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【映画】アラクノフォビア ネタバレ感想~トラウマを超えて、猛毒グモに立ち向かえ!

映画 アラクノフォビア 女王蜘蛛

恐怖度 ★★
コメディ ★★★
脇役のキャラの濃さ ★★★★
結論:デルバート専用BGMとか面白すぎない?

1990年 アメリカ
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
監督:フランク・マーシャル

※ラストのオチを含めたストーリー、及び死亡者などのネタバレあり!ご注意!

ジャングルで新種のクモを探す昆虫学者・アサートン博士。大量の虫の死骸を集めていた彼は、手持ちの薬でも死なない新種のクモを発見する。が、調査中にカメラマンが死亡。彼の遺体は、生まれ故郷の町に運ばれることになった。
──彼を殺した、殺人グモと共に。

/主要人物/
■ロス(吹:大塚芳忠)
幼少期のトラウマで、タイトルのアラクノフォビア(クモ恐怖症)になってしまった医者。引退するメトカーフ医師の後釜として田舎町・カナイマに越してきたが、彼が急遽引退を取りやめたせいで、今のところ患者はマーガレットのみ。

■マーガレット(吹:牧野和子)
元教師。
メトカーフの心変わりのせいで一人途方にくれていたロスの味方となってくれた唯一の患者。色々と力を貸してくれた素敵なおばあちゃんだったが、彼女が町での殺人蜘蛛の最初の犠牲者となってしまう・・・。

■メトカーフ医師(吹:上田敏也)
町の老医者。
人気取りに苦心するあまり、肝心の医療の腕前と性格は悪い。自分がマーガレットに出していた高血圧の薬をロスが止めさせたせいで彼女が死んだと思い、検死をさせなかった。そのことが己の死期を早めることとなる。

■アサートン博士(吹:石塚運昇)
昆虫学者。今回の元凶。
毒クモの仕業だと気付いたロスから連絡を受けカナイマへやってきた。毒グモの調査には大いに貢献するものの、生きたままのサンプルを採集することに拘り続けた事がアダとなった。

昆虫のプロなのに・・・猛毒のクモがいることが分かっているというのに・・・そいつらの巣に素手で乗り込むとかアホなの?

■デルバート(吹:麦人)
「素人さんの出る幕じゃない・・・」
という初登場シーンから面白キャラの雰囲気を醸し出していた害虫駆除の人。何故か専用BGMがやたらとユーモラス。終盤は「害虫皆殺し」という会社名に恥じない働きを見せる。

■殺人グモ
最初から全力で人間を殺す気マンマンのクモ。明らかに自分からジャングルの外へ出たり、自分より遥かに大きい生き物でも見境なく襲うというガッツの持ち主。

元々は生殖機能を持たなかったが、ベネズエラから遥か遠く離れたカナイマで現地妻を娶り、ロマンチックなラヴシーンのあとに全力で子作りに励む。

最大の見所:クモの名演!!

終盤の「次々に上から釣り下がってくるクモのシーン」はいかにも作り物くさくて、本気で驚く芝居をしているジェフ・ダニエルズさんには申し訳ないのだが爆笑してしまったものの、全体を通してみれば、本物のクモと作り物であるクモを非常にうまく使って撮影されている。これらの本物のクモの動きは、CGでは出せないこの時代のホラー特有の良さがあり、なかなかの見ごたえ。

彼ら(蜘蛛)による「さぁこれから人間を殺すぞ!!」という意思(?)が感じられる名演技は、一見の価値あり。

作中きっての面白キャラ:デルバート

じわじわと迫りくる猛毒クモの恐怖!・・・を全力で中和してくれるのが、初登場から視聴者の腹筋を破壊しにかかってくる、害虫駆除業者のデルバート。とにかく一つの一つの発言がすべからく面白い。ぶっちゃけラストのロスと殺人グモの死闘よりもデルバートの存在の方が強烈である。

そしてなんといっても彼の最大の特徴といえばBGM。序盤から彼が登場するたびにユーモラスな曲が流れ、さきほどまであった緊張感が一瞬にして消し飛んでいくのだ。(製作総指揮はスティーブン・スピルバーグだが、この演出は何を意図してやっているのか非常に気になるところである)

さらに、ラストでは主人公一家のピンチにゴーストバスターズを彷彿とさせる格好で駆けつけ、テンションアゲアゲなBGMが流れる中「ぶちかますぜ!」と言ってぶちかますシーンがちょろちょろと水をかけているようにしか見えず、実際はお役立ちなのだが最高に盛り上がらない救出シーンをみせてくれる。

「あ、このホラー映画は笑っていい奴だ!」と安心して視聴できるのは彼の功績といえるのかもしれない。

安心してください、怖くないですよ!

この映画はデルバートを筆頭に、「長いものには巻かれろ!」を地でいくパーソンズ保安官や、のんきな性格な葬儀屋のアーヴなど、一癖も二癖もある面白い脇役ばかり登場する。上述したようにギャグとしか思えないシーンも多く、人が死ぬシーンもグロくないので、あくまでクモが嫌いでなければ笑って楽しめるコメディホラーとして充分な作品ではないだろうか。

~こんな人にはオススメできません~
■アラクノフォビアな方
クモがこれでもか!というぐらい登場する。小さいクモがわっさわさしてるシーンとか苦手な人にはトリハダものなので注意されたし。

最後に

アラクノフォビア(クモ恐怖症)という言葉をこの映画で知りました。ムカデのキモさも大概ですが、クモのあの形は単にキモいというだけではなく、何か根源的な恐怖を想起させるものがあるんでしょうね。因みに自分もミミズは素手で持てますが、クモは子供の頃はダメな方でした。

でも、そんな嫌われ者のクモは実は益虫!
ぬ~べ~では「昼のクモは親の仇でも逃がせ、夜のクモは親でも殺せ!」なんてことわざもありましが、映画中でも「新居でクモを殺すのは縁起が悪い」なんてセリフがありました。クモはゴキブリなど害虫を食べてくれる虫なので、アメリカでも同じような迷信があるのかもしれませんね。

ブログ初のクモ映画、いや~結構楽しめました!これだから午後のロードショーは大好きです!!(笑)あ、でも午後ロー版ではラストシーンがカットされているようなので、本当に全編見たい方はDVDの視聴をおすすめいたします☆

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