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ジョーズ2 ネタバレ感想~前回かまぼこにされた友の恨み、晴らさでおくべきか!

ジョーズ2 (字幕版)
パニック度 ★★★
BGM ★★★★
サメのリアルさ 今回はちょっとバリボテ
結論:救命胴衣って大事。

1978年 アメリカ
監督:ヤノット・シュワルツ
音楽:ジョン・ウィリアムズ

前回の惨劇から3年。
新しいホテルもオープンし、アミティ島は観光を目玉に復活しつつあった。だが海では次々と人間が姿を消していく・・・。再び襲い掛かる巨大ザメの恐怖にただ一人、あのブロディが立ち向かう!

※ラストのオチのネタバレあり。
※感想だけを読みたい方は目次から。

目次

あらすじと登場人物

主人公一家&主要キャラ

■マーティン・ブロディ(吹:滝田裕介)
演:ロイ・シャイダー
アミティ島の警察署長。演者は1と同様。
前作の影響か今作でも船に乗ろうとせず、子供たちがヨットに夢中なことも心快く思っていない。相次ぐ事件から真っ先にサメが原因だと気付いた人物だが、今回は相棒のフーバーが南極調査のため不在。孤軍奮闘するもビビりすぎてアジの群れの影をサメと誤認。浜で銃を乱射するという大失態をやらかし、署長をクビになってしまう。本人曰くクビになったのは人生で初めてらしい。中盤は仲間と共に海に遊びにいってしまったマイケルを救うため、たった一人でサメと戦うことになる。

■レニー・ヘンドリックス(吹:円谷文彦)
ブロディの部下。
毎日のように振り回されながらもブロディのことは本当に信頼していたらしく、クビになったと聞いた時には家まで駆けつけ、自身が署長に昇進してしまったことに納得がいっていない様子だった。その後もサメからマイケルを助けようと勝手に警察用の船に乗ろうとしたブロディに手を貸し、協力してくれる。

■エレン(吹:寺田路恵)
演:ロレイン・ゲイリー
ブロディの奥さん。前作同様ロレイン・ゲイリーが演じている。
主婦だった前作とは違い、今作では島の観光業務に携わり、オープンしたホテルのパーティーの運営やアミティ島に別荘を買いにきた客への接客を担当。お手伝いさんを雇いながら働いている。

■ボーン市長(吹:細井重之)
演:マーレイ・ハミルトン
アミティ島の市長。ブロディ夫妻と同じく演者は続投している。
前作で事態を悪化させ改心した・・・かのように見えたがやはり利益優先で、序盤はブロディの忠告に耳を貸さなかった。学習と言う辞書が頭にないのかコイツは。DVDではカットされているが、議会が不鮮明な写真をサメだとわめくブロディをクビにさせるか採決をとった時には一人だけ挙手しなかったりと、一応は信頼していた様子。とはいえ最終的にはクビに賛成したのだが。

■レン・ピーターソン(吹:嶋俊介)
演:ジョセフ・マスコロ
新ホテルの建設を請け負った業者。文字通り「金の成る木」を寄贈し大量の寄付金を渡した成金野郎で市長と並ぶもう一人の悪役。エレンとは仕事仲間だが、ブロディの前でもベタベタしたりと確実に気がある様子。議会でも発言力があり、失態を晒したブロディを目の敵にしてクビにする。終盤は新たにダイバー訓練生が襲われたことでようやくサメの存在を認めエレンに謝罪するも、彼女からは完璧に嫌われていた。ざまぁ。

■マイケル(吹:鈴木一輝)
ブロディの長男。
今作では青春真っ盛りな17歳に成長。何かと色気づいている。前作でトラウマものの経験をしたにも関わらず海に恐怖心はない様子。サメを心配する父親に頭ごなしにヨット禁止令を出されていたが、可愛い女の子にホイホイされてヨット遊びに繰り出し、再びサメの襲撃を喰らうハメに・・・。襲撃時にはポールで頭を打ち真っ先に気絶。無防備にぷかぷか浮いていたところをサメに喰われる一歩手前で友人たちが救出してくれたため、無事生還する。

■ショーン
今作でもまだ幼いマイケルの弟。
ブロディが乱心したあとも、人々が離れていくなか一人だけフロディに寄り添い、父の真似をして一緒に薬莢を拾い続けた。(この「父親の真似をするショーン」の癒し場面は前作にも登場する)。

純真な良い子だがそれなりに知恵もついたようで、マイケルが父親が寝ている隙に黙ってヨット遊びに出かけようとした時には「騒いで欲しくなけりゃオレをつれてきな!(意訳)」といって兄を脅した。だがブロディが救出しに来た時には「連れてこられたの」と真っ先に言い訳するなどタフなお子様である。

ちなみにショーンはしっかりとライフジャケットを持って家を出ており、マイケルの仲間たちが誰も救命胴衣をつけていない中、この兄弟だけはしっかりとジャケットを着ていた。 

