中はあまり客席からじぃ~っと見ることは出来ないので、これも映画ならではの演出ですね。きっと監督も肩甲骨萌えだって信じてる。

母親と娘の関係性

自身も元バレリーナであり、出産を機に引退した母親。常にニナの世話を焼くが、ストーリーが進むにすれそれが度を越していることが明らかになってくる。(父親の姿は全く描かれない。離婚?)

ニナの部屋はとっくに成人した女性のものとは思えないほどピンク色に飾られ、子供が持っているようなふわふわのぬいぐるみがたくさん置いてある。これはニナの趣味というより、母親がいつまでもニナを大人としてではなく、自分の娘(子供)としてみているせいではないだろうか。

作中でニナが男性に対して性的な接触を拒んだり、自慰すらまともにしたことがないような描写があるが、これは父親が不在の家庭で禁欲的な生活を母親が強いていたことによるものなのかもしれない。

黒鳥・リリー

トマからも黒鳥にふさわしいと評されていた、ニナのライバルであるリリー。タバコにドラッグ、男遊びとニナには決して出来ないことを当然のようにする彼女に、役をとられるのではないかという焦りと嫉妬を募らせていくニナ。

幻覚のリリーは常に抑圧されたニナの感情を代弁するような形で現れ、ラストでは黒鳥の衣装を着た姿で現れるが、中盤ではニナがリリーと交わるシーンがある。

これは単なる夢というより、彼女(リリー)になりたい、一つになりたいというニナの思いが幻覚となって現れたのではないだろうか。嫉妬しているということは同時に憧れているということでもある。このシーンはリリーを感じ、彼女を取り込みたいというニナの願望を表わしたシーンだと思う。

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【最後に】
ラストはニナにとってはハッピーエンドなんでしょうね。理性と魔性、その両方を解き放ったことで、彼女はずっと追い求めていた「完璧」な踊りをすることができたのですから。

個人的には恐怖演出よりも、割れた親指とか爪をハサミでチョッキンするシーンの方が怖かったです。痛い痛い!!

↓現実と虚構が入り乱れるサスペンス!