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ファイナルデスティネーション ネタバレ感想~襲いくる死の運命・・・姿なき死神から逃げ切れるか!?

ファイナル・デスティネーション(2000) (字幕版)

恐怖度 ★★★
グロ度 ★★

結論:ピタゴラスイッ死。

2000年 アメリカ
監督:ジェームズ・ウォン

※犠牲者&生存者、ラストのオチのネタバレあり!
※感想だけを読みたい人は目次ですっ飛ばしてください。

目次

あらすじ

高校生のアレックスは修学旅行でパリに向かう途中、飛行機の離陸直前に、自分が爆発事故に巻きこまれて死ぬ夢を見て飛び起きる。「この飛行機は爆発する!」とパニックを起こしたアレックスと数人が飛行機を降りるが、直後離陸した飛行機は本当に爆発。乗客全員が命を落とす。だが、生き残った人間が次々にあり得ない状況で死んでいく。アレックスはその死の順番にある法則を見出し、死神と戦う決意をするが・・・。

墜落した『180便』について

アレックスたち修学旅行生を迎えたヴォレー航空。空港内では飛行機事故で死亡したジョン・テンバーの曲が流れている。

アレックスの誕生日9月25日と同じ数字の9:25に出発し、そして墜落した『180便』は、当初事故原因が不明とされていたが、のちに老朽化したシリコン絶縁体がショート。火花が客席の上に設置されていた燃料タンクに次々に引火したことが原因と判明する。(搭乗前にアレックスが180便を見ていたが、見た目から古く、飛行機内の設備もボロかった)

出発時刻や目的地、墜落原因は1996年にアメリカで起きたトランスワールド航空800便墜落事故に由来しており、作中では実際の事故映像も使われている。

主要人物

※吹き替えはテレビ朝日版のキャストです。

アレックス(吹:草尾毅)

主人公。
DVD版の吹き替えは三木眞一郎さん。

両親から惜しみなく愛情を注がれて育った普通の高校生・・・のはずだったが、なぜか修学旅行でパリへ向かう途中様々な予兆を感じ、実際に飛行機の中では予知夢を見て未来を的中させてしまう。そのおかげでFBIや遺族からは疑われ散々な目に遭う。

ホラー映画によくいる、常識的にありえないことが起こっても、それをバカ正直に話して「本当に見たんだ!信じて!」といってさっぱり信じてもらない系の主人公であり、作中では事件を防ごうと自分で自分の首を絞める行動を繰り返す。だが生き残りメンバーが、燃料タンクの爆発ルート・・・本当なら飛行機事故で死んでいた順番に死んでいくことに気付き、迫り来る死の運命から逃れようとする。

作中では死神の気配や予兆を感じ取っているがそれだけでなく、トッドが死ぬ直前には「Tod」と書かれた新聞の切れ端が飛んできたりと、まるで何者かが彼に啓示を与えているようにもみえるが、その謎は明らかにされることはない。

クレア(吹:冬馬由美)

今作のヒロイン。
ちょっと変わった女の子で、殆ど会話した事がなかったアレックスを信じて自分から飛行機を降りた。学校では言葉少なめで大人しい印象だったが、外で会うと雰囲気がガラッと変わり、人の内面を表現した前衛的なアート作品を創作するのが趣味だったり、率先して葬儀屋に忍びこむことを提案するなど意外な一面が明らかとなる。感受性が高いのかアレックスが感じている予兆を彼女も感じとることができるようで、親友を亡くし孤立したアレックスの唯一の味方となる。

実は10歳のころ、買い物中の父親を暴漢に射殺された過去を持つ。その後母親は別人のようになり、ろくでもない男と再婚してしまい、現在は疎遠となってしまった様子。(飛行機事故の時は彼女だけ誰も迎えに来ず、アレックスの車で帰っている)

飼い犬のレックスと暮らしていたが、終盤落雷の影響で自宅周辺が電気ケーブルトラップだらけとなり、あわや感電死寸前となるも、アレックスに救われる。次作にも登場するが・・・。

ウィリアム・ブラッドワース(吹: 西凛太朗)

不気味すぎる葬儀屋。
トッドの遺体を調べにきたアレックスたちと鉢合わせるが、なぜか怒ることもなく彼らを受け入れ、『死』について様々な助言を与える。彼曰く、全ての死は必然であり、死に筋書きがあるという。逃れるには直感を働かせ回避するしかないが、筋書きを変えることは死神を冒涜することだと忠告する。最後には「また会おう」と意味深な言葉を残した。

