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びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る

【映画】激突! ネタバレ感想~殺人トレーラーに追われる恐怖!ハイウェイで繰り広げる地獄の逃走劇!

ホラー映画 映画

激突!スペシャル・エディション [DVD]

暴走度 ★★★★
恐怖度 ★★★
邦題のセンス 
度胸だけは認める
結論:ある意味バッドエンドなラスト。

1971年 アメリカ
原題:DUEL
原作:リチャード・マシスン
監督:スティーヴン・スピルパーグ

時代遅れな大型トレーラーを追い越した主人公。
それはどこにでもあるハイウェイの光景だった。だが、その後もどこまでもどこまでもついてくるトレーラーは、徐々に殺気に満ちはじめ・・・

デイヴィッド・マン(吹:原康義)

平々凡々な主人公。
妻との電話の内容から、ガツンと言えない気弱な性格であることが伺える。そのくせ序盤にトレーラーに追いかけられて立ち寄った喫茶店で、よく確かめもせず客を運転手だと決め付けてケンカを吹っかけ、返り討ちにされてしまうなど結構なドジっ子。

小心者だがよほど自分のカミさんが恐いのか途中で引き返すこともなく、終盤には売られたケンカを買い、トレーラーとガチンコ勝負を挑む。

主人公の車:プリムス・ヴァリアント

今作一番の漢。
目立つようにと、撮影用に本来の車種にはない赤色に塗装されている。元々整備をサボっていた上に時速80キロオーバーという無茶ぶりされ、ボロボロになりながらも主人を乗せて走り続け、最後は身代わりとなった。

今作のボス:ピータービルト281

犯人の車。今作の"怪物"役。
よくトラックとかかれるが、実際は大型のトレーラータンクローリー。錆びだらけのこげ茶色の車体で見た目はボロいが、どんな魔改造をしたのか時速150キロ近く出せるバケモノ。なぜか様々な州のナンバープレートをつけているが、理由は後述。

作中ではスピードを落とし、センターライン上を走って追い越しをさせないなどの嫌がらせレベルから、対向車がいる時にわざと追い越しさせるという超危険行為までなんでもやってくる。まるで車自体が悪意を持っているかのように見えるが、中の人がいないのはスティーヴンキングの方で、こっちにはちゃんと運転手が存在する。

犯人(吹:???)

トレーラーの運転手。
映画内では決して顔が映ることがない。だが原作のリチャード・マシスンの小説では主人公は姿も顔も見ており、苗字も判明している。

映画だと追い越しされただけでキレたマジキチ野郎に見えなくも無いが、実は各地で同様の手法でドライバーを殺害していた、本物の殺人鬼である(車についているナンバープレートは犯行時にいた州のもの)。

その他のキャラ

原作には登場しない映画オリジナルのキャラが多い。が、序盤にむちうちを心配してくれたおじいちゃん以外、基本誰も助けてくれない。

■レストランの客
靴の形が似ているというだけで犯人扱いされた人。いきなりケンカをふっかけてきた(ようにしかみえない)主人公を軽くノした。

■クソガキども
道中でオーバーヒートして立ち往生していたスクールバスに乗っていたお子様たち。勝手にボンネットに乗ったり、助けようと頑張っている主人公を煽りに煽りまくったりと、クソガキっぷりが凄まじい。

■ガソリンスタンドの女主人(吹:巴菁子)
ゲテモノ大好きなおばちゃん。
ヘビやクモなど飼っていたペットが入ったゲージを、公衆電話ごとトレーラー(と主人公)に軒並み破壊されてしまった。どうやら唯一の連絡手段を失ったことよりも、ペットが逃げたことの方がダメージがデカかったらしい。

■老夫婦
主人公が「警察を呼んでくれ」と助けを求めているのに面倒ごとはごめんと無視しようとした。

あらすじ

どこまでもまっすぐなハイウェイ。
ラジオからは延々と、奥さんに尻に敷かれっぱなしなことを世間にバレたくないという男の人生相談が流れている。耳に痛い内容を聞き流しながら、何の気なしにトレーラーを追い越したことから、その恐怖は始まった!

時速100キロ以上のスピードで執拗に迫られてむちうちになるわ、列車に押し付けられそうになるわ、助けて欲しいのはこっちなのに立ち往生したスクールバスに助けを求められクソガキには舐められるわ、散々な目に遭う主人公。

ガソリンスタンドの公衆電話で警察を呼ぼうとするも、何を察したのかトレーラーが突っ込み、粉砕されてしまう。

どれだけ逃げても追ってくるトレーラー。
助けを呼ぶ声もことごとく無下にされた主人公は、ついに自ら戦うことを決意。相手が大型車であることを逆手に取り、峠道で決着をつけようとする。が、そこで今まで整備をサボっていたツケが回って車がオーバーヒートを起こしてしまう。

ラストのオチは?

文字通り崖っぷちに追い詰められてしまった主人公は覚悟を決め、車のアクセルを固定させ、トラックが突っ込んできた瞬間に車を飛び降りる。

勢いよく突っ込んできたトレーラーはそのまま、崖下に落ちていった・・・。

主人公は勝った。

だが、そこは荒野のど真ん中。
車も失い、いまだ人っ子一人通らない。
主人公は呆然と座りながら、ただ、沈みゆく真っ赤な太陽を眺めていた・・・。

最長のクローズド・サークル

犯人の顔が一切映らず、手(と一部足)しか見えない演出に、バカボンのパパのトラウマ回を思い出した*1

何もない、ただひたすらまっすぐな一本道。走っているのは自分と相手の車だけ・・・。もしそんな状況で殺されそうになったら?という、ある意味どこにも逃げ場が無い、史上最長の「クローズド・サークル」と化したハイウェイを舞台にしたホラー。70年代の、携帯もカーナビもない時代だったからこそ現実味を帯びた「何気ない日常に潜む恐怖」に、危機的状況の中で、どこかコントのようなコミカルさも含んだ主人公の一人芝居がいい具合にハマった作品。

ただ車が追っかけてくるだけの物語を、『トレーラー運転手VS人間』ではなく『殺人トレーラーVS人間』として描ききったところが最大の魅力ではあるが、ラスト、主人公が助かりそうにないような、物悲しい雰囲気で終わるのも印象的。

関連商品

思い出の復刻版DVDにはTV朝日版の吹き替えとソフト版、2種類の日本語吹き替えが収録されている。が!こちらのDVDは現在アマゾンでは取り扱いしていない。TV朝日版の穂積隆信さんの声で聞きたければ、中古ショップなどで根気よく探すしかないようだ。

ちなみに、思い出の復刻版にすら収録されていない日本テレビ版の吹き替えでは、主人公のおっちゃんをなんと徳光和夫さんが演じている。・・・ちょっと聞いてみたかったかもしれない。

最後に!

『DUEL』を決闘ではなくわかりやすさド直球の『激突!』と訳し、これでいこう!と決めた当時の配給会社の漢気あふれる決定は支持したい。

携帯もカーナビも普及してしまった今では、決して当時と同じ感覚で恐怖することはできないですし、そもそも恐くない人には何が面白いんだがさっぱりわかんない作品だとは思うんですが・・・。それでも、落ちた後のトレーラーが血の様にオイルを滴らせる様子とか、低予算でも「なんだか面白いぞ!?」と思わせるパワーがこの映画にはある気がします。

↓そしてさらなる伝説へ!

*1:天才バカボン141話の「かわった友達」。最恐エピソードと名高いバカボン屈指のトラウマ回で、なぜか手だけしか姿を現さない友人のお話。