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蛍火の灯る頃に 感想(ネタバレあり)~ひぐらしのあのキャラも参戦!?小池ノクト×竜騎士のタッグが送るサバイバルホラー!

蛍火の灯る頃に(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
竜騎士07の大ヒットシリーズの「~頃に」最新作がついに登場!
舞台は日本の田舎!まるでどっかの雛見沢じゃないですかー!
でも、時代設定は竜騎士さんには珍しい「現代の日本」!
どこにでもある日本の寒村・平坂村・・・そこで巻き起こる恐怖とは?早速レビューしてみます!

※コミックス1巻のストーリーのネタバレあり。

目次

あらすじ

祖母の死をきっかけに、『平坂村』に里帰りをした忠村家の長男一家。だが連れ子である月(ゆえ)は、母親が祖母の金を全て事業に使い切ってしまったまま失踪したことで、父親の兄弟たちから辛く当たられていた。

しかし。
月はその夜、祖母の遺体が動き出し、いずこかへ去ってしまうところを見てしまう。

恐怖の一夜が明けた後、
なぜか平坂村の頭上には、太陽が2つ輝いており・・・!?

登場人物紹介

/長男一家/

■忠村月(ゆえ)
忠村家長男・正志の再婚相手の連れ子。
血が繋がっていないため他の親族から信用されておらず、特に父親の弟で次男の信輝からは、母親の行方を知っていて黙っていると疑いをかけられている。(月自身は「母親は全ての責任をとり、自殺している」と考えており、母親が生きているとは思ってはいない)

■忠村幸人(ゆきと)
正志の息子で月の義兄。
就職していたが急に仕事を辞めてしまったらしい。理由は今のところ不明。ソシャゲ中毒のニートだが、村が危機的な状況に陥った途端、急に生き生きとしだす。

■忠村正志
月と幸人の父親。
冷静沈着な人物だが、家庭を顧みずに仕事に没頭していたことで前妻を亡くしたというトラウマからか、後妻の事業失敗の穴埋めに1億円を借り続けてしまった。

■忠村夢子
月(ゆえ)の母。
正志は結婚前から女性実業家だった夢子を公私ともにサポートしていたという。事業失敗の資金繰りのために祖母の1億円をすべて融かしきったあと、失踪。現在も行方はわかっていない。

/次男一家/
※母親は都合で里帰りしていない

■忠村信輝
ガラの悪い見た目通りの性格をした次男。
母親の財産を食い潰した夢子と娘である月を目の敵にしている。

■忠村輝美(てるみ)
信輝の娘。
劇団に所属しており、将来の夢は女優だというが・・・。どうみてもビッチ枠。

■忠村輝也(てるや)
輝美の弟。
こいつもソシャゲ厨。幸人からは姉と揃って「テルテルブラザーズ」と内心で呼ばれている。

■忠村常雅
忠村家の三男。
兄弟のうち一人だけ独身で、バックパッカーが趣味らしい。
末っ子だからか穏やかな性格。

■おばあちゃん
亡くなった祖母。
生前はやたら迷信深く、村の数々のしきたりを息子たちに口うるさく注意していた。
一方で無欲な人物でもあり、宝くじで1億円を当てたが自身では一切使わなかった。

遺体はひとりでに動き出し、どこかへと姿を消してしまう。

萌え要素のない「~頃に」!

ひぐらし、うみねこなどには必ず登場していた可愛いヒロインですが、本作にはいわゆる「萌え要素」はなし!登場する女性キャラクターは(恐らく)みな成人済み。そのためB地区は見える。

しかし!
かなり序盤からホラー要素は全開!
本作はミステリーよりも純粋なオカルトホラーに近い作品となっています。・・・今のところは。

村を襲う怪奇現象

突然消えた祖母の遺体。
不気味に輝く2つの太陽。
人が消えた家。
謎の白い霧。
凶暴化した動物・・・。

ラジオも電話も水道も止まり、昨日まで普通だった食料は全て腐り落ちている。絶望的な状況の中、村は夜には巨大な『鬼』が歩き回る異界と化してしまう・・・!

だがそこに、一人の女性が現れて・・・!?

鷹野が登場!

鉄すら食い破るほどに凶暴化したわんちゃんに襲われてしまった正志たち。父親を救う為に逆にピンチに陥った幸人たちを助けたのは、猟銃を持った妙齢の美女!

