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【映画】屍者の帝国 感想(ネタバレあり)~原作未読だと謎だらけなラスト!フライデーの魂はどうなったの??

屍者の帝国 [Blu-ray]
求めたのは、
21gの魂と、君の言葉。

作画 ★★★
ストーリー ★★
結論:なるほど、わからん。

2015年 日本
監督:牧原亮太郎
原作:伊藤 計劃
『屍者の帝国 The Empire of Corpses』

※ラストのオチ含めたネタバレあり。未視聴の方はご注意!※
※感想だけを読みたい方は目次から。
※原作は未読の状態で視聴してます。

目次

登場人物

■ワトソン(演:細谷佳正)
ロンドンの医学生。
死んだ友人・フライデーの魂をとりもどすため、違法な死者蘇生復活を行い摘発されるも、卓越した屍者技術をMに買われ、懲役を免除する代わりに、カラマーゾフという男が築いたという「屍者の王国」の調査、及び、魂を持つ屍者・・・ザ・ワンを生み出した技術が記されている「ヴィクターの手記」を手に入れるよう命じられる。

名前の由来は勿論ホームズから。
エンディングにはホームズが相棒として登場するが・・・?

■フライデー(演:村瀬歩)
ワトソンの手によって復活した屍者。
見た目は華奢な美少年だが感情はなく、ただワトソンの最初の命令「全てを書き記せ」という言葉通りに、旅の最中に起きた出来事を手帳にしたためている。

生前はワトソンと共に魂の研究をしており、自分の死期を悟ったあとは自分の部屋をワトソンに譲り、自分の墓を暴いて死体を実験に使って欲しいと言い遺していた。

■バーナビー(演:楠大典)
ワトソンの護衛を担当するガチムチ大尉。バニーちゃんではない。
旅の途中、いたるところでコスプレ姿を披露する。ふんどしはパンツじゃないから恥ずかしくないもん。

■ニコライ(演:山下大輝)
ロシア人のエージェント。
見た目はフライデーと同じく美少年にしか見えないが恐らく成人済。カラマーゾフに頼まれ、ワトソンたちを彼の元まで導いたあと、彼の手によって生きたまま屍者にされる。

■アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ(演:三木眞一郎)
戦闘力を大幅に強化した新型屍者を引きつれ、「屍者の王国」を作っていたとされる人物。映画版では穏やかな物腰に前髪ぱっつんという出で立ちをしていた。ワトソンに幾度も「なぜ手記を求めるのか」と聞き、彼の決意を聞いたあとは、手記に記されていた「生者を屍者にする技術」をニコライに施し、手記は日本にあると告げ、ワトソンに手記の破棄を託し、自身もニコライの手によって屍者と化した。

■山澤静吾(演:斉藤次郎)
のり弁みたいな眉毛をした日本人。
ヴィクターの手記を求めて日本へやってきたワトソンたちの力となってくれる。

■ハダリー(演:花澤香菜)
毎回主人公のピンチに颯爽と駆けつけ、汚物を消毒しまくったり見事な蹴りをぶちかます貴婦人。
その見事な巨乳といい、どこか作りものめいた完璧な美貌の持ち主だが、実はエジソンが作った機械人形。感情を切望しており、ワトソンに「魂がどこにあるのか」教えて欲しいと願っていた。

名前の由来はアンドロイドという呼称が始めて登場したSF小説「未来のイヴ」から。エンディングではホームズに登場する有名な女性キャラ「アイリーン・アドラー」という偽名を使っている。

■M(演:大塚明夫)
英国政府の諜報機関である「ウォルシンガム機関」の指揮官。名前の由来は「マイクロフト・ホームズ」。あの名探偵の兄である。

■ザ・ワン(演:菅生隆之)
作中世界でヴィクター・フランケンシュタイン博士が最初に蘇生させた人物。彼だけが唯一、言葉を話し感情を理解し、魂を持った状態で蘇生した。メアリーの書いた小説では消息不明となっていたが・・・

