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びーきゅうらいふ!

 ホラー映画やアニメやゲームを好きに語る

【ドラマ】わたしを離さないで 感想(ネタバレあり)~原作との違いについて

ドラマ

TBS系 金曜ドラマ「わたしを離さないで」オリジナル・サウンドトラック

TBSにて放映されていた「わたしを離さないで」をやっとこさ全話視聴しました。おもに原作との改変部分中心の感想となっております。ドラマ版、及び原作のストーリーとラストのネタバレありなので、未読・未視聴の方はご注意ください。

ドラマの改変部分について

原作は既に読んでいたので、ストーリーは絶対に改変されるであろうとは思ってはいました。原作未読の方もすんなりと入りやすいように、解り易くしていた部分もありましたが、それ以上に個人的には「う~ん?」と思う箇所が非常に多かったのもまた事実。以下、相違点を含めざっくりと感想をまとめてみました。

原作では重要なシーンだった、マダムが涙するシーン

ドラマ版では「CDをかけながら友と恭子が二人で踊っていたところをマダムが見て涙していた」というシーン。ここは原作では、キャシーが赤ん坊に見立てた枕を抱きながら一人で踊っているシーンとなっています。

原作ではこの時、キャシー(ドラマ版の恭子)は自身が子供を産めないクローンであることから、「オーベイビー、わたしを離さないで」という歌詞の内容に対し、「子供を産めなかった母親が、ある日奇跡が起きて子供を授かる。女性は赤ん坊を抱きしめながら、この歌を歌っている」というイメージを浮かべながら、一人、曲に合わせてスローダンスを踊っています。(実際この歌の「オーベイビー」とは恋人のことです)

そしてマダムが涙した理由は、そんなキャシーの姿を見て、「(クローン技術が生まれた)新しい残酷な世界の中で、少女が二度と戻らない、消えていく古い世界を必死に抱きしめているように見えたから」となっています。

この原作のマダムの感情は映像化するには難しいものがあるので、ドラマでは涙した理由が、「あなたが今抱きしめているものを、大切にして欲しいと感じたから」とわかりやすいものに変更されたのは良かったと思います。

ですが原作の本の表紙にもなり、さらにタイトルにもなっているほど、キャシーにとって大切な「歌」に対する思いが描かれたシーンを、「友と二人で踊るシーン」にする意味は果たしてあったのか、ちょっと疑問でした。(ドラマ版では無垢でいられた子供時代の1シーン、という意味合いの方が強くなっていたように感じます)

でもあれだけ1話で重要なフラグっぽい雰囲気を出していたのに、最終話でこの流れが結構あっさりと解決(?)してしまったので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。

オリジナルキャラクター・真実

ドラマオリジナルのキャラクターで、クローンの人権問題を提起し自決した真実。印象的なキャラクターでしたが、特に子供時代を演じているエマ・バーンズさんが纏うミステリアスな雰囲気は、前半の子供時代を描いたドラマ(と私のテンション)を大いに盛り上げてくれました。

原作ではクローンの人権問題は主題ではないので、こういった試みは確かにドラマオリジナルの要素としてやる価値はあったのではないかとは思います。

ただ、原作には無い説教臭さが増してしまった感は否めませんが・・・。

解せなかった最終話のエピソード

最終話は一番評価が分かれたのではないでしょうか。

個人的にどうしても解せなかったのは、「陽光から抜け出したことで、他の生徒とは違いまだ子供だったのにも関わらず、強制的に臓器提供に回されてしまった男の子」・・・ヒロキくんの心臓を貰った人間が登場する、ドラマオリジナルのエピソード。

このシーンの龍子先生が言っていた言葉には全く共感出来ませんでした。男の子自身が望んで提供したわけでもなく、強制的に子供の頃に提供にさせられて(いわば殺されてしまっている)のにも関わらず、いい話風にまとめてあったことには恐怖しか感じません。

ストーリーを解り易くする狙いがあったのでしょうが、クローンという"人間"をまるで「牛さん豚さんありがとう、命って大切ね」のような扱いのストーリーにしてしまって良いのだろうか。そこは感動どころにしてはいけない部分では??

提供してもらった人間側の、クローンに対する「生まれてきてくれてありがとう」は、イコール「わたしたちのために死んでくれてありがとう」という意味での感謝であって、純粋に彼らの生を尊んでいるわけではないと思うのですが・・・。

わたしを離さないでって言っちゃった。

同じく最終話で、「わたしを離さないで」というセリフを恭子が言ってしまったのも残念でした。この言葉はセリフとしてではなく、タイトルがどんな意味を持つのか、最終話まで観てそれぞれが感じてほしいと思う言葉でした。とはいえこれは原作既読の人間にしか引っかからない部分ではあるのかも。

しかし一番の不満はなんといってもCM

ドラマでは無表情の綾瀬はるかさんが、1秒後には満面の笑みで美しい髪をなびかせるという、あのCMの流れはなんとかならなかったのか。

まだドラマの世界がコメディだったり日常の世界と地続きならば許せるんですけど、この世界観でこれは・・・。

勿論主演の方のCM流すのは当たり前なんで、ドラマなんだから何を今更!と思う方が殆だとは思うのですが・・・。あまりにも萎えるので2話以降はリアタイ視聴を止めて、録画したのをCMすっ飛ばして観るようにしたのでいいんですけども。でもTV局側としては本末転倒なんじゃ・・・

【最後に】
個人的にはキャスティングに不満もなく、子役含めた役者陣の熱演は素晴らしかっただけに、ストーリーや演出面は残念だったといわざるを得ません。敢えて原作では主題にしていない部分を前面に押し出し、ドラマとして解り易くする必要があったとはいえ、単なる"愛と希望の感動話"で終わらせることはなかったのではないか、と思います。

あと、カセットテープがCDになってたのが地味に衝撃だったんですけど。今の若い子がカセット知らないから?A面B面とかわからないから?いいじゃん別にぃ!!

↓原作の感想はこちら!