ファンタジー度 ★★★
ニフラーの可愛さ ★★★★★
結論:ジェイコブさんマジいい人。
2016年 アメリカ
ファンタスティックビーストと魔法使いの旅
監督:デビッド・イェーツ
※日本語吹き替え版の2Dを視聴。
※ラストのオチ含めたネタバレあり。
目次
あらすじ
魔法動物大脱走!
舞台は1926年のアメリカ。
魔法生物たちが暮らす魔法のトランクを持って、ニューヨークにやってきたニュート・スキャマンダー。だが、トランクから金ピカに目が無い動物・ニフラーがぬけだし、銀行で大騒ぎを起こしてしまう。なんとかつかまえるも、ひょんなことから出会った一般人(ノーマジ)のジェイコブが間違えてニュートのトランクを持って帰ってしまい、中にいた魔法動物たちが逃げ出してしまう!
アメリカ合衆国魔法議会のティナ、そしてジェイコブと共に、逃げ出した動物・・・ビーストたちを探すため、ニューヨーク中を駆け巡ることになってしまったニュート。果たして、全てのビーストを無事見つけ出すことができるのか?
暗躍する影
一方。
ニューヨークでは人間ではない"何か"が暴れまわり、街を破壊する事件が続いていた。人々は一様に「黒い影を見た」と言っていたが、時期が時期だけにこの事件の犯人としてニュートのビーストたちが疑われてしまう。
そして同時刻。
アメリカ合衆国魔法議会長官であるグレイブスは、NYで魔女の弾圧を行う新セーレム救世軍のメアリーの養子、クリーデンスと接触をはかる。彼は、メアリーとクリーデンスの近くにいる10代近くの子供を探していた。グレイブスいわく「その子供はオブスキュラスを生む」というが・・・?
オブスキュラスとは?
もう何世代も出現していなかったもの。
過去、魔法を使うことを禁じられた魔法使いたちの力が暴走した際に、闇の力となってしまったものを指すものらしい。見た目は黒い霧のような姿をしており、持ち主から切り離したとしても、持ち主だった人間で10歳より生きたものはいないとされる。
スキャマンダーはアフリカで、魔法を使ったことで囚われていた少女から切り離したオブスキュラスをトランクに保管していた。持ち主の少女は8歳で亡くなっているため、現在は害はない。
物語はこの2つが主軸
前半は脱走した魔法生物たちをジェイコブとニュートのでこぼこコンビで捕まえていくコメディ寄りなパートだが、中盤以降は魔法使いを弾圧する新セーレム救世軍のメアリー、そしてオブスキュラスという闇の力を巡る陰謀が主軸となり、ややダークな展開となっていく。
登場人物
ニュート・スキャマンダー(吹:宮野真守)
世界中の絶滅の危機に瀕している魔法動物たちを保護しているイギリス人の魔法使い&生物学者。広大な空間に繋がっている魔法のトランクに保護した動物たちを飼っており、いつも持ち歩いている。しかしこのトランク、しょっちゅう中からフタがあく。もはや不良品レベル。
ホグワーツ出身だが、魔法動物が人間の命をおびやかしたことで退学処分に。この時唯一ニュートの退学に強く反対したのがダンブルドア先生だった。(だがのちの大騒動をみる限り、本人の危機管理能力に問題はあるのかもしれない)。
またホグワーツ在籍中から動物にばかり関心があり、あまり周囲とコミュニケーションをとれずに浮いていたことから、リタ・レストレンジと交友があったらしい。(トランクには唯一、彼女の写真が置いてあった。しかし「彼女は奪う側だった」というセリフも。ハリポタ本編のあのレストレンジの親族なのか?)
映画本編中では魔法界の人々に魔法生物たちの知識を知ってもらうため、とある本を書こうとしており、終盤ではその本のタイトルが「幻の動物とその生息地」であることが判明。この本はのちに、ハリー・ポッター世代にまで伝わる大変有名な1冊となる。
将来は「ハリーポッターシリーズ」のルーナの旦那となるロルフ・スキャマンダーという孫ができるらしいが、彼の奥さんとなる人は果たして・・・?