序盤はストーリーをまだ追えた。

19世紀末。
ヴィクター・フランケンシュタイン博士が遺した屍者の蘇生術により、屍者を『労働力』として利用することが当たり前となり、生活のありとあらゆる場所に屍者がはびこっている世界のお話。

かつて友人フライデーと共に「失われた21gの存在」について研究していたワトソンは、フライデーの死後、彼の魂を捜し求め、唯一魂を宿した屍者「ザ・ワン」を生み出した技術が記された『ヴィクターの手記』を探し求める・・・

ここまでは初見でも理解できたのだが、手記を持つと言われていたカラマーゾフが、自身の仲間であるニコライを突然屍者化させたところで「???」となった。屍者だらけの朝食風景とか軽くホラーだろ!

未読なので解らないが、これはワトソンに手記の破壊を託したあと、手記の場所を絶対に他者に漏らさないようにするための、最後の手段だったのだろうか?(ニコライと自分に暗殺命令が下されていた為、手記を自分たちで破壊できなくなったから?)

・・・疑問はありつつも、それでもここまではギリ飲み込めたのだが・・・

後半は疑問がいっぱい!!

問題なのはそれ以降。
日本で手記を見つけたところに突然登場した謎のおっちゃん(ザ・ワン)と、怪しい雰囲気満々だったMが本性をあらわし、ザ・ワンと手記を使って屍者を操って世界中がゾンビ映画みたいなことになるところから、ちょっとついていけなくなってしまった・・・。

Mが「世界中の人間が屍者になれば争うこともなくなってハッピーになるよね!」みたいなわかりやっすい悪役だったことも、そしてCV大塚明夫とは思えないほどあっさりと死ぬことも結構ショックだったし、結局ザ・ワンがやりたかったことが「自分の花嫁の復活」だったのも何だかなーという感じ。ハダリーとフライデーをただ利用したかっただけなら、普通に連れて来れば良かったんじゃない?嫁さんはおっぱいが大きい方が良かったってこと??

あの緑色のぐにぐにスライムは魂を構成している霊素?それとも意思?
あと急に出てきたあの結晶化みたいなのは何なの?ギルディクラウンなの??

ワトソンは自分の頭に手記を封じ込めて(?)自分も屍者化しちゃったけど、どうして最後あんなに元気いっぱいホームズと一緒にいるの?記憶消えちゃったってこと?

・・・などなど疑問は尽きないのだが、
一番の謎は

ヴィクターの手記を解析した結果、フライデーには「フライデーの魂」が戻ってきたのか?という点。

エンディングではホームズと一緒にいるワトソンの姿を見て笑顔を見せていたフライデー。ワトソンに処置を施す前はレイプ目に戻っていたのに、いつまた魂が戻ったのか?結局、ヴィクターの手記には生前の魂を戻す術が書いてあったのか?

魂がどこにあるのか。
「その答えはそれぞれの心の中で・・・」ってことだったんだろうか・・・。

最後に!

作品内で一番可愛かったのは、実はフライデーよりもニコライよりも、なんかよう知らん内に屍者化してたMのメガネっ娘の秘書だったと思う。

虐殺器官の映画を見る前に・・・と、原作未読の状態で視聴したのですが、ちょっと甘かったようで・・・。後半は、なんでそうなったのかが解らないままどんどん話が進み、???みたいな顔をして見るハメになりました。

「生前の魂を呼び戻す術」って世界中の魂を犠牲にしなきゃいけない、みたいな感じだったんだろうか・・・?だから手記を頭ん中に封印したの?壊すだけじゃダメだったの??うーんわからんん!!

フライデー役の村瀬さんの絶叫とか、花澤さんのちょっと無機質な響きとか、声優さんの芝居自体は良かっただけに、ストーリーをあまり理解できなかったのは残念でした。(単に自分のオツムが残念ってだけの話かもしれませんが)。

映画の虐殺器官は、ちゃんと原作読んでから臨もうかと思います・・・。

↓ってなわけで読んでから見ました!