匂わせるだけ匂わせる謎の黒人。彼の正体はシリーズ通して謎に包まれたままだが、もう初見だとコイツが死神としか思えない。

登場人物の死に方

トッド(吹:私市淳)

アレックスの親友。
クラス一の美女コンビにゾッコンで、う○この匂いまで気にするおませボーイ。だが膀胱炎でトイレが近いらしい。

飛行機事故でアレックスがつまみだされた際、兄から様子をみてくるように言われたおかげで助かる。お調子ものキャラかと思われたが、パニックになったアレックスを責めることなく心配し彼に代わって両親に電話したり、事故後は父親が兄を失った悲しみをアレックスにぶつける中、親友を気遣い「一緒に野球を見に行こう」と声をかけるなどとても優しい青年だったが、死の運命により、生き残り組の中で最初の死者となる。

■死因
バスルームに掛けられた洗濯物を取り込んでいた最中、トイレから漏れてきた水に足を滑らせ前のめりに。そのまま洗濯ワイヤーが首に絡まり、バスタブの中で首吊りのような状態に。もがいた時に浴槽にシャンプーを零してしまったことで足が滑って立つこともできず、そのまま縊死した。(実は搭乗直後、美女コンビから「席を代わってくれない?」とアレックスが頼まれていた時に、首吊りのようなジェスチャーをしている)

遺族は兄の後追い自殺と判断したようだが、アレックスたちがトッドの遺体を調べにきた時は首にもがいた痕が残っていたことで、彼の死が自殺ではないことを確信させることになる。

■ジョージ
飛行機事故で死亡したトッドの兄。
クリスタとブレイクに声をかける弟を諌めたりと真面目な青年。アレックスとも仲が良くかった。

テリー(吹:岡村明美)

後述のカーターの彼女。
飛行機が落ちるとわめいていたアレックスをカーターがぶん殴り警備員に引きずり出された際、一緒に付き添っていたおかげで難を逃れた。だがその後もアレックスを見かける度にケンカを売る彼氏にウンザリしている。

■死因
2人のケンカを仲裁させ、後ろ歩きで車道に一歩踏み出したところでバスに跳ねられる。作中でピタゴラ的な死に方ではなく最も普通の死に方をしたキャラ。ちなみにこのシーンの前に、アレックスがガラスに映ったバスを意味深に見つめる場面がある。 

ルートン先生(吹:金野恵子)

アブラハム高校教師。
ラリーと共に修学旅行の引率をしていたが、アレックスの騒動で一緒に降りていたことで助かる。だが、自分の発言が原因でラリーが死んだことで精神的に追い詰められ、アレックスや生徒たちと関わることを極度に恐れるようになり、転任を決める。その後は新天地でやりなおすための引越し準備中、次に死ぬのがルートンであることに気付いたアレックスが、夜中に庭をうろうろしている姿を発見。警察に通報して追い返す。その後は母のものであるジョン・テンバーのレコードをかけながら仕度をしていたが・・・

■死因
作中で最もピタゴラ的な死に方をしたキャラ。

熱々のお茶を飲もうとして、マグカップの高校の紋章にビビりお茶を捨てる。

その後すぐに氷+キンキンに冷えた酒を注ぐが、熱疲労でマグカップにヒビが入る

そこから酒が点々と漏れ出していることに気付かずパソコンをつけると、零れた水滴でパソコンがショートして爆発。零れた酒を伝って炎がガスコンロまで広がり火災発生。

パソコンのプラスチック片が喉に突き刺さり、床に倒れたまま布をとろうとして包丁立てを倒してしまい、落ちてきた包丁が突き刺さる。

警察の尋問を終え様子を見にきたアレックスが包丁を抜こうとするが、爆発の影響で包丁の真上に椅子が倒れてくる。慌てて包丁を引き抜くも、既に絶命。

・・・というどうしようもないコンボである。(しかもアレックスはこの後、凶器に指紋を残したことでさらに立場を危うくした)

■ラリー
ルートンの同僚の男性教師。
フランス語が堪能で、引率中は生徒たちを盛り上げるなど良い先生だった。アレックスと降りた際、警備員からルートンかどちらかが残るよう言われ、真っ先に「自分が残る」と申し出たが、ルートンから「貴方の方がパリに詳しい」と説得され飛行機に戻り、事故で死亡する。

カーター(吹:伊藤健太郎)

テリーの彼氏。
DVD版の吹き替えは石田彰さん。

何かと言うとすぐに暴力で訴える血気盛んな青年で、事件後はアレックスにことあるごとにケンカを売る。だが目の前でテリー死んだことで大分動揺したのか、中盤死の順番の話を聞いてプチ発狂。生き残りメンバーを車に乗せた状態で猛スピードで暴走する。その後は踏み切りのど真ん中に止まり死のうとするが、アレックスによって助けられた。本来ならばルートン先生の次は彼のはずだが・・・?