彼女は『鷹野』
とある研究者だという。

なんとひぐらしではお馴染みのあの鷹野が、「蛍火」にも登場!本作では主人公たちを助ける側として現れますが、果たして彼女は本当に味方なのか・・・?どうしても疑ってしまいますね(笑)

この村はいま「地獄」だという鷹野。
"何か"を知っているらしい彼女の正体が気になりますが、帯には、

「生きて脱出できたら、勝ち」
「日本の田舎が舞台なのね。雛見沢を思い出すわぁ」
「行くわよ。私の分身」

という意味ありげな文章が並びます。
この文章の感じはうみねこのラムダっぽい気もしますが・・・鷹野がひぐらしの「鷹野」と同一人物なのか、それともサービス的な存在なのか?ファンとしては色々考えちゃいますね。

平坂村の謎と考察まとめ

蛍の謎

異変が起きる前に、月が見た蛍。
最初はただ庭で見かけただけだったが、夜、一人目覚めた月は部屋の中でもたくさんの蛍を目撃。さらに蛍は祖母の遺体がある居間へいき、その直後遺体が動き出していることから、何かしら怪奇現象と関係がありそうな予感。

元々通夜の蝋燭番というのは「魔よけ」という意味もあるので、月が見た蛍はホンモノの昆虫ではなく、禍々しい何かだった可能性もある。

村の謎

現在村で起こっている怪奇現象のうち

・太陽が2つ昇っている(幻日?)
・忠村家の人間7人以外の村人が全員消えている。(全ての家の扉は開けっ放しになっており、飼っていた犬も消えている)
・ラジオ・水道・電気が全て使えなくなっている。
・村を取り囲んでいる白い霧は、近づくと激しい頭痛に見舞われるため、霧を超えて外へ出る事ができなくなっている(毒ガス?)。

これらはまだ自然現象と、何らかの人為的な災害?でギリ説明ができるが、説明不可なものとしては

・人の顔をしたハエの大量発生(餓鬼蝿と作中では紹介されているが、実際にはそのような妖怪の類は存在していないので、恐らく創作)
・周囲の森の草が刃のように鋭くなっている。
・鉄製の農具すら食い破るほどに凶暴化した犬がいる。(ただし銃でなら殺せる)

これらはどう考えてもオカルト。
これが月目線で語っていることだったり、後々発見されたボトルメッセージに書かれた内容でなければ、本当に怪奇現象が起こっていると考えた方がよさそう。

『平坂村』といえば普通の名前にみえるが、黄泉比良坂(よもつひらさか)の「ひらさか」から取られているのであれば、この村は現世と黄泉の境界ということに・・・。

鷹野の話によれば、この村は以前にも地獄になったことがあり、それが言い伝えとして残っているようだが、いなくなった村人は鬼に喰われてしまったのだろうか・・・。

おばあちゃんの謎

小さい頃から、異常に「しきたり」には厳しかったという祖母。だが村が地獄となったあとも、正志や親族たちだけが無事だったのは、家に魔除けのお守りあったからだという(鷹野談)。おばあちゃんの遺体が消えた事が怪異現象のはじめの一歩だったことといい、彼女は村を守っていた巫女的な存在だったのだろうか?村が地獄になったのも、彼女の死が関連しているのかも?

鷹野の謎

予告編0話で、「この村で再びあれが繰り返されることはわかっていた」というセリフがあることから、最初から村がどういう状況になっているか解っていたと思われる鷹野。

だがいくら銃を所持しているからとはいえ、危険生物がこれだけ跋扈している中で彼女が生き抜いているのは不自然に見える。最初から襲われないよう、魔除けか何かを持っているのか。彼女が村を地獄にした黒幕だとは思えないが・・・いかんせん前科のせいで、本当に生きている人間なのかも疑わしい。

作画の小池ノクトさんといえば!

深海6000メートルの巨大プラントが地上から切り離されてしまうという絶望的な密室の中で蠢く狂気を描いた「6000─ロクセン─」や、謎の細菌によるパンデミックなパニックホラー「マッシュルーム」など、ずっしりとしたホラー描写に定評がある小池ノクトさんが作画を担当!
道尾秀介の小説「背の眼」のコミカライズも好きなので、今回のタッグは本当に嬉しいかぎりです!

最後に!

今のところ推理要素っぽいものは薄く、まだサバイバルホラーの側面が強いです。ただこの地獄の正体は何なのか?なぜ鷹野は現れたのか?そういった面での考察要素は増えてきそうな予感。

現在はpixivコミックで1巻分が無料で読めます。アカウントを持っている人方は試しに読んでみることをオススメします!

↓2巻の感想はこちら!