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ルパン三世vs名探偵コナン 感想(ネタバレあり)~最高の頭脳を持つ探偵と泥棒が競演する、夢のアニメスペシャル!

ルパン三世 VS 名探偵コナン [DVD]
「俺の名は、ルパン三世」
「俺の名前は江戸川コナン」
「・・・探偵さ」

お祭り度 ★★★★
コメディ度 ★★★
コナンくんの身体能力 もはや人間じゃない。
結論:対決・・・しねーじゃん!!

2009年 日本
監督:亀垣一

※犯人の正体やラストのオチ含むネタバレあり。
ご注意!

目次

あらすじ

自然美しいヴェスパニア王国。
未知の鉱石が発見され、いま世界中から注目を浴びるこの国で、女王と王子が狩猟中に死亡するという痛ましい事故が起こる。

一週間後。
東京のサクラサクホテルでは、親日家であったサクラ女王が進めていたパーティーにミラ王女がやってくる。が、事件のドサクサに紛れ王女が脱走。そして自分とそっくりな少女・毛利蘭と出会い、無理やり入れ替わってしまう!

一方その頃。
ヴェスパニア王国の至宝「クイーンクラウン」を狙い、あの世紀の大泥棒も動きだしていて・・・!?

アニメオリジナルキャラクター

■サクラ女王(演:鈴木弘子) 
ヴェスペニア王国の女王。冒頭の事件で死亡。
同じ名前である日本の「サクラ」を気に入り、親日家としても有名だった。
自然を大切にしており、動物を殺す狩猟のことも「野蛮」といっていたが、若い頃は近代五種競技で優勝しているなど、スポーツも万能だったようだ。

■ジル王子(演:福山潤)
冒頭の事件で死亡。
幼い頃から野球などスポーツが好きで、狩猟もスポーツの一貫として楽しむ予定だった。

■ジラード(演:屋良有作)
事件当時一緒に狩猟をしていた人物で、ジルの叔父にあたる。
彼の話によれば、獲物を狙っていたジル王子が、キツネを逃がそうとしてたサクラ女王を撃ってしまい、錯乱。ジラードが持っていた銃を奪い自殺してしまった・・・という。
普通に考えれば第一容疑者だが・・・?

■ミラ王女(演:堀江由衣)
母と兄を失くし、未来の女王候補となってしまった王女。
本人は国民の反発を目の当たりにしたこともあり、頑なに王位継承を拒否している。

双子かと思うほど蘭にそっくり。(でもはミラの方が大きいらしい)
ホテルを脱走し蘭と入れ替わったあとは不二子に誘拐され、以後彼女と行動を共にする。

作中では家族を亡くした悲しみから、気にくわないことがあるとすぐキースに当り散らすなどワガママでお転婆な王女として描かれているが、本来は心優しい性格の持ち主である。

■カイル(演:楠大典)
ミラ王女のSP。
SPのリーダーなのに、脱走したミラを追いかけていたところで蘭と遭遇し、ぶっ飛ばされてしまった可愛そうな人。だがのちに蘭を巻き込んでしまったことを小五郎に謝罪するなど、人柄は誠実そのもの。

■キース(演:緑川光)
ミラの側近。
王女が蘭と入れ替わったと知った後も、高木刑事や小五郎の反対を押し切り、身代わりの蘭をヴェスパニア王国へ連れ帰ってしまったりと行動が怪しい。

コナンサイド

■江戸川コナン(演:高山みなみ)
ご存知名探偵。
ミラ王女にワインをついだソムリエから煙草の匂いがしたことでニセモノだと見破ったり、ルパンたちに会った時も、些細なクセから彼らが只者ではないと瞬時に見抜いたりと、相変わらずの推理力で活躍する。

しかし今作で特筆すべきはむしろ身体能力の方であり、スケボーでとんでもない距離を飛んだり、離陸する直前の飛行機に飛び込んで侵入するなど尋常ではない。

ラストではルパンに「今度あったら捕まえるから」と言うシーンもあるが・・・それはとっつぁんの生きがいなんでとらないであげてください。

■毛利蘭(演:山崎和佳奈)
王女のSPを素手でぶっ飛ばす、相変わらず日本で一番強い女子高生。
今作では自分とソックリのミラ王女と出会ったことで無理やり替え玉にされ、事件に巻きこまれる。・・・が、本物のお姫様衣装に本人はまんざらでもない様子だった。おいおい。

■毛利小五郎(演:神谷明)
相変わらずのへっぽこ探偵・・・かと思いきや、ミラ王女を狙った不届き者を見事な一本背負いで倒したり、連れ去られた蘭のために王国まで駆けつけたりと終始良き父親っぷりを見せ付ける。
終盤の彼の推理シーンは色んな意味で必見。

ルパンサイド

ルパン三世(演:栗田貫一)

「サクラが教えてくれたのさ・・・」

ご存知世紀の大泥棒。
だがコナン世界では、小説の人物のような架空の存在に近い認知度だった。
ヴェスパニア王国に伝わる「クイーンクラウン」と「鉱石」を盗みに王国へ潜入する。

今作ではコナンの年齢層に合わせてかギャグ担当で、まっちんぐグ~!や「まいう~」などその当時の日本のギャグを連発。お約束のルパンダイブも披露する。

解決パートでは小五郎に変装しており、コナンの麻酔針を避ける、コナンの序盤の推理を聞いて真相に気付く・・・などキレ者っぷりを見せ付ける。しかし好き勝手に喋りまくるため、声を当てているコナンに怒られる場面も。

実は以前にもクイーンクラウンを盗みにきており、当時の若きサクラに「私も連れていって」と頼まれるも、「この国が平和になったらまた盗みにきてやる」と言い残し、彼女に王冠を返して去った。・・・クラリスといい相変わらず姫様によくモテる男である。