ビリー(吹:松本大)

イジられキャラで、カーターからしょっちゅうちょっかいを出されている男子生徒。ひとり飛行機に乗り遅れ、搭乗しようとした瞬間にアレックスとカーターの騒動に巻きこまれて外へ連れ出された。

作中では基本チャリに乗って搭乗するが、必ず轢かれたり吹っ飛んだりする。呪われてるんじゃないかそのチャリ・・・。中盤はカーターの暴走に巻きこまれた際、しっかりとクレアを庇うなど多少漢らしい姿を見せていたのだが、汽車にぶっ飛ばされた車の破片で首を切り株にされる。

ラストのオチは?

本来なら死ぬはずだったカーターを助けたら、その次に死ぬはずだったビリーが死んだ・・・。この事で、死の運命を回避すると順番を飛び越え、その次の人間が死ぬことがわかる。

夢ではビリーの次はアレックス。
警察の手を逃れるためクレアの父親の山小屋に立てこもり、万全の体勢で死の運命を待ち構えるアレックス。しかし、予知夢ではブレイクと席を交換していたが、実際は席を交換する前に飛行機を降りたため、夢とは自分が死ぬ順番が違うことに気付く。現実では自分が一番最後に死ぬのだ。

次に死ぬのがクレアだと気付いたアレックスは彼女を救うため、警察の手を掻い潜りクレアの家へ。荒れ狂う電線のせいで爆発寸前の車から逃げられないクレアを発見したアレックスは、クレアを死の順番が飛び越して自分が死ねばすべてを終わらせらることができるといって、自ら電線をつかむ。

6ヵ月後

感電して吹っ飛んだアレックスだったが・・・彼は生きていた。生き残ったクレアと恋人同士となったアレックスは、同じく生き残ったカーターと共に飛行機に乗り、パリへ。そこで3人で犠牲者たちを弔う。

だがアレックスは、2人とは違って誰にも助けられていない自分が生き残っていることにいまだ不安を覚えていた。「まだおまえの番なのかもな」とからかうカーター。その直後。再び不吉な予兆に襲われたアレックスはひとりその場を離れようとする。同じく予兆を察したクレアの一言で死の運命を回避するが、その影響で近くの看板「MIRO81」の看板の右半分が折れ、巨大な振り子時計となってアレックスを襲う。

咄嗟にアレックスを庇うカーター。
だが、順番を飛び越えた死の運命が次に狙うのは・・・。

感想~死亡フラグのオンパレード!

最後に登場するピタゴラ装置。
折れた看板部分は「O81」が、カーターを殺す際に裏返り「180」・・・180便となってたりと、最後までフラグと伏線が乱立しているのがこの作品の最大の見所。

冒頭の「これで終わりだ!」という本の文字、搭乗口と飛行機の隙間から見える車のナンバーが「666」、トッドの死の直前に現われるのが(インディアンには死の神といわれている)フクロウ・・・と、作品内に散りばめられた死亡フラグを見つけるのも楽しみの一つである。

続編が5作も作られる人気シリーズとなり、シリーズを重ねていくごとに「いかに面白く殺すか」が全てになってしまったものの、この1作目では誰がアレックスに予知を与えているのか?、本当に死神は存在するのか?、クレアが感じているアレックスの予兆とは何なのか・・・など考察要素も強く、殺人鬼が登場しないサスペンスものとして面白い作品。

2017年3月現在残念ながら吹き替え版の配信はないが、ソフト版テレビ版ともに90年代の人気声優が主演の吹き替えを担当しているので、声優ファンには吹き替え版をおすすめしたいところである。

最後に!

「ファイナル・デスティネーション」とは主に空港などで使われる「最終目的地」という意味。主人公たちがいきつく場所(最終目的地)がどうあがいても絶望というストーリーは、元々Xファイルの脚本として考えられていたというのは驚き。しかしモルダーとスカリーにどう解決しろというのか・・・。

1作目ではクレアがアレックスと電話しながら同じ飲み物を飲んでたりと、何らかの共感覚(?)らしきものがあるような描写があったり、トッドの鏡や先生のヤカンに影のような存在が映りこんでいたりと、死神の存在は明確に描写されていますが・・・水とか雷とか、わりと自然物を操ってる感じがどことなく神さまっぽいですよね。やっぱり色々好き勝手妄想できる余地が多いところが、1作目の一番好きなとこかもです。

↓吹き替えキャスト超豪華!