ヨット組&犠牲者たち

■ダイバー×2
冒頭アミティ島でダイビングを楽しんでいたダイバー。前作で沈没したオルカ号を海底で発見しノリノリで記念撮影していたが、見事に第一犠牲者となった。だが彼らが死の間際に撮影した写真が、ブロディにサメの存在を決定付けることとなる、

■テリー
水上スキーを楽しんでいた女性。ダイバーたちに続き犠牲となった。島民ではないらしいので恐らく避暑客だったと思われる。

■運転手のおばさん
テリーのボートの運転手をしていたおばさん。ボートを突き破ってまで襲い掛かってくる巨大ザメに慌てふためき、ガソリンタンクを投げつけようとしてガソリンを床にぶちまける→サメに向かって救命弾を打つというコンボをやらかしてしまい、爆発炎上。遺体はのちに浜辺に漂っていたところをブロディに発見される。盛大に自爆してしまった名も無きモブだが、サメの顔にも火傷を負わせるなど一矢報いたキャラとなった。

■トム
ダイバーの訓練士。
潜水中にサメに襲われるが間一髪のところで助かった。仲間がすぐに病院へ運んでくれたがサメには気付いておらず、標的を失ったサメはマイケルたちの後を追うこととなった。

■エディ
ティナの彼氏。愛称はエド。
ショーンとも仲がよい好青年で、ティナと常にイチャついており視聴者にそのリア充っぷりを見せ付けてたが、ヨット遊び中に仲間と離れてニャンニャンしようとしていたところ、いい加減にしろとばかりにサメに襲われ餌食となる。

■ティナ
演:アン・デューセンベリー
今年のミス・アミティ。
島一番の美女。作中ではデートの最中に、前述のテリーの大爆発やシャチの死体など何かと事件に遭遇する。その出番の多さはやはりフラグだったようで、中盤ヨットデート中にサメに襲撃され、一人船上に残されるも目の前で彼氏が喰われてしまい、ショックで震えているところをブロディに発見。無事保護された。

■ヘリの人
ブロディの連絡を受けヨット組を救助しにやってきたエア・パトロール隊員。ロープでヨットごと電力中継島まで運ぼうとしていたが、そうはさせるかとサメにヘリごと沈められ、その後の見せ場もカットされてしまった可愛そうな人。

■マージ
子供好きなのか、兄に邪険にされたショーンを一緒のヨットに乗せてくれた女の子。サメ襲撃後もショーンのそばに居続けたが、二度目のサメの襲撃でショーンが海に落ちた際、自ら海に飛び込んでショーンを救う。しかし身代わりになるような形でサメに殺されてしまった。

■ダグ
チリチリ眼鏡その1。
ティミーに励ましになってない励ましをする友人で、風の向きや潮の流れにやたら詳しい。ヨットがパンクし足踏みポンプで空気を送っていたところサメに激突され転覆。そのままエサになるかと思われたが自力でマイケルのボートまで泳ぎ無事だった。

■ティミー
チリチリ眼鏡その2。
女性に奥手な草食系男子でミス・アミティに憧れるも声もかけられなかった。だが中盤はヨットにブルックを誘い、フラグを建てる。初見だとこいつとペアルックみたいな格好をした友人のダグとの区別がつかない。サメ襲撃後、気絶したマイケルを救い陸へ戻ったため生還する。

■ブルック
マイケルの女友達。チリチリパーマのロングヘアーが特徴。
やたらマイケルにいとこのジャッキーを勧めていた。

■アンディ
マイケルの友人。
見た目は荒っぽそうに見えるがかなりイイやつで、サメ襲撃後は進んでリーダーシップをとり、バラバラになったヨットをロープで結ぶなど終始冷静に活躍。マージが目の前で喰われたショックで目を頑なにあけなかったショーンに「こっち見ないとぶん殴るぞ!」と厳しい言葉をあえてかけることで助け救出後は優しく抱きしめるなど、マージや兄の代わりにショーンを守りきった。

■ラリー
市長の息子。
親父のビールをかっぱらって仲間たちと共にヨット遊びを提案し、惨劇のきっかけを作ってしまった。サメに襲われた時には真っ先に逃げようとしていたが、特別嫌味なキャラというわけでもなく、終盤は仲間と協力して無事に助かる。

■ボブ
ハンチング帽を被った痩せののっぽという、アメリカ映画に一人はいそうなファッションをした少年。基本ラリーの金魚のフン。二度目の襲撃で海に落ちたがサメがショーンとマージのところに行ったので無事だった。チッ。

■ルーシー
彼氏と一緒にヨットに乗っていたパツキンの少女。仲間がパニックになった時もひとり神様にお祈りしていたり、興奮したラリーを諌めたりと割と冷静。中継島近くでサメに真正面から襲撃されるもちょっとかすっただけで助かった。最初からカップルで登場したキャラはどちらかが死ぬのがお約束なホラー映画において、珍しく彼氏と共に生還したキャラである。

