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乙一さんの小説「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」感想!※若干ネタバレあり(ダ・ヴィンチ5月号より)

なごみ探偵おそ松

松ロス状態のみなさん!エア松さんしてる場合じゃないですよ!?今日はあの乙一さんによるおそ松さん書き下ろし小説の発売日!なんでもなごます「なごみ探偵」が再びやってきます!一体彼は、小説でどんな活躍をみせるのでしょうか・・・?

※ストーリーやあらすじについて若干ネタバレしています。少しでも設定を知りたくないという方には非推奨です。
※ラストのオチには触れていません。

結論:トト子ちゃん好きにおすすめっ!

内容はあの8話・Aパートを題材にした、本格的な殺人事件!普段の「おそ松さん」とは違うシリアスな空気に面食らいつつも、よくよく読みこんでいくと、ところどころにおそ松さんテイストが・・・?

登場人物たち

■トト子
イヤミの洋館に勤めるメイド。この物語の語り部でもある。
手が魚臭いらしい。

■イヤミ
洋館の主。
勤め人たちをこき使う嫌味な人物。

■チビ太
おでん命の料理人。

■カラ松
イヤミに雇われている庭師。
洋館に住んでおり、キザでウザいながらも人柄の良さからチビ太やトト子との仲も良好だった。が、ある日死体で発見される。

■トド松
新品スーツを着込んだ刑事。

■チョロ松
中折れ帽子にトレンチコートというどっかのとっつぁんみたいな格好をした古風な刑事。

■十四松
ノリが本編にわりと近い鑑識。(でも仕事は真面目)

■なごみのおそ松
毎度おなじみ事件を解決しない探偵。

■ジェイソン
鉄仮面の謎の男。
血まみれの包丁を持って何気なく登場。なぜか黒猫をつれている。
アニメとは違い今度はちゃんと存在をツッこんでもらえた。

感想!

乙一さんといえば、ホラー好きの私にとってやはり「GOTH」と「ZOO」のような、ゾッとするようなお話を書く印象が強い作家さんです。読む前までは「なごむどころかあの実松さんを超える欝展開だったらどうしよう・・・?」とちょっとだけビクビクしてたんですけど、フタを開ければ本編ではただただカオスだったあのノリが、乙一さんの文章によって推理小説の体を為していて大変に面白かったです!

物語はアニメ本編の「なごみ探偵」の続編というより、パラレルワールド的な位置づけと考えた方がいいかもしれません。共通しているのはカラ松が死亡したことで、刑事となごみ探偵が呼ばれたこと。それ以外の設定はほぼ変更されており、例えばカラ松が殺された凶器がアニメでは包丁、小説では鋏になっているなど、ほぼオリジナル展開となっています。

まぁ、それでもカラ松が犠牲者なことに変わりないんですけどね!アニメではガウン姿で殺されていたカラ松が「職業:庭師」になっていたのには爆笑しましたが、本編と変わらず、このお話の中でもカラ松はキザだけど優しい男でした。不憫だけど!

乙一さんご本人もおそ松さん好きということで、ダヨーンやデカパンのコンビも脇役として登場したりアニメネタがあったりと、キャラクターの特徴もそれぞれ生かしたお話になってましたね。

全編トト子ちゃんの一人称で話が進んでいくのですが、この文体が非常に重厚さとシリアスさを出していて、結構「え?これおそ松さんだよね?」と思うぐらいちゃんとした推理要素もあったりします。なので途中まで読んでいると、ちょっと真面目に推理しなきゃいけないんじゃ?って思っちゃうんですけど、最後にはちゃ~んとおそ松さんらしいオチに。個人的にこのオチは最高でした。トト子ちゃん好きなら一度は読んで欲しいですね!

あと余談ですが、トト子ちゃんが(文字上で)「カラ松君」って何度も呼んでるんですけど、あんまりアニメでは6つ子それぞれの名前で呼ぶことがないので、なんかすっっごい新鮮でした。松ロスに陥ってる人にも、文字媒体のおそ松さんって案外新鮮で面白いんじゃないかな~と思ってみたり。

ダ・ヴィンチ 2016年5月号

ダ・ヴィンチ 2016年5月号

 

【最後に!】
表紙が私が大好きな大泉洋さんで、ZOOやGOTHで大好きな乙一さん大好きなおそ松さんの小説を書く!!・・・そんなん買うしかないじゃん!てやんでーばーろーちきしょー!!思った以上に小説が面白くって個人的には大満足です。あと、舞城王太郎さんが好きな方にもこの号はオススメですね。「小生物語」の書き下ろしスピンオフがおそ松さんネタなので(笑)(この号には他にも、乙一さんがゲーム実況のキヨさんと対談してたりと、自分の大好きなものばっかなんです。なにこれ幸せ!)

松ロスで淋しい思いをしている方には、ぜひ読んで欲しい作品です!

 

↓こっちの小説も色々とヤヴァイよ!

↓なごみ探偵のアニメ感想はこちら!