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びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る感想サイト。ネタバレ多め。

【映画】ゴジラ(1954年)感想~初代「呉爾羅」!人の業が生み出した怪獣の悲しき最期・・・※ネタバレあり

ゴジラ(昭和29年度作品) [60周年記念版] [DVD]

BGM ★★★★★
重厚感 ★★★★
結論:真の"怪獣"映画。

1954年 日本
監督:本多猪四郎
   円谷英二

原作:香山滋

度重なる水爆実験により、目覚めた怪獣・ゴジラ。
幾多の船を沈め島を蹂躙したゴジラは、ついに東京へ上陸する──!

※ストーリー、及びラストのネタバレあり。

登場人物

■ゴジラ
この映画の主役。
正体は大戸島付近の海底深く眠っていたジュラ紀の恐竜の生き残りであり、名前の由来は島に伝わる伝説の魔物「呉爾羅(ゴジラ)」から。言い伝えによれば、不漁が続くのは呉爾羅のせいであり、魚を喰らい尽くすと島へやってきて人間も襲うのだという。そのため遥か昔には女性を生贄に捧げていたこともあったらしい。

水爆実験の影響で目覚めたせいか、口からは放射能を帯びた熱線を吐く能力まで追加された。

平成ゴジラと違って、おめめがくりくりしている。

■尾形秀人(演:宝田明)
人間側の主役。
それなりに活躍してるハズなのに影が薄い。

■山根恵美子(演:河内桃子)
尾形の恋人で山根博士の娘。
彼女が芹沢に会いに行ったことがキッカケで、ゴジラ撃退の糸口が見つかる。

■山根恭平(演:志村喬)
生物学者。
ゴジラが水爆の実験で目覚めたジュラ紀の恐竜であることを調べた人物。水爆の影響を受けて尚生きているゴジラを貴重な研究対象と考え、殺すことばかり考えている対策チームに難色を示している。ゴジラもまた「水爆実験の被害者」と考えている節があり、その点でもゴジラに同情的ともいえる。

■新吉(演:鈴木豊明)
大戸島に住む少年。
嵐の夜、島にやってきたゴジラに兄と母親を殺されてしまい、山根博士に引き取られることになった。

■アナウンサー(演:橘正晃)
東京へ上陸し、街を襲うゴジラの様子を実況していた名も無きアナウンサー。テレビ塔に迫り来るゴジラの姿を目前にしながらも、最後の最後まで実況していた。この映画の名シーンである。

■芹沢大助(演:平田昭彦)
眼帯の上からグラサンという斬新な姿で登場する博士。黒眼帯+白衣という中学二年生憧れの出で立ちをしている。

実は恵美子の元婚約者だったが、片目を戦争で失ってからは婚約を破棄し酸素の研究に没頭。その結果、水中の酸素を破壊し、あらゆる生物を一瞬で窒息死させ、溶解させる液体酸素破壊剤《オキシジェン・デストロイヤー》という兵器を開発していた。

当初はこの実験が各国の目に触れることを恐れ、公表しないよう恵美子に固く口止めしていたが、東京で大勢の犠牲者がでたことで、我慢できなくなった恵美子が尾形と共に説得にやってくる。苦悩の末、兵器を自ら使用することを決意。誰も研究を悪用できないよう全ての資料を破棄し、尾形と共にゴジラがいる海底へと向かう。

が、尾形が地上に戻ったのを見届けた後、彼に「幸福に暮らせよ」と言い残し、自らの頭の中にある設計図をこの世から永遠に葬り去るため、自身もまた、ゴジラと共に海へと消えた。

子供向けではない初代ゴジラ

平成版ゴジラで育った世代なので、恥ずかしながら初代ゴジラの視聴はこれが初!一番昔の記憶でも、アンギラスと一緒に字幕で会話していたコミカルなゴジラしか覚えていません。そんな自分にとって、崩壊する家屋の下敷きになって死ぬ親子、放射火炎に焼かれて死ぬ兵隊、逃げ遅れ潰されていく人々、子供を抱きしめ「もうすぐお父ちゃんのとこへいける」という母親などなど、明確にゴジラによって殺されていく人々が描かれていたことは、結構な衝撃でした。

この映画のゴジラはまごうことなき『破壊神』。電車を咥え脱線させ、街を手当たり次第に放射能で焼き払い、あとには放射能で被爆してしまった子供たちが残される・・・。東京は恐怖と哀しみに包まれます。

しかし最後は芹沢博士の兵器によって、ゴジラは海の中で溶けていきます。これがハリウッド映画なら、この後は「オレたちの勝利だ!!」と喜び、ヒロインとチューしてハッピーエンドですが・・・

最後のゴジラの叫び声、そして溶けて骨になっていく姿をみると、なんとも悲しい気持ちになります。大勢の犠牲者を出しているのにも関わらず、見ている人間はゴジラに哀れみを感じてしまうのです。

しかしゴジラすら倒す強力な兵器を作った芹沢博士も、最後はゴジラと共に自身も葬ってしまう・・・。自分が作ったものへの大きすぎる責任を全うするには、こうするしかなかったのでしょうか。

勝者はいない。
ゴジラは倒したけれど、人間はそもそも勝ったわけではない。
人間が愚かさを反省しない限り、また新たなゴジラが生まれ続ける・・・戦後まもない時代だからこその、強烈なメッセージ性を持った映画でした。

伊福部 昭さんの音の素晴らしさ

巨大な怪物が、圧倒的な重量で街を蹂躙していく・・・ゆっくりとした動きにも関わらず鈍さを感じさせないのは、重厚感がありつつも盛り上がる、あのメインテーマのお陰なのではないかと思います。

サビの部分ならピアノを習っていない小学生でも弾ける、誰もが知っている名曲「ゴジラのテーマ」を作った伊福部 昭さん。彼はテーマソングだけではなく、あの独特なゴジラの鳴き声も発案していたそうで・・・ゴジラの音は本当に伊福部さんあってこそのものだったんですね。

ちなみに当時の小学生たちはゴジラのテーマを「ゴジラ、ゴジラ、ゴジラとメカゴジラ♪」って替え歌してましたが・・・これは平成ゴジラのもの。昭和の時代はどういう替え歌だったんでしょうね?

最後に

子供の頃はガメラが「正義の味方=よい子」、ゴジラが「喧嘩番長=強いヤツみるとオラわくわくそっぞ!」・・・なイメージでした。けど、初代ゴジラは誰と戦うわけでなく、ただ新しい住処を求めてさまよっているだけなんですよね。だからこそ、断末魔をあげて海の中に沈んでいくゴジラが、可愛そうで仕方ないのかもしれません。

平成ゴジラも勿論好きですが、初代ゴジラも胸を打つ名作でした。

現在はhulu「ヘドラ」「ビオランテ」「キングギドラ」などなど、初代ゴジラから平成ゴジラまで、シリーズ28作品を見る事ができます!(1日1作品ずつ配信なので、7月20日時点ではまだデストロイヤーは未配信ですが)

平成ゴジラしか見た事が無いという方、これからシン・ゴジラを見る予定がある方は、この機会に懐かしのゴジラを見直してみるのもいいんじゃないでしょうか?新たな発見があるかもしれません。