■ジャッキー
演:ドナ・ウィルクス
島に遊びにやってきたブルックのいとこ。
その美貌でミス・アミティが彼氏持ちなことにガッカリしていた野郎共のマドンナ的存在となる。だがラリーからはペチャパイと称されていた。ヨットを禁止されているマイケルを「何でも親の言う通り?」と挑発して誘うなど、マイケルに気がある素振りをみせていた。

今作の絶叫ヒロインであり、ことあるごとにヒスって叫びまくる。 マージ死亡後は「みんなここで殺されるのよ!」とお決まりのセリフを吐きラリーと喧嘩になりかけたりとロクなことをしない。その後サメの三度目の襲撃でショーンと共にボートに取り残されるが、ブロディの活躍で救われた。

サメ(演:ブルース改)

前作とは別個体だが、3年前にかまぼこにされたサメの仇討ちのためか、またもやアミティを恐怖のズンドコに陥れる今作のボス。自分より大きな(字幕版ではなぜか鯨と表記されていた)シャチなども平然と襲い、船をひっくり返してまで人間を襲ってくるホラー映画御用達の人間絶対殺すザメだが、序盤にまさかの自爆攻撃を喰らって顔面に火傷を負う。ちなみに本編ではカットされているが、特典映像には沈めたヘリをぶち壊してまで中にいる操縦士に襲いかかっている。ものすごい執念である。

前作のサメの子供なのか関連は不明。作中ではブロディが「テレパシーで個体に連絡をとって仲間の復讐を・・・」みたいなことを言っていたが、もちろんサメにそんな能力はない。しかし『4』ではブロディの家族をハッキリ狙ってきやがったので、作中世界のサメは意思を共有できるニュータイプなのかもしれない・・・。

撮影には前作のサメロボット『ブルース』をより改良したバージョンが使われており、性能としては遥にバージョンアップされているはずなのだが、B級臭い演出のせいか却って「1」の時よりもハリボテ感が増すと言う皮肉な結果となっている。

ラストは?

フロディの策にハマり、電力中継島の海底にあった高圧電線を噛んで感電&丸焦げエンドとなった。・・・この目ン玉から煙を吹きながら焼き魚になるラストは正直いってハリボテ感半端ないのだが、逆に愛おしく思える不思議。

初代よりも再現しやすかったからか、USJのアトラクションにはこの「2」のラストが採用されている。

正統な続編!

釣りの浮き餌のごとくパラセーリングで遊ぶ若者、一斉に潜るダイバーの訓練生たち・・・サメにとってはまさに"入れ食い状態"な海。ジョン・ウィリアムズのお馴染みのBGMにのせた誰が犠牲者になるのかというドキドキ感に、水中にいるサメ目線となって犠牲者に迫っていくシーンなど、1作目と比べれば物足りないながらも、パニック映画として楽しめる作品。70年代の若者のファッションなど地味な見所もあり、続編としてそれほど悪い出来ではない。

しかしラストのブロディとサメとの一騎打ちといい全体的にB級感が漂うのはまぁいいとして・・・惜しむらくはヨット組の人数の多さ。

特に個々のキャラクター紹介がないままストーリーが進むので、あのペアルックみたいなメガネ組がどっちかどっちだがわからなかったり、誰がカップル同士なのか関係性が思い出せなかったりと、中盤以降はキャラの把握ができず大分とっちらかってしまった印象。

とはいえ前作から続投している演者もおり、一番正統に「1」の雰囲気を受け継いでいる続編。見る価値は充分にあるだろう。

レンタル版には日本語吹き替え版がないので注意!

日本号吹き替え版は現在は水曜ロードショー版のみ。ただし吹き替え版はレンタルに収録されておらず、午後ローの再放送を見逃すとあとはブルーレイを購入するしか聞く手段がなくなるので、日本語吹き替え版を見たい人は3月6日に放送される午後ローを要チェック。ただし水曜ロードショーの日本語吹き替えが収録されているソフトは、2016年に発売されたブルーレイのみなのでこちらも注意。

最後に!

シアン化ナトリウムを拳銃に仕込むシーン。あんなに零して大丈夫なのか?と疑問に思ったのは自分だけだろうか。っていうか接近戦でサメに挑むのは無謀すぎだろブロディ・・・。

前作の3人組がバランス良かっただけに、ぼっち対応するハメになったブロディが何かと不憫な今作ですが、結構面白かったです!最後サメが黒こげになっていくのを見て、もの凄~く楽しそうなショーン君の笑顔が印象的でした。・・・なので自分の中で『4』はなかったことになってます。死人は多いですが助かる人数も多いしサッパリするエンディングなので、続編としてはやはり今作が一番おすすめですね!

↓さらに続編の感想はこちら!