サクラの死のニュースを聞き、約束を果たしに再びクイーンクラウンを盗み出すが、王冠はかつてのサクラと同じく、本来あるべき場所・・・ミラ女王の頭上へと被せられた。

終盤ではコナンが工藤新一であることを暴いており、コナンの正体を知る数少ない人物となった。組織側でも知っている人物は少ないのに、一体どんな情報網を持っているというのか・・・。

次元大介(演:小林清志 )

「二度とパパと呼ぶな!」

ご存知ルパンの相棒・・・のはずが、なんと今作では中盤はコナンとコンビを組み、日本人の親子のフリをして活躍。この意外なコンビっぷりが人気を博したのか、続編の映画でもパパ呼びは継続された。

ルパンに先んじてヴェスパニア王国に侵入。兵士たちの教育係として「先生」と呼ばれるほど慕われる。が、指導に本気を出しすぎたことで手痛いしっぺ返しを喰らうハメとなる。

石川五ェ門(演:井上真樹夫)

「下ネタか・・・」

上述の二人に比べれば出番は少ないが、お馴染みの斬鉄剣でルパンの窮地を救う。

銭型警部(演:納谷悟朗)

「9分13秒前を思い出してみろ!」

いつものとっつぁ~ん。
なんと目暮警部の友人として登場する。どうゆう交友関係なんだ・・・。
些細な一言からルパンの変装を見抜いたりとなかなか有能で、終盤は象すら眠らすコナンの麻酔針が当たるも驚異的なスピードで目覚め、コナンの度肝を抜く。

象を30分も眠らす麻酔を毎回打たれてる小五郎のおっちゃんの立場ェ・・・。

峰不二子(演:増山江威子)

「でも・・・本気にさせたボクが悪いのよ?」

ご存知謎の美女。
サクラサクホテルに潜入しており、騒ぎに乗じてミラ王女を誘拐する。
ミラ王女を狙う一味を華麗に撃退し、道路をスケボーで激走する小学生と出会っても特に驚くこともなくバイクで逃走劇を繰り広げる。
実はとある人物から王女を無事王国まで護送するよう、金で雇われていた。

事件解決後、密入国の罪により警察に連行され、出国手続きをすれば正体がバレてしまう・・・と焦るコナンを、潜水艦で日本まで送り届けてくれる。しかしその間、コナンの若返りの秘密を知りたいと、色んなところを触りまくるという暴挙に出る。つまりおねショタEND・・・?

犯人は?

サクラ女王が撃たれたのは、彼女が愛した桜の木の前。
コナンはそこで「母親が愛していたサクラの花に向かって、息子が銃を撃つのはおかしい」という疑問を抱く。

そして、
・本来左利きのジル王子が、右手に拳銃を持っていたこと。
・実はサクラ女王は射撃大会で優勝するほどの腕前で銃の知識があり、動物の命を奪わないよう、狩猟用ライフルの弾を改造。空砲にしたものをジルに渡していたこと。

これらのことから、二人の死は誤射による事故と自殺ではないと判断。
そして一緒に狩猟をしていたはずなのに、弾が空砲であることを知らなかった人物は・・・叔父のジラードだった!

動機は、完全なステルス機能を持つ兵器を作れるヴェスパニア鉱石の発掘を、姉である女王が自然破壊を理由に拒否したため。

兵士はみな買収済み、広間には爆弾をしかけてその場にいる全員を脅迫。キースを己の仲間に誘うも、ミラ王女に自由な1日を与える為、密かに不二子を雇っていたキースは誘いを拒否する。

だが、不二子がルパンから盗み出したヴェスパニア鉱石を使ったアイテムにより、爆弾を一時的に無効化。各々の活躍により兵士は撃退、ジラードは取り押さえられ、ミラは女王になることを決意。一件落着となった。

普段よりもコメディータッチのストーリー!

コナンの視聴者層にあわせてが、比較的低年齢にもわかりやすいギャグが多く、コメディよりなストーリーとなっている。一応事件は起きるものの、犯人候補がほぼ一択なため推理するまでもなく、謎らしい謎もない。あくまでアニメスペシャル。お祭り作品の一つとして深く考えずに見るのがいいだろう。

今では貴重なキャスト陣の共演!

小五郎の声が神谷明さん、そしてルパンのキャスト陣は納谷悟朗さん、井上真樹夫さん、増山江威子さんという、映画版ではもう見る事ができない交代前のキャストによる最後のコラボ作品。特に、神谷さんが演じる「小五郎に変装したルパン」の芝居が観れるのはこのアニメスペシャル版だけ。映画版しかまだ見た事がない!という人にはオススメの作品だ。

~こんな人にはこの映画はオススメできません~
■ハードボイルドなルパンを愛している人
低年齢層に合わせているため、ルパン一行のシビアな面は一切描かれない。別人格と割り切ってみれない人にはおすすめできないかも。

最後に

金田一とはゲームでコラボしてましたけど、まさかルパンとコラボするなんて・・・。当初は大爆死必死かと思いましたが、思い切ってギャグによったことで逆に矛盾や粗が目立たず、ノリで観れるお祭りアニメとしてなかなか楽しい作品になったのかもしれません。そして一夜きりの夢のコラボだと思いきや、まさか映画にまでなるとは・・・!

本日10月7日の金曜ロードショーで放送される映画版は、このアニメスペシャルの続編。キースが引き続き登場したり、ちょこちょこリンクしていたりもするので、アニメスペシャルと映画版、合わせて視聴すると色々面白いですよ!

↓映画版の感想はこちら!