ティナ(吹:伊藤静)
ニューヨークの魔法議会で働く魔法使い。
間の悪いタイミングで現れることに定評がある。元は闇祓い師だったが、新セーレム救世軍のリーダーであるメアリーが子供たちに暴力をふるっていることを知り、深入りしすぎて大騒ぎを起こしてしまったため、現在は事務職。
ニュートの動物脱走騒動に巻きこまれていくうちに次第に彼と仲を深めていくが、魔法議会に捕まり、ニュートともども死刑を宣告されてしまう。
クイニー(吹:遠藤綾)
ティナの妹。
甘ったる~い喋り方で、殿方に下着姿を見られても笑って許す寛大な女性。レジリメンス(心を読む)能力の持ち主で、周囲にいる人間の心の声が聞こえるが、ジェイコブが心の中でエロいことを考えても、「男の人は私を見るとみんなそう思うのv」と笑って許してくれる。まさに全俺たちの理想。
身内に関しては能力が強まるのか、離れた場所にいても死刑となってしまったティナの心の叫びを聞き、ジェイコブと共に助けに駆けつけてくれた。
ジェイコブ・コワルスキー(吹:間宮康弘)
ヒゲ&メタボな男性。
ごくごく普通の一般人で、魔法使いからは「ノー・マジ(ノー・マジックの略)」と呼ばれる。缶詰工場で働いていたが、もっと人間らしい生き方がしたいと、祖母直伝のパン作りの腕を生かして「コワルスキーのベーカリー」をひらくため、銀行に融資の相談へ来ていた。
しかし、たまたまニュートが落とした卵を拾って届けてあげたら魔法生物が生まれるわ、銀行強盗に間違えられるわ、ニュートのトランクを間違って持って帰ったら中から出てきたへんてこりんな生き物にガブガブされるわ、常人なら発狂しかねない非現実の世界に巻きこまれてしまう。
が。本編中の彼の活躍を一言でいうなら「とにかくいい人」であり、これだけ散々な目にあったにも関わらず、クイニーの色気にノックアウトされ、ニュートから魔法のトランクの中の世界を見せられ、ビーストたちに触れていくうちに、ニュートたちと信頼を築いていく。適応力が尋常ではない。
映画の笑いどころを担い、クイニーとフラグを建てて俺たちの希望となり、そして終盤では涙腺崩壊まで・・・。ラブコメからラストのオチまで全て持っていく、恐ろしいお人である。
グレイブス(吹:津田健次郎)
アメリカ魔法議会の長官。
ティナの元上官で、度重なる人間界への何者かの関与について調べていた。魔法使いを迫害している一家のクリーデンスとコンタクトをとっていたが・・・?
メアリー
ノーマジの女性。
新セーレム救世軍を名乗り、「人間界に魔女が紛れ込んでいる」と警報を鳴らし、徹底した迫害を呼びかける。が、一方で自分の逆鱗に触れた養子の子供たちには容赦ない虐待を繰り返している。
クリーデンス
メアリーの養子。
気弱な青年で、メアリーの暴力に耐えながら、影でグレイブスからオブスキュラスを持つ子供を探せと命じられていた。しかし本人は、見返りに魔法使いの一員となることを望んでいる。そんな彼の幼い妹が、影でこっそり魔法の杖を隠し持っていたが・・・。
ほのぼのファンタジーじゃない!?
ニフラー可愛いよニフラー。
予告を見る限り、可愛い不思議動物たちが出てきてニューヨーク中が大パニック☆さぁ大変!!みたいな子供向けなノリかと思いきや、案外中盤~後半にかけて絡みではダークで暗めな展開に。
人の死もはっきりと描写されたりと、本当に小さいお子様は結構怖いかもしれない。とはいえジェイコブさん関連のシーンはどれも楽しく、物語の緩急は主人公のニュートではなくほぼジェイコブが担っているといっていいほど。終盤の「ノーマジの記憶は全員消さなければいけない」場面でのジェイコブとニュートたちのシーンは、ベタだけどジーンとする!
全ての記憶が消えた後も、ジェイコブのベーカリー店舗の資金をこっそり援助してあげるニュートとの友情とか、ベーカリーで売ってるパンが忘れているはずの魔法動物たちの形をしてるとか、最後にクイニーと再び出会った時に、かつて魔法生物に噛まれた首筋をかいていたりとか・・・。忘れても、どこかで記憶が残っていることを暗示させるラストにはほっこりさせられます。
最後に
吹き替えは主役の宮野さんをはじめアニメや洋画の声優さんで揃えられているので、最初から最後まで違和感なく見られました。とくにクイニー役の遠藤綾さんの舌ったらずな甘い声はハマってましたね。個人的にはナラーク役で大友龍三郎さんが出ててテンション上がりました。ゼロ卿ぅ!!
この作品に関してはハリポタを見ておく必要はほぼないけれど、ファンタビの続編があるとすればハリーポッターのダンブルドアの過去について知ってないとついていけなくなる可能性が高そうなんで、色々と予習しておいた方がいいかも?
個人的にはラストの彼にはもうちょい救いが欲しかったなぁ。もう見てて可愛そうでね・・・(涙)。あと続編ありきだからなのか、オブスキュラス関連やグレイブスの話は難しく、説明不足感が目立ったのがちょっと残念。
でも一番残念なのは、ニフラーのぬいぐるみが映画館に売ってなかったことだったりして・・・。
↓今週の金ローはこっち!